建設で特定技能の外国人を採用するには|要件・試験・JAC・受入計画
目次
建設は人手不足が深刻で、特定技能による外国人材の受け入れが進む代表的な分野です。一方で、建設は特定技能の中でも企業側の手続きが特に多い分野です。建設業の許可に加えて、建設キャリアアップシステムへの登録・建設技能人材機構(JAC)への所属・建設特定技能受入計画の認定という、建設ならではの段取りが必要になります。このページで採用前に押さえるべき要件を整理します。
本記事は一般的な情報提供です。建設分野の要件・対象業務の範囲・受入計画の認定基準は変動するため、最新の内容は出入国在留管理庁および国土交通省の分野別の運用方針・運用要領で必ず確認してください。
建設分野の特定技能はここが特徴
まず、建設分野ならではのポイントを押さえます。
- 特定技能1号・2号の両方がある — 長期就労を前提に2号まで設計されている分野です。1号と2号の違いは特定技能1号と2号の違いで解説しています。
- 建設業の許可が前提 — 受け入れ企業は建設業法第3条の許可を受けていることが必要です。
- 建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録が必要 — 受け入れ企業と、受け入れる特定技能外国人の両方をCCUSに登録します。
- JAC(建設技能人材機構)への所属が必要 — 特定技能外国人受入事業実施法人(JAC)に正会員として加入するか、JACを構成する建設業者団体に所属します。
- 建設特定技能受入計画の認定が必要 — 採用にあたり「建設特定技能受入計画」を作成し、国土交通大臣の認定を受けます。
建設で必要な試験
建設で特定技能外国人を受け入れるには、本人が次のいずれかの要件を満たしている必要があります。
- 技能試験 — 「建設分野特定技能1号評価試験」または「技能検定3級」。
- 日本語試験 — 「日本語能力試験N4以上」または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」。
建設分野の技能実習2号を良好に修了した人は、これらの試験が免除されます。技能実習からの移行は、建設分野でも実務に慣れた人材を受け入れやすいルートです(特定技能・技能実習・育成就労の違い)。
対象となる業務区分
建設分野で従事できる業務は、次の3つの区分に整理されています。
- 土木 — 土木施設の建設・改修・維持・修繕などに関する作業。
- 建築 — 建築物の建設・改修・修繕などに関する作業。
- ライフライン・設備 — 電気・ガス・水道などの設備の設置・変更・修繕などに関する作業。
建設特有の受け入れ手続き
建設分野は、他分野にない受け入れ手続きが企業側に求められます。採用前に次の準備が必要です。
1. 建設業の許可
受け入れ企業は、建設業法第3条の許可を受けている必要があります。
2. 建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録
受け入れ企業と、受け入れる特定技能外国人の双方をCCUSに登録します。技能者の就業履歴や保有資格を業界共通の仕組みで管理するもので、建設分野の特定技能では登録が前提になります。
3. JAC(建設技能人材機構)への所属
一般社団法人 建設技能人材機構(JAC)に正会員として加入するか、JACを構成する建設業者団体(賛助会員)に所属する必要があります。
4. 建設特定技能受入計画の認定
採用にあたり「建設特定技能受入計画」を作成し、国土交通大臣の認定を受けます。この計画では、報酬を安定的に支払うこと(月給制での支払い)など、建設分野ならではの基準を満たすことが認定の条件になります。在留資格の申請前にこの認定が必要になる点に注意してください。採用全体の流れは特定技能の採用の流れで解説しています。
受け入れ人数の上限
建設分野では、受け入れる1号特定技能外国人の数が、その企業の常勤の職員(技能実習生・1号特定技能外国人を除く)の総数を超えないことが求められます。受け入れを計画するときは、自社の常勤職員数を基準に人数を考えます。
費用の目安
建設でも、費用の考え方は「初期費用+月額の支援委託費」が基本ですが、建設分野はCCUS登録・受入計画の認定など固有の手続きがある分、準備の手間とコストを見込んでおく必要があります。
- 初期費用 — 人材紹介手数料(人材紹介手数料の相場)、在留資格の申請費用、渡航費、CCUS登録やJAC関連の費用など。
- 月額 — 登録支援機関への支援委託費(1人あたり月2〜3万円程度)。
総額の内訳と採用ルート別のモデルは特定技能の採用費用・相場で整理しています。
登録支援機関の活用
自社で生活支援の体制を整えるのが難しい場合は、登録支援機関へ委託できます。建設分野は手続きが多いため、CCUS登録や受入計画の認定を含めて支援に慣れた機関を選ぶと安心です。選び方は登録支援機関の選び方、契約前の確認は契約前チェックリストを参考にしてください。採用後の定着の工夫は特定技能外国人の定着支援で解説しています。
まとめ
建設で特定技能の外国人を採用するには、①必要な試験(建設分野特定技能1号評価試験または技能検定3級・日本語N4以上)②建設業の許可③建設キャリアアップシステムへの登録④JACへの所属⑤建設特定技能受入計画の国土交通大臣の認定という、建設ならではの段取りを押さえることが第一歩です。手続きは多いものの、特定技能2号まで道が用意された分野で、長期就労を前提に計画できます。
制度の全体像は特定技能採用の完全ガイド、企業側の受け入れ要件は特定技能で企業に求められる受け入れ要件、対象分野の一覧は特定技能の対象16分野一覧、よくある失敗は特定技能採用でよくある失敗と注意点をご覧ください。
「自社の建設業で特定技能外国人を何人受け入れられるか」「CCUS登録や受入計画の認定をどう進めるか」を相談したい場合は、条件に合う登録支援機関・人材紹介会社を無料でご紹介します(提携先のサービスをご紹介しています)。
よくある質問
- 建設で特定技能の外国人を採用するには何が必要ですか?
- 採用する外国人が、建設分野特定技能1号評価試験(または技能検定3級)に合格し、日本語能力試験N4以上(または国際交流基金日本語基礎テスト)の日本語力を持つことが基本です。建設分野の技能実習2号を良好に修了した人は試験が免除されます。企業側は、建設業の許可に加えて、建設キャリアアップシステムへの登録、建設技能人材機構(JAC)または加盟する建設業者団体への所属、建設特定技能受入計画の国土交通大臣の認定が必要です。
- 建設分野に特定技能2号はありますか?
- あります。建設は特定技能2号の対象分野で、2号は建設分野特定技能2号評価試験(または技能検定1級・単一等級)などが求められます。2号は在留期間を更新の上限なく延長でき、家族の帯同も可能になります。
- 建設で特定技能外国人の受け入れ人数に上限はありますか?
- あります。受け入れる1号特定技能外国人の数は、その企業の常勤の職員(技能実習生と1号特定技能外国人を除く)の総数を超えないことと定められています。