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特定技能とは?受け入れ企業の基準・支援義務と5年後の選択肢までの全体像

著者: 西野 俊祐最終更新: 2026-09-05最終確認: 2026-08-21運営者情報
目次

よくあるご質問

特定技能とは何ですか?
人手不足が深刻な産業分野で、一定の技能と日本語力を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。2019年に創設され、対象は2026年1月23日の閣議決定で制度上19分野になりました(実際に受け入れができるのは17分野=2026年6月1日現在)。在留者は2026年3月末時点の速報値で416,947人(1号404,527人と2号12,420人の合計)です。区分は1号と2号の2段階で、採用の入り口は1号です。
特定技能で外国人を採用するには何から始めればよいですか?
まず自社の業種・業務が対象分野の業務区分に含まれるかを確認し、次に受け入れる企業側の基準(報酬が日本人と同等以上、フルタイム雇用〔週30時間以上など〕、法令遵守など)を自社が満たせるかを確認します。そのうえで、採用したい人材(国内在住者か海外からの呼び寄せか、技能実習からの移行か)を決め、分野別協議会への対応(建設・工業製品製造業は登録法人への加入)・雇用契約・支援計画の準備・在留資格の申請へと進みます。協議会の加入は分野ごとに加入先や時期が定められ、月単位でかかる分野もあるため、候補者探しと並行して早めに着手してください。
特定技能1号と2号の違いは何ですか?
1号は通算で原則最長5年(2号試験で合格基準点の8割以上を取って不合格だった場合の6年特例あり)、家族の帯同は原則できず、受け入れ企業(または登録支援機関)による生活支援が必要です。2号は在留期間の更新に上限がなく、家族の帯同が可能で、支援計画の作成・実施義務もありません。2号があるのは制度上19分野のうち11分野で(運用要領の令和8年8月20日一部改正版時点・工業製品製造業は3区分に限る)、介護・自動車運送業・鉄道・林業・木材産業と2026年に追加された3分野は対象外です。
特定技能の採用にはどのくらい費用がかかりますか?
当サイト編集部の目安では、賃金を除いた採用・支援コストで、初年度は国内在住者の採用でおおむね65〜125万円、海外からの呼び寄せで92〜205万円が見当です。支援の委託費には公的な集計があり、出入国在留管理庁の集計(令和4年9月末時点・暫定値)では1人あたり月額の平均が28,386円(年約34万円)で、全体の約9割が月30,000円以下でした。紹介手数料が発生しないルート(ハローワークや自社への直接応募)を使えば、ここから20〜60万円下がります。金額は分野・地域・委託範囲で変動するため、見積もりで確認してください。
特定技能1号の5年が終わると、その後はどうなりますか?
企業が取れる選択肢は、特定技能2号へ移行する・別の在留資格へ移行する・帰国する、の3つです。2号への移行には2号評価試験の合格と分野ごとの実務経験が必要で、自動的には移れません。出入国在留管理庁の公表では、2019年に特定技能1号をはじめて許可された1,625人のうち2号へ移行したのは11.4%、出国等が72.4%でした(2026年1月23日現在)。5年の満了直前では間に合わないため、逆算して準備します。
支援の体制がない企業でも特定技能で採用できますか?
できます。特定技能1号では義務的支援10項目の実施が企業に義務づけられていますが、支援計画の全部の実施を登録支援機関へ委託すれば、支援体制に関する基準を満たすものとみなされます。むしろ、外国人の受け入れがはじめての企業は自社支援の入口の条件(3つのうちいずれか。①過去2年間の中長期在留者の受け入れ・管理の実績+選任 ②生活相談業務の経験者からの選任 ③長官が同程度と認めたうえでの選任=詳細は本文の支援の節)を満たせず、全部委託が前提になることがあります。ただし委託しても支援計画を作成すること自体は企業に残ります。また、在留資格の申請書類の作成は登録支援機関の業務には含まれません。申請の取次は、在留資格変更許可申請では地方出入国在留管理局長の承認を受けた所属機関・公益法人・登録支援機関の職員や届出済みの弁護士・行政書士が本人(又は法定代理人)の依頼を受けて行えます(企業の意思だけで委託できるものではありません。登録支援機関の職員が取り次げるのは特定技能1号の本人からの依頼に限ります)。在留資格認定証明書交付申請は所属機関が代理人として申請でき、公益法人の職員・支援計画の全部の実施を委託された登録支援機関の職員や届出済みの弁護士・行政書士が本人又は代理人の依頼を受けて取り次げます。届出の義務(事由が生じてから14日以内の随時届出と、毎年5月31日までの年1回の定期届出)も企業に残ります。書類の作成を報酬を得て業として行えるのは行政書士などの有資格者です。
採用を決めてから働き始めるまで、どのくらいかかりますか?
当サイトの整理では、国内在住者の採用で2〜4か月(3か月前後を見込むのが安全)、海外からの呼び寄せで4〜8か月が目安です。期間を決めるのは在留資格の審査(出入国在留管理庁の標準処理期間=在留資格変更許可申請が1〜2か月・在留資格認定証明書交付申請が1〜3か月)と、分野別協議会への対応(月単位かかる分野があります)です。申請の前に協力確認書の提出(初めて受け入れるとき)や健康診断(海外から呼ぶ場合は申請前3か月以内)などの工程もあるため、入社希望月から逆算して早めに着手してください。

