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育成就労制度とは|いつから?2027年4月施行と企業の準備

著者: 西野 俊祐最終更新: 2026-09-06最終確認: 2026-08-11運営者情報
目次

よくあるご質問

育成就労の運用要領は公表されていますか?
分野横断の運用要領は公表されていますが、分野別運用要領の公開は2026年9月1日時点で17分野中9分野にとどまります。分野横断の運用要領は出入国在留管理庁のページに本文・別紙・参考様式が掲載され、その後も改正が随時行われています(優良な育成就労実施者については、第1-36号様式「優良要件適合申告書(育成就労実施者)」が掲載されています)。優良な育成就労実施者の基準は、この運用要領の第4章に配点表として公表されています(Ⅰ技能及び日本語能力の修得に係る実績・Ⅱ体制・待遇・実施状況・Ⅲ地域社会との共生を点数化し、受入れ実績の長さに応じた満点〈56〜100点〉の7割以上に加えて、この3項目でそれぞれ6割以上が必要。Ⅳ法令違反・問題の発生状況は減点と失格の項目で、改善命令の実績などがあると優良適合不可)。Ⅰの中心は技能試験の合格率で、受験実績がない場合は0点とされているため、技能実習での実績がまったく無い企業が初回から優良になることはできません。一方で、監理支援機関の『優良』の基準は、決まり次第、運用要領の中で示される予定です。最新版がどれかを含め、細部は出入国在留管理庁の育成就労制度運用要領のページで確認してください。
育成就労はいつから始まりますか?
育成就労制度を定めた改正法は2024年6月21日に公布され、2027年4月1日に施行されます。施行に先立ち、監理支援機関の許可の施行日前申請は2026年4月15日から受け付けが始まっており、育成就労計画の認定に係る施行日前申請は2026年9月1日から始まります。技能実習は施行日で即座に終わるわけではなく、法令上は2027年3月31日までの計画認定申請・原則2027年6月30日までの実習開始という経過措置があります。ただし外国人技能実習機構は1号技能実習計画の認定申請を2027年2月までに行うよう案内しているため、実務上の期限はそちらです。最新の時期は出入国在留管理庁・外国人技能実習機構の公表で確認してください。
育成就労で外国人は何年働けますか?
育成就労は原則3年です。出入国在留管理庁の育成就労制度Q&Aは、3年を経過した場合であっても、特定技能1号への移行に必要な技能・日本語能力に係る試験に不合格となったときは、最長1年の範囲内で一定の在留継続を認める方針としています。その後は特定技能1号(原則5年を上限)へ移行する設計で、特定技能2号には在留可能な期間の上限がありません。延長の要件と手続きは育成就労から特定技能への移行のページで解説しています。
施行日の時点で受け入れている技能実習生はどうなりますか?
2027年4月1日に既に来日している技能実習生は、原則として引き続き認定計画に基づいて技能実習を続けられます。施行日時点で技能実習1号の方は、技能実習計画の認定を受けて技能実習2号へも移行できます。技能実習3号への移行は、2027年4月1日の時点で技能実習2号の活動を1年以上行っている方に限られます。したがって、経過措置でこれから新たに技能実習1号として受け入れる方は3号へ進めず、技能実習1号と2号の通算3年までが上限になります。なお、経過措置で技能実習を続ける方には技能実習制度のルールが適用され、技能実習から育成就労へ移行することはできません。詳細は出入国在留管理庁の「育成就労制度の施行に伴う技能実習の経過措置について」で確認してください。
いま取引している監理団体は、そのまま育成就労の窓口になりますか?
なりません。育成就労で受け入れ企業の監理・支援を担うのは、あらためて許可を受けた監理支援機関です。出入国在留管理庁の育成就労制度Q&Aも、監理団体が育成就労の業務を行うには新たな許可が要るとしています。許可の施行日前申請は2026年4月15日から受け付けが始まっており、取引先が申請する方針かどうかは企業側から確認しておきたい論点です。申請しない場合は、施行日から育成就労で受け入れるなら別の監理支援機関を探すことになります。
育成就労制度は「やばい」「廃止」と言われることがありますが、企業にとってのリスクは何ですか?
企業の立場で見た懸念は3つに整理できます。①転籍制限期間を過ぎると本人の意向で他社へ移れるため、育てた人材が流出しうること、②本人が送出機関に支払う費用の上限規制、養成講習の受講義務の拡大、3年分の育成就労計画の作成など、受け入れ側の費用と手続きが総じて重くなる方向であること、③分野別運用要領や監理支援機関の「優良」の基準など、細目が今後示される部分が残っていることです。なお「廃止」という語は技能実習制度が育成就労に置き換わることを指して使われることがあります。2026年8月11日時点で、出入国在留管理庁の「育成就労制度」ページ・育成就労制度Q&A・「育成就労制度の概要」を「廃止」で確認した限りでは、育成就労そのものの取りやめを示す記載は確認できませんでした。
育成就労と技能実習の違いは何ですか?
技能実習が「国際貢献(技能移転)」を目的とするのに対し、育成就労は「人材の確保と育成」を目的とする制度です。原則3年で特定技能1号の水準まで育てることを想定しています。企業から見た実務上の違いは3つあります。①一定の要件のもとで本人の意向による転籍が認められること、②就労を開始する時点から日本語能力の要件があること、③特定技能1号へ移る時に技能・日本語いずれの試験も合格が必要なこと(現行の特定技能制度にある技能実習2号良好修了者の試験免除は、育成就労にはありません)。
育成就労から特定技能には移れますか?
はい。育成就労(原則3年)を修了し、技能(特定技能1号評価試験、または育成就労評価試験の専門級・技能検定3級など。分野で異なります)と日本語(基本方針は「日本語教育の参照枠」のA2相当以上を基本とし、分野別運用方針の別紙は17分野すべてで終了時の水準をA2.2相当以上=参照枠A2相当のレベルと定めています)の要件を満たせば、特定技能1号へ移行できる設計です。分野の上乗せがあり、介護分野はこれに加えて介護特定技能評価試験〈日本語〉の合格、鉄道分野の運輸係員の業務区分はB1相当以上が求められます。自社の分野の水準は分野別運用方針の別紙で確認してください。
育成就労の開始時に、日本語の要件はありますか?
あります。分野横断の原則は、日本語能力A1相当以上(日本語能力試験N5相当)の試験合格、または認定日本語教育機関の就労課程でA1相当の講習を100時間以上受講していることで、試験に合格しないと入国できないという仕組みではありません。ただし分野の上乗せがあります。介護分野は開始時にA2.2相当以上の試験に合格した者とされており、鉄道分野の運輸係員の業務区分はA2.2相当以上に加えて入国時にA1相当以上の試験に合格していることが求められます。自社の分野の要件と、講習で代えられるかどうかは分野別運用方針の別紙で確認してください。
1社で受け入れられる育成就労外国人の人数に上限はありますか?
あります。育成就労実施者(受け入れ企業)の常勤職員数に応じた受入れ人数枠が設けられており、優良であると認められれば基本人数枠の2倍、優良な監理支援機関の監理支援を受ける指定区域(地方)の優良な育成就労実施者であれば3倍まで拡大されます。ただし優良の判定は技能試験の合格率などの実績で行われるため、技能実習の実績が無い企業は初回から優良にはなれず、3倍の枠は優良な監理支援機関の認定が始まるまで取れません。ただし①基本人数枠・②優良な育成就労実施者・③優良な監理支援機関の監理支援を受ける指定区域の優良な育成就労実施者、と並べたとき、②は常勤5人以下、③は常勤8人以下の区分ではちょうど2倍・3倍になりません(例=常勤5人なら①9人・②15人・③16人)。これは分野全体の受入れ見込数とは別の、1社あたりの枠の考え方です。さらに分野によっては、この枠とは別に1社(1事業所)あたりの上限がかかります(例=介護分野は事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数が上限)。自社の分野の分野別運用方針の別紙もあわせて確認してください。

