飲食料品製造業で特定技能の外国人を採用するには|要件・試験・2号
目次
「食品工場で特定技能の外国人を受け入れたいが、外食業とどちらに当たるのか」「協議会への加入や2号への移行はどう進めるのか」——飲食料品製造業の受け入れでつまずきやすいのは、この分野固有の要件と、近い分野(外食業)との線引きです。結論から言うと、押さえるべき軸は3つ。①必要な試験(飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験・参照枠A2.2相当以上)②対象業務は飲食料品(酒類を除く)の製造・加工と安全衛生③食品産業特定技能協議会への加入です。受け入れ枠が全分野でも最大級に設定された間口の広い分野で、このページで採用に必要な要件を整理します。
この記事の要点
- 試験+日本語が基本・技能実習からは試験免除 — 飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験と参照枠A2.2相当以上が要件。飲食料品製造業の技能実習2号を良好に修了した人は試験が免除されます。
- 1号・2号の両方がある分野 — 長期就労を前提に2号まで設計され、2号では製造・加工に加えて管理業務も対象になります。
- 外食業と混同しやすい — 同じ食品産業特定技能協議会への加入が必要ですが、製造業=工場での製造・加工、外食業=店舗での調理・接客と、対象業務と試験が分かれています。
本記事は一般的な情報提供です。飲食料品製造業分野の要件・対象業務の範囲は変動するため、最新の内容は出入国在留管理庁および農林水産省の分野別の運用方針で必ず確認してください。
飲食料品製造業の特定技能はここが特徴
まず、飲食料品製造業ならではのポイントを押さえます。
- 特定技能1号・2号の両方がある — 長期就労を前提に2号まで設計されています。2号では製造・加工に加えて管理業務も対象になります。1号と2号の違いは特定技能1号と2号の違いで解説しています。
- 対象業務は「飲食料品の製造・加工・安全衛生」 — ただし酒類は除きます。
- 食品産業特定技能協議会への加入が必要 — 受け入れ企業は協議会の構成員になります。
- 受け入れ枠が大きい — 1号の受け入れ見込数(5年間の最大値)は全分野でも最大級に設定されており、受け入れの間口が広い分野です。
飲食料品製造業で必要な試験
飲食料品製造業で特定技能外国人を受け入れるには、本人が次の要件を満たしている必要があります。
- 技能試験 — 「飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験」。
- 日本語能力水準 — 「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上(国際交流基金日本語基礎テスト〔JFT-Basic〕・日本語能力試験〔JLPT〕で確認)。水準と各試験の対応(公式の換算表はありません)は特定技能の日本語試験で解説しています。
飲食料品製造業の技能実習2号を良好に修了した人は、これらの試験が免除されます。技能実習からの移行は、製造現場に慣れた人材を受け入れやすいルートです(特定技能・技能実習・育成就労の違い)。
試験の仕組み全般(日本語試験・技能試験・免除ルート)と他分野の試験名は特定技能の試験で確認できます。
対象となる業務
飲食料品製造業で従事できるのは、飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、および安全衛生の確保に関わる業務です。食品工場での製造ラインや加工、品質・衛生管理の現場業務に幅広く従事できます。
外食業との違い(混同しやすいポイント)
飲食料品製造業と外食業は、どちらも「食品」に関わる分野で、同じ食品産業特定技能協議会への加入が必要なため混同しがちですが、対象業務が分かれています。
- 飲食料品製造業 — 食品工場などでの製造・加工(酒類を除く)。
- 外食業 — 店舗での飲食物の調理・接客・店舗管理。
自社の業態がどちらに当たるか(工場での製造か、店舗での提供か)で、受ける技能測定試験と対象業務が変わります。判断に迷う場合は、業務の中心がどちらかで考えるとわかりやすくなります。
受け入れ企業に求められる要件
飲食料品製造業で受け入れるには、企業側に次のような条件が求められます。
- 食品産業特定技能協議会への加入 — 受け入れ企業は協議会の構成員になること。
- 所管省庁の調査等への協力 — 農林水産省が行う調査や指導に協力すること。
企業側に共通して求められる受け入れ要件は特定技能で企業に求められる受け入れ要件、採用全体の流れは特定技能の採用の流れで解説しています。
採用ルート
飲食料品製造業で特定技能外国人を採用する主なルートは次のとおりです。
- 試験合格者を採用 — 国内・海外で飲食料品製造業の試験に合格した人材を採用します。
- 飲食料品製造業の技能実習からの移行 — 試験免除でスムーズに移行できます。
