特定技能の費用はいくら?初期費用10〜95万円・月額2〜3万円と初年度の総額相場
目次
特定技能で外国人を採用するとき、多くの企業がまず気にするのが「結局いくらかかるのか」です。特定技能の費用は採用ルートや委託範囲で変わるため一律には言えませんが、相場は3つの時間軸に分けると押さえられます——最初にかかる初期費用(採用ルートにより約10〜95万円)、毎月かかる維持費(登録支援機関への支援委託費・中心は1人あたり月20,000円台前半=公的な集計の中央値の帯であり最頻帯。本記事が総額を幅で積むときに使うのは月約2〜3万円)、そして更新のたび・分野ごとにかかる費用(在留期間の更新手数料や団体の負担金)です。初年度の総額は、採用ルートで約34〜131万円まで開きます(初期費用+月額×12か月)。幅が広いのは採用ルートで大きく変わるためで、その中で条件を1つに固定すれば、国内在住者を採用した初年度が約75万円・海外から呼び寄せた初年度が約112万円(1人・賃金と法定福利費を除く代表モデル)です=まず幅で当たりをつけ、社内に出す1点はこの代表モデルを使う、という関係です。このページは、この3つを費目ごとの相場と内訳で分解し、初年度の総額、5年で見たときの積み上がり、「どこまで本人に負担してもらえるか」までをまとめた費用の相場ページです。
この記事の要点
- 費用は「最初・毎月・更新のたび」の3つに分かれる — 最初=人材紹介手数料・申請費用・渡航費など。毎月=登録支援機関への支援委託費(維持費・ランニングコストの中心)。更新のたび=在留期間の更新手数料と、分野によっては団体の負担金。
- 「維持費」の範囲を先に決める — 本記事が「維持費」と呼ぶのは特定技能に固有の支援委託費(+分野によっては団体の負担金)=賃金は含めません。賃金・法定福利費(事業主負担の目安 約15.5%)は在留資格を問わず発生し、月給20万円なら年約277万円=他社の「維持費は月◯万円」がどこまでを数えた数字かを確認してから比べてください。
- 人材紹介手数料は「必ずかかる費目」ではなく、額の根拠はほぼ届出制 — 市場水準は1人あたり20〜60万円程度、国の統計では1件あたりの平均は多くとも約34.4万円(平均の上限=見積もりの合否ラインではありません)。手数料の99.8%は紹介会社が届け出た手数料表に基づく届出制で、賃金11.0%の上限は上限制を選んだ場合にだけ効きます。⚠️ 建設分野・港湾運送業務ではこの費目自体が立ちません(有料職業紹介の対象外)。
- 月額の相場の中心は20,000円台前半 — 出入国在留管理庁の集計で最も多い帯は20,000円超〜25,000円以下(26.2%)で、人数を積むと中央値が入るのも同じ帯。15,000円超〜25,000円以下だけで全体の51.4%です。平均28,386円がこれより高いのは30,000円超の層が引き上げているため。この費目の数字は使い道ごとに3つ=①見積もりの高安を判定する物差し=中心(20,000円台前半)/②ルート別の総額を幅で積む=月約2〜3万円/③条件をそろえた代表モデル1点を積む=平均(内訳は本文②)。
- 総額はルートで大きく動く — 初年度の総額(初期費用+月額×12か月)は、技能実習2号からの移行の約34〜61万円から、海外からの呼び寄せの約79〜131万円まで。効くのは人材紹介手数料・送出機関費用・渡航費と住居の初期費用の3つです。
- 在留資格の変更・更新の手数料は2026年10月1日から大きく変わる — 現行は一律6,000円(オンライン5,500円)ですが、2026年10月1日以降の申請分から許可される在留期間の長さに応じた額になります(令和8年政令第268号・2026年8月28日公布。9月30日までに行った申請は改定前の額)。特定技能1号は在留期間が3年を超えない範囲で個々に指定されるので、改定後の額は窓口10,000〜64,000円の範囲(1年なら33,000円・3年なら64,000円)。初期費用側(在留資格変更許可)にも効きます。
- 正確な金額は見積もりで — 本記事の金額は、公的な集計値と公開情報・市場水準を区別して積み上げた目安です。
本記事の金額のうち、登録支援機関への支援委託費(月額)と、国に納める手数料・分野団体の負担金には公的または公表された金額があり、本文で出典つきで示しています。それ以外の費目(人材紹介手数料・行政書士報酬・渡航費・健康診断・住居の初期費用など)は、各社が公開する料金情報など一般的な市場水準をもとにした目安で、公的な統計値ではありません。実際の費用は、分野・地域・人材の在留状況・採用ルート・委託範囲・各事業者の料金体系によって変動します。正確な金額は見積もりで確認してください。
⚠️ 税込・税抜の別=本記事の金額は、公的な集計値も市場水準の目安も税込・税抜のどちらで示されたものかが元資料に書かれていません=税込で稟議に出すときの読み替え方は②の末尾(税の扱い)で扱います。
⚠️ 計上していない費目が5つあります=①現地面接・視察の渡航費 ②登録支援機関が月額とは別に設ける初期支援費用 ③求人媒体の掲載費(自社募集ルートの額はこれを含みません) ④送出国側が受入れ側の負担と定める費目のうち月次で出るもの(例=インドネシアの監督料 月10,000円) ⑤家賃補助(住宅手当)を出す場合の月額(=賃金の一部なので、賃金を除く本記事の総額には入れていません=額の決め方は②)。①〜④は公的な相場を確認できなかったため代表モデル・レンジのどちらにも入れていません(本文①②に確認範囲を記載)。他社が示すレンジと並べるときは、この前提の違いを見てください。
まずは、自社の条件で総額の見当をつけてみましょう。業種・人数・採用ルート・支援体制・想定月給を入れると、1年目の費用を概算します(各数値は公的な一次情報か市場の目安かを区別して表示します)。
特定技能 採用費用シミュレータ
概算(目安)条件を入れると「あなたの場合」の1年目の費用を概算します。実額は見積もりでご確認ください。
うち、特定技能の採用・支援にかかる費用(賃金・社会保険を除く):約75万円
初期費用(採用時に一度)
月額 × 12か月
出典・注意事項
委託料=出入国在留管理庁の集計(令和4年9月末時点・暫定値・平均28,386円)/申請手数料6,000円・認定証明書(海外)は無料=同庁(2025/4改定)/社会保険 事業主負担 約15.5%=協会けんぽ・日本年金機構・厚労省(令和8年度)/賃金=厚労省(特定技能 約22万円・分野別の公的一次は手薄なため想定月給で計算)。
人材紹介手数料・海外初期費用・行政書士報酬は市場の目安で、公的統計値ではありません。海外ルートの送出機関費用は「給与1〜3か月分程度」のうち下端(想定月給の1か月分)で置いています=国や送出国の公的ルールで変わるため、見積もりで置き換えてください(3か月分なら同じ条件で月給2か月分ぶん上振れします)。建設は人材紹介手数料を計上しません(建設業務に就く職業は職業安定法第32条の11により有料職業紹介事業者が紹介できないため=国土交通省の建設分野Q&Aも同旨)。海外ルートの査証(ビザ)手数料は、在外公館で本人が納めるのが通常のため計上していません。分野団体の負担金は、1人あたり月額で発生する建設のJAC受入負担金(12,500円/月)だけを計上しています=事業所・企業単位の会費(工業製品製造業の年会費など)は人数比例でないため未計上です。また複数名は1人分の単価を人数倍した概算です(運用要領は、委託費が受け入れ人数・事業所数・場所によって異なり得るとしています)。報酬を得て業として行う申請書類の作成は行政書士などの専門家の領域です。金額は概算で、特定の額や「最安」を保証するものではありません。実額は見積もりでご確認ください。
特定技能の費用は「最初・毎月・更新のたび」の3つに分かれる
特定技能の費用は、出ていくタイミングで3つに分けると全体像がつかめます。金額の大きさよりも「いつ・何回出るか」が総額を決めるためです。
| 費用の種類 | いつ出るか | 主な費目 | 1人あたりの相場(本記事の目安) |
|---|---|---|---|
| ①最初にかかる費用(初期費用) | 採用時に一度 | 人材紹介手数料・在留資格の申請費用・送出機関費用・渡航費・健診・住居初期 | ルート全体で約10〜95万円(国内約40〜55万円/海外約55〜95万円/技能実習2号からの移行約10〜25万円) |
| ②毎月かかる費用(維持費・ランニングコスト) | 就労開始月から毎月(請求の開始月は契約次第) | 登録支援機関への支援委託費(自社支援ならその人件費) | 中心は月20,000円台前半(公的な集計の中央値の帯)/本記事が幅で積むときは月約2〜3万円(年約24〜36万円) |
| ③更新のたび・分野ごとにかかる費用 | 在留期間の更新時/受け入れている間 | 在留期間更新の手数料と申請報酬、分野団体の負担金・年会費 | 手数料は1回 窓口6,000円・オンライン5,500円/申請報酬は1回5〜15万円程度(依頼する場合)/建設は受入負担金 月12,500円(年15万円)・分野団体の年会費は事業所/企業単位(③の表) |
このほかに、日本人の雇用と同じく賃金と法定福利費がかかります。本記事が扱うのは賃金を除いた採用・支援コストです。特定技能では賃金を日本人と同等以上とすることが法令上の要件で(特定技能雇用契約の基準を定める法務省令が「日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること」を求めています)、同じ職務の日本人と同水準が下限になります。[1]人件費まで含めた規模感を大づかみで示すと、たとえば月給20万円なら年間の賃金は240万円、これに会社負担分の法定福利費(約15.5%=約37万円)を加えて約277万円が人件費としてかかり、そこに本記事で解説する採用・支援コストが上乗せになります(これは市場の平均値ではなく、規模感の構造を示すための計算例です)。賃金込みで見た初年度の規模感は、国内在住者を採用して支援を全部委託する場合で約341〜368万円(人件費約277万円+採用・支援コスト約64〜91万円)です。⚠️ 以降で「総額」と呼ぶ数字はすべて賃金・法定福利費を除いた額です=稟議で人件費込みの数字を求められたときだけ、この足し方に戻ってください(この賃金込みの見方は軸が違うので、後述の「初年度の総額が4つ」には数えていません)。
⚠️ この約15.5%の中身(このページの費用シミュレータも同じ率で計算します=シミュレータは業種を選んでもこの率のままなので、労災保険率の高い業種や建設の事業は自社の率に置き換えて読んでください)=厚生年金保険料率18.3%の事業主折半分9.15%(日本年金機構。率は平成29年9月で引上げ終了・以後固定)+健康保険料率の事業主折半分(協会けんぽは都道府県別で、令和8年度分は令和8年3月分から適用)+雇用保険の事業主負担(令和8年度・一般の事業で8.5/1,000=0.85%。⚠️建設の事業は10.5/1,000=1.05%)+労災保険率(業種別)+子ども・子育て関係の負担を積んだ概算です。⚠️ 年度をそろえて引いたのは厚生年金・健康保険・子ども・子育て支援金・雇用保険の4つ(令和8年度)で、労災保険率は業種で大きく開くため、この概算では代表的な水準を置いているだけです=率の一次は掲げていません。⚠️ 令和7年度→令和8年度で雇用保険が下がった一方、子ども・子育て支援金が新設されたため、概算の合計約15.5%は据え置きです(値は動かさず根拠年度だけを更新しました)。[2][3][4]健康保険料率は都道府県で、労災保険率と雇用保険料率は業種で変わります=自社の率に置き換えて読んでください(40〜64歳の人には全国一律の介護保険料率1.62%が加わり、その折半分も乗ります)。その月給自体をいくらに置くか(地域別最低賃金・同等報酬・実勢水準の3つの下限の重ね方と、政府統計でみた実額)は特定技能の給料はいくらにする?外国人社員の給与の決め方で扱っています。
誰に払うのか(契約する相手ごとの整理)
上の3分類は「いつ出るか」の軸です。稟議と発注では、誰に何本の契約を結び、それぞれいくら払うかのほうが効くので、同じ費目を払先で並べ直しておきます。
| 払先 | 何を払うか | 契約の形 | 本記事での扱い |
|---|---|---|---|
| 人材紹介会社 | 紹介手数料(採用時に一度) | 職業紹介契約(返金規定つきが通常) | ①。料金体系・返金規定の見方は①の紹介手数料の額はどう決まるか以降の各項 |
| 登録支援機関 | 支援委託費(毎月) | 支援委託契約(全部委託/一部委託) | ②。委託料の内訳・比較は登録支援機関の費用相場 |
| 行政書士などの専門家 | 申請書類の作成・申請取次の報酬(依頼した回のみ) | 業務委託(都度) | ①③。依頼するかは任意 |
| 国(出入国在留管理庁) | 在留資格変更・在留期間更新の手数料(許可されるときに納付) | 契約ではない | ①③ |
| 在外公館(外務省) | 査証手数料(海外ルート・通常は本人が現地で納付) | 契約ではない | ①。企業が負担する取り決めにするなら足す |
| 分野団体(JAC・JAIM など) | 受入負担金・年会費 | 会員契約(分野により必須) | ③。分野で有無も課され方も違う |
| 送出機関(海外ルート) | 送出しに関する費用 | 送出契約(送出国の公的ルールが効く部分がある) | ① |
| 本人/賃貸事業者ほか | 住居の初期費用・渡航費・健診 | 実費 | ①。本人に負担してもらえる範囲は後述 |
同じ会社が複数の役を兼ねることがあります(人材紹介会社が登録支援機関を兼ねる、登録支援機関が提携行政書士を持つ、など)=⚠️ その場合こそ、見積書を役ごとに分けて出してもらってください(片方を安く見せてもう片方で回収する設計が見えなくなります)。
「月額が安い」ように見えても初期費用が別建てのことがあります。比較するときは①②③をそろえて総額で見るのが原則です。以下、3つを順に分解します。
①最初にかかる費用の相場(初期費用)
採用時に一度かかる初期費用は、採用ルート全体で約10〜95万円——内訳は国内在住者の採用が約40〜55万円、海外からの呼び寄せが約55〜95万円、技能実習2号からの移行が約10〜25万円が目安です。主に次の費目で構成されます。
| 費目 | 中身 | 目安 |
|---|---|---|
| 人材紹介手数料 | 人材を紹介してもらう手数料 | 20〜60万円程度(各社の提示から見た目安=特定技能では定額制が多く見られます。海外の未経験者は低め、経験者・国内在住者は高めに出る例が公開料金にあります)。⚠️ 建設分野ではこの費目が構造的に立ちません(職業安定法第32条の11=後述③) |
| 在留資格の申請費用(専門家報酬) | 行政書士などの専門家に依頼する場合の申請書類作成・申請取次の報酬(依頼するかは任意。書類の作成は専門家の領域ですが、提出は自社でもできます=国内での在留資格変更・在留期間更新は「申請取次」の承認を受けた自社の職員が本人〔又は法定代理人〕の依頼を受けて、海外から呼び寄せる在留資格認定証明書の交付申請は雇用契約を結んだ自社の職員が「代理人」として承認なしで提出できます=後述②・「費用を抑えるポイント」) | 5〜15万円程度(手続きの種類・依頼範囲で幅があります) |
| 在留資格の申請手数料(国に納める) | 国内在住者の在留資格変更許可 | 窓口6,000円/オンライン5,500円(許可されるときに納付)。海外から呼び寄せる在留資格認定証明書交付申請は「手数料はかかりません」。⚠️ 2026年10月1日以降の申請分から適用される改定後の額はこの変更許可も対象で、許可される在留期間が3年なら窓口64,000円になります |
| 査証(ビザ)の申請手数料 | 海外から呼び寄せる場合に在外公館へ納める手数料 | 一般入国査証(一次有効)14,900〜15,100円/数次入国査証 29,900〜30,100円(2026年7月1日施行の政令改正で改定=同日以降にされた申請から適用。それ以前は一次2,900〜3,100円)。⚠️ この幅は政令が定める「邦貨換算額の範囲」で、在外公館の所在地国の通貨で払う場合の額は外務省令が定めます。邦貨で納付する場合は、同じ政令が定額を定めています=一般入国査証15,000円・数次入国査証30,000円(第1条第5項・第6項)。査証が発給されなければ不要。⚠️ 査証申請は本人が在外公館へ行う手続きで、手数料も本人が現地で納めます=企業の支出にはならないことが多い費目です。ただし企業と本人のどちらが負担するかを定めた公的なルールは、2026年8月11日時点で出入国在留管理庁の運用要領・上陸基準省令を確認した範囲では見当たりません=企業が負担する取り決めにするなら、この額を初期費用に足してください |
| 送出機関の費用 | 海外から呼び寄せる場合の現地手数料 | 給与1〜3か月分程度(国・ルートにより異なる。送出国側の公的ルールは本節の送出国別の表) |
| 渡航費 | 来日のための航空券など | 4〜10万円程度(海外から呼び寄せる場合) |
| 現地での面接・視察の渡航費(企業側) | 採用担当者が送出国へ出向く場合の航空券・宿泊費 | オンライン面接で代替すれば生じない。航空賃は実費で、宿泊料・日当を積むなら下の「公的な定額の物差し」(1泊9,700〜13,500円・日当3,200〜4,500円)が最後の公表値です。⚠️ 民間の相場そのものは、2026年8月18日時点で確認した範囲では見当たりませんでした(探索範囲は下記)=自社の出張規程の実費で見込む費目です。本記事のルート別の初期費用にも代表モデルにも計上していません |
| 健康診断 | 入国前後に必要な健診 | 5,000〜10,000円程度。⚠️ 海外ルートで誰が払うかは送出国のルール次第(インドネシアは公的に本人負担=下の送出国の表)=本記事の代表モデルは企業負担で計上しています。⚠️ 受診の時期を外すと撮り直しになります=申請に添える健康診断個人票には有効期間があるので、在留資格の必要書類で申請区分ごとの要件を確認してから受けさせてください |
| 事前ガイダンス・初期支援 | 入国前後の最初の支援 | 多くは月額委託費に含まれる(本記事の代表モデルもそう置いています)。別建てにする機関もあり、その場合の額は2026年8月10日時点で公的な集計を確認できませんでした(支援項目ごとの額を公開している機関の実例は登録支援機関の費用相場)=見積もりの内訳で「月額に含むか別建てか」を確認する費目(同記事の「見積もりで必ず確認する7項目」の1つ) |
| 住居の初期費用 | 敷金・礼金・家具家電など | 物件・地域による(本記事の代表モデルは渡航費・健康診断と合わせて28万円で計上=うち住居初期は20万円) |
⚠️ 費目表の各レンジは全ルート横断の幅で、後述のルート別の初期費用(国内約40〜55万円など)は同時に起きやすい組み合わせを置いた代表ケースです=全費目が同時に上端になる想定ではないので、表の上端どうしを足しても代表ケースの上端にはなりません。
- 人材紹介手数料20〜60万円
- 在留資格の申請費用(専門家報酬)5〜15万円
- 渡航費(海外から呼び寄せる場合)4〜10万円
帯にしているのは、市場水準の幅を示せる3費目だけです。送出機関の費用(給与1〜3か月分)・住居の初期費用・健康診断・査証手数料・国に納める申請手数料は、送出国のルールや物件・条件で幅が決まるため帯にしていません=初期費用の費目の全体像は費目表が正です。
ルートで金額が分かれるのは、送出機関の費用と渡航費の有無、そして人材紹介手数料が発生するかどうかが総額を大きく左右するためです(技能実習2号から自社の実習生を移行させる場合は紹介手数料がほぼ生じません)。人材紹介手数料の料金体系(定額制・料率制)や公開料金の実例・返金規定の見方は、本節の紹介手数料の額はどう決まるか以降の各項で扱います。
なお、上の表に入れていない費目として技能試験・日本語試験の受験料があります。額は分野・試験ごとに異なります(企業と本人のどちらが負担するかは後述の費目別の表で扱います)。分野ごとの受験料は特定技能の試験|分野別の技能試験一覧と免除ルートで一覧にしています。
住居の初期費用は「何にいくら」か(代表モデルの20万円の中身)
⚠️ 家賃を抑えるときの前提として、住居には広さなどの基準があります=満たさない物件は住居の確保の支援として認められないため、まず基準を確認してから物件を絞ってください(基準の中身は義務的支援10項目が所有しています)。
家賃5万円クラスの単身向け物件を会社が借り上げるなら、下の内訳を積んで13〜50万円(編集部算出=同じ表の各行の下端どうし・上端どうしの単純合計。仲介手数料は税抜で積んでおり、消費税は別途)です。代表モデルが置いている20万円前後は、敷金・礼金ゼロで家具家電を最小限にそろえた場合(=仲介手数料・保証料・火災保険・鍵交換+家具家電5万円の積み上げ)で、敷金1か月を入れるだけで25万円台に上がります。初期費用の表で金額が読めない費目のうち、住居は費目が多いから読めない側(ほかは公的な相場そのものが無い費目です)なので分解しておきます(いずれも市場水準の目安です)。
| 費目 | 目安 | 効き方・削りどころ |
|---|---|---|
| 敷金 | 家賃0〜2か月分 | 退去時に原状回復費を引いて戻る(=出ていく額ではあるが費用ではない部分がある) |
| 礼金 | 家賃0〜2か月分 | 戻らない。ゼロ物件を選べば丸ごと消える最大の削りどころ |
| 仲介手数料 | 家賃0.5〜1か月分+消費税 | 貸主直・自社所有の社宅なら生じない |
| 家賃債務保証の保証料 | 初回 家賃0.5〜1か月分(以後 年1万円前後の更新料) | ⚠️ 企業が借り上げて貸与する場合、保証料は企業負担(本人から徴収できる家賃相当額に含められない) |
| 火災保険料 | 2年で1.5〜2万円程度 | 物件指定のことが多い |
| 鍵交換・室内清掃など | 1.5〜3万円程度 | 契約書の「その他一時金」欄で確認 |
| 家具・家電・寝具の初期セット | 5〜15万円程度 | リユース・リースで大きく動く。中古可なら最も圧縮できる |
本記事の代表モデルが住居初期を20万円で固定しているのは、礼金ゼロ・家具家電は最小限という前提を置いた場合の目安です。礼金2か月・家具家電を新品でそろえると同じ家賃でも倍近くになります。⚠️ 敷金・礼金は本人が賃借人になるなら本人負担が基本ですが、企業が借り上げた社宅を貸与する場合は、敷金・礼金・保証金・仲介手数料・更新手数料・途中解約金を本人から徴収できる家賃相当額に含められません(後述の本人負担の表)。どちらの建て付けで進めるかで、この20万円が企業の費用になるかどうかが変わります。
住居のほかに立つ「生活の立ち上げ」の実費
住居契約の外側にも、就労開始までに出ていくものがあります——銀行口座の開設、携帯電話の契約、電気・ガス・水道の開栓、自転車などです。初期費用の表に費目として現れないのは、多くが本人の名義で契約するものだからですが、支援の手間と契約の実費は別物という点は押さえておく必要があります。
⚠️ 出入国在留管理庁の1号特定技能外国人支援に関する運用要領は、これらを義務的支援に置いていますが、求めているのは手続の補助までです——「銀行その他の金融機関における預金口座又は貯金口座の開設及び携帯電話の利用に関する契約その他の生活に必要な契約(電気・ガス・水道等のライフライン)に関し、1号特定技能外国人に対し、必要な書類の提供及び窓口の案内を行い、必要に応じて当該外国人に同行するなど、当該各手続の補助を行うことが求められます」。[5]⇒ 同行や案内の手間は支援委託費(②)の中に入り、契約そのものの実費は別、という切り分けです。
誰が払うかは費目の性質で決まります。本人が契約者になるもの(携帯電話・自転車など)は本人負担が基本で、企業が立て替えて毎月の報酬から徴収する形にするなら、上陸基準省令 第五号(実費に相当する額その他の適正な額であること・本人の理解と合意・明細書その他の書面の提示)の対象になります=後述の「費用の『合意』と『明細書』は在留資格の要件」のとおりです。
⚠️ 額は各事業者の公表料金によります=2026年8月17日時点で、これらの生活立ち上げ費目の水準を横断的に集計した公的な資料は、出入国在留管理庁の受入れ運用要領・支援運用要領・意識調査と厚生労働省の公表資料を「携帯」「口座」「自転車」で確認した範囲では見当たりませんでした。⚠️ 見落としやすいのは自転車で、生活オリエンテーションの説明事項に「自転車防犯登録の方法等」が、交通ルールの説明事項に「自転車を運転する場合は自転車損害賠償責任保険への加入」が挙げられています=通勤に自転車を使わせるなら、本体だけでなく防犯登録と保険まで費目として見込んでおいてください(それぞれの額は都道府県・保険会社の公表額によります)。
