特定技能の給料はいくらにする?相場は月22.1万円・3つの下限と産業別の実額
目次
「日本人と同等以上」——特定技能の給料について、制度が定めているのはこの一行です。では、いくらに設定すればよいのか。
先に結論を置きます。特定技能の給料は「全国平均」から決まるのではなく、3つの下限のうち一番高いところから決まります。 統計の平均は、決めた額が世の中から外れていないかを後から確認するために使います。
この記事の要点
- 下限は3つある — ①勤務地の最低賃金 ②社内で同じ仕事をしている日本人の報酬額(同等報酬) ③募集して人が来る水準。①②は法令上の下限、③は法令ではなく労働市場の制約です。実際に効くのは、この3つのうち一番高いものです。
- 政府統計の特定技能は月22万円台(超過労働給与額〔時間外・深夜・休日出勤・宿日直・交替の各手当〕を除いた税引前の所定内給与額)。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査で221.4千円、前年から4.8%上がっています(⚠️ 同調査の対象産業に農業・林業・漁業は含まれません)。「25万円台」は割増賃金を含む「きまって支給する現金給与額」、「23万円台」は賞与まで含む支給総額なので、月給の設計にそのまま当てると過大になります。
- 産業差は人数のまとまった6産業で58.6千円、公表全行なら91.7千円(令和7年・所定内給与額で建設業265.9千円〜製造業207.3千円、最も低い運輸業,郵便業は174.2千円)。企業規模差は14.4千円(10〜99人227.6千円〜1,000人以上213.2千円)。分野の区分でみた差は月に約9万円(令和3年・総額)。
- 賞与は平均10万7,700円・中央値0円=半数以上の特定技能外国人が賞与を受け取っていません(令和6年)。平均で年収を組むと外れます。
- 比較の軸は職務・責任と経験年数(入管庁のQ&Aは、近い業務を担う日本人と比べる場合に年齢も検討要素に挙げています)。技能実習から移る人は、おおむね3年〔2号修了〕・5年〔3号修了〕の経験者として扱う必要があり、比較の相手は技能実習修了時の本人ではありません。
- 社内に比較相手が一人もいなくても、比較は行われます。 入管庁のQ&A Q30は、賃金規定がなく比較対象の日本人もいない場合について「当局が保有する近隣同業他社における同等業務に従事する同等程度の経験を有する特定技能外国人の報酬額を比較する」としています。社外の水準が物差しになる唯一の場面で、この記事の産業別・分野別の数値がいちばん効くところです。
- 通勤手当・住宅手当を厚くしても、同等報酬の比較に載る額は増えません(実費弁償の性格を持つ手当は「報酬」から外れます)。⚠️ ただし最低賃金の判定は別ルールで、同じ手当でも扱いが違うことがあります。
- 最低賃金の改定日は都道府県で違います — 令和7年度は令和7年10月1日から令和8年3月31日まで分散しました。「毎年10月に見直す」だけでは間に合わない県があります。次の改定(令和8年度)の目安はすでに答申済みで、目安どおりなら全国加重平均は1,121円から1,176円へ上がります。
本記事は一般的な情報提供です。個別の報酬額が「同等以上」に当たるかどうかの判断や、賃金規程の作成・雇用条件書や説明書の作成は専門家の領域です(賃金規程・労務は社会保険労務士、報酬を得て業として行う在留資格の申請書類の作成は行政書士)。制度の数値・要件は変動するため、実際に契約を結ぶ段階では出入国在留管理庁の最新の運用要領と、勤務地の労働局が公表する最低賃金で確認してください。
特定技能の給料は、3つの下限のうち一番高いところで決まる
特定技能で払える額の下限は、性格の違う3つが重なっています。
| # | 下限 | 根拠 | 下回るとどうなるか |
|---|---|---|---|
| 1 | 勤務地の最低賃金(地域別と、業種によっては特定最低賃金の高い方) | 最低賃金法第4条第1項・第6条第1項 | 契約のその部分は無効になり最低賃金額を定めたものとみなされる(同法第4条第2項)。地域別を下回れば50万円以下の罰金(同法第40条)、地域別は満たすが特定最低賃金を下回れば30万円以下の罰金(労働基準法第120条) |
| 2 | 社内で同じ仕事をしている日本人の報酬額(同等報酬) | 特定技能雇用契約の基準(特定技能基準省令第1条第1項第三号) | 契約が基準に適合しない=在留諸申請が通らない |
| 3 | 募集して人が来る水準 | 法令上の下限ではない(労働市場の制約) | 応募が集まらず採用そのものが成立しない |
3つのうち最も高いものが、実際に設定できる額の下限になります。効き方が違う点だけ押さえておいてください——1は労働法令の違反(罰則あり)、2は在留諸申請が通らない、3は応募が来ない。どれも「下回ったら採用が成立しない」という結論は同じです。
⚠️ 分野によっては、これに上乗せの金額基準があります。 建設分野では、受入計画の認定にあたって時給換算の下限・昇給額・求人票との整合が審査されます(後述)。
③をそのまま示す公的な数値は、探した範囲では見つかりませんでした。 政府統計は「すでに働いている人に支払われた額」で、「募集して人が来る額」とは別物だからです(2026年8月11日時点で、厚生労働省の賃金構造基本統計調査・外国人雇用実態調査と出入国在留管理庁の公表資料を確認した範囲では、特定技能の募集充足水準を直接示す集計は見当たりませんでした)。ただし代わりに使える公的な数字はあります。
| ③を当てにいく材料 | 具体 |
|---|---|
| 同じ在留資格の支払実績 | 自社の産業・企業規模・雇用形態の行を下の統計で引く(例=建設業265.9千円、製造業207.3千円) |
| 自社の分野の日本人相場 | 分野によっては公的調査がある。介護なら介護職員(月給・常勤)の平均給与額月額約33.8万円=特定技能「介護」とは。⚠️ 上の221.4千円とは範囲が違います(33.8万=基本給+手当+一時金の1/6・処遇改善加算を取得している事業所ベース/221.4千円=所定内給与額)=並べて引き算しないこと。⚠️ 前年と当年の両方に在籍している職員の平均(平均勤続9.5年)なので初任給の基準にもできません |
| 分野の認定基準が定める下限 | 建設は国土交通省の受入計画の認定基準が時給換算の下限・昇給額・求人票との整合を金額で定める=特定技能「建設」とは |
| 自分の分野の逼迫度 | 入管庁が四半期ごとに公表する分野別の受入れ見込数・在留者数・充足率=特定技能の受け入れ停止(枠が埋まりかけの分野ほど、相場より下では採れません) |
| 自社の手元にある実績 | 直近の自社求人への応募状況、同じ地域・同じ職種の求人票の提示額、人材紹介会社から示される水準 |
③で置いた額は、②の説明にもそのまま効きます(後述のD=社内に比較相手が一人もいない会社では、入管庁が近隣同業他社の水準と突き合わせるため)。
実際に額を置くときは②を先に確認して、いなければ③で置き、最後に①で検算する——この順だと手戻りが起きません。
⚠️ この記事が扱うのは額をいくらに置くかまでです。決めた額を雇用条件書のどの欄に書くか(割増賃金率・控除・別紙「賃金の支払」)は雇用契約・雇用条件書、同等報酬をどう説明するか(3分岐の作り方)は受け入れ要件、賃金を除いた採用・支援コストは特定技能の費用、制度全体の入口は特定技能で外国人を採用するにはです。
公的統計でみる特定技能の給料の水準
特定技能の所定内給与額は、月22万円台です。 厚生労働省の令和7(2025)年賃金構造基本統計調査によると、在留資格区分別の賃金は特定技能が221.4千円(対前年+4.8%・平均年齢29.5歳・平均勤続2.4年)でした。同調査の「賃金」は令和7年6月分の所定内給与額の平均で、所定内給与額とは「きまって支給する現金給与額」から超過労働給与額(①時間外勤務手当 ②深夜勤務手当 ③休日出勤手当 ④宿日直手当 ⑤交替手当)を差し引いた額、かつ所得税等を控除する前の額です(=手取りではありません)。[1]⚠️ 手取りとの差は小さくありません。 雇用契約・雇用条件書に置いた内訳の例では、控除前22万円に対し社会保険料・税・居住費・食費等を引いた手取り支給額は15万9,000円(差6万1,000円)。内訳には社会保険料のほか所得税等の源泉徴収も入ります(居住者か非居住者かで税率が変わります)。本人に提示するときの「聞こえ方」は手取りで決まるので、募集の成否(下限③)を考えるならこちらでも一度見ておきます。
| 在留資格区分(令和7年賃金構造基本統計調査 第9表) | 賃金(所定内給与額・千円) | 対前年増減率 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|---|---|
| 外国人労働者計 | 254.3 | +4.8% | 32.5歳 | 3.3年 |
| 専門的・技術的分野(特定技能を除く) | 313.2 | +7.3% | 32.4歳 | 3.2年 |
| 特定技能 | 221.4 | +4.8% | 29.5歳 | 2.4年 |
| 身分に基づくもの | 311.1 | +3.6% | 45.0歳 | 6.5年 |
| 技能実習 | 190.3 | +4.2% | 26.2歳 | 1.7年 |
| その他(特定活動及び留学以外の資格外活動) | 228.3 | +0.8% | 30.1歳 | 2.0年 |
読むときの前提が4つあります。[1]
-
表に出ている5区分を足しても「外国人労働者計」になりません。 同表の注1は在留資格区分が「『留学(資格外活動)』を含めた6区分となる」としており、留学の行は第9表に載っていません(表示は5区分)。区分どうしの引き算で残りを推計しないでください。
-
