登録支援機関の選び方|候補は何社?登録簿データで絞る比較ポイント7つ
目次
登録支援機関は全国に11,579機関(2026年8月31日現在の登録簿を当サイトで集計)。数だけ見ると「選び放題」ですが、採用する人材の母国語に対応でき、自社の地域をカバーする機関に絞ると候補は一気に減ります。しかも登録されていること自体は支援の質を保証しません。比較せず最初の1社に決めると、「採用後に母国語で相談できない」「想定外の費用が積み上がった」という失敗が起きやすくなります。
先に一点。支援は必ず委託するものではありません。母国語で相談を受けられる担当者を置き、支援の記録を継続できるなら自社支援も選べます(判断は自社支援か登録支援機関への委託か)。以下は委託すると決めた企業向けです。
選び方は ①候補プールの実数を知る → ②タイプで見当をつける → ③7つのポイントで同じ物差しで比べる → ④段取り(いつ・何社)を決め、契約前に注意サインを確かめる の順に進めます。本ページは登録簿の全件集計と出入国在留管理庁の公的データで、この4ステップを具体的な数字にします。あわせて、2027年4月に施行される新しい登録基準を「いま選ぶ物差し」へ先取りする方法も扱います。
この記事の要点
- 「登録されている」は品質の保証ではない — 過去1年間に支援した外国人が「0人」の機関が25.4%(令和4年7月の意識調査)、平成31年以降4年分の公表累計で登録を取り消された機関は14機関(同期間の実地調査は15件=別系統の集計)。行政のふるいは事後的かつ少数で、実質的な選別は企業側の確認になります。
- 候補は思うより少ない — 対応言語が1〜2言語のみの機関が46.6%、複数の事務所を持つ機関は5.1%(いずれも2026年8月31日の登録簿を当サイト集計)。「自社の県に事務所があり母国語に対応できる機関」は、組み合わせによっては2〜10機関です(都道府県×母国語の一覧)。
- 費用は「月額に含まれる範囲」と内訳で — 委託料の月額平均は28,386円(約9割が3万円以下)。含む範囲は機関ごとに違うため参考様式の費目ごとに内訳を書面でもらいましょう。
- 2027年4月の新しい登録基準は「次の登録更新」から効く — 施行日に全機関が新基準でふるい直されるわけではありません(既存の登録は満了日まで従前の基準)。常勤配置・支援担当者数の下限などの新基準は、今日の商談の物差しに先取りして使います(後述)。
本記事は一般的な情報提供です。各機関の登録状況・費用・対応範囲は変動するため、契約前に必ず最新の情報と契約書面で確認してください。
そもそも登録支援機関とは
登録支援機関は、特定技能1号で企業に義務づけられた支援を委託されて実施する、出入国在留管理庁の登録を受けた機関です。[1]支援計画の実施は全部または一部を委託でき、全部を委託すれば受け入れ企業は支援体制の基準を満たすものとみなされます(計画の作成そのものは受け入れ企業に残ります)(役割と委託範囲の基本は登録支援機関とは)。ただしこの「みなし」は手続き上の話で、支援の質を国が保証するものではありません。登録制度自体が質を選抜しないためです。
「登録されている」は品質の保証ではない
登録は、出入国在留管理庁が定める13の「登録拒否事由」に当たらなければ法人でも個人でも認められる仕組みで、質や実績を審査して選抜する制度ではありません(拒否事由の中身は登録支援機関とは)。次の3つの公的データが、「登録されている=実績があり信頼できる」とは言えないことを示します。[2][3]
| 公的データが示す登録支援機関の実像 | 数値 | 時点 |
|---|---|---|
| 過去1年間に支援した外国人が「0人」の機関 | 25.4%(人数の帯では「10人以下」が最多の37.3%) | 令和4年7月の意識調査 |
| 登録機関のうち、受け入れ企業と支援委託契約を結んでいる機関 | 8,137機関中4,069機関(50%) | 令和5年4月末時点 |
| 登録支援機関への実地調査/登録の取消し | 実地調査15件/登録の取消し14機関(別系統の集計=件数どうしの対応関係はありません) | 平成31年以降4年分の公表累計(実地調査は暦年・取消しは年度) |
