外国人の人材紹介手数料・費用の相場|特定技能の料金体系と返金規定
目次
外国人採用で初期費用の大きな部分を占めるのが人材紹介手数料です。「結局いくら払うのか」が見えないまま契約すると、別料金が積み上がって総額が膨らんだり、早期離職でコストを取り戻せなかったりします。結論を先に言うと、特定技能では定額制が主流で1人あたり20〜60万円程度、技人国など専門職では料率制で理論年収の20〜35%程度(新卒・外国人採用は低め)が目安。ただし金額だけを見ても比較になりません。このページで、在留資格別の相場・料金体系・職業安定法のルール・返金規定・委託費との違いを整理します。
この記事の要点
- 在留資格で料金体系が変わる — 特定技能は定額制(1人20〜60万円程度)、技人国など専門職は料率制(理論年収の20〜35%程度)が目安。まずどちらの体系かを確認します。
- 金額より「含まれる範囲」と「返金規定」で比べる — 申請取次・渡航手配・支援委託費などが別料金だと、安く見えても総額は変わりません。早期離職時の返金規定(フィーバック)の有無もそろえて比較します。
- 本人負担・許可番号でコンプラを確認 — 外国人本人から手数料を取る業者や、有料職業紹介の許可番号が不明な業者はリスクです。職業安定法のルールを知ると、悪質な提案を見分けられます。
本記事の金額は、公開情報や一般的な市場水準をもとにした目安です。実際の手数料は、在留資格・採用ルート・分野・人材の状況・各社の料金体系によって変動します。正確な金額は見積もりで確認してください(PR)。
まずは、紹介手数料を含む「1年目の費用の総額」の見当をつけてみましょう。業種・人数・採用ルート・支援体制を選ぶと概算できます(各数値は公的な一次情報か市場の目安かを区別して表示します。試算は目安です)。手数料そのものの相場と料金体系は、このあと順に整理します。
特定技能 採用費用シミュレータ
概算(目安)条件を入れると「あなたの場合」の1年目の費用を概算します。実額は見積もりでご確認ください。
うち、特定技能の採用・支援にかかる費用(賃金・社会保険を除く):約75万円
初期費用(採用時に一度)
月額 × 12か月
出典・注意事項
委託料=出入国在留管理庁の意識調査(2022・平均28,386円)/申請手数料6,000円・認定証明書(海外)は無料=同庁(2025/4改定)/社会保険 事業主負担 約15.5%=協会けんぽ・日本年金機構・厚労省(令和7年度)/賃金=厚労省(特定技能 約22万円・分野別の公的一次は手薄なため想定月給で計算)。
人材紹介手数料・海外初期費用・行政書士報酬は市場の目安で、公的統計値ではありません。申請取次・書類作成は行政書士の領域です。金額は概算で、特定の額や「最安」を保証するものではありません。実額は見積もりでご確認ください。
人材紹介手数料とは(外国人採用の場合)
人材紹介手数料は、人材紹介会社(有料職業紹介事業者)に外国人材を紹介・あっせんしてもらった対価として支払う費用です。採用が決まったタイミングで一度かかる初期費用にあたります。
- 支払うのは採用する企業(求人者) — 後述のとおり、外国人本人から手数料を徴収することは職業安定法で原則認められていません。
- 完全成功報酬型が主流 — 特定技能の人材紹介では、採用が決まり在留資格の許可が下りた段階で請求が立つ完全成功報酬型がほとんどで、着手金は通常かかりません(請求の発生時点は契約で確認します)。
- 登録支援機関への委託費とは別物 — 紹介手数料は「人材を紹介してもらう費用」、支援委託費は「採用後の生活支援を委託する月額費用」です(後述)。
料金体系は「定額制」と「料率制」に分かれる
外国人の人材紹介では、料金体系が大きく2つに分かれます。見積もりを比べるときは、まずどちらの体系かを確認します。
| 体系 | 算定方法 | 主に使われる在留資格 |
|---|---|---|
| 定額制 | 1人あたり◯万円で固定 | 特定技能。給与水準が一定の範囲に収まりやすく、費用が読みやすい |