短時間労働者は入っていません(一般労働者の集計です)。 同概況は結果を「1 一般労働者の賃金」と「2 短時間労働者の賃金」に分けており、在留資格区分別の第9表は前者に置かれています。「一般労働者」とは「短時間労働者に該当しない通常の所定労働時間・日数の労働者」です。特定技能はフルタイムが前提なので自社の設計と母集団は合いますが、この平均をパート・アルバイトの水準と比べることはできません。
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特定技能1号と2号の両方が含まれます(同調査の在留資格区分の定義が「特定技能=特定技能1号、特定技能2号」)。1号だけの水準はこの統計では切り分けられません。
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農業・林業・漁業の事業所は対象産業に含まれません(同調査の範囲は日本標準産業分類の16大産業)。⚠️ 特定技能の分野でいうと農業・漁業がこの平均に入っていません。 その2分野で使える公的な数字は次の2つで、どちらも農業・漁業そのものの水準ではありません——①令和6年外国人雇用実態調査は農林漁業を含む18大産業が対象なので特定技能の平均(所定内213.0千円)に農業・漁業も入っていますが、産業別に割った表は無いので全産業平均としてしか読めません(後述の中央値の節)②入管庁の分野別(農業206,096円・漁業236,634円)は分野の値ですが令和3年の総額で4年以上前です。
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集計されているのは「10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所」だけです。 調査そのものは5人以上の民営事業所と10人以上の公営事業所を対象にしていますが、同概況は「有効回答を得た59,836事業所のうち、10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所(52,242事業所)について集計した」としています。⚠️ 5〜9人の事業所と公営事業所はこの平均に入っていません(上の産業別表に企業規模「10〜99人」より下の帯が無いのはこのためです)。
「平均◯万円」が資料によって違う3つの理由
特定技能の平均給与として、20万円台の数字と23万円前後の数字の両方が流通しています。食い違いの原因は3つで、どれも「どの数字を自社の目安に使うか」を変えます。
| 食い違いの原因 | 具体 | 月給を決めるときにどう扱うか |
|---|---|---|
| どの調査年か | 賃金構造基本統計調査の特定技能は 令和6年211.2千円 → 令和7年221.4千円(+4.8%) | 古い年の数値は低く出る。調査年を確認する |
| どの額の範囲か | 令和6年外国人雇用実態調査の特定技能は、所定内給与額213.0千円/割増賃金を含む「きまって支給する現金給与額」250.3千円 | 月給の設計に使うのは所定内給与額。割増賃金込みの額を基準にしない |
| どの調査主体・母集団か(対象月も違う) | 出入国在留管理庁が定期届出から集計した「月平均支給額」は令和3年で全分野平均231,979円=支給賃金額の総額(11,331名分)。厚生労働省側も、賃金構造基本統計調査は6月分、外国人雇用実態調査は9月分と対象月が違う | 総額ベースの数字を「基本給の目安」として使わない。調査をまたいで差を取らない |
調査が違うことよりも、調査年が違うことのほうが効きます。 同じ令和6年で並べると、賃金構造基本統計調査(6月分)211.2千円[2]と外国人雇用実態調査(9月分)213.0千円[3]で、調査主体も対象月も違うのにどちらも21万円台前半(⚠️ 別々の調査なので差額を計算しても意味はありません)。一方、賃金構造基本統計調査の同じ列で令和6年→令和7年は211.2→221.4千円=同調査自身が対前年+4.8%と公表しています。1年古い資料を引くだけで、目安が1割近く下振れします。
⚠️ どの数字も平均であって、自社の設定額の根拠にはできません。 特定技能雇用契約の基準が求めているのは統計との比較ではなく、自社で同じ業務に従事する日本人の報酬額との比較です。統計は「決めた額が世の中から大きく外れていないか」の物差しに使います。
産業・企業規模・雇用形態でどのくらい違うか
同じ特定技能でも、人数のまとまった産業のあいだで58.6千円、企業規模で14.4千円の開きがあります。 令和7年賃金構造基本統計調査の e-Stat 統計表(外国人労働者 第1表)は、在留資格区分を産業・企業規模・雇用形態でさらに割った賃金を収載しています(民営事業所・男女計)。特定技能の行は公表されている全行が次のとおりです。[4]
| 特定技能(令和7年賃金構造基本統計調査・外国人労働者 第1表) | 所定内給与額(6月分) | きまって支給する現金給与額(6月分) | 年間賞与その他特別給与額 | 労働者数 |
|---|---|---|---|---|
| 産業・企業規模計 | 221.4千円 | 254.2千円 | 143.7千円 | 146,740人 |
| D 建設業 | 265.9千円 | 295.1千円 | 172.6千円 | 21,750人 |
| P 医療,福祉 | 225.0千円 | 236.9千円 | 205.2千円 | 31,550人 |
| K 不動産業,物品賃貸業 | 224.3千円 | 237.5千円 | 114.4千円 | 550人 |
| M 宿泊業,飲食サービス業 | 218.3千円 | 245.0千円 | 68.2千円 | 9,110人 |
| I 卸売業,小売業 | 213.9千円 | 253.7千円 | 160.9千円 | 5,770人 |
| E 製造業 | 207.3千円 | 250.9千円 | 121.4千円 | 72,660人 |
| C 鉱業,採石業,砂利採取業 | 204.4千円 | 239.8千円 | 202.4千円 | 20人 |
| N 生活関連サービス業,娯楽業 | 184.0千円 | 189.7千円 | 54.7千円 | 90人 |
| H 運輸業,郵便業 | 174.2千円 | 189.3千円 | 1.4千円 | 220人 |
| 企業規模 10〜99人 | 227.6千円 | 260.2千円 | 158.6千円 | 67,080人 |
| 企業規模 100〜999人 | 217.5千円 | 248.7千円 | 162.8千円 | 53,760人 |
| 企業規模 1,000人以上 | 213.2千円 | 250.3千円 | 65.2千円 | 25,890人 |
| 雇用形態 正社員・正職員 | 231.4千円 | 259.6千円 | 187.3千円 | 83,610人 |
| 雇用形態 正社員・正職員以外 | 208.1千円 | 247.0千円 | 85.9千円 | 63,120人 |
⚠️ 同じ表の3つの数字は、集計している期間が違います。 「所定内給与額」「きまって支給する現金給与額」は6月分、「年間賞与その他特別給与額」は令和6年1月から令和6年12月までの1年間の額、「労働者数」は原表が十人単位で示した推計値です。⚠️ 賞与だけ前年の暦年(令和6年1月〜12月)で、月額の令和7年6月分とは半年〜1年半ずれます。6月分の月額×12に足して年収を組み立てないでください。[4]
読みどころは3つです。[4]
- 建設が突出し(265.9千円)、人数の主役の製造業は計より低い(207.3千円・7万2,660人)。⚠️ 企業規模でも10〜99人のほうが高く出ますが、年間賞与は逆(1,000人以上が最低の65.2千円)=産業構成が混ざった値なので、規模だけを取り出して読まないでください。
- 正社員かどうかで所定内が23.3千円違います(231.4千円 対 208.1千円)。特定技能の43.0%(6万3,120人)が正社員・正職員以外として集計されています。⚠️ これはパート・アルバイトのことではありません。 この統計表自体には就業形態の表記がありませんが、産業・企業規模計の値(221.4千円・29.5歳・勤続2.4年)が概況第9表(=一般労働者の章)と完全に一致するので、同じ一般労働者の集計とみて差し支えありません。したがって「正社員・正職員以外」はフルタイムで働く有期契約などの人です=在留期間に合わせて有期にしている特定技能はここに入ります(後述のパート有期法第8条がかかる層と重なります)。(⚠️ 83,610+63,120=146,730人で総計の146,740人と10人ずれますが、原表が十人単位で丸めているためです。)
- 公表されている最も低い産業は運輸業,郵便業の174.2千円で、建設業との差は91.7千円あります(同行の年間賞与は1.4千円)。⚠️ ただし下から3行(運輸業,郵便業220人・生活関連サービス業,娯楽業90人・鉱業20人)は労働者数が桁違いに小さく、平均が少数の事業所に振り回されます。冒頭に書いた「月6万円」は人数のまとまった上位6産業のなかでの幅で、公表全行を取ると9万円強に広がる、と読み分けてください。
⚠️ A 農業,林業と B 漁業の行が無いのは、この調査の対象産業に含まれないからです(=特定技能の農業・漁業はこの表では見られません)。電気ガス水道・学術研究・サービス業(他に分類されないもの)は「X」(秘匿)、情報通信・金融保険・教育・複合サービスは「−」(該当なし)です。労働者数の小さい行は自社の目安に使わないでください。
分野別でみるとどうか(別軸・令和3年)
