外食業で特定技能の外国人を採用するには|要件・試験・2号・費用
目次
外食業で特定技能の外国人を採用するときにまずつまずくのは、「何の試験に受かった人なら採れるのか」「どの仕事まで任せられるのか」という入口です。結論から言うと、外食業は飲食物調理・接客・店舗管理を幅広く任せられる分野で、特定技能2号もあるため長期就労まで見据えられます。受け入れる企業側には食品産業特定技能協議会への加入が求められます。このページで、外食業ならではの要件を順に整理します。
この記事の要点
- 必要な試験は2つの軸 — 本人が外食業特定技能1号技能測定試験に合格し、「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上(JFT-Basic・JLPTで確認)を満たすことが基本。外食業の技能実習2号を良好に修了した人は試験が免除されます。
- 対象業務は店舗運営まで広い — 飲食物調理・接客・店舗管理が対象。近接する飲食料品製造業とは業務範囲が分かれているため、店舗での接客・提供を含むかが分野の分かれ目です。
- 協議会加入と2号の道筋 — 受け入れ企業は食品産業特定技能協議会の構成員になる必要があります。外食業は特定技能2号の対象分野で、長期就労や店舗経営への道があります。
本記事は一般的な情報提供です。外食業分野の要件・対象業務は変動するため、最新の内容は出入国在留管理庁および農林水産省の分野別の運用方針で必ず確認してください。
外食業分野は受け入れ上限に達し、2026年4月13日から新規の受け入れ(在留資格認定証明書の交付など)が一時停止されています。停止の正確な対象・再開の見通し・停止中でも外食業で外国人を採用する方法は外食業の特定技能 受け入れ停止と再開の見通しで解説しています。本記事は外食業で特定技能を採用する制度の基本を整理したものです。
外食業の特定技能はここが特徴
まず、外食業ならではのポイントを押さえます。
- 1号・2号の両方がある — 外食業は特定技能2号の対象分野です。1号で受け入れ、要件を満たせば2号で長期就労、という道筋が描けます。
- 業務範囲が広い — 飲食物の調理、接客、店舗管理と、店舗運営に関わる業務全般が対象です。
- 協議会への加入が必要 — 受け入れ企業は「食品産業特定技能協議会」の構成員になる必要があります。
外食業で必要な試験
外食業で特定技能外国人を受け入れるには、本人が次の要件を満たしている必要があります。
- 外食業特定技能1号技能測定試験 — 外食業の技能を確認する試験。
- 「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上(国際交流基金日本語基礎テスト〔JFT-Basic〕・日本語能力試験〔JLPT〕で確認) — 基本的な日本語力。水準と各試験の対応(公式の換算表はありません)は特定技能の日本語試験で解説しています。
外食業の技能実習2号を良好に修了した人は、これらの試験が免除されます。
分野をまたぐ試験の全体像(日本語試験の要件・免除ルート・分野別の試験名一覧)は特定技能の試験で解説しています。
対象業務
外食業の特定技能1号で従事できるのは、外食業全般(飲食物調理・接客・店舗管理)です。調理だけ、接客だけ、ではなく、店舗運営に関わる幅広い業務を任せられるのが外食業の特徴です。
近い分野(飲食料品製造業)との住み分け
外食業と紛らわしいのが、同じ食品まわりの飲食料品製造業です。どちらの分野で採用するかは、任せたい仕事が「店舗での調理・接客・提供」か「製造・加工」かで分かれます。
- 外食業 — 店舗で飲食物を調理し、客に提供・接客する業務が中心。レストランや食堂など、外食を提供する事業所が対象です。
- 飲食料品製造業 — 食品工場などで飲食料品を製造・加工する業務が中心です。
同じ「食」に関わる仕事でも分野が分かれているため、自社の業務がどちらに当たるかを先に確認します。製造・加工が中心の場合は飲食料品製造業で特定技能を採用するにはを参照してください。
食品産業特定技能協議会への加入
受け入れ企業は、「食品産業特定技能協議会」の構成員になる必要があります(飲食料品製造業と共通の協議会です)。協議会には必要な協力を行う義務があります。加入の手続きや時期は、農林水産省の案内に沿って進めます。加入の期限(在留諸申請の前)や審査期間の目安、全17分野の協議会名・加入企業数は分野別協議会の一覧で確認できます。
外食業は特定技能2号がある
外食業は特定技能2号の対象分野です。2号では、1号の業務(飲食物調理・接客・店舗管理)に加えて店舗経営も対象になります。
- 要件:外食業特定技能2号評価試験+「日本語教育の参照枠」のB1相当以上+実務経験など。運用方針のB1相当以上は、日本語能力試験でいうN3にあたります。⚠️ 2号で日本語試験の確認が求められるのは、現時点では外食業と漁業だけです(他分野は2027年4月1日施行予定の省令で扱いが変わる見込み)。
- 在留期間を更新の上限なく延長でき、家族の帯同も可能になります。
1号と2号の違いの全体像は特定技能1号・2号の違いで解説しています。
採用ルートと費用
外食業でも、費用の考え方は他分野と同じく「初期費用+月額の支援委託費」です。