| 料率制(年収比例) | 理論年収の◯%(一般的な人材紹介と同じ) | 技術・人文知識・国際業務(技人国)など専門職。高年収ほど手数料が上がる |
なぜ特定技能は定額制なのか。 一般の日本人中途採用や技人国の専門職は年収の幅が広いため、理論年収に料率を掛ける料率制が合理的です。一方、特定技能は分野ごとに賃金水準が一定の範囲に収まりやすく、料率制だと低年収帯で紹介会社の採算が合いにくいため、定額制が主流になっています。料率制を提示された場合は、想定年収から金額を試算し、定額制の見積もりとそろえて比較しましょう。
職業安定法が定める手数料のルール(上限制・届出制・本人負担)
外国人の人材紹介も、日本人向けと同じ有料職業紹介事業(厚生労働大臣の許可制)です。徴収できる手数料は職業安定法で種類が限定されており、ここを知ると「なぜ料率制で理論年収の30%も取れるのか」「本人負担を求める業者は何が問題か」が分かります。
- 上限制手数料 — 支払われた賃金額の11.0%(免税事業者は10.3%)が上限。受付手数料は1件710円(免税660円)まで。※6か月を超えて雇用された場合などは別の計算方法があります。
- 届出制手数料 — 紹介会社が厚生労働大臣に届け出た手数料表の額を徴収できる仕組み。額そのものに法定の上限はありません。多くの人材紹介会社はこちらを採用しており、これが「理論年収の30%前後」といった料率制が成り立つ根拠です(上限制と届出制は、同一の相手に併用して徴収することはできません)。
- 本人(求職者)からの徴収は原則不可 — 求職者から手数料を取れるのは、芸能家・モデルや、年収700万円超の経営管理者・科学技術者・熟練技能者に限られます。特定技能をはじめとする現業の外国人材から手数料を徴収することは認められていません。
在留資格・採用ルート別の手数料の目安
紹介手数料は、在留資格と採用ルートで水準が変わります。同じ「外国人の人材紹介」でも、特定技能(定額制)と技人国(料率制)では見積もりの読み方が違います。
| 在留資格・採用ルート | 料金体系 | 手数料の目安 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 特定技能・海外からの呼び寄せ(未経験者) | 定額制 | 20万円前後 | 渡航費・送出機関費用は別にかかることが多い |
| 特定技能・国内在住者/経験者 | 定額制 | 30〜40万円程度 | 即戦力・定着が見込みやすい分、高めになりやすい |
| 特定技能・専門性や需要が高い分野 | 定額制 | 40〜60万円程度になることもある | 人材が集まりにくい分野・地域で上振れしやすい |
| 技人国(専門職)の採用 | 料率制 | 理論年収の20〜35%程度(新卒・外国人は低め、専門性の高い中途で高め) | 想定年収400万円・料率25%なら100万円程度が目安 |
特定技能の定額制と技人国の料率制では、金額の桁が変わります。自社が採用するのはどの在留資格かを最初に決めると、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。手数料以外の費用(申請費用・渡航費・支援委託費など)も含めた総額の全体像は特定技能の採用費用・相場で整理しています。
料率制の金額の出し方(理論年収 × 料率)
料率制の見積もりは、次の式で計算します。安く見える定額制と比べるときは、まず金額に直します。
- 理論年収 = 月給 × 12 + 賞与 + 諸手当(通勤手当は除くのが一般的)
- 手数料 = 理論年収 × 料率(外国人採用では20〜30%程度が多く、専門性の高い中途で30%を超えることも)
例:月給25万円・賞与2か月・諸手当なしなら、理論年収は約350万円。料率25%なら手数料は約88万円、料率30%なら約105万円になります。料率が同じでも理論年収の取り方(賞与・手当を含むか)で金額が変わるため、算定の前提もそろえて比較しましょう。一般に、外国人の技人国採用の料率は日本人のフル人材紹介(30〜35%程度)より低めになる例が多く、新卒は中途より低い傾向があります。