⚠️ 上の「産業」は日本標準産業分類で、特定技能の分野とは別の軸です(介護は「P 医療,福祉」、外食は「M 宿泊業,飲食サービス業」に混ざる)。分野の区分で見られるのは、いまのところ入管庁の令和3年の集計だけ——特定技能外国人11,331名分の定期届出から算出した月平均支給額(暫定値)で、分野差は月に約9万円(全分野平均231,979円・最高の建設285,339円・最低の宿泊194,358円=差90,981円)。[5]
⚠️ 令和3年の集計なので、当時の分野の区分です。 その後に追加された自動車運送業・鉄道・林業・木材産業・リネンサプライには、この表に行そのものがありません(受入れ可能な分野の一覧=特定技能の分野一覧)。また「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」は2024年に工業製品製造業へ改称された分野の当時の名称です。⚠️ いま受入れ可能な17分野をそのまま覆う賃金の集計は見つかりませんでした(2026年8月11日時点で、令和7年賃金構造基本統計調査の概況とe-Statの外国人労働者 第1表/令和6年・令和5年の外国人雇用実態調査の概況と令和6年のe-Stat統計表34件の表題/入管庁「特定技能制度の現状について」を確認した範囲)。
| 分野(令和3年・月平均支給額・暫定値=割増賃金・手当を含む総額) | 金額 |
|---|---|
| 建設 | 285,339円 |
| 自動車整備 | 249,481円 |
| 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業(※) | 240,641円 |
| 造船・舶用工業 | 239,748円 |
| 漁業 | 236,634円 |
| 外食業 | 233,543円 |
| 全分野平均 | 231,979円 |
| 飲食料品製造業 | 223,566円 |
| 介護 | 223,531円 |
| ビルクリーニング | 207,313円 |
| 農業 | 206,096円 |
| 宿泊 | 194,358円 |
| 航空 | 集計対象外(対象者数が10名以下のため) |
(※)は一次の注記で、「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」の額は旧分野「素形材産業」「産業機械製造業」「電気・電子情報関連産業」の3分野を一括して集計したものです(=いまの工業製品製造業の1区分だけの水準ではありません)。[5]
⚠️ この表の数字は「支給賃金額(総額)」で、割増賃金・手当を含みます。 上の所定内給与額(221.4千円)とは範囲が違うので、引き算や比較はできません。また令和3年の暫定値で、直近の水準ではありません。[5]自分の分野が全分野平均より上か下かという相対の目安として読むのが安全です。
平均でなく中央値で見ると——賞与は「半分が受け取っていない」
月給と賞与では、平均が実態より高く出ます。 厚生労働省の令和6年外国人雇用実態調査は、概況(本文PDF)には平均しか載っていませんが、e-Stat の統計表には中央値も収載されています。一般労働者の特定技能を並べると次のようになります。[6]
| 特定技能(一般労働者・令和6年外国人雇用実態調査)※賞与のみ令和5年1月〜12月・他は令和6年9月分 | 1人当たり平均 | 中央値 |
|---|---|---|
| きまって支給する現金給与額(割増賃金を含む) | 250.3千円 | 253.0千円 |
| 所定内給与額 | 213.0千円 | 206.0千円 |
| 昨年1年間の賞与、期末手当等特別給与額 | 107.7千円 | 0千円 |
いちばん効くのは賞与です。 平均は年10万7,700円ですが中央値は0=半数以上の特定技能外国人が賞与を受け取っていません(労働者単位の集計なので「半数の企業が」ではありません)。平均で年収を組むと外れます。
⚠️ この記事には賞与の平均が2つ出てきます。 ここでの10万7,700円は令和6年外国人雇用実態調査、産業別の表にある143.7千円は令和7年賃金構造基本統計調査の数字で、調査主体・調査年・母集団のいずれも違います。[6][4]どちらが正しいという関係ではないので、差を取ったり乗り換えたりせず、自社が見たい切り口のある側を使ってください(中央値を見たいならこちら、産業別の内訳を見たいなら賃金構造のほう)。⚠️ ただしこれは特定技能に固有ではなく、同じ表で外国人常用労働者計も技能実習も中央値0です——外国人雇用全体で賞与の分布が偏っていると読みます。[6]
月給側は、月給の設計に使う所定内給与額で平均213.0千円>中央値206.0千円=平均を目安にすると、やや高めに見積もることになります。⚠️ 一方、残業代を含む現金給与額は平均250.3千円<中央値253.0千円で向きが逆です。「平均は上振れする」と一括りにできないので、どの額の範囲を見ているかとセットで確認してください。
⚠️ 中央値0は「賞与を出さなくてよい」という意味ではありません。日本人には賞与制度があるのに外国人にだけ無い、という設計は同等報酬とは別の問題になります(後述の省令第1条第1項第四号)。ここで読み取るのは、年収の見積もりを平均賞与で立てると実態から外れるということだけです。
時間あたり・年額に直すと
月額のままでは、勤務地の最低賃金(時間額)と突き合わせられません。自社の額を時間あたりに直す計算は、月給 ÷(年間所定労働時間 ÷ 12)です。 たとえば年間所定労働時間1,960時間なら月平均約163.3時間で、月給20万円は約1,224円(小数点以下切り捨て)になります。⚠️ この20万円は基本賃金だけの例です。 最低賃金と比べるときは毎月定額の手当(技能手当など)も算入されるため、同じ条件でも比較に使う額は上がります(基本賃金20万+技能手当1万5千なら約1,316円)=内訳つきの計算例は雇用契約・雇用条件書にあります。
⚠️ 分子には、最低賃金の比較に算入できる賃金だけを入れます(算入しないものは最低賃金法第4条第3項と同法施行規則が定めており、月給の額面をそのまま割ると判定を誤ります)。[7]内訳と計算例は雇用契約・雇用条件書の別紙「賃金の支払」の解説にあります。
⚠️ 分母(所定労働時間)も自由には置けません。 特定技能基準省令第1条第1項第二号は「外国人の所定労働時間が、特定技能所属機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること」を求めており、運用要領は「所定労働時間」を「雇用契約や就業規則で定められた労働時間(休憩時間は含まない。)」、その前提となる「通常の労働者」をフルタイム=「原則、労働日数が週5日以上かつ年間217日以上であって、かつ、週労働時間が30時間以上」としています。[8]時間あたりを上げるために所定労働時間だけ短く設定する、という調整はできません。
ここまでの水準はいずれも賃金だけの数字で、紹介手数料や支援委託費は別に乗ります。
最低賃金——地域別と産業別の高い方・改定は毎年・発効日は県で違う
令和7年度の地域別最低賃金は、全国加重平均で1,121円です。 改定前の1,055円から66円(6.3%)の引き上げでした。最も高いのは東京都の1,226円、最も低いのは高知県・宮崎県・沖縄県の1,023円で、その差は203円です。[9]⚠️ 判定に使うのは勤務地の都道府県の額で、全国加重平均が適用される場所はありません。
最低賃金法は使用者に「最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない」と定め(第4条第1項)、最低賃金額に達しない賃金を定めた労働契約はその部分が無効になり、最低賃金と同様の定めをしたものとみなされます(第4条第2項)。つまり本人が合意していても額は最低賃金まで引き上がります。地域別最低賃金についてはこれに違反した者を50万円以下の罰金としています(第40条)。[7]地域別最低賃金は「あまねく全国各地域について決定されなければならない」(第9条第1項)とされ、国籍による適用除外の定めは同法に置かれていません。[7]
業種によっては、地域別より高い「特定最低賃金」があります。 最低賃金法は一定の事業・職業に係る最低賃金を特定最低賃金と呼び(第15条)、その額は地域別最低賃金額を「上回るものでなければならない」としています(第16条)。2つ以上の最低賃金の適用を受ける場合は「これらにおいて定める最低賃金額のうち最高のもの」で判定します(第6条第1項)。⚠️ この場合でも、地域別最低賃金の額については第4条第1項と第40条(罰則)の適用があります(第6条第2項)=「特定最低賃金の業種だから罰則が及ばない」という読み方はできません。[7]⚠️ 罰則は「無くなる」のではなく、根拠法が入れ替わります。 最低賃金法第40条は括弧書きで「地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金に係るものに限る」としているため、船員以外の特定最低賃金には同法の罰金は及びません。[7]ここで止めると誤読になります——厚生労働省は「地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています」と明記しています。[10]特定最低賃金の額に達しない部分は第4条第2項でその額まで引き上がる(=未払い賃金になる)ため、労働基準法第24条の全額払い違反として同法第120条の罰金がかかる、という筋です。
大阪労働局は、この使い分けを金額の具体例つきで示しています。[11]
| 誰に・いくら払わなかったか | 罰則 | 根拠 |
|---|---|---|
| 地域別最低賃金だけが適用される労働者に、地域別最低賃金額以上を払わなかった | 50万円以下の罰金 | 最低賃金法第40条 |
| 特定最低賃金が適用される労働者に、地域別最低賃金額以上を払わなかった(例=地域別1,177円・特定1,197円に対し1,150円) | 50万円以下の罰金 | 最低賃金法第9条・第40条 |