- 初期費用 — 人材紹介手数料(人材紹介手数料の相場)、在留資格の申請費用、渡航費など。
- 月額 — 登録支援機関への支援委託費(1人あたり月2〜3万円程度が目安)。
採用の進め方は特定技能の採用の流れ、費用の内訳は特定技能の採用費用・相場、企業側の受け入れ要件は特定技能で企業に求められる受け入れ要件で解説しています。なお、在留資格の申請書類の作成や申請取次は行政書士などの専門家の領域です。必要に応じて行政書士などの専門家と連携します。
登録支援機関の活用と定着
外食業の現場でも、生活支援は欠かせません。自社で支援体制を整えるのが難しい場合は、登録支援機関へ委託できます。自社支援と委託の比較は特定技能は自社支援?登録支援機関に委託?、選び方は登録支援機関の選び方、契約前の確認は契約前チェックリスト、採用後の定着の工夫は特定技能外国人の定着支援を参考にしてください。
外食業で働く特定技能外国人の実像
外食業の特定技能1号在留者は43,869人(2025年12月末時点)で、2023年6月末(8,842人)から+396%(約5倍)に増えています。国籍別ではミャンマーが34.1%で最多、都道府県別では東京都が最も多くなっています。自社の採用計画を立てる際の目安として、国籍・地域・年齢構成の内訳を確認できます。
データで見る:外食業で働く特定技能外国人
2025年12月末時点
全国で就労中
43,869人
直近2.5年の伸び
+396%
2025年12月末時点で全国43,869人(2023年6月末の8,842人から+396%)。国籍はミャンマーが34.1%で最多、都道府県は東京都が9,328人で最多です。
どの国から来ているか
- ミャンマー14,966人(34.1%)
- ベトナム13,623人(31.1%)
- ネパール4,135人(9.4%)
- インドネシア3,521人(8%)
- 中国2,683人(6.1%)
- その他4,941人(11.3%)
直近はミャンマーが急増(2年半で+1675%)
どこで働いているか
- 東京都9,328人
- 大阪府4,527人
- 神奈川県3,903人
- 愛知県3,268人
- 埼玉県2,673人
年齢層
- 18-29歳77.9%
- 30-39歳19.6%
- 40+歳2.6%
男女比
- 男性44.3%
- 女性55.7%
出典:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数」(令和7年12月末)をトモハタが集計。数値はすでに就労している人の分布で、地域の人材供給・採用競合をつかむ目安です。募集のしやすさを保証するものではありません。
分野をまたいだ全体像(全分野の人数・国籍・都道府県の統計)は特定技能の統計データにまとめています。
まとめ
外食業で特定技能の外国人を採用するには、①外食業特定技能1号技能測定試験と日本語要件 ②飲食物調理・接客・店舗管理という幅広い対象業務 ③食品産業特定技能協議会への加入を押さえることが第一歩です。製造・加工が中心なら飲食料品製造業の分野になる点に注意します。外食業は特定技能2号があり、長期就労や店舗経営への道もあります。
制度の全体像は特定技能採用の完全ガイド、対象分野の一覧は特定技能の対象分野一覧をご覧ください。
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よくあるご質問
- コンビニエンスストアで特定技能外国人を雇えますか?
- 外食業分野の対象事業所は、運用要領で①客の注文に応じ調理した飲食物をその場で飲食させる飲食店等 ②持ち帰り飲食サービス業 ③配達飲食サービス業 ④ケータリング・給食事業所、の4類型に限定されています。一般的な物販中心のコンビニエンスストアはこの4類型に含まれないと解されますが、店内調理・イートインコーナーの扱いなど個別の判断が必要なケースもあるため、該当するかどうかは食品産業特定技能協議会の所管窓口(農林水産省)や出入国在留管理庁の分野別情報で確認してください。
- 外食業で特定技能の外国人を採用するには何が必要ですか?
- 採用する外国人が、外食業特定技能1号技能測定試験に合格し、「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上の日本語力(国際交流基金日本語基礎テスト〔JFT-Basic〕・日本語能力試験〔JLPT〕で確認)を持つことが基本です。外食業の技能実習2号を良好に修了した人は試験が免除されます。企業側は、受け入れ要件を満たし、食品産業特定技能協議会の構成員になる必要があります。
- 外食業の特定技能で任せられる仕事は何ですか?
- 外食業全般で、飲食物の調理、接客、店舗管理が対象業務です。特定の作業だけでなく、店舗運営に関わる幅広い業務に従事できます。飲食料品製造業とは対象業務が分かれているため、店舗での接客・提供を含むかどうかが分野選びの分かれ目になります。
- 外食業に特定技能2号はありますか?
- あります。外食業は特定技能2号の対象分野で、2号では飲食物調理・接客・店舗管理に加えて店舗経営も対象になります。2号は外食業特定技能2号評価試験と「日本語教育の参照枠」のB1相当以上、実務経験などが求められ、在留期間を更新の上限なく延長できます。