委託は主流で、同じ意識調査では受入れ機関の84.4%(221社)が登録支援機関を利用していました。それでも当時の登録機関の半数は支援委託契約を1件も結んでおらず(令和5年4月末の実測=現在の割合は公表されていません。読み方の注意は統計データ)、行政の事後チェックも、公表されている範囲では上表のとおりごく少数です。裏を返せば「行政処分を受けていない」はほぼ全機関に当てはまり、それ自体は比較の材料になりません。実質的な選別は企業側の確認で行う——これが、複数社を同じ項目で見比べる理由です。
目の前の1社が「支援実績のほとんどない側」かは、実績を数字で聞く(比較ポイント2)ほかに、支援がサービスとして組み立てられているかを見ると分かります。①事前ガイダンスから定期面談までの標準的な実施メニューと年間スケジュール、②実際に使っている面談記録・支援実施記録の書式(内容は伏せた見本で可)、③トラブル時のエスカレーションの流れ——この3点を見せてもらいます。日常的に支援を回していれば既にある資料で、用意がない・口頭の説明だけなら、体制が実働していない可能性があります。
取消しに至った事由の上位は、技能実習制度における不正行為(4件)、出入国・労働関係法令による罰金刑(4件)、保証金契約等・支援業務の不履行(2件)でした。
候補は何社ある?地域×母国語で見る「候補プール」
「2〜3社を比較しましょう」は候補があってはじめて成り立ちます。ところが自社の地域と採用する人材の母国語で絞ると、候補は想像よりかなり少なくなります。出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿(2026年8月31日現在)を当サイトで全件集計したところ、全国11,579機関のうち、
- 対応言語が1〜2言語のみの機関が46.6%
- ミャンマー語に対応する機関は26.6%、タガログ語は15.7%(ベトナム語は63.3%)
- 複数の事務所を持つ機関は5.1%(残りは事務所が1か所)
でした。言語と地域を重ねると、候補は次の表のように絞り込まれます。自社の行でそもそも何社を比較できるのかを確認してください(数え方は表の下の注記)。
| 都道府県 | 事務所のある機関数 | ベトナム語 | インドネシア語 | ミャンマー語 | タガログ語 | 中国語 | ネパール語 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 329 | 193 | 168 | 119 | 45 | 139 | 78 |
| 青森県 | 41 | 29 | 19 | 12 | 5 | 16 | 2 |
| 岩手県 | 52 | 29 | 27 | 21 | 15 | 26 | 15 |
| 宮城県 | 118 | 79 | 63 | 49 | 13 | 39 | 46 |
| 秋田県 | 31 | 17 | 14 | 7 | 3 | 8 | 3 |
| 山形県 | 42 | 29 | 17 | 17 | 3 | 19 | 6 |
| 福島県 | 97 | 66 | 31 | 29 | 19 | 28 | 26 |
| 茨城県 | 306 | 179 | 157 | 68 | 44 | 129 | 38 |
| 栃木県 | 157 | 114 | 65 | 47 | 28 | 61 | 47 |
| 群馬県 | 240 | 161 | 117 | 62 | 48 | 86 | 76 |
| 埼玉県 | 499 | 316 | 180 | 113 | 78 | 215 | 101 |
| 千葉県 | 567 | 360 | 237 | 133 | 94 | 254 | 115 |
| 東京都 | 2,428 | 1,391 | 874 | 765 | 323 | 1,133 | 604 |
| 神奈川県 | 464 | 268 | 177 | 107 | 59 | 153 | 81 |
| 新潟県 | 74 | 41 | 29 | 21 | 13 | 32 | 17 |
| 富山県 | 101 | 71 | 49 | 29 | 24 | 56 | 12 |
| 石川県 | 80 | 61 | 37 | 35 | 14 | 39 | 14 |
| 福井県 | 69 | 50 | 30 | 20 | 10 | 35 | 10 |
| 山梨県 | 62 | 45 | 29 | 22 | 17 | 22 | 14 |