⚠️ この費目がまるごと立たない採用ルートがあります=同じ運用要領は、技能実習2号等から特定技能1号へ在留資格を変更する外国人について、既に口座開設等を行っている場合など「当該支援が客観的状況に照らして明らかに不要である場合には、実施しなくても差し支えありません」と留意事項に置いています。すでに日本で生活している人を採るなら、生活の立ち上げは支援も実費もほぼ発生しません=技能実習2号からの移行と国内在住者の採用が初期費用で低く出る理由の一つです。[5]ここで扱ったのは費用が誰に立つかだけで、この支援項目そのものの実施基準(何をどこまでやれば義務を果たしたことになるか)は義務的支援10項目が所有しています。
国に納める手数料は「誰が」いくら払うか——入管庁への手数料と在外公館への査証手数料
国に納める手数料は、在留期間更新許可申請・在留資格変更許可申請とも「許可されるときに」納める建て付けで、出入国在留管理庁は在留期間更新許可申請について、許可されるときに6,000円(オンライン申請の場合は5,500円)が必要だと案内しています(2026年9月30日までに行った申請に適用される額。2026年10月1日以降の申請分は、後述のとおり許可される在留期間の区分別の額に変わります)。一方、海外から呼び寄せるときの在留資格認定証明書交付申請は「手数料はかかりません」と明記されています。[6][7]
⚠️ ただし「海外ルートは国に納める手数料がゼロ」ではありません=入管庁への手数料はかからない代わりに、在外公館へ納める査証(ビザ)の手数料が発生します。ここは2026年7月1日施行の政令改正で約5倍になりました=一般入国査証(一次有効)は2,900〜3,100円から14,900〜15,100円へ、数次入国査証は29,900〜30,100円へ引き上げられています。[8][9]
この費目の読み方には、見落とされやすい点が3つあります。
- 現地通貨で払うか、円で払うかで額の決まり方が違います=領事官の徴収する手数料に関する政令 第1条第1項は、額を「当該領事官の所在国ごとに当該国の通貨(…)をもつて外務省令で定める額とする」とし、ただし書で「それらの額を外国貨幣換算率によつて換算した邦貨額は、当該各号に定める金額の範囲内でなければならない」としています=上の14,900〜15,100円はその円換算の上下限で、為替で動きます。一方で同条第5項は「当該手数料を邦貨をもつて納付することができる」とし(査証はこの対象)、第6項がその場合の額を定額で定めています=一般入国査証15,000円・数次入国査証30,000円(外務大臣に納付)。見積書に載せるならこの定額のほうが確定値です。⚠️ 邦貨の定額は今回できた仕組みではありません=改正前の同項も定額を定めており、一般入国査証3,000円・数次入国査証6,000円でした=定額どうしで見ると、ちょうど5倍です。
- 「通過査証」の区分は今回の改正で無くなりました=改正前は第5号に通過査証(600〜800円)がありましたが、現行政令の列挙は一般入国査証と数次入国査証の2つだけです。古い費目リストを使い回している見積書があれば、この行はもう存在しません。
- 適用は申請日で切れます=附則は「施行日前にされた…申請に係る手数料については、なお従前の例による」としています=2026年6月30日までに在外公館へ出した申請は旧額のままです。
⚠️ 「48年ぶりの改定」という言い方をよく見かけますが、これは成り立ちません=e-Gov法令検索の改正沿革を見ると、この政令には直前に2023年3月27日施行の改定(令和4年政令第389号)があり、その前は2007年10月1日施行の版です。実際、2007年10月1日施行の版で一般入国査証は1,900〜4,100円、2023年3月27日施行の版で2,900〜3,100円、そして2026年7月1日施行で現行額——48年ではなく、2023年3月と2026年7月の2回(3年4か月の間隔で)動いています(⚠️ e-Gov で遡れるのは2007年10月1日施行の版までで、それ以前の推移は確認していません)。
ここは「誰が納めるか」で向きが変わるので、分けて読んでください。
| 採用時(入口)に国へ納める額の見方 | 海外から呼び寄せる | 国内在住者を採用する |
|---|---|---|
| 本人の負担も含めた総額 | 14,900〜15,100円(査証手数料・一般入国査証) | 6,000円(在留資格変更許可・窓口) |
| 企業が自社で支出する分 | 0円(認定証明書は手数料なし・査証は本人が納めるのが通常) | 6,000円(窓口)/5,500円(オンライン) |
※ 入国後は、在留期間の更新のたびに窓口6,000円(オンライン5,500円)がどちらのルートでも発生します(後述③)。
⚠️ 上の「0円」は日本の法令の話です=送出国の側が、査証手数料や渡航航空券を企業側の負担と定めていることがあります(フィリピンは査証〔スタンプ料含む〕と往復航空券、インドネシアは就労ビザと渡航航空券、ベトナムは就業地までの航空券=いずれも下の送出国の表)。海外ルートで実際に企業が出す額は、日本側の手数料ではなく送出国側のルールで決まります。
本記事が扱うのは賃金を除いた企業側の採用・支援コストなので、代表モデル(後述)には査証手数料を計上していません。①の表には、企業が負担する取り決めにする場合に備えて費目として掲げています。⚠️ どちらの見方でも、この費目が総額を左右することはありません(初期費用が数十万円規模なのに対して、一般入国査証で1万円台・数次でも3万円前後)=実務上効くのは「この費目の存在を見落として本人に想定外の出費が生じないようにする」ことのほうです。
現地面接・視察の渡航費に「相場」はあるか
海外から呼び寄せるとき、採用担当者が現地の面接・送出機関の視察に出向くかどうかで初期費用は変わります。ところがこの費目には公的な相場がありません。それどころか、唯一あった公的な定額の物差しも2025年3月末で無くなりました。
国家公務員の外国出張には、2025年3月31日まで別表で定額が定められていました(国家公務員等の旅費に関する法律 旧別表第二)。ベトナム・フィリピン・インドネシアなどのアジア地域は同表の丙地方(「アジア地域(本邦を除く)…のうち指定都市の地域以外の地域」=備考二)に当たり、額は職務の級ごとに次のとおりでした。
| 職務の区分(国家公務員) | 日当(一日につき) | 宿泊料(一夜につき) |
|---|---|---|
| 七級以上 | 4,500円 | 13,500円 |
| 六級以下三級以上 | 3,800円 | 11,600円 |
| 二級以下 | 3,200円 | 9,700円 |
⚠️ 航空賃はこの定額の対象外で、旧制度でも実費でした(旧第34条=運賃の等級で決まる)。上の表は旧別表第二の一 日当、宿泊料及び食卓料で、同表には「二 移転料」「三 支度料及び死亡手当」の定額表もありました。⚠️ このうち支度料は出張にも定額がありました(旧第39条第1項=「出張及び赴任の区分並びに出張にあつてはその旅行期間に応じた別表第二の定額による」=出張は旅行期間1月未満/1月以上3月未満/3月以上の3区分)。赴任向けなのは移転料のほうです。
2025年4月1日施行の改正(令和6年法律第22号)で、この定額表そのものが廃止されました。 改正後の同法第6条は「旅費は、旅行に要する実費を弁償するためのものとして政令で定める種目及び内容に基づき、最も経済的な通常の経路及び方法により旅行した場合によつて計算する」と定めており、国自身が定額制をやめて実費精算へ移ったというのが現在地です。[10]
⇒ 実務上の読み方は2つです。第一に、上の表は最後に公表された公的な定額なので、自社の出張規程を新しく作るときの出発点には使えます(1人あたり 宿泊料9,700〜13,500円×泊数 + 日当3,200〜4,500円×日数 + 航空賃の実費、という積み方)。第二に、これを「相場」として見積書に載せないこと=国の制度としては既に廃止された値です。
⚠️ 民間の相場については、2026年8月18日時点で、次を確認した範囲で公表された水準が見当たりませんでした=出入国在留管理庁の受入れ運用要領・支援運用要領・「特定技能制度及び技能実習制度に関する意識調査」/観光庁「旅行・観光消費動向調査」2025年年間値(確報)(出張・業務目的の海外旅行単価の区分なし)/日本貿易振興機構(ジェトロ)「2024年度 アジア大洋州・日本投資関連コスト比較調査」(賃金・地価・公共料金が対象で、出張の宿泊料の項目なし)/国家公務員等の旅費に関する法律(上記のとおり定額表は廃止)/特定技能の採用支援を行う事業者が自社サイトに掲出している料金ページ。検索語=「渡航費」「出張旅費」「宿泊料」「日当」「面接費用」。
⚠️ 事業者の料金ページに金額が出ていても、そのまま相場としては読めません=「面接費用(海外現地面接の場合)」を金額で掲出している例を確認しましたが、同じページに「業界の一般的な数値として算出しているため、弊社で担当させていただく場合とは数値が異なる場合がございます」と明記されていました=自社の料金表ではなく、その会社が推計した業界水準です。本記事は自分で開いて確認できた一次資料と公開料金表しか収載しないので、この種の推計値は扱いません。
⇒ 代わりに、自社で積むならこう置けます=航空賃は①の費目表の渡航費(4〜10万円=来日ぶんの目安)が同じ路線の逆向きなので、往復の当たりに使えます。そこへ上の表の宿泊料9,700〜13,500円×泊数と日当3,200〜4,500円×日数を足すと、面接官1名・2泊3日で約6.9〜14.1万円(編集部算出=下端 40,000+9,700×2+3,200×3=69,000円/上端 100,000+13,500×2+4,500×3=140,500円)という幅が出ます。⚠️ これは公的な相場ではなく、公表値からの組み立てです=自社の出張規程と実際の航空券価格で置き換えてください。
⚠️ この費目は、オンライン面接で丸ごと消せる数少ない初期費用でもあります=送出機関の選定を現地訪問なしで進める場合は、代わりに何で相手を見極めるか(送出国の公的ルールとの整合・請求内訳の費目名)を決めておいてください(後述の「送出機関費用は送出国側の公的ルールで決まる部分がある」の表と、「費用の『合意』と『明細書』は在留資格の要件」)。
紹介手数料は「必ずかかる費目」ではない
国内在住者を採用するときの初期費用の最大項目は人材紹介手数料ですが(海外から呼び寄せる場合は送出機関費用・渡航・住居初期の合計が上回ります)、全員が払っているわけではありません。出入国在留管理庁が有識者会議に提出した資料では、特定技能所属機関がマッチング媒体(ハローワーク、日本の民間職業紹介事業者、技能実習で監理業を行っていた監理団体、支援を委託している登録支援機関など)へ支払った額は「支払っていない」が最も多く40.9%、支払った場合の最頻値は「10万円以上30万円未満」で26.7%——いずれも令和4年〔2022年〕7月の意識調査の結果です。[11]
読み方は2つです。第一に、マッチング媒体への支払いが「なかった」という回答が最も多いこと(同資料は「マッチング媒体」にハローワークや技能実習で監理業を行っていた監理団体も含めており、回答の内訳は公表されていません。0円になる理由をこの資料から特定することはできません)。第二に、支払った場合の最頻値は10万〜30万円未満で、本記事が市場水準として置いた20〜60万円程度より低い側に山があること。見積もりが60万円を超えるなら、その根拠(対象人材の経験・入社保証・返金規定の有無)を確認する材料になります。ただしこの調査は令和4年時点で、対象も回答企業の申告です。金額そのものより「経路によって桁が変わる費目だ」という構造の把握に使ってください。
⚠️ 「60万円を超えるなら根拠を確認」は、60万円超が存在しないという意味ではありません。 国籍を問わない全職種の集計では、採用した企業の自己申告で1件あたり91万〜109万円という水準が出ています(後述の「日本人採用の費用と比べて高い?安い?」)=80万〜90万円の提示が実在しない額だという主張はできません。区切りの意味はそこではなく、この記事が置いた市場水準(20〜60万円程度)の外側に出た時点で、価格が条件で説明されるべき領域に入る、ということです。確認するのは金額そのものではなく、何がその差を作っているか(対象人材の経験・国内在住か海外からか、入社保証や返金規定の有無、含まれる業務の範囲)です。統計の側から言えるところまでの整理は、次の「紹介手数料の額はどう決まるか——上限制と届出制」で続けます。
⚠️ 「支払っていない40.9%」を「無料の経路で採れている」と読まないでください。 上の40.9%は企業側の回答で、その裏側にあたる本人側の回答が同じ意識調査に載っています。特定技能の求職で人・組織を利用した人は94.7%(利用していないは5.3%)で、利用先の内訳(複数回答・n=607)は技能実習で支援を受けていた監理団体38.9%、海外の送出機関18.0%、日本の民間職業紹介事業者17.5%、知り合いの紹介14.2%、支援を受けている登録支援機関13.2%、その他8.7%、海外政府が管理する職業紹介システム2.1%、そして日本のハローワークはわずか1.8%にとどまりました。[11]
⚠️ この2つは別々の設問です(40.9%は企業が答えた支払額、94.7%は本人が答えた利用先)=片方から他方の理由を確定することはできません。それでも、「誰も介さずに採れている」という像だけは成り立たないことは言えます。ここから読める実務は3つです。
- ハローワークが無料なのは運用ではなく法律 — 職業安定法 第8条は「公共職業安定所は、職業紹介、職業指導、雇用保険その他この法律の目的を達成するために必要な業務を行い、無料で公共に奉仕する機関とする。」と定めています=キャンペーンでも当面の措置でもなく、法律上そうなっている費目です。[12][13]ただし本人側の利用は1.8%=「無料だから使えば採れる」経路ではありません(母集団がそこにいない)。
- 最多の入口は技能実習で関わった監理団体 — 38.9%です。⚠️ この中に自社の実習生からの移行と、監理団体を通じた他社の実習生の紹介がどう分かれるかは公表されていません=自社の実習生からの移行なら紹介手数料は生じにくい一方、他社からの紹介なら手数料が立ちます(本記事の初期費用でも、技能実習2号からの移行を約10〜25万円としているのは「自社の実習生から移行する場合」の前提です)。
- 手数料をゼロにすると、置き換わるのは金額ではなく自社の工数 — 母集団の確保、選考、雇用条件書の作成、在留資格申請の段取り、住居や生活立ち上げの手配は、紹介会社を使わなければ自社の担当者に戻ります。⚠️ 2026年8月17日時点で、特定技能の採用で企業が求人広告に支出した額を集計した公的な資料は、出入国在留管理庁の運用要領・意識調査・有識者会議の参考資料と厚生労働省の職業紹介事業報告書を確認した範囲では見当たりませんでした=「紹介手数料ゼロ=採用コストゼロ」ではないという構造だけを押さえて、自社の工数を単価に置き換えて比べてください。
この経路を総額表の1行として置いたのが、後述の採用ルート別の初年度の総額の「自社で募集して採用」です。 初期費用は約10〜25万円=国内在住者の採用(約40〜55万円)から人材紹介手数料(代表モデルで30万円)が落ちた形で、初年度の総額は約34〜61万円になります。⚠️ これは独立の市場調査値ではありません=上の引き算で作った目安なので、そのつもりで使ってください。⚠️ 金額が下がるのは入口の1費目だけで、②の支援委託費と③の更新手数料はどのルートでも同じように立ちます。
⚠️ 求人媒体の掲載費については、公開された料金表を確認できませんでした(2026年8月18日時点)。当たったのは、求人ボックスの法人向けヘルプ(help-b.求人ボックス.com)・エンゲージ(en-gage.net)・Indeed の採用担当者向けページ(jp.indeed.com/hire)で、いずれも料金の数値がサイト上に掲出されておらず、問い合わせ・ログインの先にありました(検索語=「掲載料金」「クリック単価」「料金」)。⚠️ つまりこの費目は「相場を調べてから決める」ことができません=媒体を使うなら、先に自社の上限額(月いくらまで出すか)を決めてから見積もりを取るのが実務的な順序です。ハローワークだけは上記のとおり法律で無料と決まっているので、まず無料の経路で母集団が取れるかを試してから有料媒体を検討する、という進め方ができます。
紹介手数料の額はどう決まるか——上限制と届出制
払うと決めたら、次の問いは「その額は何を根拠に出てきたのか」です。答えを先に言うと、特定技能で一般的な数十万円の定額は、法定の上限(上限制=賃金の11.0%)ではなく、紹介会社が厚生労働大臣にあらかじめ届け出た手数料表(届出制)で決まっています——物差しは3つで足ります=市場水準の帯(20〜60万円程度)・公開料金の実例(次項=30万円・20〜40万円)・国の統計の平均の上限(下記=約34.4万円)。まず料金体系を確認します。見積もりの提示は、各社の公開料金・費用解説から見ておおむね3つの形に分かれます(編集部整理)。
| 料金体系 | 算定方法 | 主に使われる場面 |
|---|---|---|
| 定額制 | 1人あたり◯万円で固定 | 特定技能(定額制が多く見られます)=本記事の20〜60万円程度はこの形の目安 |
| 料率制(年収比例) | 理論年収×◯%(理論年収=月給×12+賞与+諸手当で出すのが一般的=各社の提示から見た目安) | 技術・人文知識・国際業務(技人国)など専門職の採用 |
| 月給倍率 | 月給の◯か月分 | 費用解説で「給料の1〜3か月分程度」と説明される形。⚠️ 賞与・手当を含まないぶん理論年収比より安く見えることがある=金額に直してから比べる[14] |
月給倍率で提示されたら、金額に直すのが先です(例=月給20万円の「2か月分」なら40万円=定額の帯のなか、「3か月分」なら60万円=帯の上端)。⚠️ 「◯か月分」の水準そのものを自社の料金として公開している事業者の料金表は、2026年8月19日時点で確認できませんでした(探索範囲=下の実例2社〔LPK JAPAN・kedomo〕の公開ページと、費用を解説する紹介事業者3社〔アセアン・ワン・キャリアリンクファクトリー・Jinzai Plus〕のページ。アセアン・ワンの費用ガイドは「給料の1か月から3か月分程度」の帯を示しますが、同ページ自身が「業界の一般的な数値として算出」「相場観として」と明示しており、同社の料金表ではありません[14])=「◯か月分」と言われたら金額に直したうえで、下の統計の水準・公開料金の実例と突き合わせてください。
法律側の枠組みは「手数料は2種類しかない」です。 職業安定法は、有料職業紹介事業者が受け取れる手数料を上限制と届出制の2種類に限定しています(第32条の3第1項)。上限制の紹介手数料は支払われた賃金額の11.0%(免税事業者は10.3%)が上限です(別枠の受付手数料は1件710円〔免税660円〕まで)。⚠️ 同じ人を引き続き6か月を超えて雇用した場合は「6か月間の雇用に係る賃金」が算定の基礎と定められているので、月給20万円の人を1年契約(期間の定めのある雇用)で採用したときの上限は、12か月分ではなく6か月間の賃金120万円×11.0%=13万2,000円です(編集部算出=率の適用例)。[15]つまり特定技能で一般的な数十万円の定額は大半が上限制の枠を超えます=この水準の見積もりは、紹介会社が厚生労働大臣にあらかじめ届け出た手数料表に基づく届出制手数料によるものです。届出制について、求人企業から徴収する額全体に一般的な上限を課す規定は見あたりません(2026年8月19日時点で職業安定法と同法施行規則を確認した範囲)。[16][17]
国の統計でも、特定技能の紹介手数料はほぼ全額が届出制です。 厚生労働省の令和6年度職業紹介事業報告書(令和8年3月31日公表の速報値)には「特定技能の在留資格に係る職業紹介」という職種区分が独立して置かれていて、特定技能の紹介実績だけを取り出せます。[18]
| 「特定技能の在留資格に係る職業紹介」区分の集計(令和6年度・有料職業紹介) | 値 |
|---|---|
| 常用就職件数 | 23,142件 |
| 手数料合計 | 7,963,409,000円 |
| うち届出制手数料 | 7,946,169,000円(手数料合計の99.8%) |
| うち上限制手数料 | 16,244,000円 |
| うち求人受付手数料 | 996,000円 |
| 臨時日雇就職延数(参考・⚠️ 常用に当たらない就職の延べ人日) | 25,441人日 |
| 国外にわたる職業紹介の就職件数(外数・⚠️ 常用と臨時日雇の別は示されていない) | 15,984件 |
金額は原資料では千円単位で公表されており、この表では円に直しています。ここから2つ読み取れます。
- 1件あたりに直すと、多くとも約34.4万円 — 手数料合計を常用就職件数で割った値です(編集部算出=同一資料内の単純除算)。⚠️ 平均そのものではなく「平均の上限」です=分子の手数料合計には同じ区分の臨時日雇就職の分も入っているのに、分母は常用就職件数だけだからです。国外にわたる職業紹介の就職件数も分母に入れると約20.4万円まで下がります(⚠️ 分母の取り方による振れ幅を示す参考値で、もう1つの上限ではありません)。使い方は前項の「見積もりが60万円を超えるなら根拠を確認」と同じで、物差しが市場水準の帯(上端60万円)か統計(平均の上限)かの違いだけです——提示がこの水準を超えるなら、その差(人材の状態・含まれる業務の範囲・探索の手間)を条件で説明してもらう。内側でも妥当性の証明にはなりません。
- 額の根拠は上限制ではない — 届出制手数料が手数料合計の99.8%を占めます。賃金の11.0%という天井は上限制を選んだ場合にだけ効くので、数十万円の定額が「上限制手数料」として提示されていたら、名目と金額が整合しません。聞くのは「届け出た手数料表では、この採用条件でいくらか」の一点です(手数料に関する事項は、紹介会社に明示が義務づけられている事項です=職業安定法第32条の13)。
⚠️ 建設分野・港湾運送業務では、この費目自体が立ちません——有料職業紹介事業者が建設業務・港湾運送業務に就く職業を紹介することを、職業安定法第32条の11第1項が禁じています(前掲の費目表・後述③の分野別の項と同じ線)。建設で「紹介手数料」を提示されたら、それが何の対価かを先に確認してください(建設固有の費用は建設の特定技能 採用費用・相場)。
紹介手数料の公開料金の実例——2人目の逓減・請求時期・返金条項
相場の帯だけでは、見積もりの細部——2人目以降の価格・請求のタイミング・返金の条件——は判断できません。この3つを自社サイトで料金・条件として公開している事業者の実例を2社挙げます(前項の探索で当たった5社のうち、自社の料金・条件そのものを公開していたのがこの2社でした)。⚠️ いずれも各社の公開料金・条件であって相場ではなく、特定の事業者の推奨でもありません(確認日2026年8月19日。表の「—」=公開ページに記載が見あたらなかった項目)。
| 公開されている料金・条件 | LPK JAPAN(有限会社パートナーズプラン) | kedomo(株式会社kedomo) |
|---|---|---|
| 紹介手数料 | 基本手数料30万円(別途消費税・1名につき) | 定額制20〜40万円(海外在住の未経験者20万円〜・経験者や日本在住者30〜40万円) |
| 2回目以降の価格 | 同一企業2回目以降の紹介・技能実習での受入れ企業・特別な紹介時は20万円 | — |
| 請求・支払の条件 | 雇用開始月の月末〆・翌月10日払い。分割等の相談可 | 入社後の一括請求(採用決定の段階では請求せず、事前ガイダンスなど個別業務の費用は実施時に請求) |
| 返金規定 | 入社より3か月以内に、特定技能生の責めに帰すべき事由での退職・転職の場合、紹介手数料の50%を返金 | 6か月以内の自己都合退職に、段階的な返金規定 |
この2社の公開ページから読み取れることは3つです。
- 同じ会社への2人目からは下がる設計が実在する — 「1人あたり◯万円」の単価を人数分そのまま積むと過大に出ることがあります。複数名の採用計画なら、2人目以降の価格と、技能実習での受入れ実績がある場合の扱いを見積もりで確認してください(複数名の費目の積み方そのものは後述の「複数名を採るときの積み方(人数倍してよい費目・してはいけない費目)」)。
- 請求の起点を「入社後」に置く設計が公開されている — 特定技能は内定から入管の審査を挟むため、請求が立つのが採用決定時か・入社後かで、資金繰りと不許可時のリスクの持ち方が変わります(次項)。締め日・支払期日・分割の可否まで、見積もりで確認する項目です。