| 特定最低賃金が適用される労働者に、特定最低賃金額以上を払わなかった(例=同じ条件で1,180円) | 30万円以下の罰金 | 労働基準法第120条 |
自社の業種に設定があるかは一覧で確認できます。 厚生労働省の「特定最低賃金の全国一覧」に、都道府県別の一覧(令和7年度版=都道府県×業種×時間額×効力発生日)と、全国を適用地域とする1件(全国非金属鉱業最低賃金)が載っています。[12]業種は鉄鋼業・電子部品/電気機械/情報通信機械器具製造業・船舶製造修理業・各種商品小売業などの製造業・小売業が中心で、特定技能の分野では工業製品製造業(旧・素形材/産業機械/電気電子情報関連製造業)と造船・舶用工業が重なりやすい面です。⚠️ 自動車整備分野にも設定があります——同一覧に「自動車整備業」の行は山形県の1件(1,017円・令和6年12月25日)があり、これは(※)付き=地域別最低賃金のほうが高いので地域別が適用される状態です。[12]「自分の分野は製造業ではないから関係ない」と読み飛ばさず、都道府県×業種で一覧を引いてください。
⚠️ 載っていても、地域別より低ければ地域別が適用されます。 同一覧の注1は「地域別最低賃金と特定最低賃金の両方が適用される場合は、これらの最低賃金額のうち最高のものが適用されるため、表中『(※)』で示された特定最低賃金額については、地域別最低賃金額が適用されます」としており、改定が古いまま追い越された行が実際に複数あります=(※)印の有無まで見ます。[12]
派遣で受け入れる場合は、適用されるのが派遣先の額になります。 最低賃金法第13条は、派遣中の労働者について「その派遣先の事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金において定める最低賃金額により第四条の規定を適用する」と定めており、特定最低賃金についても第18条が同じ扱いを定めています。[7]派遣元の所在地ではなく、実際に働く場所の額で判定します。 なお運用要領は「特定技能外国人を派遣形態で雇用することができる分野は、『農業分野』及び『漁業分野』とされていることから(令和8年4月1日時点)、これ以外の特定産業分野については、特定技能外国人を派遣形態で雇用することは認められない」としており、この論点が効くのは農業・漁業です。[8]
実務で見落とされやすいのは、発効日が全国一律ではないことです。 令和7年度は、栃木県の令和7年10月1日から秋田県の令和8年3月31日まで、発効日が半年近くにわたって分散しました。[9]
| 令和7年度 地域別最低賃金(抜粋) | 時間額 | 改定前 | 引上げ額 | 発効日 |
|---|---|---|---|---|
| 東京 | 1,226円 | 1,163円 | 63円 | 令和7年10月3日 |
| 神奈川 | 1,225円 | 1,162円 | 63円 | 令和7年10月4日 |
| 栃木 | 1,068円 | 1,004円 | 64円 | 令和7年10月1日(全国で最も早い) |
| 熊本 | 1,034円 | 952円 | 82円(全国で最大) | 令和8年1月1日 |
| 大分 | 1,035円 | 954円 | 81円 | 令和8年1月1日 |
| 秋田 | 1,031円 | 951円 | 80円 | 令和8年3月31日(全国で最も遅い) |
| 群馬 | 1,063円 | 985円 | 78円 | 令和8年3月1日 |
| 高知・宮崎・沖縄 | 各1,023円(全国で最低) | 各952円 | 各71円 | 令和7年12月1日・令和7年11月16日・令和7年12月1日 |
| 全国加重平均 | 1,121円 | 1,055円 | 66円 | — |
引き上げ額は63円から82円まで幅がありました。上げ幅が最も大きかったのは熊本の82円で、東京・神奈川など改定前の額が高い都県は63円です。ただし上げ幅は改定前の額だけでは決まりません(改定前954円の大分が81円である一方、より低い952円の高知・宮崎・沖縄は71円、985円の群馬が78円)。[9]いずれにしても、地方の事業所ほど前年の設計のままでは下限に近づきます。
複数の県に事業所がある場合、見直しの時期は事業所ごとに違います。 「毎年10月に一斉点検」という社内ルールだけでは、年明けや年度末に発効する県を取りこぼします。上の表は抜粋なので、自社の事業所がある県の額と発効日は厚生労働省の全国一覧で確認し、採用計画のカレンダーに入れておきます。
次の改定はもう動き出しています(as-of 2026-08-11)
いま設定する額は、次の改定を織り込んでおかないと数か月で下限に近づきます。 令和8年7月28日、中央最低賃金審議会が令和8年度の地域別最低賃金額改定の目安を答申しました。引上げ額の目安はAランク54円・Bランク56円・Cランク56円で、厚生労働省は「仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は1,176円」(上昇額55円・引上げ率4.9%)としています。[13]
⚠️ これは目安であって確定額ではありません。 厚生労働省は、この後「各地方最低賃金審議会で、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議の上、答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することとなります」と説明しています。[13]
| ランク | 都道府県 | 引上げ額の目安 |
|---|---|---|
| A(6都府県) | 埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪 | 54円 |
| B(28道府県) | 北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡 | 56円 |
| C(13県) | 青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄 | 56円 |
⚠️ 上げ幅が最も小さいのはAランクです。 額の高い都市部より、B・Cランクの道府県のほうが2円多く上がる目安になっています。地方の事業所ほど、いまの設定額が来年度の下限に追いつかれやすいということです。
いま月給を決めるなら、自社の県のランクを上の表で確認し、時間あたりに直した額が「現在の地域別最低賃金+その目安額」を上回っているかを見ておくと、改定後にすぐ張り付く設定を避けられます。
「日本人と同等以上」は、誰と比べるかで決まる
この要件が求めているのは、金額の絶対水準ではなく、比較の説明です。 特定技能基準省令第1条第1項第三号は「外国人に対する報酬の額が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること」と定め、続く第四号が「外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的な取扱いをしていないこと」を求めています。[8][14]
出入国在留管理庁は、この「同等以上」を社内に誰がいるか・賃金規程があるかで場合分けして説明させます。同庁の「特定技能制度に関するQ&A」Q30は「会社に同じ業務に従事する日本人がいないのですが、同等報酬要件はどのようにして証明すればいいですか。」という問いに、4つの場面を挙げて答えています。これをA〜Dと呼びます(⚠️ 問いは「同じ業務の日本人がいない」会社を想定していますが、答えのBは「同等の業務に従事する日本人労働者がいるとき」に触れます=原文がそう書いているとおりに並べています)。[15]
| 社内の状況(Q&A Q30) | 何と比べると回答しているか | |
|---|---|---|
| A | 賃金規定がある | 賃金規定に基づいて判断する |
| B | 規定なし・同等の業務に従事する日本人がいる | その日本人労働者と比較して報酬の同等性を判断する |
| C | 規定なし・同等はいないが近い業務等を担う日本人がいる | その人の役職や責任の程度を踏まえて報酬差が合理的に説明されているか、年齢及び経験年数を比較しても報酬額が妥当かなどを検討する |
| D | 規定なし・比較対象の日本人もいない | 雇用契約書記載の報酬額と、当局が保有する近隣同業他社における同等業務に従事する同等程度の経験を有する特定技能外国人の報酬額を比較する |
⚠️ 運用要領は同じことを短くまとめていますが、入口の順序が違います。 要領は「同程度の技能等を有する日本人労働者がいる場合はその人と、いない場合は賃金規程があれば規程に照らして、規程もなければ最も近い職務を担う日本人との差異という観点から」=社内に同等の日本人がいるかどうかを先に見ます。[8]A〜Dと要領の3分岐は1対1では対応しません。 どちらの入口から入っても最後に問われるのは「誰と比べて、なぜその額が同等以上と言えるか」の一点なので、自社に当てはまる行を上の表から選び、その比較相手の情報を揃えれば足ります。説明文の作り方と要件全体のなかでの位置づけは特定技能で企業に求められる受け入れ要件にまとめています。 ここでは、この場合分けが金額の決め方をどう変えるかだけを見ます。
Dのとき、物差しになるのは社外の水準です
社内に誰もいない会社の報酬額は、どことも比べようがないので通る——ではありません。 Dでは入管庁の側が近隣同業他社の特定技能外国人の水準と突き合わせます。[15]
⚠️ 使われるのは当局が保有するデータで、公表統計そのものではありません。 ただし物差しが「近隣・同業・同程度の経験年数の特定技能外国人がいくら受け取っているか」である以上、この記事の前半で見た産業別・分野別の水準が、Dに当たる会社にとって最も近い公開の手がかりになります。