| 長野県 | 172 | 128 | 88 | 53 | 29 | 79 | 35 |
| 岐阜県 | 274 | 176 | 96 | 79 | 64 | 132 | 43 |
| 静岡県 | 360 | 242 | 175 | 82 | 78 | 102 | 49 |
| 愛知県 | 1,195 | 822 | 480 | 264 | 261 | 411 | 217 |
| 三重県 | 200 | 135 | 93 | 59 | 32 | 79 | 26 |
| 滋賀県 | 127 | 80 | 50 | 27 | 26 | 40 | 19 |
| 京都府 | 161 | 84 | 58 | 27 | 23 | 54 | 29 |
| 大阪府 | 1,117 | 754 | 386 | 316 | 137 | 459 | 197 |
| 兵庫県 | 440 | 299 | 157 | 127 | 37 | 147 | 87 |
| 奈良県 | 94 | 58 | 23 | 34 | 12 | 40 | 11 |
| 和歌山県 | 39 | 28 | 18 | 14 | 8 | 15 | 3 |
| 鳥取県 | 27 | 13 | 9 | 9 | 2 | 9 | 4 |
| 島根県 | 21 | 17 | 9 | 11 | 7 | 9 | 3 |
| 岡山県 | 209 | 167 | 97 | 76 | 34 | 77 | 37 |
| 広島県 | 358 | 259 | 167 | 85 | 97 | 178 | 32 |
| 山口県 | 95 | 66 | 40 | 25 | 20 | 33 | 16 |
| 徳島県 | 68 | 51 | 30 | 20 | 6 | 42 | 11 |
| 香川県 | 122 | 79 | 72 | 36 | 22 | 46 | 6 |
| 愛媛県 | 115 | 75 | 50 | 21 | 26 | 44 | 11 |
| 高知県 | 52 | 31 | 30 | 9 | 6 | 10 | 3 |
| 福岡県 | 623 | 445 | 246 | 210 | 102 | 231 | 178 |
| 佐賀県 | 37 | 22 | 19 | 14 | 11 | 7 | 14 |
| 長崎県 | 78 | 50 | 37 | 25 | 26 | 18 | 16 |
| 熊本県 | 158 | 109 | 85 | 50 | 45 | 72 | 39 |
| 大分県 | 106 | 58 | 40 | 33 | 22 | 30 | 15 |
| 宮崎県 | 59 | 34 | 30 | 8 | 13 | 14 | 11 |
| 鹿児島県 | 88 | 65 | 56 | 35 | 21 | 30 | 12 |
| 沖縄県 | 129 | 69 | 49 | 26 | 22 | 32 | 37 |
上の表は、出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿(2026年8月31日現在)を当サイトで集計したものです。登録簿の「支援を行う事務所」欄(本店+追加の事務所)の所在地で数え、同じ県に複数の事務所を持つ機関は1機関としています。対応言語は「対応可能言語」欄の集計(表記ゆれは代表表記に統合)。47都道府県を縦に足すと全国総数を上回りますが、複数の県に事務所を置く機関が県ごとに数えられるためで、重複を除いた実数が11,579機関です。事務所がない県の企業に遠隔で対応する機関もあるため、この数字は「その県に拠点がある機関の数」であって、委託できる機関の上限ではありません。登録簿は随時更新されます(全国の分布・推移は登録支援機関の統計データ。集計時点の違いで総数がずれることがあります)。
表にない言語(タイ語・クメール語・モンゴル語など)で採用する場合も、数え方は同じです——登録簿を「支援を行う事務所」の県と対応可能言語で絞れば、自社の行を自分で作れます(言語別の全国機関数は登録支援機関の統計データでCSVを公開しています)。
この表から読み取れる、選び方への影響は次の3点です。
- 「地元の機関だけ」で探すと比較にならない地域がある — 秋田県にネパール語対応の事務所を置く機関は3機関、宮崎県でミャンマー語なら8機関です。