- 返金条項は「期間×事由×割合」の3点で書かれる — 「3か月以内・本人の責めに帰すべき事由・50%」「6か月以内・自己都合退職・段階的」のように、対象期間だけでなく事由の定義で結果が変わります。特定技能の離職には帰国・在留資格の変更待ち・分野をまたぐ転職が混ざるので、「自己都合退職」「転職」がそれらを含むかまで契約前に確認してください。⚠️ 返金割合の相場を示す公的な集計は、2026年8月19日時点で職業安定法・同法施行規則と厚生労働省の公表資料(人材サービス総合サイトの案内・職種別手数料の資料)を確認した範囲では見あたりません=割合そのものに基準はなく、実例の条項と、後述の返戻金制度の有無の事前確認で判断する費目です。
2社の表から読み取れることのほかに、契約の形で2つ確認しておくと比較が揃います。税の扱い=LPKは「別途消費税」と明記し、kedomoの公開ページには税の記載が見あたりません——届出制の定額を税込・税別のどちらで表示するかを定めた規定は見あたらないため(2026年8月19日時点で職業安定法と同法施行規則を確認した範囲)、提示が税別か税込かは会社ごとに違い得ます(見積もりの税の揃え方は後述②の末尾と同じ要領です)。束ねるか分けるか=紹介と入社後の支援を同じ会社に頼む場合は、紹介手数料と月額委託費を必ず分けた見積もりでもらい、在籍見込み年数で足してから比べてください——片方を安く見せてもう片方で回収する設計があり得るうえ、月額の差は年数で効きます(並べ方は登録支援機関の費用相場の「2社の見積書を並べる」ワークシート)。
⚠️ 上端側の水準について。 kedomoは同じコラムで、自社の定額制(20〜40万円)を「業界相場の下限〜中位」と位置づけています(その業界相場は同社が各社の調査・公開料金から推計した1名あたり20〜80万円=⚠️ 同社の推計であって、本記事の市場水準20〜60万円程度とは別の物差しです)。前項の企業自己申告の調査(1件あたり91万〜109万円)と合わせると、上端80万円の帯を前提に価格を説明する事業者が実在する=60万円超・80万円台の提示が実在しない額だという主張はできません。変わらないのは使い方です——本記事の市場水準の外側に出た時点で、価格が条件で説明されるべき領域に入ります。
不許可・早期離職のときにどうなるか——契約前の確認点と、そのまま送れる質問文
在留資格が不許可になったときの請求と返金は、契約次第です(2026年8月19日時点で職業安定法と同法施行規則を確認した範囲では、不許可のときの扱いを定めた規定は見あたりません)。特定技能では内定してから入管の審査を挟むため、採用が決まっても働き始められない可能性が残ります。⚠️ 早期退職の返金規定(フィーバック)は「入社後の離職」を対象にしているため、入社に至らなかったこのケースを拾えないことがあります。 契約前に、①請求が立つのはいつか(内定時か・在留資格の許可後か・就労開始後か) ②不許可なら全額戻るのか ③審査中に候補者が辞退したらどうなるか ④着手金がある場合それは返るのか——の4点を契約書で確かめてください。不許可の理由が受入れ側の基準(受入れ企業の要件)にある場合と本人側にある場合とで扱いを分ける契約もあるため、事由ごとの扱いまで確認しておくと解釈が割れません。
返金規定の有無・内容は、契約書を取り寄せる前に外から引けます。 令和7年(2025年)4月1日から、有料職業紹介事業者は職種ごとの平均手数料率などの実績の公開が義務づけられ、厚生労働省が運営する「人材サービス総合サイト」で、事業者ごとに手数料の実績・就職者数と採用後6か月以内の離職者数・返戻金制度の有無と内容を確認できます。読むときの注意は4つあります。[21][22]
- 職種は特定技能の分野名そのものでは選べません — 検索画面(都道府県を選ぶ→「詳細検索条件」の「法第32条の16第3項に関する事項(情報提供)その②」)で選ぶのは職業分類の職種なので、特定技能の分野名を職業分類の職種名へ読み替える必要があります。求人票に書く業務内容を動詞で1文にして(例=「店舗で調理と接客をする」)、最も近い職種名を当ててください(介護のように同じ分野でも施設/訪問で職種が分かれます。複数に当たりそうなら、それぞれで検索して見比べます)。
- 手数料実績の掲載は、各事業者の取扱いが多い上位5職種までで、常用就職の紹介実績が10件以下の職種は掲載対象外です=「掲載が無い=実績が無い」ではありません。相手の事業者が出てこないときは、掲載対象外の可能性をふまえ、同じ項目(手数料実績・離職者数・返戻金制度)を書面で直接求めてください(下の質問文1〜3がそのまま使えます)。
- 定額で徴収している事業者は、率に代えて平均手数料額(円)で掲載できます=定額制が多い特定技能では、率の条件で絞り込むと相手が出てこないことがあります(率を外して探すほうが確実です)。[15]
- 6か月以内の離職者数は、期間の定めのない労働契約を結んだ人に限られます(解雇による離職と6か月経過後の離職は除外)=期間の定めのある雇用契約で受け入れた分は、離職しても記録に載りません。[15]
そのうえで、相手に投げる質問文です。⚠️ 金額そのものを値切る形にしないでください——安くしてもらうより、何にいくら払っているのかを確定させるほうが、複数社を同じ土俵に載せられます。
ご提示の紹介手数料について、次の6点を書面でご教示ください。
- この手数料は上限制手数料と届出制手数料のどちらでしょうか。届出制の場合、届け出られた手数料表のどの区分・どの欄が適用されますか。
- この金額に含まれる業務の範囲(募集・選定・面接調整・入社後のフォローの有無と期間)をお示しください。あわせて、含まれない項目と、その場合の概算もお願いします。
- 返金規定について、返金割合・対象期間・対象外となる事由(会社都合の退職、本人の帰国、在留資格の変更など)をご教示ください。
- 在留資格が不許可になった場合、審査中に候補者が辞退した場合の請求と返金の扱いをご教示ください。着手金がある場合はその扱いも含めてお願いします。
- 紹介のみをお願いし、入社後の支援を別の登録支援機関に委託する形は可能でしょうか。可能な場合の紹介手数料もお示しください。
- 請求書の発行時期と支払期日(締め日・支払サイト)をご教示ください。複数回に分ける場合は各回の時期と金額の割合、分割・分納に応じられる場合はその条件もお願いします。
⚠️ 1と3は、紹介会社に明示が義務づけられている事項です(職業安定法第32条の13=手数料に関する事項/同法施行規則第24条の5第1項第二号=返戻金制度に関する事項)。明示の時期は省令が「求人の申込み又は求職の申込みを受理した後、速やかに」と定めているので、見積もり段階で書面にできないなら、その理由を聞くところまでが判断材料になります。[15]
送出機関費用は送出国側の公的ルールで決まる部分がある
海外から呼び寄せる場合の送出機関費用は、まったくの「言い値」ではありません。主要な送出国では、企業が送出機関へ支払う費用の最低額・上限や、労働者本人からの徴収の可否を、政府が法令で定めている部分があります。日本側の解説記事ではあまり触れられませんが、見積もりの妥当性を判断する材料になります。
| 国 | 企業→送出機関の費用(公的ルール) | 本人からの徴収(公的ルール) |
|---|---|---|
| ベトナム | 派遣料(phí phái cử)は基本給1か月分以上(法定の最低額)+訓練費は語学5万円以上・職業技能5万円以上=計10万円以上。ベトナムから就業地までの航空券も受入側が負担と定められています。⚠️ さらに、仲介契約の手数料(giá dịch vụ theo hợp đồng môi giới)は日本向けだけ全業種「0ドン」が上限=ブローカー費用を送出機関に払わせる建て付けは、送出国側の法令が塞いでいます | 技能実習2号・3号から特定技能へ移行する場合、本人から徴収できるサービス料は0ドン(⚠️ 高度技術者・建設造船の特定活動は別扱い=12か月あたり給与0.7か月分・36か月以上の契約で通算2か月分が上限。⚠️ 試験ルート〔技能実習を経ずに特定技能で来る人〕については、附録の日本欄に本人徴収の上限が置かれていません=0ドンの規定は移行組の話です) |
| インドネシア | 送出会社のサービス料(Jasa Perusahaan)は給与1か月分が上限(¥180,000=月給の目安)で、雇用主が全額負担 | ⚠️ 費目ごとに負担者が決まっており、本人負担の費目もあります=雇用主=就労ビザ・渡航航空券/本人=健康診断・心理検査・社会保険料・国内交通費(下の注記) |
| フィリピン | 額の上限は定めがないが、どの費目を受入れ側が負担するかは公的に決まっている(原文の主体は「Supervising Organization」=査証〔スタンプ料含む〕・往復航空券・空港から就業地までの交通・DMW手続料・OWWA会費・訓練費・追加の技能試験) | 本人からのplacement fee(紹介手数料)の徴収は送出機関の認定条件で実質禁止。⚠️ ただし本人が負担する費目は別に定められています(パスポート・NBI/警察証明・出生証明・学歴証明・PRC免許・TESDA認定・DOH指定健診・PhilHealth/Pag-IBIG/SSSの加入)=「本人負担ゼロ」ではありません |
⚠️ インドネシアの費目別の負担者(BP2MI長官決定 第148号 2023 の附属表・原文の「負担者」列をそのまま)=雇用主=就労ビザ Rp400,000・渡航航空券 Rp10,000,000・会社サービス料 ¥180,000/本人=健康診断 Rp902,000・心理検査 Rp550,000・社会保険料 Rp370,000(24か月契約の前提)・出身地から出発地までの国内交通 Rp500,000(ジャワ島)〜Rp2,000,000(島外)/双方0=パスポート(新規は無料)・帰国航空券(雇用契約の定めによる)。⚠️ そして10番目に、毎月かかる費目があります=Jasa Supervisi(監督料)月10,000円(上限)・雇用主負担・契約期間中ずっと=5年なら600,000円で、登録支援機関への支援委託費とは別に出ます(②の維持費に足してください)。⚠️ 「配置費用はすべて雇用主負担」ではありません=見積書に健診費が企業負担として乗っているなら、それは公的ルールが求めたものではありません(決定は雇用主が肩代わりすること自体は認めており、その場合は本人に課せない建て付けです)。
いずれも各国の現地法令に基づくルールで、2026年7月時点(インドネシアは2026年8月17日、ベトナムは2026年8月18日に再確認)で各国政府の一次資料(官報・当局の告示)で原文を確認したものです。⚠️ ベトナムは現行版で突合済みです=上の値は通達21/2021の附録を通達02/2024(2024年2月23日付・2024年5月15日施行)が差し替えた後の本文で確認しました(ベトナム政府官報 第393+394号・2024年3月9日)。附録IIの第II節(特定技能=Chương trình kỹ năng đặc định)が受入れ側の負担として派遣料・渡航費・訓練費を、附録Xが仲介手数料の上限を、附録XIが本人から徴収できるサービス料の上限を定めています。[23]読み方のコツは、公的ルールで額が決まっている部分だけを固定して見ること=ベトナムなら基本給20万円で30万円以上が法定の下限(派遣料1か月分以上+訓練費10万円以上)、上限の定めはありません。⚠️ 初期費用の表に置いた「給与1〜3か月分程度」は市場水準の目安で、上端を裏づける公的ルールはありません=それどころかインドネシアは給与1か月分が公的な上限なので、同国から採るなら上端側は成り立ちません。円建ての定額として見積もらず、必ず契約書と送出国のルールの両方で確認してください。実際の総額は契約内容や為替で変わるため、最終的には見積もりで確認してください。[24][25][26]
⚠️ ミャンマー・ネパール・カンボジアなど、上の表に載せていない送出国もあります=日本語の解説記事には「ミャンマーは上限1,500米ドル」といった数字が流通していますが、2026年8月17日時点で、当該国政府の一次資料(官報・当局の告示)に当たれた範囲では原文を特定できませんでした=原文で確認できていない額は本記事では扱いません。出入国在留管理庁の国別ページも、認定送出機関の一覧と手続の案内までで、送出機関へ支払う額の上限には触れていません。[27]国ごとの採用の進め方(どの国にどんな手続きが要るか)は国別の特定技能採用、インドネシアの実務はインドネシア人の特定技能採用で扱っています。表にない国から呼び寄せるときは、送出機関の請求内訳と、その国の公的ルールの有無を契約前に確認してください(受入れ機関には、本人が外国の機関へ払った費用の額と内訳を本人が理解・合意しているかを確認することが求められます=後述の「費用の『合意』と『明細書』は在留資格の要件」)。
なお、在留資格の手続きは扱いが「書類を作る」と「窓口へ出す」で違います。報酬を得て業として申請書類を作成することは行政書士などの専門家の領域で、登録支援機関の業務(支援計画に基づく支援の実施。支援計画の作成は自社の義務です)には含まれません。一方で申請書等の提出(申請取次)は行政書士の専管ではありません=出入国管理及び難民認定法施行規則(法務省令)は、特定技能で在留する外国人の在留資格変更・在留期間更新について、受入れ機関等の職員(「受入れ機関等」には外国人を雇用する機関が含まれます=受入れ企業もこれに当たります)・公益法人の職員・登録支援機関の職員で地方出入国在留管理局長が適当と認めるものや、弁護士会・行政書士会を経由して届け出た弁護士・行政書士が、本人の依頼を受けて本人に代わって提出できると定めています。海外から呼び寄せる在留資格認定証明書の交付申請は、本人と特定技能雇用契約を結んだ受入れ企業の職員が「代理人」として自ら出頭して提出できます(本人・代理人の出頭を要しない場合に代わって提出できる者として、公益法人の職員・支援計画の全部の実施を委託された登録支援機関の職員・届出済みの弁護士・行政書士・法定代理人が定められています)。[28]必要に応じて行政書士などの専門家と連携しつつ、どこまでを自社で担うかは分けて決められます(費用への効き方は後述の「費用を抑えるポイント」)。
初期費用は「いつ」出ていくか
初期費用は採用が決まった瞬間に全額出るわけではなく、手続きの進行に合わせて分かれて出ていきます。資金繰りを見るときはどの段階でいくら出るかが要るので、代表モデル(国内在住者の採用)の金額を段階ごとに割り付けたのが下の表です。
| 段階 | そこで出やすい費目 | その段階で出る額(国内在住者を採用する代表モデル) | 途中で止まったときの扱い |
|---|---|---|---|
| 候補者の決定・雇用契約の締結 | 人材紹介手数料(契約時・入社時などの分割払いもある) | 30万円 | 返金規定の対象になり得る(規定の内容次第) |
| 在留資格の申請 | 行政書士などの専門家への報酬(着手金・成功報酬の別は契約による) | 10万円(依頼した場合のみ=自社で作成するなら0円) | 着手済みの報酬は戻らないことが多い |
| 申請の許可 | 国に納める手数料(在留資格変更許可) | 窓口6,000円/オンライン5,500円 | 許可されるときに納めるため、不許可なら手数料自体は発生しない |
| 入国前後 | 渡航費・健康診断・住居の初期費用・事前ガイダンスなどの初期支援 | 国内在住者の採用では原則立たない(遠方からの転居を伴うなら住居初期が乗る) | 発生した実費は戻らない |
| 就労開始までの累計 | 上の4段階の合計 | 約40.6万円(専門家に依頼した場合。依頼せず自社で作成するなら約30.6万円) | — |
| 就労開始から毎月 | 登録支援機関への支援委託費 | 月28,386円(公的な集計の平均)=ここから②の費用に切り替わる | 請求の開始月は契約次第(入国前の支援から立つ機関と就労開始月からの機関がある)。中途解約で解約金や初期支援分の再請求が生じるかも契約次第 |
⚠️ この表は国内在住者を採用する代表モデルの列です。海外ルートは「足すだけ」では出ません=足すのは送出機関費用20万円と渡航・健診・住居初期28万円ですが、同時に人材紹介手数料が30万円→20万円に下がり、「申請の許可」の行は0円になります(在留資格認定証明書の交付申請には国へ納める手数料がかかりません)。差し引きすると、海外の就労開始までの累計は 約78万円 になります。⚠️ 累計行の申請手数料は窓口の額で積んでいます(オンラインなら5,500円=差は500円)。
支払時期は事業者との契約で決まるため、ここで押さえたいのは、国に納める手数料は許可時払いなので不許可なら発生しない一方、専門家報酬・渡航費・住居初期は結果によらず出ていることが多いという非対称です。
⚠️ 就労が始まった後に早期離職・失踪が起きたときも、費目ごとに扱いが分かれます(上の表は「就労開始まで」の話です)=人材紹介手数料は返金規定(フィーバック)の対象になり得ます(割合・対象期間・対象外となる事由の見方は①の不許可・早期離職のときにどうなるか)/支援委託費は在籍した月数ぶんで止まりますが、中途解約の解約金や初期支援分の再請求が生じるかは契約次第です(確認の観点は登録支援機関の費用相場の「見積もりで必ず確認する7項目」)/国へ納めた手数料・渡航費・健康診断・住居の初期費用・送出機関費用は戻りません。⚠️ この領域には公的な相場も標準的な契約書式もありません=いくら戻るかは契約書の条項でしか分からないので、契約前に返金規定と中途解約の条項を読んでおくのが唯一の備えです。
では、もう一度採り直すといくらかかるのか。 「戻る/戻らない」の内訳が分かれば、再採用でもう一度出ていく額は本記事の代表モデルから出せます=それは就労開始までに出ていく初期費用の累計そのものです。
| 採り直すときにもう一度出ていく額(1人・代表モデル) | 金額 | 中身 |
|---|---|---|
| 国内在住者を採用 | 約40.6万円 | 人材紹介手数料30万円+行政書士報酬10万円+在留資格変更の手数料0.6万円 |
| 海外から呼び寄せ | 約78万円 | 人材紹介手数料20万円+行政書士報酬10万円+送出機関費用20万円+渡航・健診・住居初期28万円 |
読み方は3つです。
- 初年度の総額のうち、再発生するのは初期費用の側です=国内の代表モデル約75万円のうち約40.6万円=約54%が「採り直すたびに再び出る」部分で、残りは在籍した月数ぶんで止まる支援委託費です。早期離職が痛いのは、この比率が高いからです。
- 上の額は「返金がゼロだった場合」の上限です=紹介手数料に返金規定(フィーバック)があれば、その分だけ小さくなります。⚠️ 逆に、返金の対象は紹介手数料だけなのが普通で、行政書士報酬・国へ納めた手数料・渡航費・住居初期費用は規定の有無にかかわらず戻りません(海外ルートで額が大きいのは、この「戻らない側」が厚いからです)。
- 回収の目安は在籍月数で見ます=国内の代表モデルなら、初期費用約40.6万円を月額の支援委託費(約2〜3万円)と並べると、初期費用は月額の十数か月分〜二十か月分にあたります。1年で離職されると、初年度に払った額のうち大きい側がまるごと再発生する——これが「定着支援は費用対効果が高い」と言われる中身です。
⚠️ この表は市場調査値ではなく、本記事の代表モデル(条件を固定した点推定)から機械的に出したものです=自社の見積書の金額に置き換えて同じ足し算をしてください。何年在籍してもらえるかの見当のつけ方は後述の日本人パートとの比較、定着そのものの実務は特定技能の定着支援で扱っています。
——ここまでが「①最初にかかる費用はいくらか」の答えです。 費目ごとに幅はありますが、まとめると国内在住者の採用で約40〜55万円・海外からの呼び寄せで約55〜95万円・技能実習2号からの移行で約10〜25万円。ルート間の差を作っているのは①人材紹介手数料(ルートで額が変わり、自社の実習生からの移行ならほぼ立ちません) ②送出機関費用 ③渡航費・健康診断・住居の初期費用の3つで、②③は海外ルートだけに立ちます。⚠️ 上の段階別表の累計(約40.6万円)が国内レンジの下端に近いのは、人材紹介手数料を30万円で固定した代表モデルの1点だからです=手数料が上振れすればレンジの上側へ動きます。次は毎月の費用を見ます。
②毎月かかる費用の相場——維持費・ランニングコストの中心は支援委託費
毎月かかるのは登録支援機関への支援委託費で、相場の中心は1人あたり月20,000円台前半(公的な集計の中央値の帯=最頻帯・根拠は後述の分布表)。本記事が費目表や総額の計算で使うのは、この中心を含みつつ上振れも見込んだ月約2〜3万円(年約24〜36万円)の幅です。特定技能1号には生活面などの義務的支援(10項目)が義務づけられており、これを登録支援機関に委託すると毎月の委託費がかかります。支援は登録支援機関に全部委託でき、全部委託した場合は受入れ機関が満たすべき支援体制の基準を満たしたものとみなされます。[29]⚠️ ただし「全部おまかせ」にはなりません=支援計画の作成は受入れ機関の義務のままで、出入国在留管理庁への各種届出と、費用の額・内訳を含む帳簿の備置きも受入れ機関自身の義務として残ります(後述③)。[30]
委託費は1人あたり月額で設定されるのが一般的です(後述の公的な集計では、本記事が幅として使う月約2〜3万円にこの帯の46.5%が入り、その下=20,000円以下にも42.0%がいます)。国が定めた相場や上限はなく、委託する支援の範囲・対応言語・分野などによって金額には幅があります。⚠️ 見落とされやすいのが「何人を・いくつの事業所で」受け入れるかです=出入国在留管理庁の運用要領は、委託費用が「支援の対象となる1号特定技能外国人の数、特定技能所属機関の事業所数や場所等に応じて異なり得る」と明記しています。[5]同じ機関でも1人だけの委託と5人まとめての委託、1拠点と複数拠点では、1人あたりの月額が同じとは限りません(複数名で1人あたりが下がる方向にも、拠点が離れて訪問コストが増え上がる方向にも動きます)。本記事の金額は、支援委託費・人材紹介手数料・建設のJAC受入負担金のように1人あたりで発生する費目を「1人あたり」で示し、人数を掛けた比例計算にしています=複数名・複数拠点で検討しているなら、その条件のまま見積もりを取ってください。⚠️ 事業所・企業の単位でかかる費目(工業製品製造業の年会費、JACに賛助会員として直接加入する場合の年会費)は人数では増えません=人数倍しないでください(後述③)。同じ「月約2〜3万円」でも、含まれる支援の中身は機関によって異なり、事前ガイダンスや生活オリエンテーションなどの初期支援を、月額とは別の初期費用として設定している機関もあります。
⚠️ ②に立つのは「支援委託費」だけとは限りません。毎月出ていくものとして請求され得るのは、この記事が②で扱う登録支援機関への支援委託費のほかに、自社支援に切り替えた場合の自社人件費(特定技能は自社支援?委託?)と、分野団体の負担金(建設のJAC受入負担金など=③で扱います)です。⚠️ そしてもう1つ、日本の制度には無いのに毎月出る費目があります=送出国側のルールが月額を定めている場合です。インドネシアは移住労働者保護庁(BP2MI)の長官決定がJasa Supervisi(監督料)を月10,000円・雇用主負担・契約期間中と定めており(5年で600,000円=①の送出国の表)、支援委託費とは別に発生します。⚠️ 日本の特定技能制度そのものには、送出機関・人材紹介会社へ毎月払う費目はありません(技能実習・育成就労の監理費と混同されやすいところです)=送出国のルールに基づかない月額を請求されたら、何の対価か・支援委託費との重複はないかを内訳で確認してください(義務的支援の費用にあたるものを二重に払う形になっていないか、が要点です)。制度としての違いは監理団体と登録支援機関の違いで整理しています。
そもそも「維持費」に何が入るか
本記事が「維持費」と呼ぶのは登録支援機関への支援委託費(+分野によっては団体の負担金)で、賃金・法定福利費は含めていません。この語は制度用語ではなく書き手によって範囲が違うので、3層に分けて示します。
| 範囲 | 含むもの | 1人あたり月額の目安 |
|---|---|---|
| ①特定技能に固有の維持費(本記事の「毎月かかる費用」) | 登録支援機関への支援委託費(自社支援ならその人件費) | 約2〜3万円 |
| ②分野に固有の継続負担 | 分野団体の負担金(建設のJAC受入負担金など) | 建設は1人あたり月12,500円 |
| ③日本人の雇用でも同じく毎月出るもの | 賃金・法定福利費(社会保険・労働保険の事業主負担)・通勤手当・家賃補助(住宅手当)など | 賃金による(月給20万円なら事業主負担約15.5%を加えて月約23.1万円)。家賃補助を出す場合の目安は下記 |
この3つのうち、①と②が「特定技能だから増える分」です。③は在留資格を問わず発生します。他社の記事が「維持費は月8万円」のように大きな数字を出しているときは、③まで含めていることが多いので、どこまでを数えた数字かを確認してから比べてください。以下で扱うのは①(毎月の支援委託費)です。②の分野団体費は「③更新のたび・分野ごとにかかる費用」の節、③の賃金・法定福利費は本記事の対象外(賃金は日本人と同等以上が要件)です。