⚠️ 運用要領の側には、探した範囲でDの記載が見当たりませんでした。 トモハタが2026年8月21日に同要領(令和8年8月20日一部改正版)の全文を「同業他社」「近隣」で検索した範囲では、他社の報酬額と比較する方法は確認できませんでした(「同業他社」は0件、「近隣」の2件は試験の受験国と漁業の面談に関する別の文脈)。[8]要領だけを読んで「社外との比較は制度に無い」と判断しないでください。(⚠️ 同庁が別に配信しているPDF版は同じ問答をQ29として載せていますが在留期間の記述が旧法時点で古いので、掲載ページのQ30を見てください。実際の審査の扱いは管轄の地方出入国在留管理局で確認を。)
「同一労働同一賃金」とは別の物差しです
賃金の差を規律する法令は3層あります。 いちばん下に労働基準法第3条——「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」(均等待遇)。[16]国籍を理由とする差別そのものの禁止で、外国人を雇うすべての企業にかかります。その上に乗るのが、いわゆる同一労働同一賃金の根拠であるパートタイム・有期雇用労働法第8条(不合理な待遇の禁止)です。
[17]事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない。
同等報酬要件とは、対象者も比較の相手も物差しも違います。
| 同等報酬(特定技能基準省令第1条第1項第三号) | 不合理な待遇の禁止(パート有期法第8条) | |
|---|---|---|
| 対象になる人 | 在留資格「特定技能」で働く人(国籍でなく在留資格で決まる=同じ国籍でも永住者等には及ばない) | 短時間労働者・有期雇用労働者(契約の形で決まる) |
| 比較の相手 | 同じ業務に従事する日本人 | 通常の労働者(同法に定義規定はなく、実務上はいわゆる正社員を指す。国籍は関係ない) |
| 見る軸 | 職務内容・責任の程度・経験年数(近い業務の日本人と比べる場面Cでは年齢も) | 職務の内容/職務の内容及び配置の変更の範囲/その他の事情 |
| 効果 | 満たさないと特定技能雇用契約が基準に適合しない=在留諸申請が通らない | 不合理な相違を設けてはならない(労働法上の義務) |
特定技能はフルタイムが前提なので短時間労働者には当たりませんが、在留期間に合わせて有期契約にしているなら有期雇用労働者に当たります。 その場合は2つの規律が同時にかかります——同じ業務の日本人と比べた同等報酬(在留資格の基準)と、自社の正社員と比べた不合理な相違の禁止(労働法)。比較の相手が違うので、前者を満たしていても後者を満たすとは限りません。
なお運用要領は、社内に同程度の技能等を有する日本人労働者がいる場合についてこう付言しています——「なお、これにより、外国人労働者と比較した際に、日本人労働者に不当に安い賃金を支払う結果とならないように留意してください」。[8]日本人側を下げて揃えるのは想定されていません。
技能実習から移る人は「経験3年・5年」の人として扱う
移行組でいちばん多い設計ミスが、技能実習修了時の額を基準にすることです。 運用要領は次のように定めています。
[8]特定技能外国人は、技能実習2号修了者であればおおむね3年間、技能実習3号修了者であればおおむね5年間、日本に在留し技能実習を修了した者であることから、従事しようとする業務について、おおむね3年程度又は5年程度の経験者として取り扱う必要があります。技能実習生として受け入れたことがある者を特定技能外国人として雇用する場合、技能実習2号修了時の報酬額を上回ることはもとより、実際に3年程度又は5年程度の経験を積んだ日本人の技能者に支払っている報酬額とも比較し、適切に設定する必要があります。
⚠️ 同庁のQ&Aは、この点を単独の設問で確認しています。 Q46「1号特定技能外国人と技能実習生の給与を同じにした場合、同等報酬要件は満たしますか。」への回答は「1号特定技能外国人は、技能実習2号を修了した外国人と同程度の技能水準であることから、少なくとも技能実習2号の給与水準を上回ることが想定されます」です。[15]
「上回ることはもとより」が効きます。 技能実習修了時から少し上げただけでは足りず、比較の相手は自社で3年(または5年)働いている日本人になります。自社の賃金表に経験年数の軸があるなら、移行者は入社1年目の欄ではなく3年目・5年目の欄に置く、という読み方です。
また運用要領は、留学生等であった者や他の受入れ機関にいた技能実習生を新たに雇用する場合については、雇用する特定技能所属機関の就業規則等に従って賃金を適切に設定する必要があるとしています。[8]採用ルートによって、比較の起点が変わります。
手当をどこに置くかで、比較に載る額が変わる
運用要領は「報酬」を次のように定義しています。
[8]「報酬」とは「一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付」をいい、一般的に通勤手当、扶養手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するもの(課税対象となるものは除く。)は含まれません。
支給総額が同じでも、実費弁償の手当に振り分けた分は同等以上の比較に載りません。 基本賃金を抑えて通勤手当・住宅手当を積み増す設計は、この要件に対しては効きません。⚠️ 「比較に載らない」ことと「支給する意味がない」ことは別です。 住宅補助や通勤手当は本人の手取りに効きますが、同等以上の説明では数えられない——それだけのことです。同等報酬を満たす設計と、本人の生活を支える設計は、別々に組み立てます。
賞与や手当の制度そのものに差をつける設計は、別の号に触れます。 省令第1条第1項第四号は「外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的な取扱いをしていないこと」を求めています。[8]日本人には賞与制度があるのに外国人にだけ無い、という状態が「外国人であることを理由」によるものなら、報酬額の多寡とは別にこの号の問題になります。
さらに、同じ手当が2つの判定で違う扱いになることがあります。 最低賃金と比べる賃金に算入しないものは最低賃金法第4条第3項と同法施行規則が定めており、「報酬」から外れる手当の範囲とは別のルールです。[7]どの手当が最低賃金の比較に算入されるか、手当を雇用条件書のどの欄に置くか、通勤手当の非課税限度を超える部分をどう扱うかは、特定技能雇用契約書・雇用条件書で欄ごとに整理しています。手当の設計は、この2つの判定を両方通るかで確かめます。
⚠️ 賞与を「報酬」に含めて数えるのか除くのかについては、2026年8月21日時点で、出入国在留管理庁の運用要領(令和8年8月20日一部改正版)の全文を「賞与」で検索した範囲では、報酬の定義に関わる記述は確認できませんでした(該当5件は労基法第89条の引用・雇用条件書の変更届出・定期届出の届出事項で、いずれも報酬の定義の文脈ではありません)。同じ扱いは特定技能雇用契約書・雇用条件書にも記載しています。書面を作る前に、管轄の地方出入国在留管理局や社会保険労務士へ確認してください。
決める前に、入管に出す説明書の欄を見る
額を決めてから説明書を書くと、書けない欄が出てきます。 参考様式第1-4号「特定技能外国人の報酬に関する説明書」は、在留諸申請の確認対象書類として運用要領に挙げられており、記載する欄はあらかじめ決まっています。[8]
| 説明書の欄(参考様式第1-4号) | 決める前に用意しておくもの |
|---|---|
| 1 申請人の役職、職務内容、責任の程度 | 任せる作業の範囲と、誰の指示のもとで働くかを1〜2文で書けるようにしておく |
| 1 申請人の年齢、性別及び経験年数 | 従事させる業務についての経験年数(技能実習修了者は3年/5年として数える) |
| 2 比較対象となる日本人労働者の役職、職務内容、責任の程度・経験年数・報酬 | 社内で同じ作業をしている人の職務内容・経験年数・月給(時間給で書くなら統一する)。⚠️ 額の出どころは賃金台帳です(労働基準法で事業場ごとの調製が義務づけられた書類=受け入れ要件。建設分野では比較対象にした日本人の賃金台帳〔直近1年分・賞与を含む〕が受入計画の添付書類として実際に求められます=特定技能「建設」とは) |
| 2・3 賃金規程の有無と、規程に基づく賃金 | 賃金規程があるなら、その規程で職務・責任が同等(3欄では「最も近い」)の日本人に支払われるべき額。規程は参考資料として添付する |
| 3 最も近い職務を担う日本人労働者の職務内容・経験年数・報酬 | 社内に同等者がいない場合。差異を説明する材料(役職・責任の重さ・経験年数の差) |
⚠️ 2と3は両方を埋めるものではありません。3欄には発動条件があります。 様式の注意書きは3について「報酬額が同等の日本人労働者がおらず、報酬額が大きく異なる日本人労働者がいる場合に記載してください(2「比較対象となる日本人労働者」を記載している場合には、記載不要です。)」としています。[18]つまり3欄は「賃金規程がない場合の受け皿」ではなく、「同等の人はいないが、額の違う人はいる」場合の欄です。様式が任意様式での説明を求めているのは「賃金規定がなく、また、日本人労働者も雇用していない場合(上記2・3のいずれも記載が困難な場合)」=上のDにあたります。
様式の注意書きは、月給と時間給のどちらで書いてもよいが様式内で統一すること、月給・時間給以外の給与形態の場合は月給または時間給に換算して記載することを求めています。皆勤手当などの諸手当は「その他」の欄に書きます。[18]様式と記載例は出入国在留管理庁の様式ページから入手でき、作成のたびに同ページで最新版を確認します。
⑤「同等以上と考える理由」に何を書くか
