監理団体・監理支援機関・登録支援機関の違い|育成就労・特定技能の窓口を3者比較
目次
「監理団体と登録支援機関は何が違うのか」「2027年から始まる育成就労では、どこと組めばいいのか」——名前が似ていて分かりにくいところです。結論を先に言うと、この3つは別の制度の窓口で、関わる制度が決まれば、組む相手の種類も決まります。技能実習は監理団体、育成就労(2027年4月開始)は監理支援機関、特定技能1号は登録支援機関です。
監理支援機関とは、育成就労で受け入れ企業(育成就労実施者)の監理・支援を担う機関で、主務大臣の許可を受けた非営利法人に限られます(育成就労法第2条第11号)。技能実習の監理団体にあたる役割ですが、別の許可が必要な別の枠組みです。
このページでは3者を同じ表に並べて比較したうえで、自社の受け入れ状況ごとにどの窓口と組むことになるか、公的な登録簿を突き合わせた集計、2027年4月に向けて企業が今確認できること、許可基準と企業が受ける監査の中身、監理支援費のルールと監理費の実額、機関の健全性の調べ方、そして制度をまたぐときの窓口の入れ替わりを、この順で整理します。
この記事の要点
- 許可制と登録制で、選べる相手の幅が違う — 監理団体と監理支援機関は主務大臣の許可制で、非営利法人に限られます。登録支援機関は出入国在留管理庁長官の登録制で、営利法人・個人事業主でも担えます。
- 監理団体は自動では監理支援機関にならない — 育成就労制度Q&Aは「新たに監理支援機関の許可を受ける必要があります」としています。名称の変更ではありません。
- すでに始まっている手続きがある — 監理支援機関の許可の施行日前申請は2026年4月15日に受付開始。施行日から監理支援を受けたい場合の申請の目安は2026年9月30日と案内されています。育成就労計画の認定の施行日前申請(=受け入れ企業自身の手続き)は2026年9月1日からです。
- 技能実習×特定技能の名簿上は、監理団体の約76%が登録支援機関も兼ねている — 編集部集計(監理団体一覧・登録支援機関登録簿とも2026年8月3日現在。後述)。⚠️これは現行2制度の名簿の重なりで、育成就労が始まった後の兼務の可否を示すものではありません。なお株式会社は監理支援機関にはなれません(非営利法人に限られるため)。
- 費用は4種類・実費に限る/料金表は今すでにネットで見比べられる — 受け取れる費用は4種類に限定され、いずれも実費を超えない額です(育成就労法第28条・同施行規則第56条)。種類の限定・実費・ネット公表のいずれも技能実習の監理費から引き継がれた枠組みで、技能実習の監理費は令和5年6月1日から公表が義務=候補の監理団体の料金表は今日から見比べられます。育成就労では規程と監理支援費の内訳の公表が許可の基準に位置づけられました(規則第67条第18号)(後述)。
- 監理費の実額には公的な調査がある — 技能実習生1人あたりの監理費は初期費用の平均34万1,402円+技能実習1号の月額平均3万551円、修了までの合計で約141万〜198万円(外国人技能実習機構の調査・2022年1月公表)。育成就労の監理支援費の実額は施行前のため、まだ公表されていません(後述)。
- 組む相手の体制と、企業が受ける監査には法令の下限がある — 常勤役職員の人数・外部監査人の設置・3か月に1回以上の監査などが定められています。抱えている企業数と人数を聞けば、体制の余裕は見当がつきます(後述)。
- 組合系の機関と組むなら、会員・組合員になる必要がある — 監理支援機関が商工会議所・商工会・中小企業団体・農協・漁協の場合、受け入れ企業は許可申請の時点でその会員または組合員である必要があります(外国人技能実習機構のQ&A)。加入の要否は早めに確認する項目です。
育成就労制度は2027年4月1日に運用が始まります。監理支援機関の許可基準は主務省令・政令の公布と運用要領の公表で具体化されており、分野ごとの上乗せ基準告示は2026年7月時点で育成就労の対象17分野のうち16分野が公布・掲載されています。ただし「優良な監理支援機関」の認定基準など、今後公表される部分も残っています。最新の内容は出入国在留管理庁・外国人技能実習機構の公表で必ず確認してください。
監理団体・監理支援機関・登録支援機関の違い(3者比較)
3者は「関わる制度」が違い、そこから国の関与のしかた・なれる法人の形・企業が受ける監査の中身まで変わります。[1]
| 比較する項目 | 監理団体(技能実習) | 監理支援機関(育成就労・2027年4月〜) | 登録支援機関(特定技能1号) |
|---|---|---|---|
| 関わる制度 | 技能実習 | 育成就労 | 特定技能1号 |
| 国の関与のしかた | 主務大臣の許可制 | 主務大臣の許可制 | 出入国在留管理庁長官の登録制 |
| なれる法人の形 | 非営利法人に限る | 非営利法人に限る(規則第44条に列挙) | 営利法人・個人事業主も可 |
| 企業が使うことの必要性 | 団体監理型では通すことが前提(企業単独型では監理団体を通さない) | 監理型育成就労では監理を受けることが前提(単独型育成就労では関与なし) | 委託は任意(自社支援も可) |
| 主な役割 | 実習実施者の監理・訪問指導・入国後講習 | 育成就労実施者の監理・訪問指導・入国後講習・雇用関係のあっせん・育成就労計画の作成指導 | 義務的支援10項目の実施を受託 |
| 定期監査・面談の頻度 | 監査は3か月に1回以上/1号期間中の訪問指導は1か月に1回以上 | 監査は3か月に1回以上/育成就労1年目までの訪問指導は1か月に1回以上 | 外国人本人との定期面談が3か月に1回以上 |