家賃補助(住宅手当)を出すなら月いくらか
住居は初期費用(①の敷金・礼金・家具家電)で終わりではなく、毎月の家賃をどう分担するかが続きます。ここは2つの建て付けを混同しないことが先です。
- 社宅・寮を貸与して家賃相当額を本人から徴収する(=会社にお金が入る側)→ 徴収してよい額の算定方法が決まっています(本記事の「本人に負担してもらえる費用」の表)。
- 本人が借りた住居に家賃補助(住宅手当)を出す(=会社からお金が出る側)→ これは賃金の一部です。以下はこちらの話です。
⚠️ 効いてくる条文を取り違えないでください。 家賃補助を積んでも同等報酬(省令 第1条第1項第3号)の比較には載りません=出入国在留管理庁の運用要領は「報酬」に通勤手当・扶養手当・住宅手当等の実費弁償の性格を有するもの(課税対象となるものは除く)は含まれないとしているためです。⇒ 基本賃金を抑えて家賃補助を積み増す設計は、同等報酬の要件に対しては効きません。 家賃補助で効くのは同第4号(外国人であることを理由として、報酬の決定・教育訓練・福利厚生施設の利用その他の待遇について差別的な取扱いをしていないこと)のほうで、同じ職務の日本人に住宅手当を出しているのに外国人にだけ出さない(またはその逆)という状態が「外国人であることを理由」によるものなら、額の多寡とは別にこの号の問題になります。[1][30]手当をどの欄に置くと同等報酬の比較に載るのかは外国人材の給与・賃金の決め方が所有しています。
額を設計するときの公的な物差しは2つあります。
①制度の型としては、国家公務員の住居手当(一般職の職員の給与に関する法律 第11条の10)が最も具体的です。
| 家賃の月額 | 住居手当の月額 |
|---|---|
| 16,000円以下 | 支給なし |
| 16,000円超〜27,000円以下 | 家賃 − 16,000円 |
| 27,000円超 | (家賃 − 27,000円)÷2(上限17,000円)+ 11,000円 |
⇒ 上限は28,000円(11,000円+17,000円)で、家賃61,000円以上は同額で頭打ちになります(編集部算出=(61,000−27,000)÷2=17,000で2分の1部分が上限に達するため)。「家賃の一定割合」ではなく「一定額を超えた分の一部」という設計である点が、自社規程を作るときの参考になります。
②実際に企業が負担している額は、厚生労働省の令和3年就労条件総合調査(労働費用)で見られます。常用労働者1人1か月平均の法定外福利費 4,882円のうち、住居に関する費用は2,509円(構成割合51.4%)=法定外福利費の半分は住居です。ただし企業規模で大きく違い、30〜99人は960円、1,000人以上は3,974円と4倍以上開きます。[32]
⚠️ この2,509円は「支給している人1人あたり」ではありません=手当をもらっていない人も含めた全常用労働者でならした額です。人事院の令和7年職種別民間給与実態調査では、住宅手当を支給する事業所は56.6%(企業規模100人以上)で、そのうち借家・借間に対して支給するのが77.2%です。⚠️ この56.6%は「事業所」の割合であって、手当を受け取っている労働者の割合ではありません(同調査の注記=本店事業所数ウエイトで算出)=受給者1人あたりの額が上の平均を上回ることは分母の作りから言えますが、どれだけ上回るかは、どちらの調査からも出ません。[33]
⚠️ 「支給する場合の1人あたり月額」の公的な平均は、2026年8月18日時点で確認した範囲では見当たりませんでした(人事院「令和7年職種別民間給与実態調査」表12=支給の有無と決定要素までで平均支給額の欄なし/厚生労働省「令和3年就労条件総合調査」=上記の全労働者ならしの額/同「令和6年雇用動向調査」=手当の項目なし。検索語=「住宅手当」「住居に関する費用」「平均支給額」)。⚠️ 同じ調査の表12は、借家・借間への手当が「一律定額」の事業所は15.5%しかないことも示しています=残りは家賃額・扶養家族の有無・世帯主かどうかなどで額が変わる設計です(同表の複数回答では「扶養家族の有無・人数」54.7%・「世帯主」36.1%・「家賃額」35.1%が上位)。「相場はいくらか」を探すより、①の型(一定額を超えた分の一部・上限つき)で自社の規程を先に決めるほうが早い、というのがこの費目の実務です。
月額委託費には公的な分布がある——本記事が総額に使う3つの数字
この費目は、目安のレンジだけでなく実際の分布が公表されている数少ない費目です。出入国在留管理庁が有識者会議の資料「特定技能制度の現状について」で公表した集計(令和4年〔2022年〕9月末に在留する特定技能外国人のうち、直近の許可に係る申請で登録支援機関に有償で委託するとされた70,404人分を集計した暫定値・全分野の合算)では、平均金額は28,386円、30,000円以下が全体の88.5%を占め(同庁は「約90%」と表現しています)、中央値が入る帯も最も多い帯も20,000円超〜25,000円以下=相場の中心を1点で言うなら20,000円台前半です(中央値の帯は人数の累積による編集部算出。平均がこれより高いのは30,000円超の層が引き上げているためです)。⚠️ より新しい集計は、2026年8月18日時点で確認した範囲では見当たりませんでした(出入国在留管理庁の特定技能に関する統計・有識者会議の資料一覧・同庁の意識調査の後続版を「支援委託料」「委託費」で確認)=本記事の中心・平均は、この令和4年〔2022年〕9月末時点の暫定値が最新の公表値です。[11]
金額帯7区分の分布表と、受け取った見積もりを分布に置いて読む手順・見積もりで必ず確認する7項目・請求の開始月で初年度が動く幅・2社の見積書を初年度の総額でそろえるワークシート・費目ごとの内訳のそろえ方(参考様式第2-8号)は登録支援機関の費用相場が所有しています=本記事が持つのは、総額を積むための数字(下の3つ)だけです。
⚠️ この費目の数字は、本記事に3つ出てきます。使い道が違うので混ぜないでください。
| 使う場面 | 使う数字 | なぜその数字か |
|---|---|---|
| 相場の中心を1点で言う/受け取った見積もりが高いか安いかを判定する | 20,000円台前半(=分布の中央値の帯=最頻帯) | 実際の分布の真ん中にいる金額だから |
| 採用ルート別の総額を「幅」で積む(①②③の費目表・ルート別の初年度総額・5年の積み上げ) | 月約2〜3万円 | 中心の帯を含みつつ上振れも見込んだ幅=この幅に実際に入るのは全体の46.5%(編集部算出) |
| 条件を固定した「1点」を積む(代表モデル=採用コストベンチマーク) | 平均28,386円 | 分布全体を代表する値=年ごとの比較や自社との差分を測る基準値にするため |
⚠️ 3つの中で「自社の見積もりの妥当性」を判定できるのは中心だけです(幅と平均は総額を積むための数字で、個々の見積もりの高安は判定しません)。
⚠️ 自社の見積もりが幅(月約2〜3万円)の外に出るのは珍しくありません=20,000円以下に42.0%、30,000円超に11.5%がいます。その場合は本記事のルート別レンジをそのまま当てず、月額だけを自社の額に差し替えて積み直してください=初年度=初期費用+自社の月額×12か月/5年=初期費用+自社の月額×60か月+更新の回数分の費用。本記事のどの総額も、この同じ組み立てで作っています。
⚠️ 他社の記事が引く平均28,386円を「多数派の金額」として読まないでください=平均は中心より高く出ます(自社の提示額をこれと比べると、実際より安く見えます)。⚠️ この分布は全分野の合算で、分野別の内訳は公表されていません=分野で変わるのは委託費そのものより分野団体の負担金の有無(後述③)です。「支援委託費に書類作成も含まれます」と読める見積もりの内訳の確かめ方(行政書士法第19条第1項=2026年1月1日施行の改正で「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」の文言が入り、制限はオンライン申請の入力にも及びます)と、費用の額・内訳を示さないことが登録支援機関の登録拒否事由であること、2027年4月から登録支援機関に求められる料金・支援実績の公表(令和7年法務省令第45号=経過措置があり各機関の登録更新のタイミングで順次進みます)も、同じ記事で整理しています。[34][35]
⚠️ 税の扱いも揃えて比べてください=本記事の金額は、公的な集計値も市場水準の目安も税込・税抜の別が示されていません(出入国在留管理庁の集計資料にも税の記載はありません)。登録支援機関への委託は役務の提供なので消費税の扱いが生じます(税率10%なら月30,000円で5年18万円の差。⚠️ 課否の最終的な判断は税務の領域です)。一方で分野団体の会費には課税されないものがあります(工業製品製造業のJAIMは自機構の資料で「消費税不課税」と明記)。⚠️ 税込の総額を出したいときは、費目を2つに分けてください=事業者に払う役務・仲介の対価(支援委託費・人材紹介手数料・専門家報酬)は税の扱いを見積書で確認して揃える/国へ納める手数料(在留資格変更・更新)は事業者への対価ではないので、この確認の対象外です。⚠️ 本記事の金額は税の別が不明なまま積んだ額なので、稟議に税込で出すなら前者だけを自社で確認した税率で読み替えてください(課否の最終的な判断は税務の領域です)。
——ここまでが「②毎月かかる費用はいくらか」の答えです。 相場の中心は月20,000円台前半(公的な集計の中央値の帯)、本記事が総額を積むときに使う幅は月約2〜3万円=年約24〜36万円。一部を自社支援に切り替えれば月約1〜2万円まで下げられますが、そのぶんの工数は自社に移ります。次は更新のたび・分野ごとの費用を見ます。
③更新のたび・分野ごとにかかる費用
3つ目は、毎月ではないが受け入れが続く限り繰り返し発生する費用です。額は、在留期間の更新1回につき国へ納める手数料が窓口6,000円・オンライン5,500円(申請書類の作成・申請取次を依頼する場合の報酬は別途5〜15万円程度)。分野の団体費は有無も額も分野で違い、建設は1人あたり月12,500円(年15万円)、工業製品製造業は事業所単位の年会費で、介護と造船・舶用工業には会費の定めが見当たりません(下の表の注記)。⚠️ 建設の受入負担金は、JAC正会員団体の公表注記によると2024年7月に採用ルート別の額から一律化されています=解説や見積もりでルート別の旧額を見たら一律化前の情報です(一次と経緯は建設の特定技能 採用費用・相場で突き合わせられます)。
| 費目 | 中身 | 金額 |
|---|---|---|
| 在留期間更新許可申請の手数料 | 国に納める手数料(許可されるときに納付。窓口は収入印紙・オンラインは電子納付) | 窓口6,000円/オンライン5,500円(2025年4月1日以降の受付分。改定前は4,000円) |
| 申請書類の作成の報酬(+依頼するなら申請取次) | 行政書士などの専門家に依頼する場合。⚠️ 報酬を得て業として行う申請書類の作成が専門家の領域で、申請書等の提出(申請取次)は行政書士の専管ではありません=承認を受けた自社の職員でも本人の依頼を受けて提出できます(②の節) | 1回あたり5〜15万円程度が目安(手続きの種類・依頼範囲で幅があります) |
| 定期健康診断(毎年) | 労働安全衛生規則が事業者に義務づける年1回の健診(日本人の従業員と同じ=在留資格を問わない) | 1人あたり1万円前後(⚠️ 公的な相場はなく、実施機関の公開料金からの市場水準の目安です)。⚠️ 入国前後の健診(①)とは別物で、受け入れが続く限り毎年発生します |
| 分野団体の負担金・年会費 | 分野別協議会・分野団体への負担 | 分野による(建設=JAC受入負担金 1人あたり月12,500円=年15万円〔賛助会員として直接加入するなら年会費24万円・正会員団体の傘下ならJACへの年会費は不要〕/工業製品製造業=JAIM賛助会員の年会費 事業所単位で60,000〜83,000円〔中小/大企業・正会員団体への所属有無で4段階・同機構の資料は「消費税不課税」と明記〕/介護=会費の定めが見当たらない〔下の分野別の表の注記〕) |
[36]手数料は1人あたり1回でみれば大きな額ではありませんが、人数が増え、在留期間ごとに繰り返し発生する点で、継続コストとして見込んでおく必要があります。[6]
5年で何回更新するかは一律には決まらない
更新費用を5年分で見積もるには「何回更新するか」が必要ですが、これは一律には決まりません。1回の在留許可で指定される在留期間は、2025年9月30日の改正で「1年を超えない範囲内」から「3年を超えない範囲内で法務大臣が個々に指定する期間」へ拡大されました(⚠️ 根拠となる法令は入管法施行規則の別表第二で、同日の運用要領改正はこれを反映したものです)。何年が指定されるかは個々の状況によるため、通算5年のあいだに更新が何回発生するかも個別に変わります。たとえば1年ずつ指定されれば4回、3年と2年で指定されれば1回です。5年の総額を出すときは、更新費用を回数の幅として見ておくのが実務的です。[37]在留期間の指定と通算5年の数え方は特定技能の在留期間と更新|何年働ける?通算5年の数え方で解説しています。
2026年10月1日から手数料は「在留期間の長さに応じた額」になる
現行の手数料は在留期間の長さにかかわらず一律ですが、2026年10月1日以降の申請分から、許可される在留期間が長いほど高くなる仕組みに変わります。改める政令(令和8年政令第268号)は2026年7月3日〜8月3日の意見公募(パブリック・コメント)を経て2026年8月25日に閣議決定され、2026年8月28日に公布されました(官報 令和8年8月28日付 号外第192号)。施行日は政令の附則第1条で令和8年10月1日と定められ、出入国在留管理庁も同日を施行日として改定後の額を告知しています(意見公募の関連資料「在留許可手数料の額及び減額又は免除の対象者等について」が示した案と同額)。改正後の施行令第25条第1項第1号は在留資格変更許可と在留期間更新許可をまとめて対象とし、額は次のとおりです。
| 許可される在留期間 | 窓口 | オンライン | 特定技能1号で当たるか |
|---|---|---|---|
| 3月以下 | 10,000円 | 10,000円 | 当たり得る |
| 3月超6月以下 | 18,000円 | 15,000円 | 当たり得る |
| 6月超1年未満 | 25,000円 | 21,000円 | 当たり得る |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 | 当たり得る |
| 1年超3年未満 | 48,000円 | 42,000円 | 当たり得る |
| 3年以上5年未満 | 64,000円 | 56,000円 | 3年ちょうどのみ当たる |
| 5年以上 | 75,000円 | 65,000円 | 当たらない(1号は3年を超えない) |
⚠️ オンライン申請は上の額に別途決済手数料(3年未満の区分は330円・3年以上は550円)がかかり、2026年10月1日以降の申請分は収入印紙で納められません(コンビニ決済または銀行決済)。窓口申請は収入印紙で納付します。
⚠️ 上の表の7区分は、2026年9月5日に官報掲載の政令本文(改正後の施行令第25条第1項第1号イ〜ト)で全行を突合しています=確定額(それ以前の突合=2026年8月17日に意見公募の関連資料、2026年9月4日に出入国在留管理庁の告知〔窓口額=収入印紙の案内・オンライン額=オンライン申請の手数料案内〕で、いずれも同額)。⚠️ 出入国在留管理庁のサイトに置かれていた意見公募時の同名PDF moj.go.jp/isa/content/001465649.pdf は意見公募の終了後にリンク切れ〔404〕になっており、案の段階の資料は e-Gov の意見公募ページの添付で辿れます。
特定技能1号にとっての意味は小さくありません。2025年9月30日の改正で在留期間が最長3年まで指定され得るようになった(根拠は上のとおり入管法施行規則 別表第二)ので、2026年10月1日以降の申請分では、3年の許可を受けたときの手数料は窓口64,000円(オンライン56,000円)——現行6,000円の10倍を超える水準になります。1年ずつの指定なら1回33,000円(オンライン27,000円)です。在留期間が長く出ることは更新の手間が減る一方、1回あたりの手数料は上がるという関係になります。
改める政令は公布済みです(令和8年政令第268号・2026年8月28日公布・施行日 令和8年10月1日。⚠️ e-Gov法令検索の出入国管理及び難民認定法施行令の改正沿革には2026年9月5日時点でまだ登載されていないため、条文は官報で確認しています)。本記事の他の箇所で使っている手数料(窓口6,000円・オンライン5,500円)は、2026年9月30日までに行った申請に適用される現行の額です。切り替わりは申請日で決まります=9月30日までに行った申請は、許可が10月1日以降になっても改定前の額です(出入国在留管理庁のQ&A 問11)。更新の予定が施行日をまたぐなら、この一文が効きます。[44]
施行後、総額はいくら変わるか
「桁が変わる」だけでは自社の見込みを直せないので、本記事のモデルに改定後の額を当てはめた再計算を置きます。
⚠️ 効くのは「国に納める手数料」だけ(支援委託費・紹介手数料・専門家報酬は改定の対象外)なので、そこだけを5年で積み直します。在留期間が何年で指定されるかで回数が変わるので、記事本文の2つのシナリオで並べます。
| 5年で国に納める手数料(在留資格変更1回+更新の回数) | 現行の額 | 改定後の額 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1年ずつ指定(変更1回+更新4回=計5回) | 30,000円 | 165,000円(1年33,000円×5回) | +135,000円 |
| 3年→2年で指定(変更1回+更新1回=計2回) | 12,000円 | 112,000円(3年64,000円+2年48,000円) | +100,000円 |
読み方は2つです。第一に、在留期間が長く出て更新の回数が減っても、総額は下がりません=1回あたりが上がるぶんで相殺され、5年の増分は、どちらのシナリオでも100,000円〜135,000円に収まります(編集部算出=上の表の差)。第二に、この増分は5年の総額(約202〜277万円)の数%です=改定で桁が変わるのは「1回あたりの手数料」であって、受け入れ全体の総額ではありません。⚠️ 初年度に効くのは在留資格変更の1回分だけで、現行6,000円が改定後は33,000円(1年の許可)〜64,000円(3年の許可)になります。
通算5年の上限や、その先も働き続けてもらうための特定技能2号との違いは特定技能1号・2号の違いと2号でできることで解説しています。
天井はどこにあるか——法律側の上限も引き上げられている
「今回の改定額が上限なのか、この先もっと上がるのか」は、政令ではなく法律のほうを見ると分かります。手数料の額そのものは政令で決まりますが、その政令が超えられない上限は出入国管理及び難民認定法 第67条が定めているからです。
現行の第67条は「一万円を超えない範囲内において別に政令で定める額」——つまり在留資格の変更も在留期間の更新も、法律上の天井は10,000円です。上の改定後の額(窓口 最高75,000円)はこの天井を超えています。
その天井を上げる改正は、すでに法律として成立しています。令和8年法律第32号による改正後の第67条第1項は、上限を許可の区分ごとに定め直しました。
| 許可の区分 | 改正後の法律上の上限 | 特定技能1号で当たるか |
|---|---|---|
| 在留資格の変更の許可 | 100,000円 | 当たる(国内在住者を採用するとき) |
| 在留期間の更新の許可 | 100,000円 | 当たる(更新のたび) |
| 永住許可 | 300,000円 | 本記事の射程外(特定技能1号の受け入れ費用に出てくる手続きではありません) |
| 再入国の許可(有効期間の延長を含む) | 10,000円 | 当たり得る(一時帰国のとき)。⚠️ ただし有効な旅券と在留カードを持ち、再入国の意図を表明して出国する場合は「みなし再入国許可」(入管法第26条の2)=許可を受けたものとみなされ、有効期間は出国の日から1年(在留期間の満了が先に来るならその日まで)です |
読み取れることは3つです。
- 法律の天井は100,000円(変更・更新とも)=上の改定後の最高額75,000円は、天井の 75.0% にあたる水準です。改定後も、法律を改正せずにさらに引き上げられる余地が残っている、という関係です。
- 額の決め方の基準も変わりました=改正後の第2項は、政令で定める額を「実費並びに外国人の適正な在留の確保に関する事務に要する費用、本邦に適法に在留する外国人が安定的かつ円滑に在留することができるようにするための支援に関する事務に要する費用その他の外国人の出入国及び在留の公正な管理に要する費用の額及び諸外国における同種の手数料の額を勘案して定める」としています=実費だけで決まる建て付けではなくなりました。
- 減額・免除の根拠が新設されました=改正後の第3項は、変更・更新・永住の許可を受ける者が「経済的困難その他特別の理由により手数料を減額し、又は免除することが相当である者として政令で定める者」であるときに、減額・免除できるとしています(対象者は政令に委ねられています)。
同法附則第1条第2号は、第67条の改正規定について「令和九年三月三十一日までの間において政令で定める日」から施行するとしており、その日を定める政令(令和8年政令第267号)が、施行期日を令和8年10月1日と定めています(額の政令〔第268号〕と同じ2026年8月25日に閣議決定・同じ2026年8月28日に公布)。現行の天井10,000円のままでは改定後の額を政令で定められないため、額の政令と改正規定の施行がそろって2026年10月1日に効く関係です。[46][38][39]
⚠️ 切り替わりは申請日で決まります=同法附則第5条は、施行日前にされた在留資格の変更・在留期間の更新・永住・再入国の申請に対する許可の手数料について「なお従前の例による」としています=許可が下りた日ではなく、出した日が基準です(出入国在留管理庁のQ&A 問11も、令和8年10月1日より前に申請していた人が同日以後に許可を受ける場合の額は改正前の額と明記)。更新の予定が施行日をまたぐなら、この一文が効きます。
分野によっては団体への負担金・年会費が上乗せになる
費用の骨格はどの分野でも共通ですが、分野固有の継続費が上乗せされる業種があります。代表例が建設で、下の表では建設・工業製品製造業・介護・造船・舶用工業の4分野を扱います(団体費が立つのは前2つで、後2つは会費の定めが見当たりません)。
| 分野 | 団体費の課され方 | 額 |
|---|---|---|
| 建設 | JAC(建設技能人材機構)への所属が必要=1人あたり月額の受入負担金が受け入れている間ずっと。年会費は所属の仕方で変わる | 受入負担金 月12,500円(年15万円)/年会費は、JACの正会員である建設業者団体の傘下ならJACへは不要(所属団体が定める会費は別途)・賛助会員として直接加入するなら24万円 |
| 工業製品製造業 | 工業製品製造技能人材機構(JAIM)の賛助会員の年会費=事業所単位の定額(同機構の資料は事業所ごとの入会・会費として示しており、受け入れ人数に応じた額の定めは見当たりません)。額を分けるのは正会員団体に所属しているかどうか | 年額で、正会員団体に所属=中小企業60,000円・大企業80,000円/未所属=中小企業63,000円・大企業83,000円 |
| 介護 | 介護分野における特定技能協議会への加入が必要。会費の定めは確認できず | 会費の定めが見当たらない(下の注記) |
| 造船・舶用工業 | 造船・舶用工業分野特定技能協議会への加入が必要。協議会規約に会費・負担金の定めなし | 規約に会費の条項がない(下の注記) |