- 「近くに事務所があること」を条件にすると候補が激減する — 複数の事務所を持つ機関は5.1%です(運用要領上、定期面談は本人と監督者の同意があればオンライン可。ただし受入れ後の初回と、面談担当者が変わった後の初回の対面と、オンラインを使う場合も年1回以上の対面が望まれるとされています)。[4]
- 希望言語が少数派なら、言語を最優先の絞り込み条件にする — タガログ語対応は全国で15.7%。候補が少ない条件から先に絞ると堂々巡りを避けられます。
遠隔対応の機関を候補に入れるなら、面談を訪問とオンラインのどちらで行うか・緊急時に誰がどれくらいの時間で動けるかを、最初の問い合わせで確認しておきましょう。なお「どの機関が自県に遠隔対応してくれるか」は登録簿からは読めません=候補を広げるときは、複数の事務所を持つ機関や近隣の大都市圏の機関を対象に足し、対応可否は問い合わせで直接確かめる形になります(連絡先は登録簿の電話番号欄か、機関名の検索で得られます)。
登録簿から自社の候補リストを作る
「自社の県に何社あるか」が分かったら、機関名は登録簿(Excel)から絞り込めます。無料で、誰でも同じ手順です。Excel の操作をせずに眺めたい場合は、同じ登録簿データを支援事務所の所在地・対応可能言語で絞り込める都道府県別の登録支援機関一覧(登録簿データ)を当サイトでも公開しています。
登録簿(Excel)をダウンロードする
出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿のページから Excel ファイルを開きます(随時更新)。1行が1機関で、登録番号・登録年月日・名称・住所・支援を行う事務所・対応可能言語などの列があります。
「支援を行う事務所」の所在地で地域を絞る
本店の住所ではなく支援を行う事務所の所在地の列を都道府県名でフィルタします(本店が他県でも近くに事務所がある機関を拾えます)。
「対応可能言語」で母国語を含む機関に絞る
対応可能言語の列を母国語で絞ります(「フィリピン語」と「タガログ語」のような表記ゆれがあるため別表記も検索)。候補が数機関しか残らないなら、地域の条件をゆるめて広域対応の機関を足します。
登録簿から読める手がかりで、問い合わせる順番をつける
ほとんどの県では候補が10機関を超えます(都市部では数百)。登録簿の列から読める代理指標で問い合わせる順番をつけ、上位から2〜3社に声をかけて回答が揃わなければ次へ進む、と考えると手が止まりません。都市部では所在地(市区)で先に絞るのも有効です。順番づけの指標は次の4つ。①登録年月日(=運営年数。5年刻みで数えると、次の登録更新=2027年の新基準の審査を受ける時期の見当もつきます)、②支援を行う事務所の数(現場に近い拠点があるか)、③支援業務の内容及びその実施方法の欄で「任意的な支援内容あり」に届け出ているか(13.7%)、④備考欄——「支援業務の休止の届出」の記録がある機関は、いま支援を受託していない可能性が高いため後回しにできます(気になる機関なら現況を直接確認)。いずれも質の証明ではなく、話を聞く順番を決める手がかりです。あわせて、同業他社に委託先を聞ける関係があれば、その紹介も候補集めの経路になります——紹介で来た候補も、この後の確認表と同じ物差しに載せてください。
残った機関を、比較ポイント7つで問い合わせる
登録簿に支援の質・費用は載っていないため、候補集めまでは登録簿で機械的にでき、そこから先は問い合わせでしか分かりません。[5]何社にどの順で聞くかと質問文は、後述の「いつ・何社を比較する?」節にあります。
候補集めで「登録支援機関 おすすめ」「ランキング」型の比較記事を参考にする場合は、掲載順が広告掲載の仕組みで決まっている場合があることを前提に、PR・広告の表示、評価基準の開示、記事の更新日を確かめてください。本ページがランキングを載せないのは、順位づけの根拠になる公的な質のデータが存在しないためです(前掲のとおり、実質的な選別は自社の確認で行うことになります)。
まず「どのタイプの機関か」で見当をつける
タイプの見当は自社の状況から逆に引くのが早道です。次の表で当たりをつけてから細部を確かめると、候補を絞りやすくなります。