| 第三者による監査 | 指定外部役員を置く方法もある(技能実習法施行規則) | 外部監査人による監査の措置が許可の基準(法第25条第1項第5号・規則第47条) | 定めなし |
| 企業から受け取れる費用 | 監理費の4種類のみ・いずれも実費に限る(技能実習法第28条・同施行規則第37条)。1人あたり平均=初期34.1万円+月3.1万円(1号)(外国人技能実習機構調査・2022年公表・後述) | 監理支援費の4種類のみ・いずれも実費に限る(法第28条・規則第56条)。実額は施行前のため未公表 | 委託料(法令上の種類・額の定めなし=金額は当事者間の契約。相場は登録支援機関の費用相場) |
| 費用の料金表がネットで見られるか | 見られる(令和5年6月1日から義務。監理費を含む業務の運営に関する規程をネット公表。事業規模が著しく小さい等の相当の理由がある場合は事業所内掲示も可) | 見られる(規程+監理支援費の内訳のネット公表が許可の基準=規則第67条第18号) | 定めなし(各社の任意開示) |
| 許可・登録の有効期間 | 一般監理事業は5年(更新時に基準適合で7年)/特定監理事業は3年(更新時に基準適合で5年) | 初回は3年(更新時に改善命令等がなければ5年)。一般・特定の区分はない | 5年(更新制) |
| 人材のあっせん(職業紹介) | 技能実習に限って可 | 育成就労に限って可(職業安定法の特例・法第27条) | 職業紹介を行うには別途の許可・届出が必要 |
| 本人が別の企業へ移ることの可否 | 技能実習中の転籍は原則不可 | 一定期間経過後に本人意向の転籍が可能 | 同一分野内の転職は本人の選択 |
| 本人が移るときの機関の関与 | 制度上、転籍を前提とした関与の定めはない | 転籍の申出があった場合、他の企業・機関との連絡調整などの措置が義務(法第8条の4第5項。法第39条第3項が業務の基準として担保) | 転職への関与の定めはない |
| 在留資格の申請取次・書類作成 | 行政書士などの専門家の領域 | 行政書士などの専門家の領域 | 行政書士などの専門家の領域 |
そもそも監理支援機関が関わらない受け入れ方もあります。育成就労には、監理支援機関の監理を受ける「監理型育成就労」と、企業が単独で受け入れる「単独型育成就労」があり、出入国在留管理庁の制度概要は単独型について監理支援機関は関与しないと明記しています。[2]技能実習の企業単独型にあたる形で、海外に自社の拠点を持つ企業などが対象になります(どこまでが単独型に含まれるかは公表資料で確認してください)。多くの中小企業が実際に選ぶのは監理型ですが、「必ず監理支援機関と組まなければならない」わけではありません。
制度そのものの違い(目的・受け入れ人数枠・在留期間)は特定技能と技能実習の違いで整理しています。登録支援機関の役割と義務的支援の中身は登録支援機関とは、特定技能の義務的支援10項目をご覧ください。
自社はどの窓口と組むことになるか(受け入れの状況別)
組む相手は「制度をどう選ぶか」で決まります。2026年から2027年にかけては技能実習・育成就労・特定技能が時期をまたいで並ぶため、自社の状況ごとに整理すると迷いにくくなります。
| 自社の受け入れの状況 | 組むことになる窓口 | 押さえておきたいこと |
|---|---|---|
| 技能実習生が在籍していて、そのまま実習を続ける | 監理団体(技能実習) | 施行日(2027年4月1日)時点で実習中なら、施行日後も引き続き技能実習を行えます |
| これから技能実習で新規に受け入れたい | 監理団体(技能実習) | 2027年3月31日までに技能実習計画の認定申請を行い、原則2027年6月30日までに実習を開始する場合に限られます |
| 2027年4月以降に、育成就労で新規に受け入れたい | 監理支援機関(育成就労) | 許可制。取引先の監理団体が許可を申請するかの確認が出発点になります |
| 単独型育成就労で受け入れたい(海外の自社拠点などから) | 監理支援機関は関与しない | 制度概要が単独型について明記しています。自社が単独型に当てはまるかは公表資料で確認が必要です |
| 特定技能1号で受け入れたい/育成就労から移行する | 登録支援機関(委託する場合) | 支援を自社で行う選択もあります。委託は任意です |
経過措置で技能実習を続ける場合、その人を育成就労に移すことはできません。出入国在留管理庁の制度概要は、経過措置に該当する場合について「技能実習制度のルールが適用され、技能実習から育成就労に移行することはできません」としています。[2]つまり、経過措置で受け入れた人については監理団体との関係が最後まで続き、育成就労で受け入れる人については監理支援機関の許可を受けた先が別に必要になります。窓口が2本立てになる期間があり得る、ということです。
経過措置の期限そのもの(計画認定申請・実習開始の時期)は育成就労とはの施行スケジュールで整理しています。
いまの監理団体に、特定技能の支援も頼めるのか
制度は別ですが、同じ法人が両方の登録を持っている例は多数あります。技能実習の監理団体と特定技能の登録支援機関は、それぞれ別の公的な名簿に載ります。この2つを突き合わせて集計しました。
技能実習の監理団体のうち、特定技能の登録支援機関としても登録がある団体(編集部集計|監理団体一覧・登録支援機関登録簿とも2026年8月3日現在)
| 集計した内容 | 団体数 | 登録支援機関としても登録がある団体 |
|---|---|---|
| 監理団体(全体) | 3,726 | 2,825(約76%) |
| うち一般監理事業 | 2,238 | 1,931(約86%) |
| うち特定監理事業 | 1,488 | 894(約60%) |