出典・参考(一次情報)

  1. 技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議 最終報告書(2023年11月)(出入国在留管理庁)
  2. 育成就労制度Q&A(Q10・Q11・Q40・Q41)/育成就労制度Q&A(Q56・Q63・Q75)/育成就労制度Q&A(Q48・Q50・Q74・Q77〜Q80)(出入国在留管理庁)
  3. 出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(令和7年政令第340号)(出入国在留管理庁)
  4. 育成就労制度の概要(令和8年7月改訂・施行までのスケジュール・技能実習に関する経過措置・日本語能力水準の定義)(出入国在留管理庁・厚生労働省)
  5. 育成就労制度について(技能実習制度の経過措置・施行日前申請の受付/確認日2026年9月6日)(外国人技能実習機構)
  6. 在留資格「技能実習」(出入国在留管理庁)
  7. 育成就労制度運用要領(分野別運用要領・参考様式/確認日2026年9月6日)(出入国在留管理庁)
  8. 改正法の概要(育成就労制度の創設等・不法就労助長罪の厳罰化)(出入国在留管理庁)
  9. 育成就労制度の関係省令等について(概略図・受入れ人数枠/育成就労を行わせる体制/業務の運営の基準)(出入国在留管理庁・厚生労働省)
  10. 育成就労制度の概要(外国人技能実習機構の外国人育成就労機構への改組)(厚生労働省)
  11. 行政書士法(第1条の3・官公署に提出する書類の作成/第19条・業務の制限)(e-Gov法令検索(デジタル庁))
  12. 育成就労制度に係る基本方針・分野別運用方針(出入国在留管理庁)