この欄が空欄のままだと、額を決めても書面が完成しません。 社内の状況ごとに、欄に入る要素を整理すると次のようになります。⚠️ 記載例が実際に文章を埋めているのは「比較対象の日本人がいる場合」と「いない場合」の2つだけで、賃金規程がある場合の記入例は空欄です。
| 社内の状況 | ⑤の理由欄に入る要素 | 出所 |
|---|---|---|
| 同等の日本人がいる | ①比較した人と申請人の経験年数が同じであること ②任される業務の範囲・業務量が同じであること ③指示系統・責任の重さが同程度であること | 記載例2⑤の逐語「比較対象の社員は申請人と同じく経験年数が4年であり、任されている業務の範囲や業務量についても、申請人と同じである。また、ともにラインマネージャーの監督・指示の下で業務を行っており、業務における責任も同程度である。」 |
| いない/賃金規程がある | ①賃金規程に照らして申請人の職務・責任が自社の報酬体系のどこに位置づくか ②その位置づけで支払われるべき額 | ①=運用要領「賃金規程がある場合には同規程に照らした個々の企業の報酬体系の観点から」/②=様式の注意書き(規程に基づく額を具体的に記載し、規程を参考資料として添付する)。記載例に記入例はありません |
| 同等の人はいない/額の違う人はいる(=3欄を書く場合) | ①最も近い職務を担う人と申請人の職務・責任・経験年数の差を具体的に書く ②その差を踏まえてなぜ同等以上と言えるかを述べる | 記載例3①〜⑤(下記の設例) |
⚠️ 記載例2で見落とされやすいのが年齢です。 設例は比較対象の日本人が24歳、申請人が28歳で、ともに経験4年・同額180,000円。年齢が4歳違っても額は同じで、理由欄は経験年数・業務範囲・責任の程度だけで組み立てられています。[18]同等の業務の日本人と比べる場面(B)では、年齢差そのものを額の差の理由にしていない、という読み方です。
⚠️ ただし「年齢は関係ない」と一般化はできません。 入管庁のQ&A Q30は、近い業務等を担う日本人と比べる場面(C)については、役職や責任の程度に加えて「年齢及び経験年数を比較しても報酬額が妥当か」を検討要素に挙げています。[15]場面によって見る要素が違うので、自社がA〜Dのどれに当たるかを先に決めてから理由欄を書きます。
3つ目の分岐は、比較相手が上位職しかいない小さな事業所でも書ける形になっています。記載例では、最も近い職務を担う日本人がラインマネージャー(40歳・経験22年・月給350,000円)、申請人が28歳・経験4年・月給180,000円という組み合わせを置き、理由欄に「当該ラインマネージャーが申請人と同年代の頃に同様の業務を行っており、当時の報酬額が同額であったため。」と記載しています。[18]⚠️ これは記載例の1件で、この書き方をすれば認められるという意味ではありません。比較の軸が「いま社内にいる人の現在額」ではなく「職務・責任・経験年数」であることを読み取るための材料として使います。
なお同じ様式の注意書きは、賃金規程がなく日本人労働者も雇用していない場合(2・3のいずれも記載が困難な場合)について、「任意の様式で、申請人の報酬額を決定した方法や経緯等について説明した文書を提出してください」としています。[18]
⚠️ 報酬を得て業として行う説明書や雇用条件書などの申請書類の作成は、行政書士などの専門家の領域です。 登録支援機関に委託できるのは1号特定技能外国人支援計画の実施であって、申請書類の作成ではありません(申請書等の提出=申請取次は、変更・更新なら地方出入国在留管理局長の承認を受けた自社・登録支援機関の職員でも、本人の依頼を受けて行えます)。必要に応じて行政書士・社会保険労務士などの専門家と連携して進めます。
決めた額は毎年届け出て、毎年見直す
設定した報酬額は、一度決めて終わりではありません。 特定技能所属機関は、受け入れ・活動・支援実施状況に係る届出(定期届出)で、実労働日数・所定内および超過の実労働時間数・きまって支給する現金給与額・賞与・控除額に加えて昇給率まで届け出ます。[8]届出の時期と内容は特定技能で企業に求められる受け入れ要件で扱っています。
見直しのきっかけは3つです。
勤務地の最低賃金の発効日
事業所のある都道府県の発効日に合わせて、時間あたりの額が下限を割っていないかを確認します。⚠️ 発効日は県ごとに違い、令和7年度は10月から翌年3月まで分散しました。全社一律の点検日では取りこぼします。社内の同等者の賃金改定
同等報酬は社内の日本人との比較なので、比較対象にした人の賃金が上がれば基準も上がります。日本人側の定期昇給・ベースアップを入れたときは、あわせて確認します。本人からの給与の相談
同等報酬は下限であって上限ではないので、昇給の余地はあります。判断の材料は社内の同等者の水準・自社の賃金規程・経験年数の積み上がり=説明書(参考様式第1-4号)で使ったのと同じものです。⚠️ 報酬額を変えたら雇用条件書の変更=届出が要ります(雇用契約・雇用条件書)。
⚠️ 昇給は分野共通の義務ではありません。 2026年8月21日時点で、運用要領(令和8年8月20日一部改正版)の全文を「昇給」で検索した範囲では、該当3件はいずれも雇用条件書の変更に係る届出(Ⅶ欄8「昇給」を「有」から「無」に変えたときなど)と定期届出の届出事項で、分野を問わず昇給を義務づける記述は確認できませんでした。[8]ただし雇用条件書には昇給の有無を書く欄があり、届出では昇給率まで報告します。「無」と書いておいて後から実質的な昇給を始める分には問題ありませんが、「有」と書いた内容を変えるときは届出の対象です。
一方、分野によっては昇給そのものが受け入れの条件になっています。建設分野の運用方針は「特定技能所属機関は、1号特定技能外国人に対し、同等の技能を有する日本人が従事する場合と同等以上の報酬を安定的に支払い、技能習熟に応じて昇給を行う契約を締結していること」と定めています。[19]建設はさらに国土交通省の認定基準が金額まで定めており、その中身と添付書類(比較対象にした日本人の賃金台帳など)は特定技能「建設」とはにあります。介護のように手当の原資に制度側の仕組みを織り込める分野もあります(特定技能「介護」とは)。
まとめ
特定技能の給料は、①勤務地の最低賃金(地域別と、業種によっては特定最低賃金の高い方) ②社内で同じ仕事をしている日本人の報酬額 ③募集して人が来る水準の3つの下限のうち一番高いところで決まります。①は下回れば契約のその部分が無効になり、罰金もあります(地域別を下回れば最低賃金法第40条で50万円以下、地域別は満たすが特定最低賃金を下回れば労働基準法第120条で30万円以下)。②は特定技能雇用契約の基準に適合せず在留諸申請が通りません。建設のように分野の運用で金額基準が上乗せされる場合もあります。
水準の確認に使う政府統計は、超過労働給与額を除いた税引前の所定内給与額で月221.4千円(令和7年賃金構造基本統計調査・特定技能1号と2号の合計・農業/林業/漁業は対象産業外・集計対象は10人以上の民営事業所のみ)。「23万円台」「25万円台」型の数字は割増賃金を含む総額なので、月給の設計には使いません。産業別では人数のまとまった6産業で建設業265.9千円〜製造業207.3千円、公表全行だと運輸業,郵便業の174.2千円まで下がります(いずれも令和7年・所定内)。分野の区分では建設285,339円〜宿泊194,358円(令和3年・総額)。賞与は令和6年外国人雇用実態調査で平均10万7,700円に対し中央値0円=半数以上が受け取っていません(⚠️ 上の産業別表にある年間賞与143.7千円は令和7年賃金構造の値=別調査なので混ぜないでください)。
最低賃金は令和7年度の全国加重平均1,121円ですが、適用されるのは勤務地の県の額(東京1,226円〜高知・宮崎・沖縄1,023円)で、発効日は令和7年10月から令和8年3月まで分散。業種によっては特定最低賃金が上に乗ります。令和8年度は目安どおりなら1,176円へ上がる見込みで、いま決める額はこの上げ幅を織り込んでおきます。
比較の軸は職務・責任と経験年数で、技能実習からの移行者はおおむね3年・5年の経験者として扱います(近い業務の日本人と比べる場面では、入管庁のQ&Aが年齢も検討要素に挙げています)。⚠️ 社内に比較相手が一人もいない会社でも比較は行われ、そのとき物差しになるのは当局が保有する近隣同業他社の特定技能外国人の報酬額です——このときだけ社外の水準が効くので、産業別・分野別の数値を下読みしておきます。通勤手当・住宅手当を厚くしても同等報酬の比較に載る額は増えず、最低賃金の判定はさらに別ルール。額を決める前に参考様式第1-4号の欄を見て、比較対象の職務内容・経験年数・報酬と賃金規程の有無を揃えておくと、書面で詰まりません。
よくあるご質問
- 特定技能外国人の給料はいくらが目安ですか?
- 厚生労働省の令和7(2025)年賃金構造基本統計調査によると、在留資格「特定技能」の賃金は月221.4千円で、前年から4.8%上がっています。この「賃金」は令和7年6月分の所定内給与額(きまって支給する現金給与額から時間外・深夜・休日出勤・宿日直・交替の各手当を差し引いた、所得税等を控除する前の額)の平均で、特定技能1号と2号を合わせた全国平均です。⚠️ 同調査の対象産業に農業・林業・漁業は含まれず、集計対象は10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所(52,242事業所)で、5〜9人の事業所と公営事業所は入っていません。目安として使えるのは、自社で設定した額が世の中の水準から大きく外れていないかを確認するところまでで、実際に設定できる額は勤務地の最低賃金と、社内で同じ仕事をしている人の報酬額で決まります。
- 「日本人と同等以上」とは、誰と比べればよいのですか?