集計の方法:外国人技能実習機構が公開する監理団体一覧(2026年8月3日現在)と、出入国在留管理庁が公開する登録支援機関登録簿(2026年8月3日現在)を、団体名と所在地の都道府県が一致するかどうかで突き合わせ、編集部が集計しました。一致の条件を市区町村まで厳しくしても約75%(2,792団体)で、団体名だけの一致に緩めても約77%と、結果はほぼ動きません。ただし登記による法人の同一性の確認は行っておらず、名称を変更した団体は取りこぼします。あくまで名簿上の重なりの目安としてご覧ください。
この数字は「窓口を1社に寄せられる可能性は低くない」ことを示しますが、確認は必要です。技能実習でつき合いのある監理団体が特定技能の登録も持っているかどうかは、出入国在留管理庁が公開する登録支援機関登録簿で名前を探せば分かります。登録支援機関の総数や都道府県別の分布は登録支援機関の統計データで整理しています。
なお、逆方向には制度上の制約があります。登録支援機関として登録している株式会社は、そのままでは監理支援機関になれません(次節の法人形態の要件)。特定技能で委託している会社に育成就労の監理まで頼めるとは限らない、ということです。
育成就労の監理支援機関と特定技能の登録支援機関を兼ねられるかどうかを直接定めた公表資料は、今回の確認では見つかっていません(育成就労制度Q&Aと運用要領第5章のいずれにも記載がありません)。上の集計は現行の技能実習・特定技能の名簿を突き合わせたもので、育成就労が始まった後の取り扱いを示すものではありません。
2027年4月に向けて——監理団体は自動では監理支援機関にならない
監理団体が育成就労の監理支援機関になるには、あらためて許可を受ける必要があります。出入国在留管理庁の育成就労制度Q&Aは「監理団体が監理支援機関として育成就労制度に関わる業務を行うためには、新たに監理支援機関の許可を受ける必要があります」としており、制度の概要資料も「技能実習制度の監理団体も監理支援機関の許可を受けなければ監理支援事業を行うことはできない」と明記しています。[3][2]名称が置き換わるのではありません。上の集計のとおり現在3,726の監理団体があり、そのすべてが対象になります。
手続きはすでに動き始めています。機関側の申請と、企業側の申請は別です。[4]
| 日付 | 誰の手続きか | 内容 |
|---|---|---|
| 2026年4月15日 | 機関側 | 監理支援機関の許可の施行日前申請の受付が、外国人技能実習機構の本部審査課分室で始まりました |
| 2026年9月1日 | 受け入れ企業側 | 育成就労計画の認定の施行日前申請が可能になります(育成就労制度Q&A Q8) |
| 2026年9月30日 | 機関側 | 外国人技能実習機構は「施行日以降早期に監理支援事業を行うことを希望する場合は、監理支援事業を行う6か月以上前までに申請を行ってください」とし、施行日から事業を行う場合の目安をこの日付で示しています |
| 2027年4月1日 | — | 育成就労制度の運用開始 |
育成就労計画を作成して機構へ認定申請するのは、受け入れ企業(育成就労実施者)です。監理支援機関の役割はその作成の指導で、企業に代わって申請するものではありません(在留資格に関する申請の取次や書類の作成は、行政書士などの専門家の領域です)。「機関が許可を取るのを待つだけ」ではなく、企業側にも2026年9月1日からの持ち場がある、ということです。
企業側からできることは、取引のある監理団体に方針を聞くことです。許可を申請するのか、いつ申請する予定か、育成就労で自社の分野・地域に対応するのか。上の目安日を過ぎてからの申請でも許可は受けられますが、施行直後から監理支援を受けられるかは変わり得ます。
「申請しない」「間に合わない」と言われた場合は、育成就労で受け入れるなら別の監理支援機関を探すことになります。ただし在籍中の技能実習生については、その監理団体が監理団体としての許可を更新すれば実習を続けられます(この点は後述の「在籍している技能実習生については〜」で整理しています)。育成就労の新規受け入れの窓口と、在籍実習生の監理の窓口が分かれることがある、という整理になります。
なお、施行後は許可や計画認定を担う機構の名称も変わります。制度概要では、育成就労計画の認定や実地検査を行う主体は「外国人育成就労機構」と記載されています。現時点(2026年7月)の申請先・一覧の公表元は外国人技能実習機構ですが、施行前後で問い合わせ先の名称が変わる前提で情報を追ってください。
在籍している技能実習生については、途切れない仕組みが用意されています。育成就労制度Q&Aは、監理支援機関の許可を受けている場合は技能実習制度における一般監理事業に係る許可を受けたものとみなされ、別途監理団体の許可の有効期間を更新する必要はないとしています。[3]逆に、監理支援機関の許可を受けない監理団体は、技能実習を続けるために監理団体としての更新が必要になります。育成就労の施行スケジュール全体は育成就労とは、対象となる分野は育成就労の対象分野で確認できます。
監理支援機関の許可基準は「支援体制の下限」として読める
許可基準は許可を取る側の話に見えますが、企業から見ると「組む相手が最低限どんな体制を持っているか」の目安になります。主なものは次のとおりです。
- 非営利法人であること — 商工会議所・商工会・中小企業団体・職業訓練法人・農業協同組合・漁業協同組合・公益社団法人・公益財団法人が規則第44条に列挙されています。これ以外の法人形態では、①監理支援事業を行う特別の理由があること ②重要事項の決定・業務の監査を行う適切な機関を置いていること の双方を立証する必要があります。①については、認定NPO法人としての人材育成支援業務、または技能実習の監理団体としての業務を過去3年以内に行った実績があり、それを通年かつ複数年度で実施していることが求められます(運用要領)。実質的に、いきなり新設の法人が入ってくる余地は小さい要件です。現在の監理団体3,726団体の名称で法人形態を分類すると、事業協同組合など(農協・漁協を除く)が約94%、これに農業協同組合・漁業協同組合を加えると約96%を占めます(重複しない分類)。この要件が実際にどう現れているかがうかがえます(編集部集計・2026年8月3日現在の監理団体一覧より)。