⚠️ 造船・舶用工業分野は、協議会の規約そのものに会費の条項がありません。 同分野の協議会規約(令和6年5月31日施行)は全9条で、名称・目的・活動内容・構成員・遵守事項・招集・決議・事務局・雑則を定めるのみで、会費・入会金・負担金に関する条項が置かれていません(2026年8月18日時点で、規約の全文と、加入手続きを定める「造船・舶用工業分野に係る特定技能外国人受入れに係る事務取扱要領」〔国海産第751号・令和6年9月13日一部改正〕の全文を「会費」「負担金」「手数料」「費用」で確認=いずれも該当なし)。事務局は国土交通省海事局船舶産業課です(規約第8条)。[47]⚠️ 日本海事協会(ClassNK)を「造船の分野団体費の徴収元」と説明する記述を見かけますが、同協会は分野の技能試験の実施主体であって、協議会の運営主体でも会費の徴収主体でもありません=国土交通省海事局船舶産業課が定める「造船・舶用工業分野特定技能1号試験実施要領」が「実施主体:一般財団法人日本海事協会」と明記しており、協議会規約のほうは「試験実施機関」を構成員の一類型として挙げるだけで同協会を名指ししていません(第4条第5号)。[48]同協会が実施する技能評価試験の受験料は、協議会の会費とは別の費目です。
⚠️ 介護分野は、協議会への加入にあたって徴収する会費の定めが見当たりません(2026年8月11日時点で、協議会事務局〔国際厚生事業団〕と厚生労働省の公表資料を確認した範囲では、入会金・年会費・月会費のいずれの定めも見当たりませんでした)=建設・工業製品製造業のように公表された会費がある分野とは扱いが違いますが、「0円と公表されている」わけではないため、加入時に事務局へ確認してください。[49][50]
[51][52]建設は1人増えるごとに増えるのに対し、工業製品製造業は事業所単位の定額=複数人を受け入れるほど1人あたりの負担が下がる、という違いがあります。⚠️ 建設は上乗せだけでなく、逆に立たない費目もあります=建設業務に就く職業は職業安定法第32条の11により有料職業紹介事業者が求職者に紹介できないため、上の初期費用の最大項目である人材紹介手数料の費目が構造的に発生しません(建設の特定技能 採用費用・相場)。CCUS(建設キャリアアップシステム)の登録・更新費を含めた建設固有の費用は建設の特定技能 採用費用・相場、介護ならではの費用要因は特定技能 介護の費用で扱っています。
いずれの分野でも受け入れにあたり分野別協議会の構成員になる必要があり(在留諸申請の前に加入)、加入の手続きや費用の有無は分野(所管省庁)によって異なります。⚠️ 上の4分野以外について、団体費の有無と額を横断的にまとめた公的な資料は確認できませんでした(2026年8月11日時点で、出入国在留管理庁の特定技能運用要領・分野別の要領別冊〔全分野の協議会・登録法人を一覧する資料〕を「会費」「負担金」で確認した範囲。同資料は協議会の名称と加入時期は一覧しますが、費用の欄を持ちません)=分野ごとに所管省庁・協議会が個別に公表しています。⚠️ 表の4行から読み取れる規則性は「事務局が誰か」です=事務局が省庁の協議会(造船・舶用工業=国土交通省海事局)には会費の条項がなく、業界団体・機構が担う分野(建設=JAC/工業製品製造業=JAIM)で会費・負担金が立ちます。自分の分野を調べるときは、まず協議会の規約と事務局の所在を見てください(規約に会費の条項がなければ、団体費は費用計画に立てなくて済みます)。⚠️ 費用の前に「いま自社の分野で受け入れられるか」を確認してください=分野によっては受け入れが停止していることがあります(特定技能の最新動向)。受入れ可能な17分野(制度上は19分野で、うち2分野は準備中)それぞれの協議会と所管省庁は特定技能の対象分野一覧から辿れます。
お金では見えない負担:届出と定期面談
金額として見えにくいものの、続く事務・支援の負担も実質的なランニングコスト(人の手間)です。
- 定期届出 — 受入れ機関は、受け入れ状況などを定期的に出入国在留管理庁へ届け出ます。四半期ごとの届出は2025年4月15日までに提出するものが最後で、以後は年1回になりました(対象期間は4月1日〜翌年3月31日、提出期限は翌年5月31日。5月31日が土日祝日の場合は翌開庁日)。新ルールでの初回提出は2026年4月以降です。[53]⚠️ 費用は「届け出る」より前に「記録して備え置く」対象です=受入れに要した費用・支援に要した費用の額と内訳は、事業所に備え置く帳簿の記載事項に入っています(一方、定期届出そのものの主な事項は受入れ人数・実労働日数・報酬・控除額・支援の実施状況などで、費用の額と内訳は届出項目ではありません)。[30]本記事で分解した費用は、見積もり比較の材料であると同時にこの帳簿に残す対象でもあります=帳簿・届出の項目の全体像は特定技能で企業に求められる受け入れ要件が所有しています。
- 随時届出 — 雇用契約の変更・終了、支援内容や支援委託契約の変更などがあったときは、定期届出とは別に事由が生じた日から14日以内の届出が必要です。[28]
- 定期面談 — 義務的支援として、支援責任者などが特定技能外国人と上司などに3か月に1回以上の定期面談を行います。面談を含む義務的支援10項目には、実施時間・記録の保存まで基準が定められています。
このうち定期面談などの支援業務は委託先が担います(費用は月額委託費に含まれるのが一般的)。一方で出入国在留管理庁への各種届出は受入れ機関(特定技能所属機関)自身の義務で、登録支援機関に丸投げすることはできません(サポートを受けつつ自社名で提出します)。届出を怠ると特定技能外国人を受け入れられなくなるため、期限管理は欠かせません。
忘れやすい継続費:帰国旅費
見落としやすいのが帰国旅費です。法務省令である特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令(平成31年法務省令第5号)は、外国人が帰国の旅費を負担できないときに受入れ機関(特定技能所属機関)が負担することを、雇用契約の基準として定めています。[1]義務的支援に含まれるのは帰国時の空港の保安検査場までの送迎・同行で、旅費の負担そのものは雇用契約の基準側のルールです(混同されやすい点です)。発生しないこともありますが、可能性として見込んでおきます。
⚠️ 在籍中の「一時帰国」は、この帰国旅費とは別の話です。 実務では毎年のように相談が出る費目ですが、法令が企業に義務づけているのは旅費ではなく休暇のほうです。同じ省令の第1条第1項第5号は「外国人が一時帰国を希望した場合には、必要な有給休暇を取得させるものとしていること」を雇用契約の基準に置いています。一方で旅費の負担義務を定めた第1条第2項第1号は「特定技能雇用契約の終了後の帰国に要する旅費」に射程が限られており、在籍中の一時帰国は入っていません。[1]
⇒ 費用計画としての結論は「航空券代は見込まなくてよいが、有給休暇の取得は見込む」です。効いてくるのは金額ではなく繁忙期との重なりです(母国の旧正月・宗教行事の時期に希望が集中しやすい)=シフトの手当てのほうが実コストになります。旅費を企業が持つと決めるなら、それは法令上の義務ではなく自社の福利厚生の設計です=就業規則・雇用条件書のどこに書くかを決めてから運用してください(分野によっては団体の支援制度がある場合もあるので、加入している団体の案内も確認してください)。
このほか、健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の事業主負担(法定福利費)は、日本人を雇用する場合と同じく毎月発生します(受け入れ要件は特定技能で企業に求められる受け入れ要件・条件を参照)。
——ここまでで①②③がそろいました。 ①は採用時に一度、②は毎月、③は更新のたびと受け入れている間です。この3つを足したものが「総額」です。金額の積み上げは後半の総額でいくらかで見ます。その前に、この中で本人に負担してもらえるものと、負担させてはいけないものの線引きを押さえます(ここを外すと在留資格そのものが下りません)。
本人に負担してもらえる費用・負担させてはいけない費用
本人に負担してもらえるのは、本人が受け取る生活上の便益に対応する費目(食費・住居費・水道光熱費など)に限られます。 採用そのものにかかる費用——人材紹介手数料や義務的支援の費用——は企業が持ちます。[1][16]企業が負担すべき費用を誤って本人に付け替えると、在留資格の要件を満たさなくなるおそれがあるため、費目ごとに可否を押さえておきましょう。
| 費目(初期費用・月額・更新のいずれか) | 本人負担の可否 | 条件・根拠 |
|---|---|---|
| 人材紹介手数料 | 企業が負担する費目(本人からは取れない) | 入口を職業安定法が塞いでいます=有料職業紹介事業者が求職者から手数料を徴収することを原則禁止(例外は同法施行規則が職種を限って定めています=芸能家・モデル・一定額を超える賃金の科学技術者/経営管理者/熟練技能者に加え、附則が当分の間、家政婦・配ぜん人・調理士・マネキンを挙げています。⚠️ 附則側の職業は特定技能の分野〔介護・外食業など〕と重なり得ますが、そこで認められているのも求職受付手数料であって紹介手数料そのものではありません。[15]⚠️ これは職業紹介事業者が求職者から取れる手数料のルールであって、企業が払った紹介手数料を本人へ付け替える根拠にはなりません)。⚠️ 企業が払った手数料を本人へ付け替える行為を直接禁じる条文は、2026年8月10日時点で入管庁の受入れ運用要領・支援運用要領を確認した範囲では見つかりませんでした。ただし本人から取る形にすると、有料職業紹介事業者から本人への請求(上の原則禁止)か、報酬からの控除(=上陸基準省令が「定期に負担する費用」に課す実費相当・合意・明細書の要件)のどちらかを通ることになり、いずれも採用手数料は通りません |
| 義務的支援の費用(事前ガイダンス・生活オリエンテーション等) | 不可 | 直接・間接(給与天引きを含む)を問わず本人に負担させられない。登録支援機関への支援委託費もこの「支援に要する費用」に含まれます |
| 保証金・違約金を定める契約 | 不可 | 企業が違約金契約を結ぶこと自体が禁止。加えて、本人や配偶者・親族などが他の者に保証金を徴収されている・違約金契約を結んでいると知りながら雇用契約を結ぶことも認められない |
| 住居費(家賃)・食費・水道光熱費 | 実費を必要な限度で可 | 社宅・寮の貸与で経済的利益を得てはならず、徴収してよい額の算定方法が物件の区分ごとに定められている |
| 住居の敷金・礼金 | 本人が賃借人になるなら本人負担が基本 | 企業が任意で全額・一部を負担することは妨げられない。家賃債務保証業者を使う場合の保証料は企業が負担。⚠️ 企業が借り上げた社宅を貸与する場合は、敷金・礼金・保証金・仲介手数料・更新手数料・途中解約金は本人から徴収できる家賃相当額に含められない |
| 携帯電話・自転車など、本人名義で契約する生活の立ち上げ費目 | 本人負担が基本(企業が立て替えるなら下の「定期に負担する費用」の要件がかかる) | 義務的支援に入っているのは手続の補助(書類の提供・窓口の案内・必要に応じた同行)までで、契約そのものの実費は支援の費用ではない=①の「住居のほかに立つ『生活の立ち上げ』の実費」 |
| 技能試験・日本語試験の受験料 | 明文なし=採用条件として決める | 2026年8月10日時点で、入管庁の受入れ運用要領・支援運用要領を確認した範囲では負担者を定める規定が見つからない |
| 送出機関の費用(海外ルート) | 送出国側のルールで制限 | ベトナムは技能実習からの移行時の本人徴収が0ドン、フィリピンは本人からのplacement fee徴収が実質禁止(本記事①の送出国別の表) |
| 来日時の渡航費 | 明文の定めは確認できないが、企業負担が推奨されている | 出入国在留管理庁の支援運用要領が「送出しに必要となる費用(渡航費用など)は、送出し国の法令やガイドラインを踏まえて特定技能所属機関が全部または一部を負担することが推奨される」としている。企業が本人に貸し付けること自体は認められている |
| 分野団体の負担金(建設のJAC受入負担金) | 不可 | 建設技能人材機構(JAC)の外国人受入れマニュアルが明文で禁じています=「この受入負担金は、直接的又は間接的を問わず、1号特定技能外国人に負担させてはいけません。」[54]⚠️ 「間接的を問わず」=賃金からの控除も、賃金の設定を下げて実質的に負担させる形も入りません。月12,500円=年15万円が丸ごと企業側の費目です(③の分野団体費の表) |
| 契約期間中の一時帰国の旅費 | 明文の負担義務なし(本人負担が原則・企業が出すのは任意) | 法令が企業に義務づけているのは休暇のほうです=特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令 第1条第1項第5号「外国人が一時帰国を希望した場合には、必要な有給休暇を取得させるものとしていること」。旅費の負担義務は同条第2項第1号=「特定技能雇用契約の終了後の帰国に要する旅費」に限られます=在籍中の一時帰国は射程外です[1] |
| 帰国旅費 | 本人負担が原則。本人が負担できないときは企業が負担 | 特定技能所属機関が負担すると法令に明文。報酬から控除して積み立てておくことは不可 |
表で最も間違えやすいのが義務的支援の費用です。出入国在留管理庁の運用要領は、この「支援に要する費用」に通訳費や出入国時の送迎の交通費のほか登録支援機関への委託費用も含まれるとしており、直接はもちろん給与からの天引きのような間接的な形でも本人に負担させることはできません=月額の支援委託費を本人に付け替えることはできません。[30]社宅や寮を貸与する場合の算定式(貸与によって経済的利益を得てはならない)と、備品・保険の扱いは特定技能の義務的支援10項目で整理しています。[5]
表に書ききれない条件が3つあります。第一に、負担してもらう額は採用前に本人へ示します。入国前の事前ガイダンスで説明すべき事項には「適切な住居の確保に係る支援の内容(社宅等を貸与予定の場合は広さのほか、家賃等外国人が負担すべき金額を含む)」が挙げられており、実施後は確認書に本人の署名を得る必要があります。金額を後から決めて天引きする、という進め方はできません。第二に、帰国旅費を確保しておくために報酬から控除して積み立て、企業が管理することは認められません(金銭その他の財産の管理に当たるため)。第三に、来日時の渡航費については、2026年8月10日時点で、出入国在留管理庁の受入れ運用要領・支援運用要領と特定技能基準省令を確認した範囲で、負担者を定める明文規定は見つかりませんでした。ただし出入国在留管理庁の1号特定技能外国人支援に関する運用要領は、送出しに必要となる費用(例えば渡航前の技能または日本語の教育費や渡航費用など)について、送出し国の法令やガイドラインを踏まえて特定技能所属機関がその全部または一部を負担することが推奨されますとしています。[5]往路の航空券代を含む渡航準備費用を企業が本人に貸し付けること自体も認められています(貸付契約で禁じられる条件は義務的支援10項目で扱っています)。
費用の「合意」と「明細書」は在留資格の要件(見落としやすい2つ)
本人負担は「いくらまでか」だけでなく、どう合意し、どう書面にするかまで上陸基準省令(特定技能1号)が定めています。ここを外すと在留資格そのものが下りません。
- 定期に負担する費用は、内容の理解・合意+適正額+明細書の提示が要件(同省令第五号)=食費・居住費その他名目を問わず、本人が「対価として供与される食事・住居その他の利益の内容を十分に理解した上で合意」し、額が「実費に相当する額その他の適正な額」で、かつ当該費用の明細書その他の書面が提示されることが求められます。金額の妥当性だけでなく、明細書を出したかどうかが要件である点が見落とされがちです。[55]
- 海外の機関へ本人が払った費用も、受入れ機関が確認する(同省令第三号)=本人が雇用契約の申込みの取次ぎや来日準備に関して外国の機関へ費用を払っている場合、その額と内訳を本人が十分に理解して合意していることが要件です。出入国在留管理庁の運用要領は、職業紹介事業者や外国の機関を経て雇用する場合、受入れ機関の側で「額と内訳を本人が理解し合意したうえで徴収されているか」を確認することが求められるとしています=送出機関の請求内容は「相手方の話」では済みません。[30]
「本人はいくら払っているのか」——確認するときの物差し
上の第三号は「額と内訳を確認しろ」と求めますが、いくらなら普通で、いくらから異常なのかの目安がないと確認になりません。公表されている物差しは2つあります(いずれも出入国在留管理庁)。
- 特定技能の本人側(借金の有無) — 同庁の「特定技能制度及び技能実習制度に関する意識調査」(令和4年〔2022年〕7月)では、特定技能の求職で人・組織(海外の送出機関、日本の民間職業紹介事業者、技能実習で支援を受けていた監理団体、知り合いの紹介など)を利用した人が94.7%。そのうち約18%が、仲介機関に支払った手数料を借金で賄っていました(n=564のうち「借金をしていない」が81.9%=462名)。借金の額は「10万円以上30万円未満」7.3%、「50万円以上」4.2%が上位で、借金をした102名のうち64名(62.7%)は回答時点で返済を終えていました。[11]
- 入口で払った額の実測(技能実習生) — 同庁が実地検査などの機会に技能実習生から直接聴取した「技能実習生の支払い費用に関する実態調査」(令和4年7月26日公表)では、来日前に母国の送出機関または仲介者へ払った費用の総額の平均は54万2,311円(n=1,369)。送出機関への支払について、費目を支払っていると回答した人の平均額は派遣手数料26万9,303円・事前教育費用7万3,663円・保証金/違約金1万9,503円(n=539)でした。⚠️ これは技能実習生を対象とした調査で、特定技能外国人を対象に取った数字ではありません。[56]それでも物差しとして使えるのは、特定技能1号の在留者の多くが技能実習ルートで入っているからです=同じ有識者会議の資料の分野・ルート別の集計(令和4年12月末現在・速報値)では、技能実習ルートが73.8%(96,630人)・試験ルートが26.2%(34,293人)でした。[11]移行組にとって上の額は「入口で自分が払った額」そのものです。
⚠️ 確認で効くのは総額より「費目」です。 上の内訳に保証金・違約金が費目として立っていることに注意してください。特定技能では、本人や配偶者・親族などが保証金を徴収されている・違約金契約を結んでいると知りながら雇用契約を結ぶこと自体が認められません(上の本人負担の表)=金額の大小ではなく、その費目が請求内訳に存在すること自体が要件に触れます。請求内訳を受け取ったら、額を見る前にまず費目名を見てください。⚠️ 国別の水準は国によって数倍の開きがあります(上の調査はいずれも国籍別の内訳を公表しています)=国ごとの相場と採用の進め方は国別の特定技能採用で扱っています。
なお、本人に負担させてはいけない費用は日本側の法令だけで決まるわけではなく、送出国側にも本人からの徴収を制限するルールがあります(上記の送出国の表を参照してください)。こうした個別の契約条件の設計や、報酬を得て業として行う在留資格の申請書類の作成は、行政書士などの専門家の領域です(提出=申請取次は、変更・更新なら承認を受けた自社・登録支援機関の職員でも、本人の依頼を受けて行えます=②の節)。費用の付け替えが要件に触れないかの判断も含め、行政書士などの専門家と連携して進めるのが安全です。
総額でいくらか——初年度・2年目以降・5年
ここまでの①②③を積み上げると、総額が出ます。総額はルートと在籍年数で動くため、初年度・2年目以降・5年の3つの見方に分けて示します。
以下は、公開情報・市場水準をもとにしたモデルケースです。実際の費用は、分野・地域・本人の在留状況・採用ルート・委託範囲・各事業者の料金体系により変動します。特定の金額を保証するものではありません。個別の見積もりは各事業者にご確認ください。
採用ルート別の初年度の総額
初年度の総額は、技能実習2号からの移行の約34〜61万円から、海外からの呼び寄せの約79〜131万円まで開きます。代表的な5つのケースで内訳を見ます。
| ケース | 初期費用の目安 | 月額(委託費) | 初年度の総額目安(初期費用+月額×12か月) |
|---|---|---|---|
| 国内在住者を採用・支援を全部委託 | 約40〜55万円 | 約2〜3万円(年約24〜36万円) | 約64〜91万円 |
| 国内在住者を採用・一部を自社支援 | 約40〜55万円 | 圧縮可(例 月約1〜2万円=年約12〜24万円) | 約52〜79万円 |
| 自社で募集して採用(ハローワーク・自社求人など・紹介会社を通さない)⚠️ この行だけ市場調査値ではなく、国内ルートから人材紹介手数料を引いた目安。求人媒体を使う場合の掲載費は含みません | 約10〜25万円 | 約2〜3万円(年約24〜36万円) | 約34〜61万円 |
| 海外から呼び寄せ・支援を全部委託 | 約55〜95万円 | 約2〜3万円(年約24〜36万円) | 約79〜131万円 |
| 技能実習2号から特定技能へ移行(⚠️ この入口は技能実習制度を前提にしています=制度の見直しの動きは育成就労で扱っています) | 約10〜25万円 | 約2〜3万円(年約24〜36万円) | 約34〜61万円 |
総額列は、同じ行の初期費用と月額×12か月を足した値です(各費目が市場水準の目安なので「約」を付けていますが、足し算そのものに丸めは入れていません=自社の数字で検算できます)。
差を作っているのは初期費用の中身です。国内在住者の採用は人材紹介手数料+在留資格変更の申請費用が中心、海外からの呼び寄せはこれに送出機関の費用と渡航費・住居初期費用が乗ります。技能実習2号からの移行は、自社の実習生から移行する場合に人材紹介手数料を抑えやすいのが特徴で、技能試験・日本語試験が免除される扱いもあります(⚠️ 技能試験の免除は技能実習2号の職種・作業と特定技能の業務に関連性が認められる場合で、分野によって例外もあります。介護分野の介護日本語評価試験は、介護職種・介護作業の技能実習2号を良好に修了した人を除いて免除されず、自動車運送業のタクシー・バス運転者と鉄道の運輸係員はN3レベルの日本語能力の証明が必要です)。[30]
分野によっては、団体の負担金(例:建設分野のJAC受入負担金 1人あたり月12,500円=年15万円)が加わります。自社の分野・条件での総額は、見積もりで確認するのが確実です。
1人採用の代表モデル(採用コストベンチマーク)
上のルート別モデルを、条件をそろえた1つの代表値に固めたものが「特定技能 採用コストベンチマーク」です。賃金を除く採用・支援コストを標準ケースで概算すると、2026年の代表モデルで国内採用が約75万円・海外採用が約112万円(1人・初年度・登録支援機関に委託)になります。その都度ばらつく見積もりではなく、年ごとの比較や自社の条件との差分の見当をつけるための基準値としてお使いください。数値は公開情報と市場目安を合成した概算のため、引用は自由です(出典「トモハタ採用コストベンチマーク」と本ページのURLへのリンクを添えてください。下の引用ボックスに出典テキストのコピーとCSV・JSONのダウンロードがあります)。⚠️ 引用される方へ=この数値は自社の料金表ではありません(トモハタの立場は記事末の引用ボックスに明記しています)。
標準ケースの固定条件=1人あたり・初年度(採用時の初期費用+1年分の登録支援委託料)/登録支援機関に委託(最も一般的な体制)/賃金・社会保険は含めない(人件費は事業形態で大きく動くため、採用・支援コストと切り分け)/海外ルートの送出機関費用は月給20万円の1か月分相当で固定(本文のレンジは「給与1〜3か月分」=下端で置いています)。各費目は出入国在留管理庁などの公的一次情報(在留資格の手数料など)と市場目安(人材紹介手数料・登録支援委託料・送出機関費用など)を区別して積み上げた概算(代表モデル)であり、市場調査による「平均値」ではありません。金額は標準コストの改定に合わせて見直します(現時点は2026年の代表値。版と最終更新日は下の引用ボックスに表示しています)。
内訳は次のとおりです(比較の基準値にするため各費目を1点に固定しています)。合計欄は同じ列の値をそのまま足したものを丸めた額です(国内は 30+10+0.6+34=74.6 →約75万円)。
| 費目 | 国内採用 | 海外採用 | 性格 |
|---|---|---|---|
| 人材紹介手数料 | 30万円 | 20万円 | 市場目安(本文のレンジは20〜60万円) |
| 行政書士報酬 | 10万円 | 10万円 | 市場目安(本文のレンジは5〜15万円) |
| 在留資格申請の手数料 | 0.6万円(6,000円) | — | 公的。国内は在留資格変更許可=6,000円、海外の在留資格認定証明書交付申請は「手数料はかかりません」 |
| 査証(ビザ)の申請手数料 | — | 計上していない | 公的(一般入国査証 14,900〜15,100円)。⚠️ 在外公館で本人が納めるのが通常のため代表モデルには入れていません=企業が負担する場合は上記①の表の額を足してください |