| 自社の状況 | 見当をつけやすいタイプ | そのタイプで特に確認すること |
|---|---|---|
| 採用そのものから任せたい | 人材紹介・人材派遣が母体の会社 | 有料職業紹介事業の許可の有無(許可は厚生労働省「人材サービス総合サイト」で機関名から確認できます)・紹介される人材の日本語レベルの選考基準・紹介手数料と支援委託料を合算した総額(人材紹介手数料の相場)。⚠️建設分野は民間の職業紹介が使えないため「採用ごと任せる」使い方はできません(支援のみの委託は可=建設の採用費用) |
| 採用したい人材の当てがある(技能実習からの移行など) | 支援に特化した会社・士業系 | 紹介を伴わない「支援のみの委託」を受けてくれるか |
| 同業種の受け入れが多い地域にある | 協同組合 | 組合員になる必要があるか・組合費など支援委託料以外の負担 |
| 在留手続きの正確さを最優先したい | 行政書士など士業が母体 | 支援業務の費用と行政書士業務の費用が分けて示されるか |
なお、人材紹介会社から登録支援機関をセットで提示されている場合も、支援委託契約は紹介とは別の契約です。提示された機関をそのまま受けるかは、後述の確認表の物差しに載せてから決められますし、支援だけ別の機関へ頼む形も比較に含められます(紹介側との契約条件は見積もりで確認)。
見当をつけたタイプは、①登記上の法人格と②何を売っている会社かの2軸で確かめます。
軸①:登記上の法人格
出入国在留管理庁の資料では、類型は会社(株式会社・合同会社など)が最多で、中小企業事業協同組合が続きます(行政書士・社会保険労務士など個人の士業も一定数を占めます)。
- 会社(株式会社・合同会社等)54.4%
- 中小企業事業協同組合26.2%
- その他8.7%
- 行政書士(個人)6.9%
- 一般社団法人2.6%
- 社会保険労務士(個人)1.1%
上の割合は同庁ホームページを出典とする令和4年12月末現在の速報値です。[3]個人の機関は複数の類型に該当しうるため、内訳の件数を足し上げても登録の総数とは一致しません。登録支援機関の統計データの内訳と割合が違うのは時点と分類方法が違うため(統計データは最新の登録簿の機関名からの機械分類)。法人格から読み取れるのは、主に組合員になる必要があるかと資格の所在です(以下は一般的な傾向)。
- 協同組合が母体/人材紹介・人材派遣の会社が母体 — 前者は特定の業界・地域に密着し同業種の受け入れに慣れている場合があり、後者は人材紹介も受けるなら職業安定法上の有料職業紹介事業の許可が必要です(確認点は上の表のとおり)。
- 行政書士など士業が母体 — 在留資格まわりの手続きに強く、書類作成や申請取次を行政書士の資格の範囲で担える体制があるのが特長です(登録支援機関としての義務的支援と、行政書士としての業務は別のものです)。この資格の所在は、2026年1月1日施行の改正行政書士法で無資格者の報酬を得た書類作成が「いかなる名目によるかを問わず」できないと明文化され、重みを増しました(詳細は後述のサイン)。[6]
軸②:何を売っている会社か
実務でより効くのはその機関が何で収益を上げているかです。同じ「協同組合」でも、技能実習の監理団体として長く運用してきた組織と特定技能から始めた組織では慣れている場面が違います。サービス設計で分けると次の型になります。
- 人材紹介併設型(採用の入口を売る) — 紹介・派遣が本業で、支援を後工程として提供する型。収益の中心が紹介手数料なら、支援の体制は別に確認が必要です。海外の送り出し機関の系列(日本法人など)もこれに近く、現地の採用力と母国語対応に強い一方、日本での生活支援を誰が担うかは個別に確認します。
- 生活・定着支援特化型(支援の実施を売る) — 面談・相談対応・同行など支援の実施そのものを商品にする型。技能実習の監理団体から支援も手がけるようになった組織は受け入れ実務に慣れる一方、特定技能は本人の意思による転職が可能で支援の位置づけも異なるため、制度の違いを踏まえた説明ができるか確認します。技能実習で付き合いのある監理団体が登録支援機関としても登録簿に載っていれば、そのまま特定技能の委託先の候補になります(2027年4月の育成就労で監理を担うのは、別に許可を受けた監理支援機関=監理団体・監理支援機関・登録支援機関の違い)。