- 常勤の役職員の人数 — 監理支援の実務に従事する常勤の役職員が2人以上で、かつ受け入れ企業の数を8で割った数と、育成就労外国人の数を40で割った数の両方を超えている必要があります(規則第45条・下の表)。
- 監理支援責任者を事業所ごとに選任すること — 実際に自社を担当する体制の中心です(法第40条)。外国人技能実習機構のQ&Aは、過去5年以内に受け入れ企業の役職員だった人は、その企業への監理支援に関与できない(別の監理支援責任者を立てる必要がある)としています。「自社出身の担当者に任せる」形は取れません。[4]
- 外部監査人を置くこと — 受け入れ企業と密接な関係を持たない第三者を置き、過去3年以内の講習修了が求められます。弁護士・社会保険労務士・行政書士などが担い得ます。外部監査人は事業所ごとに3か月に1回以上の確認を行い、企業への監査に年1回以上同行します(規則第47条)。外部監査人の氏名は、機構がインターネットで公表することに同意した者であることが要件とされており(同条第1項第4号)、誰が監査しているかは外から確認できる建て付けです。なお機構のQ&Aは、受け入れ企業と顧問契約を結んでいる弁護士・社会保険労務士・行政書士は、その監理支援機関の外部監査人になれないとしています(自社の顧問がチェック役を兼ねる形は不可)。[4]
- 中立性が保たれていること — 受け入れ企業と密接な関係を持つ監理支援機関の役職員は、個人情報管理と入国後講習以外の監理支援業務に関与できません(法第39条第5項・規則第68条)。自社に近い組合が自社を監理する形は取りにくくなります。また、送出機関の役員と監理支援機関の役員が同一人物であってはならないとされています。
- 外国の送出機関との契約 — 取次ぎを受ける場合は送出機関との契約が必要で、その契約書の写しと、送出機関が徴収する費用の算出基準を記載した書類が許可申請の添付書類とされています。さらに監理支援機関は、送出機関が保証金・違約金を徴収する契約を結んでいないことを確認し、その旨を契約書に記載しなければなりません(規則第67条第5号)。技能実習で問題になった保証金・違約金の徴収に、契約書レベルで歯止めがかかる形です。
- 財産的基礎 — 直近の事業年度末で債務超過の状態にないことが基準です(規則第46条)。資産が一定額以上という基準や、供託金の制度ではありません。
- 受け入れ企業が原則2者以上 — 新規の許可申請時は2者以上となることが見込まれることで足り、許可後1年以内に実際に受け入れる必要があります(規則第45条)。
- 組合系の機関では、企業が会員・組合員であること — 監理支援機関が商工会議所・商工会・中小企業団体・農業協同組合・漁業協同組合の場合、育成就労実施者となる予定の企業は、許可の申請時点でその会員または組合員である必要があります(機構Q&A)。組合への加入が前提になる組み合わせがある、ということです。[4]
- 分野によっては上乗せの条件がある — 機構のQ&Aは、介護・工業製品製造業・自動車整備・物流倉庫・漁業の育成就労産業分野を取り扱う監理支援機関には、それぞれ特別に課される条件があるとしています。上乗せ条件の法的な定めは各分野の上乗せ基準告示です(例=物流倉庫分野は令和8年国土交通省告示第788号・2026年6月26日公布・2027年4月1日適用)。運用要領(別冊)は作成されたものから機構ホームページで公表されており(物流倉庫分野は2026年7月時点で未公表・作成され次第の公表とされています)、自社がこの5分野なら、相手がその条件を満たすかを早めに確認しておく論点です。[4]
物流倉庫分野の上乗せ基準告示(第788号第3条)が監理支援機関に課すのは、①物流倉庫分野の分野別協議会に加入していること、②協議会で協議が調った事項に関する措置を講ずること、③協議会への必要な協力、④国土交通省(又はその委託先)による調査・指導・情報収集・意見聴取等への必要な協力——の4点です。ただしこの分野別協議会は2026年7月時点で未設置(国土交通省は「設置に向けて調整中」と案内)で、法令上の基準が確定していることと、実際に加入できる状態になっていることは別の話です。物流倉庫分野で受け入れを検討する企業は、相手の監理支援機関にこの4条件(特に協議会加入の見通し)をどう説明できるか、確認しておくとよい論点です。
育成就労の監理支援機関に必要な常勤役職員の最低人数(規則第45条)=下の①と②を両方満たす人数(=多い方)が必要。いずれか一方では足りない
| ①監理支援を行う受け入れ企業の数 | ①だけで見た最低人数 | ②監理支援の対象となる育成就労外国人の数 | ②だけで見た最低人数 |
|---|---|---|---|
| 1〜15者 | 2人 | 1〜79人 | 2人 |
| 16〜23者 | 3人 | 80〜119人 | 3人 |
| 24〜31者 | 4人 | 120〜159人 | 4人 |
| 32〜39者 | 5人 | 160〜199人 | 5人 |
表にない規模も同じ式で計算できます(企業数÷8・外国人数÷40 をそれぞれ超える人数)。例=24社かつ100人なら、①で4人・②で3人となり、必要なのは多い方の4人です。受け入れ企業が7者以下、育成就労外国人が39人以下でも常勤役職員2人は必要です。担当密度の下限が法令で決まっているため、抱えている企業数・人数を聞けば、体制に余裕があるかの見当はつきます。
