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特定技能の給料はいくらにする?外国人社員の給与の決め方

著者: 西野 俊祐最終更新: 2026-08-11最終確認: 2026-08-11運営者情報
目次

よくあるご質問

特定技能外国人の給料はいくらが目安ですか?
厚生労働省の令和7(2025)年賃金構造基本統計調査によると、在留資格「特定技能」の賃金は月221.4千円で、前年から4.8%上がっています。この「賃金」は令和7年6月分の所定内給与額(きまって支給する現金給与額から時間外・深夜・休日出勤・宿日直・交替の各手当を差し引いた、所得税等を控除する前の額)の平均で、特定技能1号と2号を合わせた全国平均です。⚠️ 同調査の対象産業に農業・林業・漁業は含まれず、母集団は5人以上の常用労働者を雇用する民営事業所などです。目安として使えるのは、自社で設定した額が世の中の水準から大きく外れていないかを確認するところまでで、実際に設定できる額は勤務地の最低賃金と、社内で同じ仕事をしている人の報酬額で決まります。
「日本人と同等以上」とは、誰と比べればよいのですか?
出入国在留管理庁の運用要領は、社内の状況に応じた3通りの説明の仕方を示しています。同程度の技能等を有する日本人労働者がいる場合はその人と、いない場合は賃金規程に照らした自社の報酬体系の観点から、賃金規程もない場合は職務内容と責任の程度が最も近い職務を担う日本人労働者と比べてどう異なるかという観点から説明します。いずれも比較の相手は社内の日本人です。「近隣の同業他社が特定技能外国人に払っている額と比べる」という説明もありますが、2026年8月11日時点で同要領の全文を「同業他社」「近隣」で検索した範囲では、他社の報酬額と比較する方法は確認できませんでした。3分岐それぞれの説明の作り方は受け入れ要件の記事で扱っています。
技能実習から特定技能へ移る人の給料は、技能実習のときより上げれば足りますか?
足りません。運用要領は、技能実習2号修了者はおおむね3年間、技能実習3号修了者はおおむね5年間の経験者として取り扱う必要があるとしています。そのうえで「技能実習2号修了時の報酬額を上回ることはもとより、実際に3年程度又は5年程度の経験を積んだ日本人の技能者に支払っている報酬額とも比較し、適切に設定する必要があります」と明記しています。比較の相手は、技能実習修了時の本人ではなく、同じ経験年数の日本人です。
通勤手当や住宅手当を厚くすれば、同等以上の水準に届きますか?
届きません。運用要領は「報酬」を「一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付」とし、通勤手当・扶養手当・住宅手当など実費弁償の性格を持つもの(課税対象となるものを除く)は含まれないとしています。支給総額が同じでも、実費弁償の手当に振り分けた分は同等以上の比較に載りません。一方で最低賃金と比べるときに算入する賃金の範囲は最低賃金法が別に定めており、同じ手当でも2つの判定で扱いが違うことがあります。
最低賃金さえ満たしていれば問題ありませんか?
最低賃金は下限の1つにすぎません。まず、適用される額は勤務地の都道府県ごとに違い(令和7年度は東京1,226円から高知・宮崎・沖縄の1,023円まで)、業種によっては地域別より高い特定最低賃金が設定されていることがあります。2つ以上の最低賃金の適用を受ける場合は最も高いもので判定します(最低賃金法第6条第1項)。そのうえで特定技能では、同じ業務に従事する日本人と同等以上の報酬額であることが特定技能雇用契約の基準として求められます。社内の同等者の報酬額が最低賃金より高ければ、そちらが実際に効く下限になります。

出典・参考(一次情報)