手数料に「含まれるもの」「別料金になりやすいもの」
金額の比較で最も誤解が生まれやすいのが、手数料に何が含まれるかです。見積もりでは必ず内訳を確認します。
- 含まれることが多い — 候補者の募集・選定、面接調整、内定までのコーディネート。
- 別料金になりやすい — 在留資格の申請取次・書類作成(行政書士などの専門家の領域)、渡航手配、海外ルートの送出機関費用、入国後の支援委託費、健康診断など。
「紹介手数料が安い」場合でも、別料金が積み上がると総額は変わらないことがあります。何が手数料に含まれ、何が別かをそろえて比較してください。海外ルートの渡航費・送出機関費用や、初期費用全体の内訳は特定技能の採用費用・相場で解説しています。なお、在留資格の申請取次・書類作成は行政書士などの専門家の領域です。人材紹介会社が一括で請け負うように見える場合も、実際の申請まわりは専門家が担う形になります。
早期退職時の「返金規定(フィーバック)」を確認する
多くの人材紹介会社は、入社後すぐに退職した場合の返金規定(フィーバック)を設けています。金額の安さだけで選ぶと、ここで差が出ます。返金の割合は在籍期間で下がっていくのが一般的で、次のような設計例があります(割合・期間は会社により異なる例です)。
| 退職までの期間 | 返金割合の例 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 入社1か月以内 | 50〜80%程度 | 返金の通知期限(退職から◯日以内など) |
| 1〜3か月以内 | 30〜50%程度 | 対象期間(何か月以内の退職が対象か) |
| 3〜6か月以内 | 10〜25%程度 | 段階的に下がる設計か |
| 6か月以降 | 0%(対象外)になることが多い | 保証期間の終わり |
- 返金の対象外となるケース(会社都合の解雇など)も契約前に確認します。
- 特定技能では返金が効きにくい落とし穴 — 帰国・転籍による退職が「自己都合」か「会社都合」かで返金の可否が変わることがあります。自己都合退職の定義や、特定技能の転籍(同一分野内での転職)との関係を、契約前に確認しておきましょう。
特定技能1号は在留期間が通算で最長5年と限られるため、早期離職は採用コストの回収に直結します。採用後の定着については特定技能採用でよくある失敗と注意点もあわせてご覧ください。
「手数料0円」「格安」をうたう業者の見分け方
外国人採用では、相場より極端に安い、あるいは「手数料0円」をうたう提案もあります。安さの裏で、コンプライアンス上のリスクを抱えていないかを確認します。次の4点は、見積もりを受け取ったときのチェックポイントです。
- 有料職業紹介の許可番号があるか — 有料職業紹介は厚生労働大臣の許可制です。許可番号(◯◯-ユ-◯◯◯◯◯◯の形式)を明示しているかを確認します。
- 外国人本人に費用を請求していないか — 前述のとおり、特定技能などの人材から手数料を徴収することは職業安定法で認められていません。本人負担を前提とする仕組みは避けます(採用の総額で本人に負担してよい費用・負担させてはいけない費用は特定技能の採用費用・相場で整理しています)。
- 海外ルートの送出機関費用が過大でないか — 本人が母国の送出機関に過大な費用(借金)を負う構造は、失踪・トラブルの温床になります。二国間の取り決めに沿った運営かを確認します。
- 会社所在地・代表者情報が明確か — 事業者としての基本情報が公開されているかを確認します。
安さの理由が「含まれる範囲が狭い(別料金が多い)」なのか「コンプラを軽視している」なのかを見分けることが、結果的に総額と定着のリスクを抑えます。
登録支援機関への委託費との違い(混同しない)
紹介手数料と支援委託費は、役割も支払いのタイミングも異なります。見積もりでこの2つが一緒に並ぶことが多いため、分けて捉えます。
