特定技能で外国人を採用するには?流れ・費用・支援を企業向けに完全ガイド
目次
「人手が足りない」「特定技能という制度があるらしいが、何から手をつければいいのか分からない」—— このページは、特定技能で外国人材を採用したい企業のご担当者に向けて、制度の全体像から採用の流れ・費用・支援までを一気に把握できるようにまとめた総合ガイドです。各テーマの詳しい解説ページへも案内します。
本記事の制度の数値・要件は変動します。最終的な確認は必ず公式情報をご参照ください。
特定技能で外国人を採用する前に、まず確認したいのは次の3つです。 ここを整理すると、採用ルート・費用・必要な支援が見えやすくなります。
- 自社の業種・業務が対象分野に含まれるか — 特定技能は国が定めた分野でのみ受け入れできます。
- 受け入れ企業としての要件を満たせるか — 報酬を日本人と同等以上にするなど、企業側に求められる条件があります。
- どこまで外部に依頼するか — 人材紹介会社・登録支援機関・行政書士など、どこを自社で担い、どこを委託するか。
特定技能とは?まず押さえる制度の全体像
特定技能は、人手不足が深刻な産業分野で、一定の専門性・技能を持つ外国人材を受け入れるための在留資格です。2019年に創設され、対象分野の拡大が続いています。
ポイントは次の3つです。
- 対象は「人手不足の分野」に限られる — 介護や外食、建設、製造業など、国が定めた分野でのみ受け入れできます。
- 「1号」と「2号」がある — まずは1号からのスタートが基本です。
- 受け入れ企業には「支援」の義務がある — 1号の外国人材が安定して働けるよう生活面を支える必要があり、これは登録支援機関に委託できます。
対象は16分野(2024年に4分野が追加)
特定技能1号の対象は、現在16分野です。2024年3月29日の閣議決定で、新たに「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」が追加されました(最新の対象分野は公式情報でご確認ください)。
介護/ビルクリーニング/工業製品製造業/建設/造船・舶用工業/自動車整備/航空/宿泊/自動車運送業/鉄道/農業/漁業/飲食料品製造業/外食業/林業/木材産業
各分野の共通要件や業務区分の考え方は特定技能の対象16分野一覧で詳しく解説しています。主要分野は、介護・外食業・建設・宿泊・飲食料品製造業の業種別ガイドで、分野固有のルール(試験・協議会・人数枠・特有の手続き)まで解説しています。
対象分野や受け入れ見込み数は制度改正で変わります。自社の業種が対象に含まれるか、分野ごとの細かな要件もあわせて、最新の公式情報で確認してください。
特定技能1号・2号の違い
特定技能には「1号」と「2号」があり、採用の入り口になるのは1号です。主な違いを整理します。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 通算で最長5年 | 更新の上限なし(要件を満たす限り更新可) |
| 家族の帯同 | 原則できない | 可能(配偶者・子) |
| 技能水準 | 相当程度の知識・経験 | 熟練した技能 |
| 受け入れ企業の支援義務 | あり(生活支援が必要) | なし |
| 対象分野 | 16分野 | 11分野(介護・自動車運送業・鉄道・林業・木材産業を除く) |
2号は、より高い熟練度が求められる区分で、長期就労や家族の帯同が可能です。介護分野には特定技能2号がありません(別に在留資格「介護」が用意されているためです)。
まずは1号で受け入れ、要件を満たせば2号へ——という流れが基本的な考え方になります。1号・2号の違いの詳細は特定技能1号・2号の違いで解説しています。
特定技能人材を採用する主なルート
特定技能の人材確保には、主に次のようなルートがあります。どれが合うかは、業種・地域・採用人数・希望時期によって変わります。
- 国内在住者を採用する — すでに日本にいる特定技能外国人などを採用します。比較的早く採用しやすい一方、候補者数や条件の見極めが重要です。
- 海外から呼び寄せる — 海外の試験合格者などを採用します。複数名を計画的に採用したい場合に向きますが、入国までの期間を見込む必要があります。
- 技能実習から移行する — 技能実習2号を良好に修了した人を採用します。すでに業務経験のある人材を継続雇用しやすいルートです(特定技能・技能実習・育成就労の違い)。