- 社内の状況で変わります。出入国在留管理庁の運用要領は3通りを示しています——同程度の技能等を有する日本人労働者がいる場合はその人と、いない場合は賃金規程に照らした自社の報酬体系の観点から、賃金規程もない場合は職務内容と責任の程度が最も近い職務を担う日本人労働者と比べてどう異なるかという観点から。⚠️ さらに同庁のQ&A Q30は、賃金規定がなく比較対象の日本人も一人もいない場合について「雇用契約書記載の報酬額と、当局が保有する近隣同業他社における同等業務に従事する同等程度の経験を有する特定技能外国人の報酬額を比較することとしています」としています。つまり社内に誰もいなくても比較は行われ、そのときの物差しは社外(近隣同業他社の特定技能外国人の水準)です。同Q30は、近い業務を担う日本人と比べる場合の検討要素として役職・責任の程度に加えて「年齢及び経験年数」も挙げています。各分岐の説明の作り方は受け入れ要件の記事で扱っています。
- 技能実習から特定技能へ移る人の給料は、技能実習のときより上げれば足りますか?
- 足りません。運用要領は、技能実習2号修了者はおおむね3年間、技能実習3号修了者はおおむね5年間の経験者として取り扱う必要があるとしています。そのうえで「技能実習2号修了時の報酬額を上回ることはもとより、実際に3年程度又は5年程度の経験を積んだ日本人の技能者に支払っている報酬額とも比較し、適切に設定する必要があります」と明記しています。比較の相手は、技能実習修了時の本人ではなく、同じ経験年数の日本人です。
- 通勤手当や住宅手当を厚くすれば、同等以上の水準に届きますか?
- 届きません。運用要領は「報酬」を「一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付」とし、通勤手当・扶養手当・住宅手当など実費弁償の性格を持つもの(課税対象となるものを除く)は含まれないとしています。支給総額が同じでも、実費弁償の手当に振り分けた分は同等以上の比較に載りません。一方で最低賃金と比べるときに算入する賃金の範囲は最低賃金法が別に定めており、同じ手当でも2つの判定で扱いが違うことがあります。
- 最低賃金さえ満たしていれば問題ありませんか?
- 最低賃金は下限の1つにすぎません。まず、適用される額は勤務地の都道府県ごとに違い(令和7年度は東京1,226円から高知・宮崎・沖縄の1,023円まで)、業種によっては地域別より高い特定最低賃金が設定されていることがあります。2つ以上の最低賃金の適用を受ける場合は最も高いもので判定します(最低賃金法第6条第1項)。そのうえで特定技能では、同じ業務に従事する日本人と同等以上の報酬額であることが特定技能雇用契約の基準として求められます。社内の同等者の報酬額が最低賃金より高ければ、そちらが実際に効く下限になります。
出典・参考(一次情報)
- 令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況(令和8年3月24日公表)=第9表「外国人労働者の在留資格区分別賃金及び対前年増減率」特定技能221.4千円(対前年+4.8%・年齢29.5歳・勤続2.4年)/外国人労働者計254.3千円/専門的・技術的分野(特定技能を除く)313.2千円/身分に基づくもの311.1千円/技能実習190.3千円/その他228.3千円。利用上の注意1「本概況に用いている『賃金』は、令和7(2025)年 6月分として支払われた所定内給与額の平均をいう」。用語の定義「所定内給与額」=現金給与額から超過労働給与額(①時間外勤務手当、②深夜勤務手当、③休日出勤手当、④宿日直手当、⑤交替手当)を差し引いた額。在留資格区分「特定技能=特定技能1号、特定技能2号」。調査の範囲(客体)=日本標準産業分類の16大産業(農業・林業・漁業を含まない)/5人以上の常用労働者を雇用する民営事業所(5〜9人は企業規模5〜9人の事業所に限る)及び10人以上の公営事業所。⚠️ただし本概況の「集計対象」はこれと異なり「有効回答を得た59,836事業所のうち、10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所(52,242事業所)について集計した」(調査対象数の注)/利用上の注意5「本概況では、10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所について、次の要件を満たす常用労働者を集計している」。調査の時期=「令和7(2025)年6月分の賃金等(賞与、期末手当等特別給与額については原則として令和6(2024)年1月から令和6年12月までの1年間)」/確認日2026年8月11日(厚生労働省)
- 令和6年賃金構造基本統計調査の概況(令和7年3月17日公表)=第9表 特定技能211.2千円(対前年+6.7%・年齢28.8歳・勤続2.2年)。「賃金」=令和6年6月分の所定内給与額の平均/確認日2026年8月11日(厚生労働省)
- 令和6年外国人雇用実態調査の概況(令和7年8月29日公表・令和6年9月30日現在)=第4表(一般労働者)うち特定技能=きまって支給する現金給与額250.3千円・所定内給与額213.0千円・昨年1年間の賞与等107.7千円・所定内実労働時間160.2時間・超過実労働時間21.3時間/同表 外国人常用労働者計274.9・242.0・229.9・157.1・17.5/技術・人文知識・国際業務の賞与等357.3/技能実習の賞与等39.4。用語の定義「きまって支給する現金給与額」=超過勤務手当を含む9月分、「所定内給与額」=そこから超過労働給与額(時間外・深夜・休日出勤・宿日直・交替手当)を差し引いた額。⚠️同概況の統計表は第1表(産業別・在留資格別労働者数)・第2表(企業規模別・在留資格別労働者数)で、産業別×在留資格別の賃金表は収載されていない(令和5年の概況も同じ)/確認日2026年8月11日(厚生労働省)
- 令和7年賃金構造基本統計調査 統計表/外国人労働者 第1表「在留資格区分、性、産業・企業規模・雇用形態別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」(e-Stat・2026年3月24日公開・ファイル内の表記は「民営」「男女計」)=「特定技能 産業・企業規模計」=年齢29.5歳・勤続2.4年・所定内実労働170時間・超過18時間・現金給与額254.2千円・所定内給与額221.4千円・年間賞与その他特別給与額143.7千円・労働者数14,674(単位=十人)。産業別=〔所定内/現金/年間賞与/労働者数(十人)〕D建設業265.9・295.1・172.6・2,175/P医療,福祉225.0・236.9・205.2・3,155/K不動産業,物品賃貸業224.3・237.5・114.4・55/M宿泊業,飲食サービス業218.3・245.0・68.2・911/I卸売業,小売業213.9・253.7・160.9・577/E製造業207.3・250.9・121.4・7,266/C鉱業,採石業,砂利採取業204.4・239.8・202.4・2/N生活関連サービス業,娯楽業184.0・189.7・54.7・9/H運輸業,郵便業174.2・189.3・1.4・22(F電気ガス水道・L学術研究・Rサービス業は「X」=秘匿、G情報通信・J金融保険・O教育・Q複合サービスは「-」)。企業規模別=10〜99人227.6/100〜999人217.5/1,000人以上213.2。雇用形態別=正社員・正職員231.4/同以外208.1。⚠️同調査の対象産業に農業・林業・漁業は含まれない。⚠️トモハタが2026年8月11日に同ファイル内の全XMLを検索した範囲では「一般労働者」の文字列は0件(就業形態の限定はファイル単体では確認できない)。年間賞与その他特別給与額の対象期間=令和7年概況「調査の時期」に「賞与、期末手当等特別給与額については原則として令和6(2024)年1月から令和6年12月までの1年間」と明記(同ファイル単体には記載なし)/確認日2026年8月11日(厚生労働省(e-Stat 掲載))
- 特定技能制度の現状について(技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議 第8回 参考資料4)「特定技能外国人に対する賃金の支払状況=月平均支給額(令和3年・分野別)」(暫定値)=全分野平均231,979円/建設285,339・自動車整備249,481・素形材産業機械電気電子情報関連製造業240,641・造船舶用工業239,748・漁業236,634・外食業233,543・飲食料品製造業223,566・介護223,531・ビルクリーニング207,313・農業206,096・宿泊194,358/航空は「対象者が僅少のため集計対象外」。注記「令和3年を通じて在留した特定技能外国人に関する定期的な届出の内容に基づいて、1か月当たりの平均支給賃金額(総額)を算出したもの(11,331名分の届出内容から算出)」/確認日2026年8月11日(出入国在留管理庁)
- 令和6年外国人雇用実態調査 統計表 事業所調査 表番号4「外国人常用労働者の在留資格・最終学歴・職業・勤続年数・役職別 月間きまって支給する現金給与額、月間所定内給与額及び昨年1年間の賞与、期末手当等特別給与額」(e-Stat・2025年8月29日公開)=シート「第4表②就業形態 一般」の「うち特定技能」行=1人当たり平均 250.3/213.0/107.7 千円・中央値 253.0/206.0/0.0 千円(同シートの外国人常用労働者計は平均 274.9/242.0/229.9・中央値 252.6/218.7/0.0)。⚠️ 概況(本文PDF)には中央値の収載がなく、この統計表にのみ在る。⚠️ トモハタが2026年8月11日に同調査の統計表34件(事業所調査12件・労働者調査22件)の表題を e-Stat で実査した範囲では、産業別×在留資格別の「賃金」の表は無い(表番号11「産業・企業規模、在留資格別外国人常用労働者数」は労働者数・表番号2は構成比)/確認日2026年8月11日(厚生労働省(e-Stat 掲載))
- 最低賃金法=第4条第1項「使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない」/第4条第2項「最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなす」/第4条第3項(最低賃金額と比べる賃金に算入しない賃金の3号)/第6条第1項「労働者が二以上の最低賃金の適用を受ける場合は、これらにおいて定める最低賃金額のうち最高のものにより第四条の規定を適用する」/第7条(減額の特例=都道府県労働局長の許可)/第9条第1項(地域別最低賃金はあまねく全国各地域について決定)/第13条(派遣中の労働者は派遣先の事業場の所在地の地域別最低賃金)/第15条・第16条(特定最低賃金は地域別を上回るものでなければならない)/第18条(派遣中の労働者の特定最低賃金)/第40条「第四条第一項の規定に違反した者(地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金に係るものに限る。)は、五十万円以下の罰金に処する」。⚠️トモハタが2026年8月11日に同法全文を「国籍」「外国人」で検索した範囲では、国籍による適用除外の定めは確認できなかった(いずれも0件)(e-Gov法令検索(デジタル庁))