有効期間は「初回3年」で、5年になる条件は優良認定ではない
監理支援機関の許可の有効期間は、初回が3年です。 更新時に、従前の許可の有効期間において改善命令や業務停止命令を受けていない場合に5年になります(育成就労法施行令第2条・同施行規則第58条)。技能実習の監理団体にあった一般監理事業・特定監理事業の2区分は、育成就労では設けられていません。
ここは説明が混ざりやすいところです。「優良と認められれば5年」と説明されることがありますが、5年になる条件は改善命令等を受けていないことで、別に予定されている「優良な監理支援機関」の認定とは別の仕組みです。外国人技能実習機構は、優良な監理支援機関の認定について「制度施行後の一定期間の業務の実施状況等に基づき評価を行いますので、施行日前申請及び制度施行直後の申請受付は行いません」とし、基準の詳細や受付の開始時期は追って知らせる予定としています。つまり制度が始まった直後は、優良かどうかで監理支援機関を選ぶことはできません。
企業が受ける監査・訪問指導の中身
企業が受けるのは、3か月に1回以上の監査と、育成就労1年目までの1か月に1回以上の訪問指導です。監理支援機関は、育成就労計画に従って育成就労を行わせているか、出入国・労働に関する法令に違反していないかなどを確認します。監査の方法は運用要領で次のように定められています(規則第67条)。
- 育成就労の実施状況を実地で確認する
- 育成就労責任者・育成就労指導員(いずれも受け入れ企業側が選任する担当者)から報告を受ける
- 育成就労外国人の4分の1以上と面談する(対象が2〜4人の場合は2人以上)
- 事業所で設備を確認し、帳簿書類その他の物件を閲覧する
- 育成就労外国人の宿泊施設その他の生活環境を確認する
これとは別に訪問指導があり、育成就労の対象となっていた期間の合計が1年を超えるまでは、1か月に1回以上、監理支援機関の役職員が事業所を訪れて実地に確認し、必要な指導を行います。頻度と方法は技能実習の監理団体に求められているものとおおむね同じ水準です。帳簿の閲覧や宿泊施設の確認が入る点も含め、受け入れ側にも書類と生活環境を整えておく準備が必要になります。
定期のものだけではありません。育成就労を行わせることが困難になった事由が育成就労計画の認定の取消事由に当たり得る場合、監理支援機関は届出とは別に直ちに臨時監査を実施し、結果を機構へ報告することとされています(規則第67条第3号)。トラブルが起きたときには予定外の監査が入る、という前提で体制を整えておくことになります。
帳簿・宿泊施設まで見られる以上、監査の日程調整や書類の準備は受け入れ側の作業として見込んでおく必要があります。
監理支援費は「実費に限る」と決まっている
監理支援機関が企業から受け取れる費用は、法令で種類と上限の考え方が決まっています。 育成就労法第28条第1項は、監理支援機関が「いかなる名義でも、手数料又は報酬を受けてはならない」と定めたうえで、第2項の例外として、用途と金額を明示した監理支援費だけを徴収できるとしています。その種類と額は規則第56条で次の4つに限定されています。
なお、この「原則禁止+種類を限定した例外」という枠組み自体は技能実習の監理費と同じ構造です(技能実習法第28条・同施行規則第37条も、法第28条第2項の主務省令で定める適正な種類及び額を表で定めています)。料金表のインターネット公表も技能実習から引き継がれた枠組みで、育成就労では公表が許可の基準(規則第67条第18号)に位置づけられました。
監理支援機関が受け取れる監理支援費の全種類(規則第56条)=この4つ以外は名目を問わず徴収できない。額はいずれも実費を超えない額
| 監理支援費の種類 | 何に対する費用か | いつ徴収されるか |
|---|---|---|
| 職業紹介費 | 雇用関係の成立のあっせんに係る事務(募集・選抜の人件費、交通費、外国の送出機関へ支払う費用など) | 求人の申込みを受理した時以降 |
| 講習費 | 入国前講習・入国後講習(施設使用料、講師・通訳への謝金、教材費、外国人に支給する手当など) | 各講習の開始日以降 |
| 監査指導費 | 育成就労実施者に対する監査・指導(人件費、交通費など) | 就業開始後、一定期間ごと |
| その他諸経費 | 育成就労の適正な実施・外国人の保護に資する費用 | その費用が必要となった時以降 |
4種類とも「実費に限る」と規定されているため、徴収額と支出額が一致するのが原則です。運用要領は、あらかじめ預託させた額が精算額を上回るときは返還が求められ、返還せずに他の用途に使った場合は第28条第1項が禁止する手数料・報酬を受けたものと認められる場合があるとしています。
企業にとって実務上いちばん効くのは、料金表が公開されることです。運用要領は、実費相当額を記載した監理支援費の料金表(監理支援費表)について、業務の運営に関する規程の別表であることから「インターネットにより公表しなければならない」としています。[1]規則第67条第18号は、規程と監理支援費の内訳のインターネット公表を許可の基準そのものとして掲げています。
これは育成就労を待たなくても使えます。 技能実習でも令和5年6月1日から、監理費を含む「監理団体の業務の運営に関する規程」のインターネット公表が義務付けられています(事業規模が著しく小さいなど相当の理由がある場合は、従来どおり事業所内の掲示も認められることがあります)。[5]つまり候補の監理団体の名前でウェブサイトを開けば、監理費の内訳を今日から見比べられるということです。相手に見積もりを出させる前に料金表を読んでおけば、提示額が実費として説明のつく構成かどうかを、こちらの土俵で確認できます。