  1. 令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況(令和8年3月24日公表)=第9表「外国人労働者の在留資格区分別賃金及び対前年増減率」特定技能221.4千円(対前年+4.8%・年齢29.5歳・勤続2.4年)/外国人労働者計254.3千円/専門的・技術的分野(特定技能を除く)313.2千円/身分に基づくもの311.1千円/技能実習190.3千円/その他228.3千円。利用上の注意1「本概況に用いている『賃金』は、令和7(2025)年 6月分として支払われた所定内給与額の平均をいう」。用語の定義「所定内給与額」=現金給与額から超過労働給与額(①時間外勤務手当、②深夜勤務手当、③休日出勤手当、④宿日直手当、⑤交替手当)を差し引いた額。在留資格区分「特定技能=特定技能1号、特定技能2号」。調査の範囲=日本標準産業分類の16大産業(農業・林業・漁業を含まない)/5人以上の常用労働者を雇用する民営事業所ほか/確認日2026年8月11日(厚生労働省)
  2. 令和6年賃金構造基本統計調査の概況(令和7年3月17日公表)=第9表 特定技能211.2千円(対前年+6.7%・年齢28.8歳・勤続2.2年)。「賃金」=令和6年6月分の所定内給与額の平均/確認日2026年8月11日(厚生労働省)
  3. 令和6年外国人雇用実態調査の概況(令和7年8月29日公表・令和6年9月30日現在)=第4表(一般労働者)うち特定技能=きまって支給する現金給与額250.3千円・所定内給与額213.0千円・昨年1年間の賞与等107.7千円・所定内実労働時間160.2時間・超過実労働時間21.3時間/同表 外国人常用労働者計274.9・242.0・229.9・157.1・17.5/技術・人文知識・国際業務の賞与等357.3/技能実習の賞与等39.4。用語の定義「きまって支給する現金給与額」=超過勤務手当を含む9月分、「所定内給与額」=そこから超過労働給与額(時間外・深夜・休日出勤・宿日直・交替手当)を差し引いた額。⚠️同概況の統計表は第1表(産業別・在留資格別労働者数)・第2表(企業規模別・在留資格別労働者数)で、産業別×在留資格別の賃金表は収載されていない(令和5年の概況も同じ)/確認日2026年8月11日(厚生労働省)
  4. 特定技能制度の現状について(技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議 第8回 参考資料4)「特定技能外国人に対する賃金の支払状況=月平均支給額(令和3年・分野別)」(暫定値)=全分野平均231,979円/建設285,339・自動車整備249,481・素形材産業機械電気電子情報関連製造業240,641・造船舶用工業239,748・漁業236,634・外食業233,543・飲食料品製造業223,566・介護223,531・ビルクリーニング207,313・農業206,096・宿泊194,358/航空は「対象者が僅少のため集計対象外」。注記「令和3年を通じて在留した特定技能外国人に関する定期的な届出の内容に基づいて、1か月当たりの平均支給賃金額(総額)を算出したもの(11,331名分の届出内容から算出)」/確認日2026年8月11日(出入国在留管理庁)
  5. 最低賃金法=第4条第1項「使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない」/第4条第2項「最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなす」/第4条第3項(最低賃金額と比べる賃金に算入しない賃金の3号)/第6条第1項「労働者が二以上の最低賃金の適用を受ける場合は、これらにおいて定める最低賃金額のうち最高のものにより第四条の規定を適用する」/第7条(減額の特例=都道府県労働局長の許可)/第9条第1項(地域別最低賃金はあまねく全国各地域について決定)/第13条(派遣中の労働者は派遣先の事業場の所在地の地域別最低賃金)/第15条・第16条(特定最低賃金は地域別を上回るものでなければならない)/第18条(派遣中の労働者の特定最低賃金)/第40条「第四条第一項の規定に違反した者(地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金に係るものに限る。)は、五十万円以下の罰金に処する」。⚠️トモハタが2026年8月11日に同法全文を「国籍」「外国人」で検索した範囲では、国籍による適用除外の定めは確認できなかった(いずれも0件)(e-Gov法令検索(デジタル庁))