- 特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和8年8月20日一部改正版)=第5章第1節(2)所定労働時間に関するもの=省令第1条 二「外国人の所定労働時間が、特定技能所属機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること。」/留意事項「『所定労働時間』とは、雇用契約や就業規則で定められた労働時間(休憩時間は含まない。)をいいます」。同(3)報酬等に関するもの=省令第1条 三(報酬の同等以上)・四(差別的取扱いの禁止)/説明の3分岐(同程度の技能等を有する日本人労働者がいる場合/いない場合で賃金規程がある場合/いない場合で賃金規程がない場合)/【確認対象の書類】報酬に関する説明書(参考様式第1-4号)・雇用条件書の写し(参考様式第1-6号)/「『報酬』とは『一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付』をいい、一般的に通勤手当、扶養手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するもの(課税対象となるものは除く。)は含まれません。」/技能実習2号修了者はおおむね3年間・3号修了者はおおむね5年間の経験者として取り扱う/定期届出の主な届出事項に「昇給率」を含む。⚠️トモハタが2026年8月21日に同要領(令和8年8月20日一部改正版)の全文を「同業他社」「近隣」で検索した範囲では、他社の特定技能外国人の報酬額と比較する説明方法は同要領内には確認できなかった(「同業他社」0件・「近隣」2件はいずれも試験の受験国・漁業の面談に関する別文脈)=ただし同庁のQ&A Q30が同要領の外でこの方法を示している(moj-tokutei-qa を参照)/確認日2026年8月21日(出入国在留管理庁)
- 令和7年度 地域別最低賃金 全国一覧=全国加重平均1,121円(改定前1,055円・引上げ額66円・引上げ率6.3%)/最高=東京1,226円・神奈川1,225円/最低=高知・宮崎・沖縄 各1,023円/引上げ額の幅63〜82円(熊本82円・大分81円・秋田80円・群馬78円/高知・宮崎・沖縄は各71円)/発効日は令和7年10月1日(栃木)から令和8年3月31日(秋田)まで分散/確認日2026年8月11日(厚生労働省)
- 最低賃金制度とは(厚生労働省)=「地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。」/同ページ掲載の参考条文=最低賃金法第4条第1項・第2項、労働基準法第24条第1項(賃金の全額払い)/確認日2026年8月11日(厚生労働省)
- 最低賃金法の違反の罰則について(厚生労働省 大阪労働局)=①地域別最低賃金額以上の賃金を支払わなかった使用者は50万円以下の罰金(最低賃金法第40条)/②特定最低賃金が適用される労働者に対し「地域別最低賃金額以上の賃金」を支払わなかった使用者は50万円以下の罰金(最低賃金法第9条、第40条)=具体例「地域別1,177円/特定1,197円/支払1,150円」/③特定最低賃金が適用される労働者に対し「特定最低賃金額以上の賃金」を支払わなかった使用者は30万円以下の罰金(労働基準法第120条)=具体例「地域別1,177円/特定1,197円/支払1,180円」/確認日2026年8月11日(厚生労働省 大阪労働局)
- 特定最低賃金の全国一覧(厚生労働省)=【都道府県別に設定されている特定最低賃金】令和7年度の一覧PDF(「令和7年度 特定最低賃金の審議・決定状況」令和8年1月15日時点・都道府県×業種×時間額×効力発生日)/【全国設定】全国非金属鉱業最低賃金(1日 5,772円・発効 平成元年5月17日・「この最低賃金において賃金に算入しないもの=精皆勤手当、通勤手当及び家族手当」)。一覧PDFの注1「地域別最低賃金と特定最低賃金の両方が適用される場合は、これらの最低賃金額のうち最高のものが適用されるため、表中『(※)』で示された特定最低賃金額については、地域別最低賃金額が適用されます。」/確認日2026年8月11日(厚生労働省)
- 令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について(令和8年7月28日・第75回中央最低賃金審議会の答申)=引上げ額の目安はAランク54円・Bランク56円・Cランク56円/ランク別の該当都道府県=A(6都府県)埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪/B(28道府県)北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡/C(13県)青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄/「仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は1,176円」(上昇額55円〔昨年度は66円〕・引上げ率4.9%〔昨年度は6.3%〕)/「各地方最低賃金審議会で、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議の上、答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することとなります」/確認日2026年8月11日(厚生労働省)
- 特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令(平成31年法務省令第5号・最終改正 令和7年6月1日法務省令第35号)=条文の原本。⚠️ 縦書きPDFのため、本記事の条文の逐語は運用要領の【関係規定】に掲げられた再掲から採っている。第1条は「雇用関係に関する事項に係るもの」(第1項・項番号の表記なし・一〜七号)と「2 …外国人の適正な在留に資するために必要な事項に係るもの」(第2項・一〜三号)に分かれる(同【関係規定】の掲げ方で確認)/確認日2026年8月11日(出入国在留管理庁)
- 特定技能制度に関するQ&A(出入国在留管理庁・2026年8月11日時点の掲載版)=Q30「会社に同じ業務に従事する日本人がいないのですが、同等報酬要件はどのようにして証明すればいいですか。」【A】「受入れ機関に賃金規定がある場合には、賃金規定に基づいて判断することになります。賃金規定がない場合であって、特定技能外国人と同等の業務に従事する日本人労働者がいるときは、当該日本人労働者と比較して報酬の同等性を判断することになります。賃金規定がない場合であって、同等の業務に従事する日本人労働者はいないものの、特定技能外国人が従事する業務と近い業務等を担う業務に従事する日本人労働者がいるときは、当該日本人労働者の役職や責任の程度を踏まえた上で特定技能外国人との報酬差が合理的に説明されているか、年齢及び経験年数を比較しても報酬額が妥当かなどを検討して判断することとなります。賃金規定がなく、比較対象の日本人もいない場合には、雇用契約書記載の報酬額と、当局が保有する近隣同業他社における同等業務に従事する同等程度の経験を有する特定技能外国人の報酬額を比較することとしています。」⚠️ 同庁が別途配信しているPDF版(isa/content/930006254.pdf)は同じ問答をQ29として収載するが、在留期間に関する設問の内容が旧法時点のままで古い=本記事はHTML掲載版(Q30)を正として引用している/確認日2026年8月11日(出入国在留管理庁)
- 労働基準法 第3条(均等待遇)=「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」/確認日2026年8月11日(e-Gov法令検索(デジタル庁))
- 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム・有期雇用労働法)第8条(不合理な待遇の禁止)=「事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない。」/第9条(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止)/確認日2026年8月11日(e-Gov法令検索(デジタル庁))
- 参考様式第1-4号「特定技能外国人の報酬に関する説明書」記載例=1 申請人に対する報酬(①氏名 ②役職、職務内容、責任の程度 ③年齢、性別及び経験年数 ④報酬〔月給/時間給〕 ⑤その他)/2 比較対象となる日本人労働者がいる場合(⑤の記載例「比較対象の社員は申請人と同じく経験年数が4年であり、任されている業務の範囲や業務量についても、申請人と同じである。また、ともにラインマネージャーの監督・指示の下で業務を行っており、業務における責任も同程度である。」)/3 比較対象となる日本人労働者がいない場合(設例=最も近い職務がラインマネージャー〔40歳・経験22年・月給350,000円〕に対し申請人〔28歳・経験4年・月給180,000円〕、⑤「当該ラインマネージャーが申請人と同年代の頃に同様の業務を行っており、当時の報酬額が同額であったため。」/注意4「賃金規程に基づき、申請人と役職、職務内容、責任の程度が最も近い日本人労働者に支払われるべき報酬を具体的に記載し、当該賃金規程を参考資料として添付すること」)/注意「賃金規定がなく、また、日本人労働者も雇用していない場合(上記2・3のいずれも記載が困難な場合)には、任意の様式で、申請人の報酬額を決定した方法や経緯等について説明した文書を提出してください。」/確認日2026年8月11日(出入国在留管理庁)
- 建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針(別紙5)=第二 特定技能所属機関に対して特に課す条件③「特定技能所属機関は、1号特定技能外国人に対し、同等の技能を有する日本人が従事する場合と同等以上の報酬を安定的に支払い、技能習熟に応じて昇給を行う契約を締結していること。」/確認日2026年8月11日(出入国在留管理庁)
- 特定技能 在留諸申請に係る提出書類・参考様式一覧(参考様式第1-4号の様式・記載例の入手元)/確認日2026年8月11日(出入国在留管理庁)