- 士業型(手続きの正確さを売る) — 行政書士などの事務所が母体。在留手続きの精度が高い一方、生活支援の実働(同行・面談)の担当を確認します。
- 自社グループ内型 — 受け入れ企業のグループ会社が登録している形。業種に精通する一方、対応分野や地域が限られがちです。人材の紹介まで行うか・グループ外からの委託を受けるかは機関ごとに違うため、頼める範囲を最初に確認します。
型に優劣はありません。確かめたいのは、自社が任せたい部分がその機関の売り物と重なっているかです(質問文は後述の確認表)。
比較ポイント7つ
①対応言語 ②対応分野・支援実績 ③費用の透明性 ④支援の実施体制 ⑤登録の有効性 ⑥委託範囲(全部委託か一部か) ⑦コミュニケーション・相談のしやすさ——の7つです。ランキングではなく自社で確認すべき項目で、そのまま使える質問文はこの後の「確認表」に一覧でまとめています。
1. 対応言語
採用する人材の母国語で支援できるかは最重要の確認点です。事前ガイダンスや生活オリエンテーション、相談・苦情対応は外国人材が十分に理解できる言語で行う必要があり、その体制がないことは登録が拒否・取り消される事由にも当たります。
一段深く確認したいのは、その言語を「誰が」担当するのかです。登録簿の対応可能言語欄は自己申告で、対応言語が1〜2言語のみの機関が46.6%を占めます。社内に常時いるスタッフか、外部の通訳への都度依頼か、日常は翻訳アプリで済ませているのかで、深夜・休日のトラブル時の実効性は変わります。実効性を契約前に測る簡単な方法は、最初の問い合わせ自体を試験に使うことです——「◯◯語で簡単な質問をお送りしてよいですか」と頼み、返答までの時間と質を見れば、看板どおりの体制かはかなり分かります。複数の国籍を同時に(または今後)採る予定なら、言語ごとに候補プールを引き直し、1機関で全言語を賄うか・国ごとに委託先を分けるかもこの段階で決めておきます。担当が固定制か毎回変わるかも、あわせて聞いておくと契約後の窓口の安定が読めます。運用要領は、通訳の確保が困難な場合に応急的に翻訳機・翻訳アプリを使うことは差し支えないとしつつ、詳細な聞き取りは通訳を確保したうえで行うことを求めています。[4]担当者の所属と人数、翻訳アプリを使う場面まで踏み込んで尋ねましょう。あわせて礼拝・食事(ハラールなど)・祝祭日といった国籍や宗教にかかわる配慮をこれまでどう扱ってきたかも聞くと、生活支援の実像が見えます(特定技能外国人の定着支援)。
2. 対応分野・支援実績
自社の分野(介護・建設・外食など)での支援経験があると、現場で起きやすい相談に慣れています。前述のとおり登録は「実績」を意味しません(過去1年間の支援人数の帯は「10人以下」が最多の37.3%・「0人」だけで25.4%)。[3]聞き取った人数はこの分布に置くと読めます——「直近1年で二桁」を答えられる機関は、それだけで分布の上位側です。
「同じ分野の経験」が効くのは、分野ごとに支援以外の手続き・現場事情が違うためです。建設ではCCUS(建設キャリアアップシステム)への登録や建設特定技能受入計画の認定が絡み(建設で特定技能の外国人を採用するには)、介護では協議会への入会や訪問系サービスの扱いが問題になります(介護の登録支援機関への委託)。手続きの一部は委託しても受入企業の名義と責任に残るため、分野が違うと「どこまで頼めるか」の線が変わります。宿泊・外食のように接客の日本語が中心の分野では、入職後の日本語支援の比重も変わります。また分野別協議会は受け入れ企業(特定技能所属機関)の加入が義務ですが、一部の分野では登録支援機関の側にも加入や要件があります。出入国在留管理庁・厚生労働省の資料で確認できるのは、自動車運送業(登録支援機関163社が加入・令和7年7月31日時点)、鉄道(所属機関と登録支援機関がそれぞれ加入手続き)、自動車整備(登録支援機関は自動車整備士資格等を有する者の在籍が加入条件)。[7]外食業・飲食料品製造業も、農林水産省の食品産業特定技能協議会が、これらの分野で受入れ機関を支援する登録支援機関に構成員となることを求めています。[8]該当分野なら機関側の加入状況も確認します。