| 分野団体の負担金 | 計上していない | 計上していない | 公的(建設のJAC受入負担金は1人あたり月12,500円=年15万円)。⚠️ 分野をまたいで比較できる基準値にするため代表モデルには入れていません=自社の分野に負担金があるなら③の表の額を足してください(冒頭の費用シミュレータは建設を選ぶとこれを含めて計算します) |
| 送出機関費用 | — | 20万円 | 市場目安(本文は「給与1〜3か月分」=1か月分相当の下端で固定) |
| 渡航・健康診断・住居初期 | — | 28万円 | 市場目安(渡航7万+健診1万+住居初期20万)。⚠️ 国内在住者でも遠方からの転居を伴うなら住居初期は立つ=その場合は国内列にも住居初期を足す |
| 登録支援機関の委託料(年額) | 約34万円 | 約34万円 | 公的な集計値 月28,386円×12か月 |
| 合計(=代表モデル) | 約75万円 | 約112万円 | 1人・初年度・賃金と法定福利費を除く |
⚠️ このページには初年度の総額が4つ出てきます。組み立てが違うので、数字は一致しません=目的で使い分けてください。⚠️ 数えていないものが3つあります=冒頭の賃金込みの規模感(約341〜368万円)は賃金を含む別の軸、①の段階別表の「就労開始までの累計」(約40.6万円)は初期費用だけの累計、ルート別の表の「支援を全部自社で行う」行は委託費ゼロの別の組み立て(同表の注記)だからです(この累計に委託費の年額約34万円を足したものが、下の代表モデル約75万円です)。⚠️ 賃金込みの2つが一致しないのは、置いた月給が違うからです=本文の規模感は月給20万円(計算例の値)、冒頭の費用シミュレータの既定は月給22万円(厚生労働省が示す特定技能の水準)で計算しています。どちらかが誤りではなく、前提が違います。
⚠️ 4つのうち、記事本文の3つ(採用ルート別・代表モデル・ベンチマークのボックス)は賃金・法定福利費を除いた額でそろっています=違うのは何を積んだかだけです。冒頭の費用シミュレータだけは、賃金・法定福利費と分野団体の負担金まで含めて計算します=表示額が他の3つより大きく出ますが、同じ画面に「うち、特定技能の採用・支援にかかる費用(賃金・社会保険を除く)」も併記されるので、他の3つと比べるときはそちらの額を見てください。
| どれを見るか | 何を積んだ数字か | 使いどころ |
|---|---|---|
| 冒頭の費用シミュレータ | 入力した条件(業種・人数・採用ルート・支援体制・想定月給)で1件ずつ積む。⚠️ 4つのうち唯一、賃金・法定福利費と分野団体の負担金(建設のJAC受入負担金)まで含む=表示額が下の3つより大きく出るので、下の3つと比べるときは同じ画面の「うち、特定技能の採用・支援にかかる費用」を見る | 自社の見当をつける |
| 採用ルート別の初年度の総額 | 初期費用のルート別レンジ+委託費の月額レンジ | ルートを選ぶ・幅を知る |
| 1人採用の代表モデル(上の表) | 条件を固定した点推定(約75万円/約112万円) | 年ごとの比較・他社の見積もりとの差分 |
| すぐ下のベンチマークのボックス | 代表モデルと同じ費目を市場レンジの端(人材紹介20〜60万円・行政書士5〜15万円)で振った幅。⚠️ ページ末の引用用のボックスに出るのは点推定だけです | 引用・転載 |
ボックスは金額を万円単位に丸めるため、国内の内訳に出る6,000円の手数料は「約1万円」と表示されます。
⚠️ 固定の前提に癖が2つあります=海外の代表値は、送出機関費用も人材紹介手数料もレンジの下端で置いているぶん低めに出ます(紹介手数料は海外20万円=20〜60万円の下端)。本文は「給与1〜3か月分」としているのに、モデルは下端(月給20万円なら1か月分=20万円)で固定しているためで、給与3か月分なら同じ条件でも40万円上振れします。⚠️ 国によっては、この下端が公的ルールの下限を下回ります=上の送出国の表のとおり、ベトナムは同じ月給20万円で30万円以上が法定の下限(派遣料1か月分以上+訓練費10万円以上)です。海外に送出機関費用の幅を当てるときは、この20万円を送出国の公的ルールを確認したうえで自社の想定額に置き換えてください。
特定技能 採用コストベンチマーク 2026(賃金を除く採用・支援コストの代表値)
国内在住者を採用
約75万円
市場レンジの端で振った幅 約60〜110万円
海外から呼び寄せ
約112万円
市場レンジの端で振った幅 約107〜157万円
1人・初年度・登録支援機関に委託・賃金と社会保険は除く「採用・支援にかかる費用」の概算。大きい数字が代表モデル(条件を固定した点推定)で、その下は同じ費目を市場レンジの端で振った幅です。 金額は公的一次情報と市場目安の合成で、断定値ではありません。TSCI-2026-v1.3・最終更新 2026-08-11。
国内在住者を採用(標準ケースの内訳)
- 人材紹介手数料市場目安約30万円
- 行政書士報酬(任意)市場目安約10万円
- 在留資格申請(印紙)公的一次約1万円
- 登録支援機関 委託料(年額=月額×12)公的一次約34万円
- 標準ケース合計約75万円
海外から呼び寄せ(標準ケースの内訳)
- 人材紹介手数料市場目安約20万円
- 行政書士報酬(任意)市場目安約10万円
- 送出機関費用(国により変動)市場目安約20万円
- 渡航・健診・住居初期市場目安約28万円
- 登録支援機関 委託料(年額=月額×12)公的一次約34万円
- 標準ケース合計約112万円
本モデルの金額を動かす主な変数は採用ルートで、業種ごとの差は分野団体の負担金として表れます(建設・介護は分野ごとの費用記事で、自動車運送業(ドライバー)は分野の解説記事の費用の節で、それぞれ内訳を整理しています)。
複数名を採るときの積み方(人数倍してよい費目・してはいけない費目)
本記事の金額は1人あたりで示しています。⚠️ そのまま人数倍すると、事業所・企業の単位でかかる費目まで人数分に膨らみます=積む前に、費目を2種類へ分けてください。
| 費目の種類 | 該当する費目 | 人数を掛けるか |
|---|---|---|
| 1人あたりで立つ | 人材紹介手数料(⚠️ 建設では立たない=①。同一企業2回目以降を下げる公開料金の実例もある=単価×人数の前に2人目以降の価格を確認〔①の実例〕)/在留資格の申請手数料・専門家報酬/渡航費・健康診断・住居の初期費用/送出機関費用/支援委託費(月額)/建設のJAC受入負担金 | 掛ける(⚠️ 支援委託費だけは下の注意) |
| 事業所・企業の単位で立つ | 工業製品製造業のJAIM年会費(事業所単位の定額)/JACに賛助会員として直接加入する場合の年会費(企業単位) | 掛けない(何人受け入れても1回分=人数が増えるほど1人あたりの負担は下がります。額は「分野によっては団体への負担金・年会費が上乗せになる」の表) |
例:国内在住者を3人採用し、支援を全部委託する場合(建設以外・代表モデルの1点で積む)=初年度は約75万円×3人=約225万円(丸めた代表値を掛けています=内訳から積むなら74.6万円×3人)。ここに分野固有の費目があれば上の区分に従って足します=建設なら受入負担金が1人あたり月12,500円なので3人分(年45万円)が乗り、工業製品製造業の年会費は事業所単位なので3人でも1回分のままです。
⚠️ 支援委託費だけは「1人あたりの単価そのものが人数で動く」費目です。 出入国在留管理庁の運用要領は、委託費用が「支援の対象となる1号特定技能外国人の数、特定技能所属機関の事業所数や場所等に応じて異なり得る」としています。[5]=3人まとめて委託して1人あたりが下がることもあれば、拠点が離れて訪問コストが増え上がることもあります。上の掛け算は見積もりを取る前の当たりで、実際に受け入れる人数・事業所の条件のまま見積もりを取り直してください(確認する7項目と、何が単価を動かすかの詳しい見方は登録支援機関の費用相場)。
⚠️ 一部を自社支援に切り替える場合も、人数には比例しません=担当者と体制は1人目で立ち上がるので、2人目以降の増分は小さくなります(=人数が増えるほど自社支援に振ったときの1人あたりの負担は下がります)。⚠️ 逆に、義務的支援の実施そのものは1人ずつ必要です(定期面談は各人に3か月に1回以上)=立ち上げは1回でも、運用の工数は人数に応じて増えます。
——ここまでが「初年度はいくらか」の答えです。 幅で当たりをつけるならルート別の約34〜131万円、社内に出す1点なら代表モデルの約75万円(国内)/約112万円(海外)です。⚠️ どちらも「どのルートで採るか」が決まっている前提の数字なので、そのルート自体をまだ決めていないなら、先に自社の条件からルートを絞ってください(5問・約30秒)。
2年目以降は「月額×12か月」が骨格
採用後の1年あたりの費用を、支援を委託する前提でモデル化すると次のようになります。初期費用が落ちるぶん、2年目以降は②の月額が支配的です。
| 費目 | 更新のない年(1人あたり) | 更新のある年(1人あたり) |
|---|---|---|
| 支援委託費(月約2〜3万円×12か月) | 約24〜36万円 | 約24〜36万円 |
| 在留期間の更新の手数料 | なし | 窓口6,000円/オンライン5,500円 |
| 届出・定期面談 | 委託費に含まれるのが一般的(自社支援なら工数) | 委託費に含まれるのが一般的(自社支援なら工数) |
| 申請書類の作成の報酬(行政書士などの専門家に依頼する場合。⚠️ 提出=申請取次は、地方出入国在留管理局長の承認を受けた自社の職員が本人〔又は法定代理人〕の依頼を受けて行うこともできます) | なし | 1回あたり5〜15万円程度(依頼する場合・別途) |
| 定期健康診断(年1回) | 1人あたり1万円前後(③の表・市場水準の目安) | 1人あたり1万円前後(③の表・市場水準の目安) |
| 法定福利費 | 賃金に応じて別途(日本人の雇用と同様) | 賃金に応じて別途(日本人の雇用と同様) |
| 分野団体の負担金(建設の場合) | JAC受入負担金 年15万円 | JAC受入負担金 年15万円 |
| 合計目安(賃金・法定福利費・専門家報酬を除く) | 建設以外 約24〜36万円/建設 約39〜51万円 | 左の額に窓口6,000円(オンライン5,500円)を足した額=建設以外 約24.6〜36.6万円/建設 約39.6〜51.6万円 |
⚠️ 合計行は定期健康診断を含んでいません(公的な相場がない市場水準の目安なので、委託費・負担金・手数料と同じ列では足していません)=年1回1万円前後を自社の実績額で足してください(5年なら5万円前後)。
上の合計行に、分野団体費と(依頼する年のみ)専門家報酬・定期健診を足したものが自社の年額です=年額=支援委託費(月額×12)+分野団体の負担金+更新がある年は手数料+(依頼する年のみ)専門家報酬+定期健康診断。たとえば建設分野なら、支援委託費約24〜36万円にJAC受入負担金 年15万円が加わり、2年目以降は約39〜51万円になります(賛助会員として直接加入している場合はさらに年会費24万円)。
⚠️ 特定技能2号へ移行すると、この年額の骨格そのものが変わります=出入国在留管理庁は、支援計画の作成と支援の実施を「1号特定技能外国人を受け入れる受入れ機関」の義務として定めています。[29]=2号にはこの義務がかからないため、登録支援機関への委託が制度上不要になり、年額の中心である支援委託費約24〜36万円が構造的に落ちます。残るのは在留期間の更新のたびの費用(国へ納める手数料+依頼する場合の専門家報酬)と、在留資格を問わず発生する賃金・法定福利費です。⚠️ 建設のJAC受入負担金も2号では立ちません=同機構の外国人受入れマニュアルが「特定技能2号については、受入負担金の対象とはなりません。」と明記しています。[54]=月12,500円(年15万円)も落ちる計算になります。⚠️ 移行できる分野と要件は限られます=可否・要件・試験は特定技能1号・2号の違いと2号でできることで扱っています(本記事が扱うのは費用への効き方だけです)。
5年で見ると総額は「更新回数」で動く
5年の総額は、更新が何回来るかで数十万円動きます。特定技能1号の在留は通算で原則最長5年です。⚠️ 国内在住者の採用では、この5年をフルに使えるとは限りません=通算5年は本人の在留歴の合計なので、すでに2年働いた人を採れば自社で受け入れられるのは残り3年です。初期費用(約40〜55万円)は残存年数にかかわらず同じだけかかるため、残りが短い人ほど1年あたりの単価は上がります(通算5年の数え方は特定技能の在留期間と更新)。5年分は「1年あたりの目安×5」で丸めるより、費目ごとに積むほうが確実です。支援委託前提の運用コスト(賃金・法定福利費を除く)は次のようになります。
- 支援委託費だけで5年間約120〜180万円(月約2〜3万円×60か月)。これが5年の運用コストの中心です。
- 更新のたびの費用(国へ納める手数料+専門家に依頼する場合の報酬 1回あたり5〜15万円程度)が、更新の回数分。現行の手数料なら5年を通しても数万円の範囲ですが、2026年10月1日以降の申請分からは桁が変わります(更新分だけで、1年ずつ4回なら窓口132,000円、3年→2年なら更新1回で48,000円。⚠️ 在留資格変更の1回を含めた5年合計は上の③の再計算表=1年ずつなら165,000円)。
- 建設分野はJAC受入負担金が月12,500円×60か月=合計75万円(5年分)の上乗せ=支援委託費と合わせて5年で約195〜255万円になります。JACに賛助会員として直接加入している企業は、これに年会費24万円×5年=合計120万円(5年分)が加わります(正会員である建設業者団体の傘下ならJACへの年会費はかかりません)。
つまり5年の総額は、支援委託費の約120〜180万円を土台に、更新の回数に応じた手数料と専門家報酬が乗る形です。総額が更新回数で動くため一つの数字には固まりませんが、条件を固定すれば1本の数字になります。たとえば在留歴のない人を国内で採用(=通算5年をフルに使える前提)・支援は全部委託・在留期間は1年ずつ指定で更新4回・申請は毎回行政書士に依頼(1回10万円)・建設以外なら、初期費用約40〜55万円+支援委託費約120〜180万円+更新手数料2.4万円+専門家報酬40万円=合計約202〜277万円(賃金・法定福利費を除く)。
⚠️ この例の専門家報酬は上振れ側です=更新のたびに新規と同じ10万円(本記事のレンジ5〜15万円の中央値)を置いているためで、実際には更新を新規より低い額で受ける事務所もあれば、依頼範囲を書類作成だけに絞る/申請取次は自社で行う、という切り分けもできます。同じ条件でも、レンジ下端(1回5万円)で毎回依頼するなら専門家報酬は20万円=合計約182〜257万円、更新を自社の申請取次で回すならこの費目はゼロになります(⚠️ ゼロになるのは「専門家に払う報酬」の費目で、自社取次には研修会の参加費など別の実費が立ちます=後述の「費用を抑えるポイント」)。5年で最も動くのはこの費目なので、総額を出す前に「どこまでを誰に頼むか」を決めてください(依頼範囲の決め方は後述の「費用を抑えるポイント」)。在留期間が3年→2年で指定されて更新1回で済み、専門家に依頼しないなら、同じ条件でも約161〜236万円まで下がります。「毎月の委託費は小さく見えても、5年で見ると採用時の初期費用より大きくなり得る」——これが維持費を採用計画の段階から見込んでおきたい理由です。
代表モデル(委託費を月28,386円=年約34万円で固定した点推定)をそのまま延長した累計は次のとおりです。
| 経過年数(1人あたり/賃金・法定福利費・更新の申請費用を除く) | 国内採用(代表モデルの累計) | 海外採用(代表モデルの累計) |
|---|---|---|
| 初年度まで | 約75万円 | 約112万円 |
| 2年目まで | 約109万円 | 約146万円 |
| 3年目まで | 約143万円 | 約180万円 |
上の表は幅ではなく点推定の系列です(委託費を月28,386円で固定・更新の申請費用は含まない)(介護職の実額をそろえた介護の費用の3年総額は更新の申請費用を含む建て付けなので、同じ「国内・3年」でも数字はそろいません)。
⚠️ 上の代表モデルは特定技能に条件を固定した値で、他の在留資格には当てはまりません(技能実習・育成就労は監理団体・監理支援機関への監理費が継続的にかかる別の構造です)。支援委託費と監理費のどちらが重いかは、監理費の実額を含めて監理団体と登録支援機関の違いで比べられます(制度としてどこが違うかは特定技能と技能実習の違い、仕組みは育成就労制度とは)。どの制度でも報酬は日本人と同等以上が前提のため、「賃金を安く抑える手段」にはなりません。
日本人採用の費用と比べて高い?安い?
一概には言えません——在籍年数、日本人側で有料の人材紹介を使うかどうか、そして比べる相手が正社員かパートかで逆転します。公的な統計で答えようとすると、まず前提の確認が必要です。厚生労働省の職業紹介事業報告書は、集計を国籍で分けていません。したがって公的統計から比べられるのは「日本人か外国人か」ではなく、人材紹介という手段を使ったときの相場と、特定技能で見込まれる金額です。
よく引かれる「1件あたり約103万円」は日本人限定の数字ではない
この約103万円は日本人限定の数字ではありません——国籍で絞っていない全職種の平均で、職種区分の1つとして「特定技能の在留資格に係る職業紹介」も同じ母集団に入っています。日本人側の水準として並べられる公表値は2つありますが、どちらも特定技能の相場としては使えません(母集団も統計量も違うためです)。
| 公表値 | 誰が答えた数字か | なぜ相場として使えないか |
|---|---|---|
| 常用就職1件あたり約103万円(令和6年度・対前年度比10.9%増。分母=有料職業紹介の常用就職888,993件) | 紹介事業者側の報告の集計 | 国籍で絞っていない全職種の平均=医師やIT技術者など高単価職種も、職種区分の1つである「特定技能の在留資格に係る職業紹介」も同じ母集団 |
| 採用1件あたり912,863.2円(医療・介護・保育の3分野/n=691)・1,089,459.7円(3分野以外/n=448) | 採用した企業の自己申告(厚労省の委託調査・令和4年9月・税別) | 報告書自身が、回答者計の集計は「3 分野の職種」の傾向を大きく反映している可能性が高く「母集団における全体的な傾向を把握する目的には適さない」と注記=3分野と3分野以外を分けて見る必要がある |
[18][57]本記事の特定技能の人材紹介手数料の目安(20〜60万円程度)は市場水準からの推計なので、上のどちらの値とも足し引きできません。
⚠️ 「特定技能の区分だけを取り出した数字」もありますが、平均としては読めません。 同じ報告書は職種区分ごとの手数料も集計していて、そこから特定技能の区分だけを取り出すことはできます。ただし分子は常用就職に限らず臨時・日雇の分も含む区分の合計額なので、出てくるのは「1件あたりの平均」ではなく平均の上限です。さらに分母をどこまで取るか(国外にわたる職業紹介の就職件数を入れるかどうか)でも値は動きます。この算出の手順と、出てきた水準(多くとも約34.4万円)を自社の見積もりにどう当てるかは、①の紹介手数料の額はどう決まるかで扱っています(本節は日本人採用との比べ方だけを扱います)。
費目の並び(人材紹介で採用した場合)
特定技能に固有な費目は支援委託費・在留資格の申請費用・渡航/送出機関費用の3つで(このうちかかり続けるのは支援委託費と更新の申請費用の2つ)、紹介手数料と賃金はどちらにも生じます。人材紹介で採用した場合の主な費目を並べると次のとおりです。ここで並ぶ金額は、どちらも有料の人材紹介を使った場合の数字であり、調査主体・調査時期・「誰が払った額か」がそれぞれ異なる公表値の並置です。ハローワークや友人・知人の紹介など手数料のかからない経路で日本人を採用できているなら、この比較は成り立ちません(その場合、採用時の費用は日本人採用のほうが低くなります)。
| 費目 | 人材紹介で採用した場合(国籍を問わない集計=日本人の採用も含む) | 特定技能の外国人 |
|---|---|---|
| 紹介手数料(採用時) | 約103万円(常用就職1件あたり・令和6年度・紹介事業者側の報告) | 20〜60万円程度(市場水準の目安) |
| 渡航費・送出機関費用 | 生じない(海外から呼び寄せる場合に固有の費目) | 海外からの呼び寄せ時のみ(渡航費4〜10万円程度・送出機関費用は給与1〜3か月分程度) |
| 在留資格の申請費用 | 生じない(在留資格の手続きを伴う採用に固有の費目) | 5〜15万円程度/回(更新のたびに発生。国に納める手数料は別途) |
| 支援委託費(毎月) | 生じない(特定技能に固有の費目) | 月約2〜3万円程度(公的な分布は本記事②の表) |
| 賃金 | 事業所の給与規定による | 日本人と同等以上が要件 |
なお、日本人採用でよく使われる料率制(理論年収×料率)とは料金体系そのものが違います(特定技能の人材紹介は定額制が主流)。令和7年4月からは職業紹介事業者に職種別の手数料率実績の開示が義務づけられ、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で確認できます=同省の集計では令和6年度の平均手数料率実績は全職種で24.0%・介護で20.2%という水準でした(事業所ごとの平均で就職件数による重みづけをしていないため、市場全体の平均料率としては読めません)。[58]料率制の計算方法(理論年収×料率)・返金規定の見方は、①の紹介手数料の額はどう決まるか以降の各項で整理しています。
違うのは金額よりも「時間軸のかたち」
「高いか安いか」の答えは、何年在籍する前提で見るかで変わります。人材紹介会社に払う手数料は在籍1年でも5年でも同額のままですが、支援委託費は在籍月数に比例して積み上がります。日本人の採用に対応する費目がないのは、②の月額の支援委託費です(社会保険・労働保険の事業主負担は、日本人の雇用でも同じく毎月発生します)。更新の費用と届出・定期面談の負担も、受け入れが続く限り繰り返し発生します。
したがって比べる軸は金額の大小より時間軸のかたちになります。在籍見込みが短いほど特定技能のほうが低く収まりやすく、長くなるほど継続費の比重が上がる——自社が何年在籍してもらう前提かを決めてから、上の5年の積み方(支援委託費約120〜180万円+更新の回数分)に当てて見るのが実務的な順序です。なお、日本人の採用でも早期に離職した場合は、返金規定(フィーバック)の内容次第で再度の負担が生じ得ます。何年在籍してもらえるかは離職率の実測で見当をつけられます=定着の実務と離職率は特定技能の定着支援で扱っています。
比べる相手が「日本人のパート」なら、変数は金額ではなく採用回数
現場で実際に比べられているのは正社員ではなくパート・アルバイトであることが多く、その場合は上の「1件あたり約103万円」はそもそも当たりません。パートで比べるなら、効く変数は1回あたりの採用費ではなく5年で何回採用が発生するかです。
厚生労働省の令和6年雇用動向調査では、パートタイム労働者の離職率は21.4%(入職率22.7%)。産業別では宿泊業,飲食サービス業が29.9%、サービス業(他に分類されないもの)が23.8%で最も高くなります。[59]⚠️ この離職率は「年初の常用労働者数に対する離職者数の割合」であって、1つのポジションが1年で欠員になる確率そのものではありません=大づかみの見当をつける目的でだけ使ってください。
その前提で、1つのポジションを5年間埋め続けるのに必要な採用回数の目安は「1+5×離職率」(編集部算出=最初の採用1回に、5年間で起きる離職の期待回数を足したもの)。全産業のパートなら1+5×21.4%=約2.1回、宿泊業,飲食サービス業なら約2.5回です。
| 5年間、1つのポジションを埋め続けるとき | 日本人のパート | 特定技能1号(国内在住者を採用・支援は全部委託) |
|---|---|---|
| 採用が発生する回数の目安 | 約2.1回(宿泊業,飲食サービス業は約2.5回)=上の算出 | 通算5年をフルに使えるなら1回。⚠️ 在留歴が残っている人を採ると残存年数ぶんしか使えません |
| 1回の採用で立つ費用 | 自社の採用単価を入れてください(求人媒体費・紹介手数料・社内工数) | 初期費用約40〜55万円 |
| 在籍中に毎月立つ費用 | 特定技能に固有の月額費目に当たるものはない | 支援委託費 月約2〜3万円(5年で約120〜180万円) |
| 5年の合計 | 自社の採用単価 × 約2.1回 | 約202〜277万円(初期費用+支援委託費+更新手数料4回+専門家報酬4回を固定した例=上記「5年で見ると総額は『更新回数』で動く」) |