出典・参考(一次情報)

  1. 外国人労働者に関する制度概要(令和8年3月末時点の特定技能1号・2号の在留者数/1号特定技能外国人の活動後の在留状況)(出入国在留管理庁)
  2. 分野別運用方針(令和8年1月23日閣議決定)(出入国在留管理庁)
  3. 特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和8年8月20日一部改正版/特定技能2号の対象分野・受入れ機関の基準・通算在留期間・確認日2026年8月21日)(出入国在留管理庁)
  4. 特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(交付停止の措置・分野別の日本語能力水準)(出入国在留管理庁)
  5. 特定技能 分野別情報(2026年6月1日現在の受入れ可能な分野)(出入国在留管理庁)
  6. 在留資格 特定技能 制度の概要(査証と在留資格の違い・1号と2号の特徴)(外務省)
  7. 出入国管理及び難民認定法 第19条の4(在留カードの記載事項=氏名・生年月日・性別・国籍・住居地・在留資格・在留期間の満了日・番号・就労制限の有無 等=特定産業分野は含まれない)(e-Gov法令検索)
  8. 受入れ機関の方へ(特定技能ガイドブック〔事業者向け〕・生活オリエンテーション動画・生活・就労ガイドブック・申請等取次制度)(出入国在留管理庁)
  9. 特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年6月末時点・速報値/分野別の在留者数・受入れ見込数・充足率。同URLは四半期ごとに最新版へ差し替えられる)(出入国在留管理庁)
  10. 物流倉庫分野に特有の事情に鑑みて当該分野を所管する関係行政機関の長が告示で定める基準を定める件(国土交通省告示第787号・令和8年6月26日)(国土交通省)
  11. 資源循環分野に特有の事情に鑑みて定める基準(環境省告示第36号・令和8年7月30日)(環境省)
  12. 特定技能・育成就労の関係法令(上乗せ基準告示の一覧)(出入国在留管理庁)
  13. リネンサプライ分野(分野別情報・2026年6月1日現在/試験実施要領は準備中)(出入国在留管理庁)
  14. 運用要領別冊 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-リネンサプライ分野の基準について-(令和8年6月)(法務省・厚生労働省)
  15. 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-外食業分野の基準について-(関連業務の範囲)(法務省・農林水産省)
  16. 特定技能「外食業分野」における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について(出入国在留管理庁)
  17. 特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況(2026年8月10日掲載・⚠️ 掲載される受付日は審査が到達している範囲であって受付の締切ではない)(出入国在留管理庁)
  18. 在留資格一覧表(特定技能1号・2号/技能実習の在留期間)(出入国在留管理庁)
  19. 特定技能 分野別情報(介護分野・2025年4月21日現在/特定技能2号の対象としていない旨)(出入国在留管理庁)
  20. 分野別の受入れ見込数・上乗せ基準の整理表(令和8年1月23日閣議決定。受入れ機関の受入人数上限の設定対象を含む)(出入国在留管理庁)
  21. 特定技能制度及び育成就労制度の分野別協議会について(資料1-1)(出入国在留管理庁)
  22. 2号特定技能外国人の業務内容について(令和8年8月5日/8月20日以降の在留諸申請で誓約書の提出)(出入国在留管理庁)
  23. 改正労働施策総合推進法等の施行によるカスタマーハラスメント及び求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止対策の強化について(令和8年5月14日・特定技能所属機関/登録支援機関 宛)(厚生労働省・出入国在留管理庁)
  24. 官報 令和8年8月28日付 号外第192号 4頁=令和8年政令第268号「出入国管理及び難民認定法施行令及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法施行令の一部を改正する政令」(2026年8月28日公布・改正後の施行令第25条第1項第1号イ〜ト=在留資格変更・在留期間更新の許可の手数料を在留期間の区分別に窓口10,000円〜75,000円/電子申請10,000円〜65,000円/附則第1条=施行日 令和8年10月1日〔5頁〕。同頁に令和8年政令第267号=改正法〔令和8年法律第32号〕附則第1条第2号に掲げる規定の施行期日を令和8年10月1日と定める政令/確認日2026年9月5日)(国立印刷局(官報))
  25. 令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について(施行日=令和8年10月1日・経過措置=令和8年9月30日までに行われた申請は改定前の額/確認日2026年9月4日)(出入国在留管理庁)