「実績がありますか」ではなく同じ分野・直近1年・支援した人数を名指しで聞くと、経験の有無がはっきりします。あわせて定着率や離職率を数字で示してもらうと質を判断しやすくなります。海外から呼び寄せる予定なら現地の送り出し機関や海外拠点とのつながりも確認点です(入国前の手続き・渡航・住居の準備まで一続きで動けるかが変わります。あわせて、見積もりが送り出し機関を経由する前提か直接採用の前提かで費用構造が変わるため、どちらの前提かを揃えて比較します)。特定技能2号がある分野で長期の就労を見込むなら、2号への移行を支援した経験も聞いておくと、5年より先を任せられるかの判断材料になります(2号の要件は特定技能1号と2号の違い)。
なお2027年4月には支援の委託先が登録支援機関に限定され、登録の基準も引き上げられます(新基準の中身と効き始める時期は後述、母数への影響は統計データ)。
3. 費用の透明性
月額の支援委託費に何が含まれ、何が別料金かを確認します。出入国在留管理庁の集計では、特定技能外国人1人あたりの支援委託料(月額)の平均は28,386円・約9割が30,000円以下で、ボリュームゾーンは15,000円超〜25,000円以下(合わせて51.5%)です。[3]受け取った見積もりがここから大きく外れていたら、安いほうなら「月額に含まれない支援がある」、高いほうなら「任意的支援や他のサービスが含まれる」可能性があります。良し悪しではなく、委託範囲の違いを確認する合図として使ってください(金額帯別の分布と年額の目安は登録支援機関の費用相場)。
月額に含まれる範囲は機関ごとに異なります。事前ガイダンスや空港送迎を別の初期費用とする機関もあり、人材紹介を併せて受ければ紹介手数料もかかります。比較は月額 × 想定期間 + 初期費用 + 紹介手数料の総額で(内訳は登録支援機関の費用相場、紹介手数料は人材紹介手数料の相場、採用全体は特定技能の採用費用・相場)。複数名の受け入れや増員の予定があるなら、人数で単価が下がる設計かも見積もり段階で確認します(人数逓減の実例は登録支援機関の費用相場)。また、国内に在留中の人材(転職者)を採用する場合は出入国時の送迎など発生しない支援があり、月額・初期費用の構成が変わります=見積もりの前提(海外からの呼び寄せか国内採用か)を揃えて比較してください。
内訳は費目ごとの金額を書面で出してもらうのが有効です。登録支援機関の登録申請では、出入国在留管理庁の様式「支援委託手数料に係る説明書」(参考様式第2-8号)で、義務的支援の費目ごとに月額と徴収時期(随時/定期)を記載し合計を示す仕組みです。[9]同じ粒度で見積もりをもらえば、機関ごとの違いが並べて見えます(費目10項目の一覧と、月額に含むか別枠かの扱いが分かれやすい費目の見方は登録支援機関の費用相場)。
この様式は「予定費用」で実際の契約額と一致する必要はありませんが、登録支援機関は受け入れ企業に支援に要する費用の額とその内訳を示す必要があります。逆に言えば、内訳を示さない機関や、費用を外国人本人に負担させる機関は、登録が拒否・取り消される事由に当たります。
4. 支援の実施体制
登録支援機関には支援責任者・支援担当者の選任が求められ(兼任は可能)、選任がないことは登録の拒否・取り消し事由です。相談や面談を誰が担うのか、担当者数、対応できる地理的範囲を確認します。多くの機関は1か所から広域をカバーするため、緊急時は「連絡先を教えてもらう」だけでは足りません。「夜間・休日に連絡がつくのは誰か」「現場へ人が向かえる距離に拠点があるか、無ければどう対応するのか」まで確認します。
体制の話は抽象的になりがちですが、義務的支援には公的な頻度・時間の基準があります。見積書や提案書がこれを下回っていないかは、その場で照合できます。[4]
| 支援 | 公的に定められた頻度・時間の基準 |
|---|---|
| 相談・苦情への対応 | 1週間当たり、勤務日に3日以上・休日に1日以上の対応体制 |
| 定期的な面談 | 支援責任者等が3か月に1回以上、本人・上司と実施 |
| 事前ガイダンス | 標準3時間程度(短縮する場合でも1時間に満たなければ適切に実施したとはいえない)。実施は対面またはテレビ電話等=文書の郵送・メール送信のみは不可 |
| 生活オリエンテーション | 少なくとも8時間以上(技能実習2号良好修了者・留学生などを同じ機関で引き続き雇用し生活環境に変化がない場合でも、4時間に満たなければ適切に実施したとはいえない) |