- 国内在住者の採用 — すでに日本にいる特定技能外国人を採用すると、渡航費などの初期費用を抑えやすくなります。
費用の目安
飲食料品製造業でも、費用の考え方は他分野と同じく「初期費用+月額の支援委託費」です。
- 初期費用 — 人材紹介手数料(人材紹介手数料の相場)、在留資格の申請費用、渡航費など。
- 月額 — 登録支援機関への支援委託費(1人あたり月2〜3万円程度が目安)。
なお、在留資格の申請書類の作成や申請取次は行政書士などの専門家の領域です。必要に応じて行政書士などの専門家と連携します。総額の内訳と採用ルート別のモデルは特定技能の採用費用・相場で整理しています。
登録支援機関の活用
自社で生活支援の体制を整えるのが難しい場合は、登録支援機関へ委託できます。選び方は登録支援機関の選び方、契約前の確認は契約前チェックリストを参考にしてください。採用後の定着の工夫は特定技能外国人の定着支援で解説しています。
飲食料品製造業で働く特定技能外国人の実像
飲食料品製造業の特定技能1号在留者は93,393人(2025年12月末時点)で、2023年6月末(53,282人)から+75%に増えています。国籍別ではベトナムが59.3%で最多、都道府県別では埼玉県が最も多くなっています。自社の採用計画を立てる際の目安として、国籍・地域・年齢構成の内訳を確認できます。
データで見る:飲食料品製造業で働く特定技能外国人
2025年12月末時点
全国で就労中
93,393人
直近2.5年の伸び
+75%
2025年12月末時点で全国93,393人(2023年6月末の53,282人から+75%)。国籍はベトナムが59.3%で最多、都道府県は埼玉県が7,914人で最多です。
どの国から来ているか
- ベトナム55,372人(59.3%)
- インドネシア19,593人(21%)
- 中国5,614人(6%)
- ミャンマー4,739人(5.1%)
- フィリピン3,769人(4%)
- その他4,306人(4.6%)
直近はインドネシアが急増(2年半で+335%)
どこで働いているか
- 埼玉県7,914人
- 千葉県7,441人
- 愛知県6,035人
- 神奈川県5,061人
- 茨城県5,042人
年齢層
- 18-29歳65.6%
- 30-39歳29.5%
- 40+歳4.9%
男女比
- 男性35.9%
- 女性64.1%
出典:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数」(令和7年12月末)をトモハタが集計。数値はすでに就労している人の分布で、地域の人材供給・採用競合をつかむ目安です。募集のしやすさを保証するものではありません。
分野をまたいだ全体像(全分野の人数・国籍・都道府県の統計)は特定技能の統計データにまとめています。
まとめ
飲食料品製造業で特定技能の外国人を採用するには、①必要な試験(飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験・参照枠A2.2相当以上)②対象業務は飲食料品(酒類を除く)の製造・加工と安全衛生③食品産業特定技能協議会への加入を押さえることが第一歩です。受け入れ枠が大きく間口の広い分野で、技能実習からの移行は試験免除、長期就労は特定技能2号への移行が道筋になります。外食業と混同しやすいので、自社が工場での製造か店舗での提供かを整理してから進めましょう。
制度の全体像は特定技能採用の完全ガイド、対象分野の一覧は特定技能の対象分野一覧、よくある失敗は特定技能採用でよくある失敗と注意点をご覧ください。
「自社の食品工場で特定技能外国人を受け入れられるか」「外食業とどちらに当たるか」を相談したい場合は、条件に合う登録支援機関・人材紹介会社を無料でご紹介します(提携先のサービスをご紹介しています)。
よくあるご質問
- 飲食料品製造業で特定技能の外国人を採用するには何が必要ですか?
- 採用する外国人が、飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験に合格し、「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上の日本語力(国際交流基金日本語基礎テスト〔JFT-Basic〕・日本語能力試験〔JLPT〕で確認)を持つことが基本です。飲食料品製造業の技能実習2号を良好に修了した人は試験が免除されます。企業側は、受け入れ要件を満たし、食品産業特定技能協議会の構成員になる必要があります。
- 飲食料品製造業の特定技能で任せられる仕事は何ですか?
- 飲食料品(酒類を除く)の製造・加工と、安全衛生の確保に関わる業務が対象です。食品工場での製造・加工の現場業務に幅広く従事できます。
- 飲食料品製造業と外食業の特定技能はどう違いますか?
- 飲食料品製造業は食品工場などでの製造・加工が対象で、外食業は店舗での調理・接客・店舗管理が対象です。どちらも食品産業特定技能協議会への加入が必要ですが、対象業務と必要な技能測定試験が分野ごとに分かれています。