  26. 令和8年8月25日 定例閣議案件(「出入国管理及び難民認定法施行令及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法施行令の一部を改正する政令」および「出入国管理及び難民認定法及び…の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」)(首相官邸)
  27. 1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行)(出入国在留管理庁)
  28. 1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の主な改正点(令和9年4月1日から施行)(出入国在留管理庁)
  29. 特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針及び育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する基本方針(令和7年3月11日閣議決定)第三の1(3)=1号「日本語教育の参照枠A2相当以上を基本としつつ、特定産業分野ごとに業務上必要な水準を満たす日本語能力が求められる」/同3(3)=育成就労終了時「参照枠A2相当以上を基本」(確認日2026-09-05)(出入国在留管理庁)
  30. 令和6年度 介護技能評価試験・介護日本語試験実施状況報告書【介護分野】(厚生労働省)
  31. 令和6年度 建設分野特定技能評価試験実施状況報告書【建設分野】(国土交通省)
  32. 令和6年度 製造分野特定技能評価試験実施状況報告書【工業製品製造業分野】(経済産業省)
  33. 外食業の特定技能1号試験予約手続きの停止について(外国人食品産業技能評価機構(OTAFF))
  34. 出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(令和7年政令第340号)(出入国在留管理庁)
  35. 育成就労制度の概要(令和8年7月改訂・施行までのスケジュール・技能実習に関する経過措置)(出入国在留管理庁)
  36. 外国人の雇用(外国人雇用サービスセンター=東京・名古屋・大阪・福岡)(厚生労働省)
  37. 特定技能総合支援サイト(出入国在留管理庁主催の海外ジョブフェア・国内マッチングイベント、分野所管省庁等が主催するイベントの情報/外国人在留総合インフォメーションセンターの連絡先)(出入国在留管理庁)
  38. 特定技能制度の現状について(登録支援機関への支援委託料の支払額・有識者会議 参考資料)(出入国在留管理庁)
  39. 特定技能に関する二国間の協力覚書/特定技能に関する各国別の手続き(出入国在留管理庁)
  40. 外国人雇用状況の届出について(全ての事業主の義務・雇入れと離職の際に必要)(厚生労働省)
  41. 在留資格変更許可申請(標準処理期間・手数料)(出入国在留管理庁)
  42. 在留資格認定証明書交付申請(標準処理期間)(出入国在留管理庁)
  43. 食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野)について(加入審査の目安)(農林水産省)
  44. 行政書士法 第19条(業務の制限=報酬を得て業として行う書類作成は行政書士・行政書士法人に限る)(e-Gov法令検索)
  45. 出入国管理及び難民認定法施行規則 第59条の4(申請等の取次ぎ=取次者の範囲と依頼元)・第6条の2第3項/第4項(在留資格認定証明書の代理人・提出できる者)(e-Gov法令検索)
  46. 在留期間更新許可申請(標準処理期間・手数料)(出入国在留管理庁)
  47. 出入国管理及び難民認定法施行令(第25条 手数料の額=e-Gov 掲載は改正前の条文〔2026年9月30日までの申請に適用〕。2026年10月1日施行の令和8年政令第268号は2026年9月5日時点で改正沿革に未登載=改正後の条文は官報で確認)(e-Gov法令検索)
  48. 出入国管理及び難民認定法(第67条 手数料)(e-Gov法令検索)
  49. 1号特定技能外国人支援・登録支援機関について(出入国在留管理庁)
  50. 1号特定技能外国人支援に関する運用要領(令和7年4月1日一部改正)(法務省)
  51. 登録支援機関登録簿(出入国在留管理庁)(出入国在留管理庁)
  52. 特定技能制度に関するQ&A(出入国在留管理庁・HTML掲載版)Q12「『特定技能1号』を経れば自動的に『特定技能2号』に移行できるわけではありません」/Q51「通算在留期間は、『特定技能1号』の上陸許可や変更許可を受けた日から計算されます。『特定技能1号』の在留資格を有している限り、再入国許可を受けて出国中であっても通算在留期間に含まれます。また、特定活動(『特定技能1号』への移行を希望する場合)で在留した期間についても、通算在留期間に含まれます。」・確認日2026年9月3日(⚠️ 同庁が別途配信しているPDF版〔isa/content/930006254.pdf・2020年10月掲載〕は設問番号が1つずれ、在留期間の設問が旧法時点のままで古い=本記事はHTML掲載版を正として引用)(出入国在留管理庁)
  53. 介護福祉士国家試験 受験資格:実務経験+実務者研修=従業期間3年以上(1,095日以上)かつ従事日数540日以上(社会福祉振興・試験センター)
  54. 通算在留期間(特定技能)(出入国在留管理庁)
  55. 永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)(出入国在留管理庁)