⚠️ 右の列だけが数字で埋まっているのは、左が自社の値だからです(2026年8月17日時点で、パート1人あたりの採用単価を集計した公的な統計は、厚生労働省の雇用動向調査・職業紹介事業報告書・職業紹介業に関するアンケート調査を確認した範囲では見当たりませんでした)。⚠️ そして、この表は単位を揃えた比較ではありません=特定技能1号は所定労働時間が通常の労働者と同等であることが雇用契約の基準(法務省令)で、パートタイムでの受け入れはできません。[1]同じ「1人」でも確保できる労働時間が違うので、5年総額を並べただけで優劣は出ません(受け入れの条件は特定技能で企業に求められる受け入れ要件)。
そのうえで金額だけを機械的に当てると、損益分岐点は「右の総額 約202〜277万円 ÷ 約2.1回」=パート1人の採用にこの水準の単価をかけているかどうかになります。具体的にはパート1人あたり約96〜132万円(編集部算出=上の5年合計を約2.1回で割った額)。実際にそこまでかけている会社はまずないので、採用にかかる金額だけで比べるかぎり、5年で見てもパートのほうが安く収まるのが普通です。
⇒ だからこの比較で効くのは金額ではありません。構造だけ言えば、特定技能は「1回の採用費が大きく、毎月の委託費が続く」、パートは「1回の採用費は小さいが、5年で2回以上立つ」。それでも特定技能を検討する理由は、募集をかけても応募が来ないことと、フルタイムで数年在籍してもらえることの側にあります。稟議に置くべきは採用単価の比較ではなく、欠員が埋まらないまま回している状態の損失のほうです。
費用を抑えるポイント
手法ごとの効き方は次のとおりです(初年度・1人あたり・本記事のモデル同士の比較)。⚠️ 「どれが一番効くか」は幅のどちら側で見るかで変わります=下端なら移行・自社募集(約34〜61万円の下端)、上端なら全部自社支援がいちばん低く出ます。単一の勝者はいません。
| 手法 | 初年度の総額(1人・賃金と法定福利費を除く) | 効き方 |
|---|---|---|
| 国内在住者を採用・支援は全部委託(基準) | 約64〜91万円 | — |
| 技能実習2号から移行する | 約34〜61万円 | 初期費用がまるごと軽くなる(自社の実習生なら人材紹介手数料がほぼ生じない)。⚠️ この入口は技能実習制度を前提にしています=制度の見直しの動きは育成就労で扱っています |
| 自社で募集して採用する(紹介会社を通さない) | 約34〜61万円 | 同じく人材紹介手数料が落ちる(移行と同額になるのは偶然ではなく、どちらも同じ費目が落ちるからです=ただし移行の値は市場水準、こちらは国内ルートからの引き算)。⚠️ 求人媒体の掲載費は含まない(①の節)=媒体を使うなら上振れします |
| 支援を全部自社で行う(委託しない) | 約40〜55万円(=月額の委託費が立たない) | 委託費の年額約24〜36万円がまるごと消える計算になります=上端で見ると本表で最も低く出ます。⚠️ これは「委託費が消える」だけの計算で、支援体制の要件(支援責任者・支援担当者・言語・記録)を自社で満たす前提です=満たせるかの判定は自社支援?委託?が所有しています。⚠️ この額だけ組み立てが違います(委託費ゼロ=上の「初年度の総額が4つ」の4つには含まれません) |
| 一部を自社支援して月額を圧縮する | 約52〜79万円 | 月額が約2〜3万円→約1〜2万円=年額は約24〜36万円から約12〜24万円へ(減る額はどちらの端でも年12万円)。⚠️自社が背負う工数は別途 |
| 海外から呼び寄せる | 約79〜131万円 | 送出機関費用と渡航・住居初期が乗るぶん上に出る(国内で採れるなら国内が安い) |
- 人材紹介を使わない経路を先に検討する — 初期費用の最大項目は人材紹介手数料ですが、入管庁の調査ではマッチング媒体への支払いが「なかった」という回答が最多でした(40.9%)。詳細は上記①のとおりです。⚠️ ただし「使われている無料の経路」はハローワークではありません=同じ調査の本人側の回答では、実際の利用先は技能実習で支援を受けていた監理団体が38.9%で最多、ハローワークは1.8%です(上記①)。手数料が本当に生じにくいのは自社の技能実習生からの移行と社員紹介で、浮いたぶんは自社の工数に置き換わります。初年度の総額がルートで約34〜131万円まで開くのは、この人材紹介手数料と、海外ルートだけに立つ送出機関費用・渡航費と住居の初期費用の3つが効くためです。
- 採用ルートを比較する — 手数料が発生する場合でも、国内在住者の採用は在留資格変更(手数料6,000円)で済み、海外からの呼び寄せに伴う送出機関費用・渡航費が乗りません。
- 委託範囲を見直す — 自社でできる支援と委託する支援を切り分けると、月額を調整できます。自社支援と委託の比較は特定技能は自社支援?委託?で整理しています。
- 「安すぎる」を無条件に得と読まない — 高い側だけでなく低い側にも確認の観点があります。人材紹介手数料が極端に低い(あるいはゼロの)提示を受けたときは、その分が本人から徴収されていないかを確かめてください。⚠️ これは値踏みの話ではなく在留資格の要件の話です=上陸基準省令 第三号は、本人が雇用契約の申込みの取次ぎや来日準備に関して外国の機関へ費用を払っている場合に、その額と内訳を本人が十分に理解して合意していることを要件とし、運用要領は受入れ機関の側でそれを確認することを求めています(上記の「費用の『合意』と『明細書』は在留資格の要件」)。さらに保証金・違約金が費目として立っていること自体が要件に触れます。⚠️ 本記事が「手数料が生じにくい」とした経路(自社の技能実習生からの移行・社員紹介・ハローワーク)は、費目そのものが立たない構造的な安さで、これとは別物です。⇒ 見積書が安いときに見るのは金額ではなく、その安さが「費目が立たない」由来か「誰かに付け替えた」由来かです。
- 複数の見積もりを比較する — 登録支援機関・人材紹介会社で費用設定は異なります。月額の妥当性は公的な分布のどこにあるかで、条件の妥当性は7項目で確かめられます(登録支援機関の費用相場)。⚠️ 見積もりは「実際に受け入れる人数・事業所」の条件で取ってください=運用要領は委託費が人数・事業所数・場所で異なり得るとしており、1人分の単価を人数倍した額とは限りません。登録支援機関の役割とどこまで頼めるかは登録支援機関とは?で解説しています。
- 更新を新規より安く受ける事務所がある(公開料金の実例) — 本記事の5〜15万円は新規・更新を通した幅ですが、手続きの区分ごとに料金を公開している事務所もあります。⚠️ 相場ではなく1事務所の公開料金の実例として挙げると、行政書士しかま事務所は在留資格認定証明書交付申請 50,000円・在留資格変更許可申請 50,000円・在留期間更新許可申請 30,000円・定期届出の作成(3名まで)30,000円(いずれも税別・1名あたり)を掲出し、必要書類の案内・申請書類一式の作成・申請取次・追加資料への対応が料金に含まれ、許可時に納付する手数料と登記事項証明書などの実費は別途としています。[60]⇒ 読み取れることは2つです。第一に、更新を新規より低い額で受ける設計が実在する=5年の総額を「新規と同額×回数」で積むと過大に出ます。第二に、年1回の定期届出の作成にも報酬が立ち得る=本記事が③で「お金では見えない負担」に置いた届出は、外注すると金額の費目になります。⚠️ 1事務所の公開料金であって相場ではありません=依頼範囲(書類作成だけか・取次まで含むか)で額が動くので、自社が頼む範囲で見積もりを取ってください。
- 申請をどこまで自社で担うか決める — 更新のたびの専門家報酬(1回5〜15万円程度)は、この記事の5年モデルで最大40万円(毎回中央値で依頼)から0円(更新を自社の申請取次で回す)まで動きます——最も可動幅の大きい費目です。⚠️ この「0円」は専門家に払う報酬がゼロという意味で、自社取次そのものが無料という意味ではありません(実費と有効期間は下の2つ)。自社の職員が地方出入国在留管理局長に適当と認められれば、在留資格変更・在留期間更新の申請書等の提出(申請取次)は自社で行えます(登録支援機関の職員も同様)。⚠️ ただし取次は外国人本人(又は法定代理人)の依頼を受けて行うもので、会社の判断だけで進められる手続きではありません。海外から呼び寄せる場合の在留資格認定証明書の交付申請なら、本人と特定技能雇用契約を結んだ自社の職員が「代理人」として、取次の承認を受けなくても自ら出頭して提出できます。⚠️ これは「提出」の話で、書類の作成まで自社でよいという意味ではありません=外部へ報酬を払って書類作成を頼むなら行政書士などの専門家の領域です(「支援委託費に書類作成も含まれます」という見積もりは内訳を確認してください=上記②)。自社で作成する場合にどこまでが行政書士法の制限の外かは個別の判断になるため、専門家に確認してください。手続きの負荷と人件費は自社に移るので、更新の頻度(在留期間が1年ずつか3年か)と件数で判断してください。[28]
- ⚠️ 「0円」の中身=自社取次に切り替えても実費はゼロではありません。承認の申出には、出入国在留管理行政に関する研修会等の受講(修了)証明書(原則、発行から3年以内のもの)が要ります。⚠️ ただし「原則」で、一定の職歴等を有している人は、受講証明に代えてその立証資料を提出する扱いです=入管業務の経験者が社内にいるなら研修費は立ちません。研修会は出入国在留管理庁が実施機関の一覧を公表しており、たとえば公益財団法人入管協会の申請等取次研修会は参加費17,600円(同協会の賛助会員11,000円・特別賛助会員8,800円。税込・資料代込みで、会場までの交通費と宿泊費は参加者負担)。申出には法人の登記事項証明書(書面請求600円・オンライン請求なら送付520円/窓口交付490円)と、返信用封筒(普通郵便料金と簡易書留料金〔基本料金に+350円〕の合計額の切手を貼付したもの)またはレターパックプラス(600円)も必要です=研修を受けるなら初回に立つ実費は1人あたり約18,800円前後(編集部算出=研修会の参加費+登記事項証明書1通+レターパックプラスの単純合計。写真2葉や職員の稼働時間は含みません)。[61][62][63][64][65]
- ⚠️ 効くのは金額より「期限管理」です=申請等取次者証明書の有効期間は3年間。有効期限の2か月前から更新の申出ができ、更新時の提出書類に研修の受講証明書と登記事項証明書は含まれません(申出書・写真2葉・証明書の写し・在職証明書等・本人確認書類・返信用封筒)=期限内に更新すれば、繰り返し立つのは郵送分程度です。⚠️ 一方、有効期間が切れると更新手続きではなく再度の承認手続き(新規)になります=失効させた場合だけ、上の初回実費がまるごと立て直しになります。[66][67]⇒ 専門家に毎回10万円で依頼する場合と比べると、更新の件数が少ないうちは外注のほうが安く、件数が増えるほど自社取次が効くという関係になります(1人だけの受け入れで更新が数回なら、実費と職員の稼働を足して外注と大差がないこともあります)。⚠️ ここで扱ったのは金額だけです=誰が承認を受けられるか・派遣職員は職員に当たるか・どの申請でどの立場になるか(認定は代理人、変更・更新は申請等取次者)といった手続きの中身は在留資格の必要書類が所有しています。
- 在留期限を管理する — 更新の遅れは余計な手間やコストにつながります。複数人を受け入れる場合は、在留期限の一覧管理が有効です。
- 特定技能2号への移行を見据える — 2号では支援計画の作成・実施の義務そのものがなくなるため、登録支援機関への委託が制度上不要になります。維持費の中心である月額の支援委託費が構造的にかからなくなるため、長く在籍してもらう前提なら最も効く手です(移行できる分野・要件は限られます)。詳しくは特定技能1号・2号の違いと2号でできることをご覧ください。
- 補助金・助成金を確認する — 外国人材の受け入れ・定着に使える制度がある場合があります(採用そのものの費用を補填する制度ではなく、就労環境整備・訓練・正社員化などの取り組みへの助成です)。制度ごとの支給額・要件と、ネット上で広く出回る「外国人を雇うと72万円」の正体は外国人雇用の助成金・補助金で整理しています。
まとめ
特定技能の費用は、①最初にかかる初期費用 ②毎月かかる支援委託費(維持費・ランニングコスト)③更新のたび・分野ごとにかかる費用の3つが大枠です。初期費用は採用ルートにより約10〜95万円(国内約40〜55万円/海外約55〜95万円/技能実習2号からの移行約10〜25万円)、月額は公的な集計で中心が20,000円台前半(中央値の帯=最多の帯 26.2%・平均は28,386円)、在留資格の変更・更新の手数料は現行で窓口6,000円(オンライン5,500円)ですが、2026年10月1日以降の申請分から許可される在留期間の長さに応じた額に変わります(2026年8月25日閣議決定・特定技能1号は在留期間が3年を超えない範囲で指定されるので、改定後は窓口10,000〜64,000円の範囲。9月30日までに行った申請は改定前の額)。初年度の総額はルートにより約34〜131万円、通算5年なら支援委託費だけで約120〜180万円が土台になります。金額はルートと在籍年数のほか、受け入れる人数・事業所の数や場所でも変わる(運用要領が委託費の変動要因として挙げています)ため、内訳を分解し、実際に受け入れる条件のまま見積もりを比較することが大切です。
賃金を除いた「採用・支援コスト」を条件をそろえた代表値で見たい場合は、上記の「1人採用の代表モデル(採用コストベンチマーク)」(国内 約75万円・海外 約112万円)をご覧ください。採用の流れとあわせて把握したい場合は特定技能の採用の流れを、制度の全体像は特定技能で外国人を採用するには?をご覧ください。
このデータの引用について
出典「トモハタ採用コストベンチマーク」と本ページURLへのリンクを明記いただければ、記事・資料に引用・転載いただけます。なお、トモハタは登録支援機関・人材紹介会社へのご紹介(送客)で運営している媒体で、この数値も自社の料金表ではなく公開情報と市場目安から組み立てた概算です。
更新履歴
- 2026-08-11:在留資格申請の手数料(6,000円)を国内採用のみの計上へ是正(海外の在留資格認定証明書交付申請は入管庁が「手数料はかかりません」と明記)。標準ケース=国内 約75万円・海外 約112万円。
- 2026-07-20:渡航・健診・住居初期の代表値を市場水準に合わせて精緻化(健診7,500→10,000円・住居初期10万→20万円)。標準ケース=国内 約75万円・海外 約113万円。
- 2026-07-19:人材紹介手数料の代表値を採用ルート別(国内30万・海外20万)に精緻化(従来は中央値35万一律)。標準ケース=国内 約75万円・海外 約102万円。
- 2026-06-26:初版公開
よくあるご質問
- 特定技能で外国人を1人採用する費用の総額はいくらですか?
- 採用ルートで変わります。初期費用は全体で約10〜95万円——技能実習2号からの移行が約10〜25万円、国内在住者の採用が約40〜55万円、海外からの呼び寄せが約55〜95万円です。これに登録支援機関への支援委託費(1人あたり月2〜3万円程度=年24〜36万円)が加わるので、初年度の総額は約34〜131万円になります(移行 約34〜61万円/国内 約64〜91万円/海外 約79〜131万円)。公開情報・市場水準をもとにした目安で、市場調査による平均値ではありません。実際は分野・地域・委託範囲で変動します。
- 特定技能の採用後、毎年いくらかかりますか?
- 支援を登録支援機関に委託する場合、2年目以降の中心は支援委託費で、1人あたり月2〜3万円程度×12か月=おおむね年24〜36万円程度が目安です。在留期間の更新がある年は、これに国へ納める手数料(窓口6,000円・オンライン5,500円)が加わります。申請書類の作成や申請取次を行政書士などの専門家に依頼する場合の報酬は別途で、1回あたり5〜15万円程度が目安です。委託費の水準は出入国在留管理庁の集計(令和4年〔2022年〕9月末時点・暫定値・全分野の集計で月額平均28,386円)と整合する目安ですが、委託範囲・分野・地域で変わります。建設分野はこれにJAC(建設技能人材機構)の受入負担金(1人あたり月12,500円=年15万円)が加わり、2年目以降は約39〜51万円になります(賛助会員として直接加入している場合は年会費24万円も別途)。分野団体費の有無と額は分野で違い、工業製品製造業は事業所単位の年会費、介護と造船・舶用工業は会費の定めが見当たりません(造船・舶用工業は協議会規約そのものに会費の条項がなく、事務局は国土交通省海事局です。記事本文に確認範囲を記載しています)。
- 登録支援機関への委託費はいくらが相場ですか?
- 相場の中心は1人あたり月20,000円台前半です。出入国在留管理庁の集計(令和4年9月末時点・暫定値・全分野の合算で、直近の許可に係る申請で登録支援機関に有償で委託するとされた70,404人分)では、中央値が入る帯も最も多い帯も20,000円超〜25,000円以下で、全体の約9割が月30,000円以下、平均は28,386円でした(中央値の帯は人数の累積による編集部算出)。⚠️ 数字は使い道で使い分けてください=見積もりの高安を判定する物差しは中心(20,000円台前半)、採用ルート別の総額を幅で積むときは月2〜3万円、条件をそろえた代表モデル1点を積むときは平均です。分野別の内訳は、同資料および出入国在留管理庁の公表資料を確認した範囲(2026年8月10日時点)では見当たりませんでした。国が定めた相場や上限はなく、含まれる支援の範囲のほか、受け入れる人数・事業所の数や場所によっても金額は変わります(出入国在留管理庁の運用要領が変動要因として挙げています)。金額帯別の分布表と内訳の見方・見積もりのそろえ方は「登録支援機関の費用相場」の記事で解説しています。
- 在留期間の更新にはいくらかかりますか?
- 在留期間更新許可申請の手数料は、2025年4月1日以降の受付分で窓口6,000円・オンライン5,500円です(改定前は4,000円)。許可されるときに納める手数料なので、不許可の場合はこの手数料自体は発生しません。これとは別に、申請書類の作成や申請取次を行政書士などの専門家に依頼する場合はその報酬(1回あたり5〜15万円程度が目安)がかかります。なお2026年10月1日以降の申請分から、手数料は許可される在留期間の長さに応じた額に変わります(改める政令=令和8年政令第268号は2026年8月28日に公布済み・施行日は同年10月1日)。在留資格変更許可・在留期間更新許可は許可される在留期間に応じ窓口10,000円〜75,000円(オンラインは3月以下を除き窓口より3,000〜10,000円低い額)です。特定技能1号は在留期間が3年を超えない範囲で指定されるため、当てはまるのは窓口10,000〜64,000円の範囲です(1年なら33,000円、1年超3年未満なら48,000円、3年なら64,000円)。2026年9月30日までに行った申請は、許可が10月1日以降になっても改定前の額です。
- 特定技能の届出は今も四半期ごとに必要ですか?
- 受入れ機関の定期届出は年1回です。四半期ごとの届出は2025年4月15日までに提出するものが最後で、以後は1年に1回になりました(対象期間は4月1日〜翌年3月31日、提出期限は翌年5月31日)。新ルールでの初回提出は2026年4月以降です。なお、雇用契約や支援内容の変更などがあったときの随時届出は、これとは別に事由が生じた日から14日以内に必要です。
- 5年間ではトータルいくらかかりますか?
- 条件を固定すれば1本の数字になります。「在留歴のない人を国内で採用(=通算5年をフルに使える前提)・支援は全部委託・在留期間が1年ずつで更新4回・申請は毎回行政書士に依頼・建設以外」という条件なら、5年の合計は約202〜277万円(初期費用約40〜55万円+支援委託費約120〜180万円+更新手数料2.4万円+専門家報酬40万円)。更新が1回で済み専門家に依頼しないなら約161〜236万円まで下がります。いずれも賃金・法定福利費を除いた額です。内訳で積むと、支援委託費だけで5年間で約120〜180万円(月2〜3万円×60か月)。これに在留期間の更新のたびに国へ納める手数料(1回 窓口6,000円・オンライン5,500円)が更新の回数分かかります。回数は指定される在留期間によって変わり(1年ずつなら4回で合計24,000円、3年と2年なら1回で6,000円)、現行の額なら5年を通しても手数料は数万円の範囲です。⚠️ ただし2026年10月1日以降の申請分から手数料は許可される在留期間の長さに応じた額に変わり、桁が変わります(改定後の額で計算した更新分だけで、1年ずつ4回なら窓口132,000円、3年→2年なら更新1回で48,000円。在留資格変更の1回を含めた5年合計は、1年ずつなら165,000円・3年→2年なら112,000円)。書類作成・申請取次を行政書士などの専門家に依頼する場合の報酬(1回あたり5〜15万円程度)は、支援委託費にも国への手数料にも含まれない別建ての費用です。建設分野はこれにJACの受入負担金(1人あたり月12,500円)が加わり、5年間で75万円の上乗せ=支援委託費と合わせて約195〜255万円になる計算です(JACに賛助会員として直接加入している企業は年会費24万円×5年=120万円も別途。正会員である建設業者団体の傘下ならJACへの年会費はかかりません)。いずれも市場水準や現行の公表値をもとにした目安で、委託範囲・分野・料金改定によって変わります。
- なぜ海外採用のほうが費用が高いのですか?
- 海外から呼び寄せる場合は、国内採用の費目(人材紹介手数料・在留資格申請・登録支援委託料など)に加えて、送出機関費用や渡航・健診・住居初期などがかかるためです。送出機関費用は国によって大きく変わります。なお国へ納める手数料は、海外ルートの在留資格認定証明書交付申請が「手数料はかかりません」とされる代わりに、在外公館へ納める査証(ビザ)の手数料が一般入国査証で14,900〜15,100円かかります(2026年7月1日施行の政令改正で2,900〜3,100円から改定。政令が定めるのは邦貨換算額の範囲で、実額は現地通貨建てです)。ただし査証手数料は本人が現地で納めるのが通常なので、日本の法令で企業が納めることになっている額でみると、海外ルートは0円、国内での在留資格変更許可は窓口6,000円・オンライン5,500円です。⚠️ この0円は日本側の話に限った額です=送出国の側が査証手数料や渡航航空券を受入れ側の負担と定めていることがあり(フィリピンは査証とスタンプ料・往復航空券、インドネシアは就労ビザと渡航航空券、ベトナムは就業地までの航空券)、海外ルートで実際に企業が出す額は送出国のルールで決まります。初期費用が数十万円規模であるのに対してこの費目は1万円台なので、どちらの見方でも総額を左右するものではありません。
- 日本人の採用と比べて、特定技能だけにかかり続ける費用は何ですか?
- 3つあります。①登録支援機関への支援委託費(1人あたり月2〜3万円程度が目安)②在留期間の更新にかかる費用(国に納める手数料は窓口6,000円・オンライン5,500円。申請書類の作成や申請取次を行政書士などの専門家に依頼する場合はその報酬が別途)③届出・定期面談などの続く事務・支援の負担。日本人を人材紹介で採用する場合、手数料は採用時の一度きりで、①のような特定技能に固有の月額費目にあたるものはありません(社会保険・労働保険の事業主負担は、日本人の雇用でも同じく毎月発生します)。ただしどちらが安いかは在籍年数・委託範囲で変わるため、断定はできません。
- 日本人を人材紹介で採用する場合と比べて費用は高いですか?
- 一概には言えません。まず前提として、厚生労働省の「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」が示す常用就職1件あたりの手数料約103万円は日本人に限った数字ではなく、職種区分の1つとして「特定技能の在留資格に係る職業紹介」も含む、国籍を問わない全職種の平均です(日本人の採用も含みます)。比べられるのは「人材紹介という手段を使ったときの相場」で、特定技能の紹介手数料の目安(20〜60万円程度)は市場水準からの推計です。母集団も統計量も違う数値の並置なので、差額を計算できるものではありません。一方、採用した企業が「主な職種の平均的な額」を自己申告した厚生労働省の委託調査(令和4年9月実施・税別)では、医療・介護・保育の3分野の職種で912,863.2円(n=691)、3分野以外の職種で1,089,459.7円(n=448)でした。なお日本人側の金額も「有料の人材紹介を使った場合」のもので、ハローワークや友人・知人の紹介など手数料のかからない経路で採用できているなら、採用時の費用は日本人採用のほうが低くなります。違うのは金額よりも費用の構造で、特定技能は登録支援機関への支援委託費が毎月続き、在留期間の更新のたびに申請費用も発生します。賃金は日本人と同等以上が要件です。
- 特定技能の人材紹介手数料の相場はいくらですか?