- 人材紹介会社・登録支援機関に相談する — 候補者探しや支援体制に不安がある企業に向きます(人材紹介手数料の相場)。
自社に合う採用ルートが分からない段階でも、業種・地域・人数に応じてご相談いただけます。
採用の流れ(全体像)
特定技能の採用は、おおまかに次のステップで進みます。
自社の分野・要件の確認
対象16分野に該当するか、受け入れの条件を満たすかを確認します(企業に求められる受け入れ要件)。人材の確保
国内在住の特定技能外国人を採用するか、海外から呼び寄せるか。試験合格者、または技能実習2号を良好に修了した人が対象になります。雇用契約(特定技能雇用契約)の締結
報酬は日本人と同等以上であることなどが求められます。支援計画の策定
1号では「1号特定技能外国人支援計画」を作成します。登録支援機関に全部を委託できます。在留資格の申請
国内にいる人は在留資格変更許可申請、海外にいる人は在留資格認定証明書の交付申請+査証の手続きを行います。入国・就労開始と各種届出
受け入れ後も、定期的な届出や支援の実施が必要です。
ステップごとの具体的な手順は、特定技能の採用の流れ|申請から就労開始までの手順で詳しく解説しています。
就労開始までの期間は、国内在住者の採用で1〜3か月程度、海外から呼び寄せる場合で4〜8か月程度を見込むことがあります(目安。書類の準備状況や本国側の手続きで前後します)。詳しい流れと期間の根拠は採用の流れをご覧ください。
費用の目安
採用ルートや委託範囲によって幅がありますが、初期費用は数十万〜150万円程度、登録支援機関への支援委託費は月2〜3万円程度が一つの目安です。内訳としては次のような費用が発生します。
- 人材紹介手数料 — 採用ルートにより数十万円程度(海外の未経験者は比較的低く、経験者・国内在住者はやや高い傾向)。
- 登録支援機関への支援委託費 — 月あたり2〜3万円程度が一般的な水準です(出入国在留管理庁の調査でも平均は月3万円弱)。
- 在留資格の申請関連費用 — 行政書士へ依頼する場合の報酬など。
- その他 — 健康診断、住居の初期費用、海外から呼び寄せる場合の渡航費・送出機関の費用など。
総額の考え方と内訳は、特定技能の採用費用・相場|総額はいくら?で詳しく整理しています。
「支援」と登録支援機関
特定技能1号では、外国人材が安定して働き、生活できるよう、受け入れ企業に支援の実施が義務づけられています。事前ガイダンスや生活オリエンテーション、相談対応など、実施すべき「義務的支援」が定められています。
これらを自社で行うのが難しい場合、登録支援機関に委託できます。登録支援機関は出入国在留管理庁の登録を受けた機関で、支援計画の実施を代行します。
登録支援機関の役割やできること、委託費用については、登録支援機関とは?役割・委託でできること・費用で解説しています。委託先を選ぶときは登録支援機関の選び方・契約前チェックリストもあわせてご確認ください。
まとめ:最初の一歩
特定技能の採用は、「分野の確認 → 人材確保 → 契約 → 支援計画 → 在留資格申請」という流れで進みます。制度や費用は分野・ルートで変わるため、自社のケースに当てはめて考えることが大切です。
「自社の業種が対象か知りたい」「どのルートが合うか相談したい」という段階でも構いません。条件に合う登録支援機関・人材紹介会社を無料でご紹介します。
よくある質問
- 特定技能で外国人を採用するには何から始めればよいですか?
- まず自社の業種が特定技能の対象16分野に含まれるかを確認し、採用したい人材(国内在住者か海外からの呼び寄せか)を決めます。そのうえで雇用契約・支援計画の準備、在留資格の申請へと進みます。支援は登録支援機関に委託できます。
- 特定技能1号と2号の違いは何ですか?
- 1号は通算で最長5年、家族の帯同は原則できず、受け入れ企業(または登録支援機関)による生活支援が必要です。2号は在留期間の更新に上限がなく、家族の帯同が可能で、支援の義務はありません。
- 特定技能の採用にはどのくらい費用がかかりますか?
- 採用ルートによって幅がありますが、初期費用がおおむね数十万〜150万円程度、登録支援機関への支援委託費が月あたり2〜3万円程度が一つの目安です。金額は分野・地域・委託範囲で変動するため、見積もりで確認してください。