上の4種類は育成就労の監理支援費のルールです。特定技能の登録支援機関に支払う委託料には、これに相当する法令上の種類・額の定めはありません(相場の見方は登録支援機関の費用相場で整理しています)。同じ「支援の委託料」でも、価格の決まり方が制度ごとに違う点に注意してください。
技能実習の監理費は実際にいくらかかっているか
技能実習生1人あたりの監理費は、受け入れ時の初期費用が平均34万1,402円、技能実習1号の期間の月額が平均3万551円です(外国人技能実習機構の調査)。育成就労の監理支援費の実額は、施行前のためまだ公表されていません(制度の開始は2027年4月1日)。ただし前節のとおり監理支援費は技能実習の監理費と同じ枠組みを引き継ぐため、桁を掴むための基準点としては、技能実習の実額が現時点で唯一の公的な手がかりになります。
この調査は、外国人技能実習機構が監理団体1,972団体を対象に実施し、631団体(有効回答率32.0%)の回答を集計したものです。[6]見積もりを読むうえで効くのは、監理費は「月額いくら」だけでは終わらないという点で、調査も徴収のタイミングで3つに分けています。
技能実習生1人あたりに徴収される監理費(外国人技能実習機構が令和3年9〜10月に実施した調査。金額は「受入れから技能実習修了後の帰国までに徴収する一般的な金額」として回答されたもの/2022年1月24日公表・有効回答631団体)
| 徴収のタイミング | 1人あたりの平均額 | 1人あたりの中央値 | 金額に占める内訳の上位 |
|---|---|---|---|
| 初期費用(受け入れ時に1回) | 341,402円 | 333,800円 | 入国後講習の費用21.8%/募集・選抜21.0%/入国後講習の手当17.4% |
| 定期費用・技能実習1号(毎月) | 月30,551円 | 月30,000円 | 監査・訪問指導47.6%/送出機関への支払い23.2% |
| 定期費用・技能実習2号(毎月) | 月29,096円 | 月30,000円 | 監査・訪問指導47.2%/送出機関への支払い23.6% |
| 定期費用・技能実習3号(毎月/回答386団体) | 月23,971円 | 月26,000円 | 監査・訪問指導48.1%/送出機関への支払い23.1% |
| 不定期費用(受入れから帰国までの通算) | 154,780円 | 145,000円 | 一時帰国の渡航費33.8%/帰国のための渡航費24.2% |
同じ調査は、初期費用と各号の定期費用の年額を合計すると、技能実習2号まで(3年間)で約141万円、技能実習3号まで(5年間)で約198万円になるとしています(この合計に不定期費用は含まれていません)。月額だけを見れば3万円前後ですが、1人を修了まで受け入れると監理費だけで百万円単位になる——見積もりを読むときの起点はここです。
さらに、監理費とは別に、組合系の監理団体では入会費・年会費がかかります。同じ調査では監理団体への入会費が平均6万7,625円、年会費が平均9万3,211円です。組合系の機関と組むなら会員・組合員になる必要がある(前掲)ため、この加入コストは見積もりの外側に立ちやすい費目です。
数字を見積もりに当てるときの読み方
- 月額は総額の一部にすぎない — 初期費用(平均34万円)と不定期費用(平均15万円)が別に立ちます。「月額いくらか」だけで機関を比べると、初年度の負担を取り違えます。
- 監査の対価だけではない — 定期費用の内訳で最大は監査・訪問指導費用(約48%)ですが、約4分の1(技能実習1号で月7,077円)は監理団体が外国の送出機関へ支払う費用です。実費原則の下では、この部分の額は送出機関との協定で決まるため、「監理団体の企業努力で下げられる部分」と同じようには動きません。
- 一般監理と特定監理で大きな差はない — 初期費用は一般33万8,911円・特定34万5,327円、1号の月額は一般3万724円・特定3万280円です。許可区分は監理の実績や体制の違いであって、価格差として現れているわけではありません。
- 数字の時点に注意 — 令和3年(2021年)秋の調査で、それ以降の物価・賃金の上昇は反映されていません。育成就労の監理支援費が同じ水準になる保証もありません。現在値ではなく基準点として使い、実額は各機関の料金表(前節)で確認してください。
技能実習と特定技能で費用の構造そのものがどう違うかは特定技能と技能実習の違い、特定技能で登録支援機関に払う委託料の相場は登録支援機関の費用相場で整理しています。
候補の機関が健全かどうかを外から確かめる方法
公開されている情報だけでも、確認できることがいくつかあります。 新制度のため許可を受けた監理支援機関の一覧はこれから公表されますが、次の4つは今の時点でも使えます。
| 確認したいこと | 見る場所 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 技能実習の監理団体としての実績 | 監理団体の検索(外国人技能実習機構) | 許可番号・許可区分(一般/特定)・所在地 |
| 特定技能の登録支援機関を兼ねているか | 登録支援機関登録簿(出入国在留管理庁) | 登録番号・所在地・対応言語・支援の実施状況 |
| 行政処分を受けていないか | 主務大臣による公示 | 改善命令を受けた事実は公示されます(法第36条第2項) |
| 誰が第三者監査をしているか | 機構によるインターネット公表 | 外部監査人の氏名(規則第47条第1項第4号の要件) |