  6. 特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和8年4月1日一部改正版)=第5章第1節(2)所定労働時間に関するもの=省令第1条 二「外国人の所定労働時間が、特定技能所属機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること。」/留意事項「『所定労働時間』とは、雇用契約や就業規則で定められた労働時間(休憩時間は含まない。)をいいます」。同(3)報酬等に関するもの=省令第1条 三(報酬の同等以上)・四(差別的取扱いの禁止)/説明の3分岐(同程度の技能等を有する日本人労働者がいる場合/いない場合で賃金規程がある場合/いない場合で賃金規程がない場合)/【確認対象の書類】報酬に関する説明書(参考様式第1-4号)・雇用条件書の写し(参考様式第1-6号)/「『報酬』とは『一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付』をいい、一般的に通勤手当、扶養手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するもの(課税対象となるものは除く。)は含まれません。」/技能実習2号修了者はおおむね3年間・3号修了者はおおむね5年間の経験者として取り扱う/定期届出の主な届出事項に「昇給率」を含む。⚠️トモハタが2026年8月11日に同要領の全文を「同業他社」「近隣」で検索した範囲では、他社の特定技能外国人の報酬額と比較する説明方法は確認できなかった(「同業他社」0件・「近隣」2件はいずれも試験の受験国・漁業の面談に関する別文脈)/確認日2026年8月11日(出入国在留管理庁)
  7. 令和7年度 地域別最低賃金 全国一覧=全国加重平均1,121円(改定前1,055円・引上げ額66円・引上げ率6.3%)/最高=東京1,226円・神奈川1,225円/最低=高知・宮崎・沖縄 各1,023円/引上げ額の幅63〜82円(熊本82円・大分81円・秋田80円・群馬78円/高知・宮崎・沖縄は各71円)/発効日は令和7年10月1日(栃木)から令和8年3月31日(秋田)まで分散/確認日2026年8月11日(厚生労働省)
  8. 令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について(令和8年7月28日・第75回中央最低賃金審議会の答申)=引上げ額の目安はAランク54円・Bランク56円・Cランク56円/「仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は1,176円」(上昇額55円・引上げ率4.9%)/「各地方最低賃金審議会で、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議の上、答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することとなります」/確認日2026年8月11日(厚生労働省)
  9. 特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令(平成31年法務省令第5号・最終改正 令和7年6月1日法務省令第35号)=条文の原本。⚠️ 縦書きPDFのため、本記事の条文の逐語は運用要領の【関係規定】に掲げられた再掲から採っている。第1条は「雇用関係に関する事項に係るもの」(第1項・項番号の表記なし・一〜七号)と「2 …外国人の適正な在留に資するために必要な事項に係るもの」(第2項・一〜三号)に分かれる(同【関係規定】の掲げ方で確認)/確認日2026年8月11日(出入国在留管理庁)
  10. 参考様式第1-4号「特定技能外国人の報酬に関する説明書」記載例=1 申請人に対する報酬(①氏名 ②役職、職務内容、責任の程度 ③年齢、性別及び経験年数 ④報酬〔月給/時間給〕 ⑤その他)/2 比較対象となる日本人労働者がいる場合(⑤の記載例「比較対象の社員は申請人と同じく経験年数が4年であり、任されている業務の範囲や業務量についても、申請人と同じである。また、ともにラインマネージャーの監督・指示の下で業務を行っており、業務における責任も同程度である。」)/3 比較対象となる日本人労働者がいない場合(設例=最も近い職務がラインマネージャー〔40歳・経験22年・月給350,000円〕に対し申請人〔28歳・経験4年・月給180,000円〕、⑤「当該ラインマネージャーが申請人と同年代の頃に同様の業務を行っており、当時の報酬額が同額であったため。」/注意4「賃金規程に基づき、申請人と役職、職務内容、責任の程度が最も近い日本人労働者に支払われるべき報酬を具体的に記載し、当該賃金規程を参考資料として添付すること」)/注意「賃金規定がなく、また、日本人労働者も雇用していない場合(上記2・3のいずれも記載が困難な場合)には、任意の様式で、申請人の報酬額を決定した方法や経緯等について説明した文書を提出してください。」/確認日2026年8月11日(出入国在留管理庁)
  11. 建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針(別紙5)=第二 特定技能所属機関に対して特に課す条件③「特定技能所属機関は、1号特定技能外国人に対し、同等の技能を有する日本人が従事する場合と同等以上の報酬を安定的に支払い、技能習熟に応じて昇給を行う契約を締結していること。」/確認日2026年8月11日(出入国在留管理庁)
  12. 特定技能 在留諸申請に係る提出書類・参考様式一覧(参考様式第1-4号の様式・記載例の入手元)/確認日2026年8月11日(出入国在留管理庁)