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トモハタ〜ともに働く〜

特定技能の離職率は16.1%|辞める理由と定着支援の実務

著者: 西野 俊祐最終更新: 2026-09-11最終確認: 2026-09-11運営者情報
目次

よくあるご質問

特定技能の離職率・転職率はどれくらいですか?
公表されている数字は2つあります。①自己都合離職の届出は、制度施行から2022年11月末までの延べ人数で在留者数の16.1%(暫定値・同じ集団を追いかけた離職率ではありません)。②転職(受入れ機関の変更)の経験者は、令和3年1月〜令和6年末に資格を取得した341,253人のうち22.4%(令和7年8月末時点・暫定値)です。定義が異なるため2つの数字は足し引きできません。
外国人材の定着支援とは、具体的に何をすることですか?
採用した人が安定して働き、生活できるように行う支援です。特定技能1号では、事前ガイダンス・生活オリエンテーション・相談や苦情への対応・3か月に1回以上の定期面談などが義務的支援として定められており、これを実際に機能させることが土台になります。そのうえで、現場の受け入れ準備、評価とキャリアの見通し、日常的に相談しやすい場づくりを企業が上乗せしていきます。
支援は本人の母国語で行う必要がありますか?
母国語である必要はありません。出入国在留管理庁の運用要領は、事前ガイダンス・生活オリエンテーション・相談や苦情への対応・定期面談を「外国人が十分に理解することができる言語」で行うと定めたうえで、これは母国語には限らず、本人が内容を余すことなく理解できる言語をいうと明記しています。第二言語でも本人が十分に理解できれば要件を満たしますが、込み入った相談では通訳人の介在が必要と考えられるとされています。
特定技能の定着率は何%ですか?
「定着率」そのものを示す公表統計は、2026年9月11日時点で、出入国在留管理庁の有識者会議提出資料・転職状況・特定技能制度運用状況の公表資料の範囲では確認できていません。離職率16.1%の裏返し(100−16.1=83.9%)を定着率と呼ぶのは誤りです——16.1%は累計の延べ人数を一時点の在留者数で割った値で、同じ集団を追いかけた統計ではないためです。なお厚生労働省委託のモデル事業が報告する定着率99.2%は、5道県・入国390人・6か月時点という限定つきの値で、一般の数値ではありません。実務では、転職経験22.4%(令和7年8月末時点・暫定値)と自社の分野の値を物差しにしてください。
外国人社員の離職を防ぐには、何から始めればよいですか?
土台は義務的支援を時期どおりに実施することです。そのうえで効きやすい順に、①住居・通勤・買い物など生活まわりの点検(政府委託のモデル事業調査で、入社の決め手でも入国後の相談でも生活環境の比重が大きかったため)②入社1〜2か月に短い間隔の声かけを厚く置く(転職の大半は3年以内・受け入れ側の困りごとも入社初期に集中するため)③手取りを決める費目(控除の内訳・社宅費・家賃補助)を本人が理解できる形で示す、の3つです。給与の額面を上げる前に、同じ手間で効きやすい生活側から着手するのが本記事の整理です。
技能実習と比べて、特定技能は辞めやすいのですか?
率の直接比較はできません。技能実習は原則として実習先を移れない制度のため「離職率」にあたる公表統計がなく、勤め先を離れる動きは失踪(行方不明の届出)として現れます。特定技能は転職できる制度のため、離職・転職の統計として現れます。同じ年(令和3年)を同一資料で見ると、技能実習の失踪は技能実習生数の1.8%、特定技能の行方不明の届出は0.14%でした。制度の作りが違う以上、「どちらが辞めやすいか」は率を並べて答えられる問いではありません。
特定技能で採用した外国人は、辞めたあとどうなりますか?
多くは国内に残ります。出入国在留管理庁が有識者会議に提出した資料によると、自己都合で離職した人のその後は、帰国31.4%、特定技能での転職30.3%、別の在留資格への変更15.1%、いずれにも該当しない(求職活動中などを含む)23.2%で、帰国以外が68.6%(編集部算出=100%−31.4%)を占めます(制度施行から2022年11月末までの届出をもとにした暫定値)。辞める=帰国ではなく国内で次の勤め先を探す、という前提で定着支援を設計することになります。
定着支援は登録支援機関に任せきりでよいですか?
委託できるのは支援の実施で、支援計画の作成と、支援が適正に実施される責任は受け入れ機関(企業)に残ります。また、職場での人間関係や仕事の進め方、評価とキャリアは企業側でしか対応できません。また定期面談は支援責任者または支援担当者が実施する必要があり、支援計画の全部を登録支援機関に委託する場合を除いて第三者への委託は認められていません。一部だけを委託する場合は、面談を誰が行うのかを契約前に確認してください。

出典・参考(一次情報)

  1. 特定技能制度の現状について(技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議 第8回・参考資料4)(出入国在留管理庁)
  2. 転籍制限期間の設定について(資料1-3)参考資料「1号特定技能外国人の転職状況」(令和7年8月末時点・暫定値)(出入国在留管理庁)
  3. 1号特定技能外国人支援・登録支援機関について(出入国在留管理庁)
  4. 特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和8年8月20日一部改正版・確認日2026年8月21日)(出入国在留管理庁)
  5. 新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します(令和7年10月24日)(厚生労働省)
  6. 技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議(第3回)資料2-1「論点第2の1関連」(技能実習生の失踪状況・特定技能外国人の行方不明状況を同一資料内に収載・確認日2026年9月11日)(出入国在留管理庁)
  7. 地域外国人材受入れ・定着モデル事業実施報告書(令和5年3月)(厚生労働省(委託先=パーソルキャリア株式会社))
  8. 令和6年外国人雇用実態調査の概況(令和7年8月29日公表・生活状況の章は令和6年周期調査・調査時点=令和6年9月30日現在・第22-1表/第22-3表)(厚生労働省)
  9. 1号特定技能外国人支援に関する運用要領——1号特定技能外国人支援計画の基準について(令和7年4月1日一部改正)(出入国在留管理庁)
  10. 外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)の問合せ先(出入国在留管理庁)
  11. 令和6年度外国人受入環境整備交付金を活用した地方公共団体における一元的相談窓口の現況について(令和7年8月)(出入国在留管理庁)
  12. 特定技能制度における地域の共生施策に関する連携(協力確認書・施行期日2025年4月1日・確認日2026年9月11日)(出入国在留管理庁)
  13. 外国人雇用管理アドバイザーによる事業主支援のご案内(静岡労働局・2025年7月・確認日2026年9月11日)(厚生労働省 静岡労働局)
  14. 外国人の雇用(雇用する上でのルール・外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針)(厚生労働省)
  15. 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領——介護分野の基準について(令和7年4月21日一部改正)(法務省・厚生労働省)