| 項目 | 人材紹介手数料 | 登録支援機関への委託費 |
|---|---|---|
| 何への対価か | 人材の紹介・あっせん | 採用後の義務的支援の代行 |
| 支払い | 採用時に一度(初期費用) | 毎月(ランニング費用) |
| 目安 | 特定技能で1人20〜60万円程度 | 1人あたり月2〜3万円程度 |
支援委託費の相場や登録支援機関の役割は登録支援機関とは?役割・委託でできること・費用、採用後に毎月かかる費用の全体像は特定技能のランニングコスト、自社支援と委託の比較は特定技能は自社支援?登録支援機関に委託?で解説しています。
費用を抑えるコツ
- 人材紹介そのものを使わないルートを検討する — 自社の技能実習2号から特定技能へ移行する、登録支援機関経由で直接採用するなど、紹介手数料自体が発生しない採用ルートもあります。
- 国内在住者の採用を検討する — 渡航費・送出機関費用がかからない分、初期費用の総額を抑えられる場合があります。
- 複数社で見積もりを比較する — 手数料の金額だけでなく、含まれる範囲・返金規定・料金体系(定額制/料率制)をそろえて比較します。
- 助成金・補助金を確認する — 外国人雇用の助成金・補助金で、採用にかかる費用の一部を軽減できる場合があります。
まとめ
外国人の人材紹介手数料は、在留資格で料金体系が変わります。目安は、特定技能は定額制で1人20〜60万円程度、技人国など専門職は料率制で理論年収の20〜35%程度。金額だけでなく、在留資格ごとの料金体系・手数料に含まれる範囲・返金規定・支援委託費との違いをそろえて比較することが、費用を抑えるうえで重要です。職業安定法のルール(本人負担の原則不可・許可番号)を知っておくと、悪質な提案も見分けられます。
費用全体の内訳は特定技能の採用費用・相場、制度の全体像は特定技能採用の完全ガイドをご覧ください。
「自社の在留資格・採用ルートだと手数料はどれくらいか」「返金規定もそろえて比較したい」——そんなときは、条件に合う人材紹介会社・登録支援機関を無料でご紹介します。費用の比較材料としてもお使いいただけます(提携先のサービスをご紹介しています)。
よくあるご質問
- 外国人の人材紹介手数料の相場はいくらですか?
- 在留資格と料金体系で変わります。特定技能は定額制が主流で、1人あたり20〜60万円程度が一つの目安です(海外の未経験者は20万円前後、国内在住者・経験者は30〜40万円程度)。一方、技術・人文知識・国際業務(技人国)など専門職では料率制になることが多く、理論年収の20〜35%程度が目安です(新卒や外国人採用は20〜30%が多く、専門性の高い中途で上がる傾向。届出制手数料のため各社で異なる業界慣行・目安)。金額だけでなく含まれる範囲・返金規定をそろえて見積もりで確認してください。
- 人材紹介手数料は外国人本人が払うのですか?
- いいえ。人材紹介手数料は採用する企業(求人者)が支払います。職業安定法では、求職者(採用される本人)から手数料を徴収できるのは芸能家・モデルや年収700万円超の経営管理者・科学技術者などに限られ、特定技能の現業人材から手数料を徴収することは認められていません。本人負担や本人への費用請求を前提とする提案には注意が必要です。
- 採用した外国人がすぐ辞めた場合、紹介手数料は戻りますか?
- 多くの人材紹介会社は早期退職に対する返金規定(フィーバック)を設けており、入社からの期間に応じて返金割合が下がる例が一般的です。ただし返金の割合・対象期間・対象外事由(会社都合の退職など)は会社により異なります。特定技能では帰国や自己都合退職の定義が論点になりやすいため、契約前に返金規定を必ず確認してください。
- 人材紹介手数料と登録支援機関への委託費は同じですか?
- 別物です。人材紹介手数料は「人材を紹介してもらう」初期費用で採用時に一度かかります。登録支援機関への支援委託費は「採用後の義務的支援を代行してもらう」月額費用です。見積もりで両方が並ぶことが多いため、初期費用と月額費用を分けて比較してください。