- 市場水準の目安は1人あたり20〜60万円程度の定額です(各社の提示から見た目安。海外在住の未経験者は低め・経験者や国内在住者は高めに出る例が公開料金にあります。⚠️ 建設分野・港湾運送業務は有料職業紹介の対象外=この費目自体が立ちません〔職業安定法第32条の11第1項〕)。国の統計(厚生労働省の令和6年度職業紹介事業報告書「特定技能の在留資格に係る職業紹介」区分)で見ると、1件あたりの平均は多くとも約34.4万円で、手数料の99.8%は紹介会社が届け出た手数料表に基づく届出制手数料でした=賃金の11.0%という上限制の天井は、上限制を選んだ場合にだけ効きます。⚠️ この平均の上限は見積もりの合否ラインではありません=提示がこの水準を超えるなら差の理由を条件で説明してもらい、内側でも妥当性の証明にはならない、という使い方をします。2人目以降の逓減・請求時期・返金条項まで公開している事業者の実例は、本文①の「紹介手数料の公開料金の実例」で挙げています。
- 住居費や渡航費は外国人本人に負担してもらえますか?
- 住居費・食費・水道光熱費などは、実費を必要な限度で本人に負担してもらえます。社宅・寮を貸与する場合は貸与によって経済的利益を得てはならず、徴収してよい額は借上げ物件・自己所有物件それぞれについて算定方法が定められています。負担してもらう額は入国前の事前ガイダンスで本人に示し、確認書に署名を得る必要があります。一方、義務的支援(事前ガイダンスなど)の費用は、給与からの天引きのような間接的な形も含めて本人に負担させることはできません。登録支援機関への支援委託費もこの「支援に要する費用」に含まれます。帰国旅費は本人負担が原則ですが、本人が負担できないときは受け入れ企業(特定技能所属機関)が負担すると法令で定められています(報酬から控除して積み立てておくことは認められません)。⚠️ この負担義務は「特定技能雇用契約の終了後の帰国」に射程が限られ、契約期間中の一時帰国の旅費には明文の負担義務がありません(義務があるのは必要な有給休暇を取得させることのほうです)。来日時の渡航費は負担者を定める法令上の明文規定が確認できていませんが、出入国在留管理庁は送出しに必要となる費用(渡航費用を含む)を送出し国の法令等を踏まえて企業が全部または一部負担することを推奨しており、本記事の費用モデルでも企業負担として計上しています。
- 維持費(ランニングコスト)を抑える方法はありますか?
- 自社で担える支援と委託する支援を切り分けて委託範囲を見直す、在留期限の管理を徹底して更新の遅れや追加コストを防ぐ、複数の登録支援機関の見積もりを比較する、といった方法があります。中期的に最も効くのは特定技能2号への移行です。出入国在留管理庁は支援計画の作成と支援の実施を「1号特定技能外国人を受け入れる受入れ機関」の義務として定めているため、2号ではこの義務がかからず、維持費の中心である月額の支援委託費が構造的にかからなくなります(移行できる分野・要件は限られます)。⚠️ ただし建設のJAC受入負担金は「1号特定技能外国人1人あたりの月額」として公表された額なので、2号での扱いは所属団体に確認してください。ただし自社支援には義務的支援の要件を満たす体制が必要で、その人件費は別途かかります。
- 特定技能の採用コストの数値(データ)は引用してもいいですか?
- はい、本ページの「1人採用の代表モデル(採用コストベンチマーク)」の数値は自由に引用・転載いただけます。出典「トモハタ採用コストベンチマーク」と本ページのURLへのリンクを添えてください。ページ内に出典テキストのコピーとCSV・JSONのダウンロードを用意しています。
出典・参考(一次情報)
- 特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令(e-Gov法令検索)
- 厚生年金保険の保険料(保険料率18.3%・事業主と被保険者が半分ずつ負担/確認日2026年8月17日)(日本年金機構)
- 令和8年度の都道府県単位保険料率(令和8年3月分〔4月納付分〕から適用・健康保険料率は都道府県別/子ども・子育て支援金0.23%/40〜64歳は全国一律の介護保険料率1.62%が加算/確認日2026年8月17日)(全国健康保険協会(協会けんぽ))
- 令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内(令和8年4月1日〜令和9年3月31日=一般の事業は労働者負担5/1,000・事業主負担8.5/1,000・合計13.5/1,000/建設の事業は事業主負担10.5/1,000・合計16.5/1,000)(厚生労働省)
- 1号特定技能外国人支援に関する運用要領(運用要領別冊・令和7年4月1日一部改正・確認日2026年8月10日)(出入国在留管理庁)
- 在留期間更新許可申請(手数料=許可されるときに窓口6,000円・オンライン5,500円/確認日2026年8月10日)(出入国在留管理庁)
- 在留資格認定証明書交付申請(手数料=「手数料はかかりません」/確認日2026年8月10日)(出入国在留管理庁)
- 領事官の徴収する手数料に関する政令(昭和27年政令第74号)第1条第1項=第3号 一般入国査証「一万四千九百円以上一万五千百円以下」・第4号 数次入国査証「二万九千九百円以上三万百円以下」/同条第5項=査証を含む手数料は「邦貨をもつて納付することができる」(外務大臣に納付)・第6項=その場合の定額(第1号 一般入国査証 一万五千円・第2号 数次入国査証 三万円)/改正前(2026年6月30日時点=令和4年政令第389号・2023年3月27日施行)は第3号 2,900〜3,100円・第4号 5,900〜6,100円・第5号 通過査証 600〜800円(同号は今回の改正で削除)/2007年10月1日施行版(平成19年政令第235号)は第13号 一般入国査証 1,900〜4,100円・第14号 数次 4,000〜8,000円・第15号 通過 470〜2,300円。附則=令和8年7月1日施行・施行日前にされた申請は従前の例/改正沿革は e-Gov で4版(2007-10-01/2023-03-27/2026-07-01)/確認日2026年8月18日(e-Gov法令検索(デジタル庁))
- 査証手数料の案内ページ(令和8年〔2026年〕7月1日施行の政令改正/⚠️ 2026年8月18日時点で mofa.go.jp は取得できず〔403〕=額の一次は政令〔egov-ryoji-tesuryo-seirei〕で確認)(外務省)
- 国家公務員等の旅費に関する法律(昭和25年法律第114号)第6条=「旅費は、旅行に要する実費を弁償するためのものとして政令で定める種目及び内容に基づき、最も経済的な通常の経路及び方法により旅行した場合によつて計算する」(令和6年法律第22号・2025年4月1日施行)/改正前の別表第二=外国旅行の日当・宿泊料の定額(丙地方=アジア地域〔本邦を除く〕のうち指定都市以外)/確認日2026年8月18日(e-Gov法令検索(デジタル庁))
- 特定技能制度の現状について(有識者会議 参考資料・登録支援機関への支援委託料の支払額=令和4年〔2022年〕9月末在留者対象の暫定値/マッチング媒体への支払額)(出入国在留管理庁)
- 職業安定法 第8条=「公共職業安定所は、職業紹介、職業指導、雇用保険その他この法律の目的を達成するために必要な業務を行い、無料で公共に奉仕する機関とする。」/確認日2026年8月18日(e-Gov法令検索(デジタル庁))
- ハローワーク(公共職業安定所)=国が行う無料職業紹介/確認日2026年8月17日(厚生労働省)
- 特定技能の費用ガイドページ=紹介料「給料の1か月から3か月分程度」ほか/⚠️ 同ページ自身が「業界の一般的な数値として算出しているため、弊社で担当させていただく場合とは数値が異なる場合がございます」「相場観としてご理解ください」と明示=同社の料金表ではなく業界水準の推計/確認日2026年8月19日(アセアン・ワン株式会社)
- 職業安定法施行規則(第20条第2項および附則=求職者から手数料を徴収できる例外の職種/別表〔第20条関係〕=上限制の紹介手数料11.0%〔免税事業者10.3%〕・受付手数料710円〔660円〕・6か月を超えて雇用された場合は6か月間の雇用に係る賃金が算定基礎/第24条の5第1項第二号=明示事項に返戻金制度に関する事項を含む・同第2項=明示の時期は求人・求職の申込みの受理後速やかに/第24条の8第3項第2号=離職者数は無期雇用就職者のうち解雇による離職・就職から6月経過後の離職を除く・同第4号=手数料率実績の分母=「あつせんにより就職した求職者が従事すべき業務につき一年間に支払われることが見込まれる賃金額」・同号ただし書=定額で徴収する場合は平均手数料額の実績に代えられる)(e-Gov法令検索(デジタル庁))
- 職業安定法(第32条の3第1項=有料職業紹介事業者が受け取れる手数料は上限制・届出制の2種類/同条第2項=求職者からの手数料徴収の原則禁止/第32条の11第1項=港湾運送業務・建設業務に就く職業の紹介禁止/第32条の13=手数料に関する事項の明示義務)(e-Gov法令検索(デジタル庁))
- 雇用・労働 職業紹介事業者の紹介手数料(上限制手数料の最高額の改正=消費税率10%への引上げに伴う11.0%〔免税事業者10.3%〕)(厚生労働省)
- 令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)(令和8年3月31日公表・有料職業紹介全体の常用就職1件あたりの手数料=国籍で絞らない全職種の集計/「4.手数料徴収状況」「3.就職状況」「5.国外にわたる職業紹介の実施状況」の職種区分「特定技能の在留資格に係る職業紹介」=2026-08-19 の統合で当記事が本籍〔旧 jinzai-shoukai-tesuryo〕)(厚生労働省)
- 特定技能人材の紹介サービスページ内の料金・条件=基本手数料30万円(別途消費税・1名につき)/同一企業2回目以降の紹介・技能実習での受入れ企業・特別な紹介時20万円/雇用開始月の月末〆・翌月10日払い・分割等の相談可/入社より3か月以内に特定技能生の責めに帰すべき事由での退職・転職の場合は紹介手数料の50%を返金/⚠️ 1社の公開料金・条件であって相場ではない/確認日2026年8月19日(LPK JAPAN(有限会社パートナーズプラン))
- 外国人人材紹介の費用相場コラム内の自社料金・条件=定額制20〜40万円(海外在住の未経験者20万円〜・経験者や日本在住者30〜40万円)/入社後の一括請求(採用決定の段階では請求せず・事前ガイダンスなど個別業務の費用は実施時に請求)/6か月以内の自己都合退職に段階的な返金規定。同コラムは自社の定額制を「業界相場(同社が各社の調査・公開料金から推計した1名あたり20〜80万円)の下限〜中位」と位置づける/⚠️ 1社の公開料金・条件であって相場ではない(20〜80万円は同社の推計)/確認日2026年8月19日(株式会社kedomo)
- 有料職業紹介事業者を利用される求人事業主の皆さまへ(医療・介護・保育分野向けのリーフレット。人材サービス総合サイトの使い方・令和7年4月1日以降の職種毎の平均手数料率等の実績の掲載義務)(厚生労働省・都道府県労働局)
- 人材サービス総合サイト(職業紹介事業者の就職者数・離職者数・手数料実績・返戻金制度の検索)(厚生労働省)
- 通達02/2024/TT-BLĐTBXH(2024年2月23日付・2024年5月15日施行=通達21/2021の改正)=附録II「日本市場の労働供給契約の詳細」第II節(特定技能)/附録X(仲介契約の手数料上限=日本は全業種0ドン)/附録XI(労働者本人から徴収できるサービス料の上限=日本は技能実習2号・3号修了者の特定技能で0ドン)。ベトナム政府官報 第393+394号(2024年3月9日)/確認日2026年8月18日(ベトナム政府官報)
- 労働・傷病兵・社会問題省 通達21/2021(附録II・XI)=リンク先は2021年官報の原文。⚠️ 現行は通達02/2024による差し替え後の附録=そちらの逐語は vietnam-tt02-2024 で確認済み(2026年8月18日・値は2021年版と一致)(ベトナム政府官報)
- DMW Advisory No.31, Series of 2024(フィリピン移住労働者省(DMW))
- BP2MI長官決定 第148号(2023年・日本SSW向け配置費用の上限)(インドネシア移住労働者保護庁(BP2MI))
- ミャンマーに関する情報(特定技能・認定送出機関と手続の案内/確認日2026年8月17日)(出入国在留管理庁)
- 出入国管理及び難民認定法施行規則(第59条の4第4項第1号〔同第2項第1号イ又はロの者=イ:受入れ機関等の職員・公益法人の職員・登録支援機関の職員で地方出入国在留管理局長が適当と認めるもの/ロ:弁護士会・行政書士会を経由して届け出た弁護士・行政書士。「受入れ機関等」の定義=第19条第3項第1号のイ〜ホ=外国人が経営する機関・外国人を雇用する機関・研修/教育を受ける機関・技能実習の監理団体・告示で定める機関〕+別表第七の二=在留資格変更・在留期間更新の申請書等の提出/第6条の2第3項+別表第四=在留資格認定証明書交付申請の代理人は本人と特定技能雇用契約を結んだ本邦の機関の職員・同第4項=出頭を要しない場合に代わって提出できる者(第1号=公益法人の職員〔外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益社団法人・公益財団法人の職員〕・全部委託を受けた登録支援機関の職員/第2号=届出済みの弁護士・行政書士/第3号=法定代理人)/第19条の17第2項=特定技能所属機関の随時届出は事由に該当した日から14日以内/第19条の21第8号=支援業務に要する費用の額と内訳を示さない者は登録支援機関の登録拒否事由)(e-Gov法令検索(デジタル庁))
- 1号特定技能外国人支援・登録支援機関について(出入国在留管理庁)
- 特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和8年8月20日一部改正・確認日2026年8月21日)(出入国在留管理庁)
- 一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号)第11条の10(住居手当)=月額16,000円を超える家賃を支払う職員が対象。手当月額=家賃27,000円以下は「家賃−16,000円」、27,000円超は「(家賃−27,000円)÷2(上限17,000円)+11,000円」/確認日2026年8月18日(e-Gov法令検索(デジタル庁))
- 令和3年就労条件総合調査の概況(第19表 常用労働者1人1か月平均法定外福利費=計4,882円・うち住居に関する費用2,509円〔構成割合51.4%〕/企業規模別の住居に関する費用=30〜99人 960円・100〜299人 1,832円・300〜999人 2,506円・1,000人以上 3,974円。調査対象は令和2年〔平成31(令和元)会計年度〕)(厚生労働省)
- 令和7年職種別民間給与実態調査 表12 住宅手当の支給状況(企業規模100人以上=住宅手当を支給する事業所56.6%/うち借家・借間に対して支給77.2%/借家・借間の手当が一律定額の事業所15.5%=残る84.5%は家賃額・扶養家族の有無などで額が変わる)(人事院)
- 行政書士法(第19条第1項=いかなる名目によるかを問わず報酬を得て業として第一条の三に規定する業務を行うことの制限/第一条の二=職責・第一条の三=業務〔電磁的記録を含む〕/第21条の2=罰則/第23条の3=両罰規定/確認日2026年8月17日)(e-Gov法令検索(デジタル庁))
- 改正法の施行に伴う法務省令の整備及び経過措置に関する省令(令和7年法務省令第45号=登録支援機関の登録基準の改正)(出入国在留管理庁)
- 労働安全衛生規則 第44条第1項(定期健康診断=常時使用する労働者に対し一年以内ごとに一回、定期に、医師による健康診断を行わなければならない/確認日2026年8月17日)(e-Gov法令検索(デジタル庁))
- 「特定技能外国人受入れに関する運用要領」の一部改正について(令和7年9月30日・新旧対照表=「特定技能」の在留期間を「1年を超えない範囲内」から「3年を超えない範囲内」へ)(出入国在留管理庁)
- 官報 令和8年8月28日付 号外第192号 4頁=令和8年政令第268号「出入国管理及び難民認定法施行令及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法施行令の一部を改正する政令」(2026年8月28日公布・改正後の施行令第25条第1項第1号イ〜ト=在留資格変更・在留期間更新の許可の手数料を在留期間の区分別に窓口10,000円〜75,000円/電子申請10,000円〜65,000円・第2号 永住許可200,000円・第2項〜第4項 減額免除・第5項 特定在留カードの加算/附則第1条=施行日 令和8年10月1日〔5頁〕/確認日2026年9月5日)(国立印刷局(官報))
- 令和8年8月25日 定例閣議案件(「出入国管理及び難民認定法施行令及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法施行令の一部を改正する政令」および「出入国管理及び難民認定法及び…の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」)(首相官邸)
- 令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について(施行日=令和8年10月1日・経過措置=令和8年9月30日までに行われた申請は改定前の額/確認日2026年9月4日)(出入国在留管理庁)
- 収入印紙の購入について(改定後の窓口手数料=許可期間別 3月以下10,000円〜5年以上75,000円・永住200,000円/確認日2026年9月4日)(出入国在留管理庁)
- オンライン申請における手数料額及び手数料納付方法について(2026年10月1日以降の申請分=3月以下10,000円〜5年以上65,000円・決済手数料330円/550円/確認日2026年9月4日)(出入国在留管理庁)
- 「出入国管理及び難民認定法施行令及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法施行令の一部を改正する政令案」等に係る意見募集について(案件番号315000136・案の公示日2026年7月3日・受付締切2026年8月3日/関連資料「在留許可手数料の額及び減額又は免除の対象者等について」=許可期間別の改定後の額の「案」〔在留資格変更許可・在留期間更新許可をまとめて対象〕・施行日 令和8年10月1日。案の作成=出入国在留管理庁/確認日2026年8月17日。⚠️ 案の段階の資料=経緯の出典であり、額の正は公布済みの政令本体〔kanpo-seirei-r8-268〕)(e-Govパブリック・コメント(デジタル庁))
- 令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等に関するQ&A(問11=令和8年10月1日より前に申請していた者が同日以後に許可を受ける場合の額は改正前の額/確認日2026年9月4日)(出入国在留管理庁)
- 出入国管理及び難民認定法 第67条(手数料)=現行「一万円を超えない範囲内において別に政令で定める額」/令和8年法律第32号による改正後は許可の区分ごとの上限(在留資格の変更10万円・在留期間の更新10万円・永住許可30万円・再入国許可1万円)+第2項の勘案事項・第3項の減額免除。同改正の施行=附則第1条第2号「令和九年三月三十一日までの間において政令で定める日」/経過措置=同附則第5条(施行日前にされた申請に係る許可は従前の例)/第26条の2=みなし再入国許可(有効期間は出国の日から1年・在留期間の満了が先ならその日まで)/確認日2026年8月18日(e-Gov法令検索(デジタル庁))
- 官報 令和8年8月28日付 号外第192号 4頁=令和8年政令第267号「出入国管理及び難民認定法及び出入国管理及び難民認定法第二条第五号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」(2026年8月28日公布=令和8年法律第32号附則第1条第2号に掲げる規定〔第67条の手数料の上限の改正を含む〕の施行期日を令和8年10月1日と定める/確認日2026年9月5日)(国立印刷局(官報))
- 造船・舶用工業分野特定技能協議会規約(令和6年5月31日施行)=第4条 構成員(学識者・特定技能所属機関・登録支援機関・造船舶用工業事業者団体・試験実施機関・関係省庁)/第8条 事務局は国土交通省海事局船舶産業課。⚠️ 全9条に会費・負担金の定めなし(同分野の事務取扱要領〔国海産第751号・令和6年9月13日一部改正〕も同じ)/確認日2026年8月18日(国土交通省)
- 造船・舶用工業分野特定技能1号試験実施要領(国土交通省海事局船舶産業課)=「実施主体:一般財団法人日本海事協会(以下「協会」という)」/確認日2026年8月18日(国土交通省)
- 介護分野における特定技能協議会(国際厚生事業団(JICWELS・協議会事務局))
- 「介護分野における特定技能協議会」手続きの流れ(令和6年5月27日)(厚生労働省)
- 年会費と受入負担金(1号特定技能外国人1人あたり月12,500円/賛助会員の年会費24万円/正会員団体傘下はJACへの年会費なし・確認日2026年8月10日)(建設技能人材機構(JAC))
- 受入れ事業所(賛助会員)の年会費(工業製品製造技能人材機構(JAIM))
- 特定技能所属機関・登録支援機関による届出(定期届出の対象期間4月1日〜翌年3月31日・提出期限は翌年5月31日/随時届出は事由発生から14日以内/確認日2026年8月10日)(出入国在留管理庁)
- 外国人受入れマニュアル 第2章03 受入れにかかる費用「(3)受入負担金の負担」=「この受入負担金は、直接的又は間接的を問わず、1号特定技能外国人に負担させてはいけません。」/確認日2026年8月18日(建設技能人材機構(JAC))
- 出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(特定技能1号の項の下欄 第三号=外国の機関へ支払う費用の額及び内訳の理解・合意/第五号=定期に負担する費用の理解・合意・実費相当その他適正な額・明細書その他の書面の提示)(e-Gov法令検索(デジタル庁))
- 技能実習生の支払い費用に関する実態調査について(結果の概要)(令和4年7月26日=来日前に母国の送出機関又は仲介者に支払った費用の総額の平均54万2,311円〔n=1,369〕/送出機関への支払費用の平均52万1,065円と主な内訳別平均〔派遣手数料26万9,303円・事前教育費用7万3,663円・保証金/違約金1万9,503円〕/来日前に母国で借金している者は約55%・平均54万7,788円。⚠️技能実習生を対象とした調査=特定技能外国人の調査ではない)(出入国在留管理庁)
- 令和4年度委託 職業紹介業に関するアンケート調査 報告書(令和5年3月・求人者調査 図表I-29=採用1件あたりの平均的な手数料の額・3分野の職種912,863.2円/3分野以外の職種1,089,459.7円)(厚生労働省)
- 職業紹介事業における職種別手数料、離職状況について(全職種の平均手数料率実績24.0%・令和7年4月からの実績開示義務化と人材サービス総合サイト)(厚生労働省)
- 令和6年雇用動向調査結果の概況(就業形態別の入職率・離職率=パートタイム労働者の離職率21.4%・入職率22.7%/産業別のパートタイム労働者の離職率は「宿泊業,飲食サービス業」29.9%・「サービス業(他に分類されないもの)」23.8%が上位)(厚生労働省)
- 特定技能の費用に関する記事内の「料金・サポート内容」表=在留資格認定証明書交付申請50,000円・在留資格変更許可申請50,000円・在留期間更新許可申請30,000円・定期届出の作成(3名まで)30,000円(税別/1名)。必要書類の案内・申請書類一式の作成・申請取次・追加資料への対応を含み、許可時の手数料と登記事項証明書等の実費は別途/⚠️ 1事務所の公開料金であって相場ではない/確認日2026年8月18日(行政書士しかま事務所)
- 申請等取次研修会(参加費17,600円〔入管協会特別賛助会員8,800円・賛助会員11,000円〕・税込み/資料代含む・会場までの交通費や宿泊費は参加者負担/確認日2026年8月17日)(公益財団法人入管協会(出入国在留管理庁が公表する研修会等実施機関一覧の掲載機関))
- 受入れ機関等の職員の方(申請等取次者承認の提出書類=返信用封筒〔普通郵便料金と簡易書留料金の合計額の郵便切手を貼付〕又はレターパックプラス・法人は登記事項証明書・出入国在留管理行政に関する研修会等の受講〔修了〕証明書は原則発行から3年以内/確認日2026年8月17日)(出入国在留管理庁)
- 登記手数料について(令和7年4月1日〜=登記事項証明書は書面請求600円・オンライン請求/送付520円・オンライン請求/窓口交付490円/確認日2026年8月17日)(法務省)
- レターパック(プラス600円・ライト430円/確認日2026年8月17日)(日本郵便)
- オプションサービスの料金(簡易書留=基本料金に+350円/確認日2026年8月17日)(日本郵便)
- 申請等取次者としての承認手続(申請等取次者証明書の有効期間は3年間/有効期間が切れた場合は更新手続きではなく再度承認手続き〔新規〕/確認日2026年8月17日)(出入国在留管理庁)
- 更新手続について(申請等取次者証明書の更新=有効期限の経過する日の2か月前から受付/必要書類は確認表・申出書・写真2葉・申請等取次者証明書の写し・在職証明書等・本人確認書類・返信用封筒又はレターパックプラス=研修の受講証明書と登記事項証明書は含まれない/確認日2026年8月17日)(出入国在留管理庁)