改善命令が公示される点は、選ぶ側にとって重要です。 育成就労法第36条は、監理支援機関が法令違反をした場合に主務大臣が改善命令を出せると定め、第2項で「その旨を公示しなければならない」としています。改善命令に従わない場合は許可の取消事由にもなります(法第37条第1項)。「行政処分を受けたことがあるか」は、相手の自己申告に頼らず公示で確かめられるということです。
組む相手の許可が切れる・取り消されたときに起きること
監理支援機関の許可が更新されなかった場合も、取り消された場合も、その監理支援の下では育成就労を続けられません。 同じ企業で受け入れを継続するには、監理支援機関を変更し、新たな監理支援機関の指導を受けて育成就労計画の変更の認定を受け直すことになります。在籍している外国人の受け入れ自体が直ちに終わるわけではありませんが、別の機関を見つけて計画の変更認定を通すまでの段取りが企業側の負担として発生する、という理解が実務的です。
契約時に確認しておきたいのは、組む相手の許可の有効期限(初回3年・更新で5年になり得ることは前述)です。更新時期が近い機関と長期の受け入れを始めるなら、更新の見通しも聞いておくと安全側に倒せます。
制度をまたぐときに窓口はどう変わるか
育成就労から特定技能1号へ進む流れでは、関わる窓口が入れ替わります。育成就労の期間は監理支援機関の監理を受け、特定技能1号に移行した後の支援は、自社で行うか登録支援機関に委託するかを選びます。監理支援機関との関係と、特定技能での支援体制は別に用意するものだと考えておくと、計画が立てやすくなります。
同じ法人が両方の登録を持っていれば実務上の窓口は変わらないこともありますが、契約は制度ごとに別です。移行の要件と時期は育成就労から特定技能への移行で整理しています。
本人が転籍するときも、窓口が動く
転籍の申出があったとき、監理支援機関は「送り出す側の調整役」も務めます。 監理支援機関は、育成就労外国人から転籍の希望の申出があった場合、育成就労の継続のために他の受け入れ企業や監理支援機関との連絡調整、職業紹介などの必要な措置を講じなければなりません(育成就労法第8条の4第5項)。この措置を主務省令の基準に従って適切に行うことは、監理支援機関の業務の基準としても定められています(法第39条第3項)。組む相手は、自社から人が移るときの調整も担うという前提で関係を作ることになります。転籍の要件と企業側の備えは育成就労の転籍制度で整理しています。
組む相手を選ぶときに確認すること
聞くべきことは6つあります。 許可を受けた監理支援機関の一覧はこれから公表されるため、現時点では技能実習の監理団体一覧を手がかりに、次の観点で直接確認するのが実務的です。
- 育成就労の許可を申請する方針か、申請時期はいつか — 前述の目安日(2026年9月30日)との関係で、施行直後から監理支援を受けられるかが変わります。
- 自社の分野・地域に対応するか — 育成就労の対象分野と、受け入れ地域での体制。介護・工業製品製造業・自動車整備・物流倉庫・漁業なら、分野ごとの上乗せ条件を満たすかもあわせて確認します。
- 会員・組合員になる必要があるか — 商工会議所・商工会・中小企業団体・農協・漁協が相手の場合、許可申請の時点で会員・組合員である必要があります。加入の手続きと費用を早めに確認します。
- 抱えている企業数・外国人数と常勤役職員の人数 — 法定の下限に対して余裕があるか。
- 監理支援費の料金表と、その内訳の根拠 — 実費に限られ、料金表はインターネットで公表されます(前述)。複数の機関の料金表を並べ、何にいくらかかるかを契約前に確認します。
- 改善命令などの行政処分を受けたことがあるか — 公示で確認できます(前述)。
- 特定技能の登録支援機関の登録も持っているか — 将来の移行で窓口をまとめられるかに関わります。登録簿で名前を確認できます。
比較の進め方や、機関のタイプの見極め方は登録支援機関の選び方で詳しく整理しています(特定技能の登録支援機関を前提にした内容ですが、確認の観点は共通する部分があります)。特定技能の委託料の相場感は登録支援機関の費用相場をご覧ください。
まとめ
監理団体(技能実習)・監理支援機関(育成就労)・登録支援機関(特定技能1号)は、関わる制度が違う別々の窓口です。監理団体と監理支援機関は許可制で非営利法人に限られ、登録支援機関は登録制で営利法人でも担えます。
2027年4月に向けて企業がまず確認したいのは、取引のある監理団体が監理支援機関の許可を申請する方針かどうかです。自動では移行せず、施行日から監理支援を受けるための申請の目安は2026年9月30日と案内されています。あわせて、育成就労計画の認定申請は受け入れ企業自身の手続きで、施行日前申請は2026年9月1日から可能になります。名簿を突き合わせると監理団体の約76%は登録支援機関も兼ねていますが、制度ごとに契約は別で、逆に営利法人の登録支援機関は監理支援機関になれません。
組む相手を選ぶ材料も、法令の側にそろっています。監理支援費は実費に限られ料金表はインターネットで公表され、改善命令などの行政処分は公示されます。相手の説明だけに頼らず、公開情報で確かめられる部分から見ていくのが確実です。
在留資格の申請取次や書類作成は行政書士などの専門家の領域で、いずれの機関の業務とも区別されます。育成就労制度の全体像は育成就労とは、特定技能での採用全体は特定技能採用の完全ガイドをご覧ください。
特定技能での採用について「自社の業種・地域でどう進めればよいか」を相談したい場合は、条件に合う登録支援機関・人材紹介会社を無料でご紹介します(提携先のサービスをご紹介しています)。技能実習の監理団体と、育成就労の監理支援機関は紹介の対象に含みません(監理支援機関は許可制で、許可を受けた機関は2027年4月の施行に向けてこれから公表される段階です)。
よくあるご質問
- 監理団体と登録支援機関は何が違いますか?
- 関わる制度と、国の関与のしかたが違います。監理団体は技能実習で受け入れ企業を監理・支援する機関で、主務大臣の許可を受けた非営利法人(協同組合・商工会など)に限られます。登録支援機関は特定技能1号の支援を企業から受託する機関で、出入国在留管理庁長官の登録を受ければ株式会社などの営利法人でも担えます。技能実習では団体監理型の場合に監理団体を通すことが前提ですが、特定技能では支援を自社で行うこともでき、登録支援機関への委託は選択です。
- いま契約している監理団体は、自動的に監理支援機関になりますか?
- なりません。出入国在留管理庁の育成就労制度Q&Aは「監理団体が監理支援機関として育成就労制度に関わる業務を行うためには、新たに監理支援機関の許可を受ける必要があります」としています。名称が変わるのではなく、あらためて許可を受ける必要があるため、取引のある監理団体が許可を申請する方針かどうかの確認が実務上の出発点になります。
- 監理団体が登録支援機関を兼ねることはできますか?
- 技能実習の監理団体が登録支援機関の登録も受けている例は実際に多くあります。編集部が外国人技能実習機構の監理団体一覧(2026年8月3日現在)と出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿(2026年8月3日現在)を団体名と所在地の都道府県で突き合わせたところ、監理団体3,726団体のうち約76%が登録支援機関としても登録されていました。ただし育成就労の監理支援機関と登録支援機関の兼務について定めた公表資料は確認できていないため、施行後の取り扱いは公式の公表で確認してください。
- 株式会社でも監理支援機関になれますか?
- 原則としてなれません。監理支援機関は本邦の営利を目的としない法人であることが求められ、育成就労法施行規則第44条で商工会議所・商工会・中小企業団体・職業訓練法人・農業協同組合・漁業協同組合・公益社団法人・公益財団法人が列挙されています。これ以外の法人形態の場合は、監理支援事業を行う特別の理由があることと、重要事項の決定および業務の監査を行う適切な機関を置いていることの双方を立証する必要があります。
- 監理支援機関に支払う費用はどう決まりますか?
- 育成就労法第28条は、監理支援機関がいかなる名義でも手数料・報酬を受けることを原則として禁じたうえで、例外として、用途と金額を明示した「監理支援費」だけを徴収できるとしています。その種類は同法施行規則第56条で職業紹介費・講習費・監査指導費・その他諸経費の4つに限定され、いずれも実費を超えない額とされています。運用要領は、実費相当額を記載した監理支援費の料金表をインターネットにより公表しなければならないとしているため、契約前に複数の機関の料金表を見比べることができます。
- 監理団体に払う監理費は、実際にいくらぐらいですか?
- 外国人技能実習機構が監理団体631団体から回答を得た調査(2022年1月24日公表)では、技能実習生1人あたりの平均は、受け入れ時の初期費用が341,402円、技能実習1号の期間の月額が30,551円、2号が29,096円、3号が23,971円、受入れから帰国までに費用の発生ごとに徴収される不定期費用が154,780円でした。同調査は、初期費用と各号の定期費用の年額を合計すると技能実習2号まで(3年間)で約141万円、3号まで(5年間)で約198万円になるとしています(この合計に不定期費用は含みません)。このほか組合系の監理団体では入会費が平均67,625円、年会費が平均93,211円かかります。育成就労の監理支援費の実額は施行前のため公表されていません。
- 育成就労計画の認定申請は、監理支援機関がやってくれますか?
- 育成就労計画を作成して機構へ認定申請するのは受け入れ企業(育成就労実施者)です。監理支援機関の役割は計画の作成の指導であり、企業に代わって申請するものではありません。なお在留資格に関する申請の取次や書類の作成は、行政書士などの専門家の領域です。育成就労制度Q&Aによれば、育成就労計画の認定に係る施行日前申請は2026年(令和8年)9月1日から可能になります。
- 監理支援機関には在留資格の申請も任せられますか?
- 在留資格に関する申請の取次や書類の作成は、行政書士などの専門家の領域です。監理支援機関の役割は受け入れの支援・監理であり、申請の代行とは区別されます。必要に応じて、監理支援機関と行政書士などの専門家が連携して進める形になります。
- 監理支援機関の許可の有効期間は何年ですか?
- 初回の許可は3年です。更新時に、従前の許可の有効期間において改善命令や業務停止命令を受けていない場合は5年になります(育成就労法施行令第2条・同施行規則第58条)。技能実習の監理団体にあった一般監理事業・特定監理事業という2区分は、育成就労の監理支援機関では設けられていません。なお「優良な監理支援機関」の認定制度は別に予定されていますが、外国人技能実習機構は基準の詳細や受付の開始時期を追って知らせる予定としており、2026年7月時点では公表されていません。
出典・参考(一次情報)
- 育成就労制度運用要領 第5章 監理支援機関の許可等/育成就労制度運用要領 第5章 第5節 監理支援費(法第28条・規則第56条)(出入国在留管理庁)
- 育成就労制度の概要(令和7年12月改訂)(出入国在留管理庁)
- 育成就労制度Q&A(Q8 施行日前の認定申請・Q33 監理支援機関の許可・Q39 みなし規定)(出入国在留管理庁)
- 監理支援機関の許可申請に係るよくあるご質問 第3弾(全体版・令和8年7月10日更新/4-2 会員・組合員/4-3 分野ごとの特別な条件/7-3 外部監査人/8-1 監理支援責任者)(外国人技能実習機構)
- 「監理団体の業務の運営に関する規程」のインターネットによる公表をお願いします(令和5年6月1日から義務付け開始)(出入国在留管理庁・外国人技能実習機構)
- 監理団体が実習実施者から徴収する監理費等に関するアンケート調査の結果について(令和4年1月24日)(外国人技能実習機構)