この表は相見積もりの突合にも使えます。A社は「月額に込み」、B社は「別料金」と食い違ったとき、上の基準を費目に当てれば、どちらが同じ線を満たした差かが分かります。
担当者の人数を聞くときは、その担当者が何人の外国人材を見ているかまで確認すると負荷が見えます。返ってきた数字は上の頻度基準に当てはめれば読めます。定期面談は3か月に1回以上=1人につき年4回なので、担当が30人なら定期面談だけで月10回。そこに随時の相談対応(勤務日3日以上・休日1日以上)、記録の作成、緊急対応が乗ります。
そして2027年4月1日施行の改正省令(法務省令第45号)で、この人数に下限が入ります——事務所ごとに1名以上、かつ支援する特定技能外国人の数÷50と、委託元の特定技能所属機関の数÷10の、多いほうを超える人数の支援担当者を、常勤の役員・職員から選任すること(支援責任者との兼務は可)。[10]返ってきた担当者数は、頻度基準に加えてこの式でも読めます。従事者の限定・再委託・実績と費用の公表など同じ改正のほかの項目と、新基準が効き始める時期は機関ごとに違うという経過措置の読み方は、「2027年4月の新しい登録基準」の節にまとめました。
これらは下回ってはいけない線で、上回るほど良い指標ではありません。逆に「面談は年2回で十分です」という説明が出たら、制度の基準と食い違っています(詳細は義務的支援10項目)。
5. 登録の有効性
登録支援機関は出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿で公開され、登録の有効期間は5年(更新制)です。契約前に、候補から聞いた登録番号(「19登-000002」のような形式)か正式名称で前掲の登録簿(Excel)を検索し、記載が説明と食い違わないか照合しましょう。見つからない場合は、名称が違うか、登録が抹消されている可能性があります(同庁の案内では、登録後に抹消された機関は登録簿に掲載されません)。
ただし登録の有効性は稼働実績を保証しません。過去の行政処分歴を機関名で調べられる公表資料は、2026年8月時点で出入国在留管理庁の公表物(登録簿・有識者会議の公表資料)では確認できず、取消しは件数でしか公表されません。登録簿は実在と有効性の確認手段と割り切り、質は書面と回答で確かめましょう。公表資料で調べられない分は、既存の委託元企業を1社紹介してもらい、話を聞く(レファレンス)のが実務的な代替手段です。
6. 委託範囲(全部委託か一部か)
一部委託を選ぶなら、自社と委託先の線引きが明確で、過不足なく支援計画をカバーできるかを確認します。⚠️ その前に1つ注意——冒頭で触れた「全部を委託すれば支援体制の基準を満たすとみなされる」は、裏を返せば一部委託ではみなしが働かないということです。一部委託を選ぶ場合は、受け入れの実績や生活相談の経験者の選任といった支援体制の基準を自社側で満たす必要があり、満たせない企業が選べるのは実質的に全部委託だけです(基準の中身は前掲の自社支援か登録支援機関への委託か)。
義務的支援(法令で定められた10項目)に加えて、任意的支援(日本語学習の上乗せやキャリア相談など)をどこまで提供するかも機関ごとに差が出ます。登録簿の「支援業務の内容及びその実施方法」欄は「法令に定める支援内容及び実施方法」と「上記に加え、任意的な支援内容あり」の2段のチェック欄で、後者にチェックを入れて届け出ている機関は13.7%(1,584機関)です(2026年8月31日現在の登録簿を当サイトで集計)。
ただしこれは登録を申請した時点の届出で、現在の提供内容や質を保証しません。「手厚い支援」を求めるなら、届出の有無を出発点に、何を・どの頻度で・月額に含めて提供するのかを書面で確認してください(義務的支援に絞って費用を抑える設計もあり、どちらが適切かは自社の必要範囲によります)。
なお、ここは書類の作成と申請の取次ぎを分けて考えます。報酬を得て業として行う在留申請の書類の作成は行政書士(弁護士)の独占業務で、登録支援機関には任せられません(義務的支援にも含まれません)。行政書士・行政書士法人でない者が、報酬を得て業として官公署に提出する書類を作成することは行政書士法第19条第1項で禁じられています(法律に別段の定めがある場合などの例外を除く)。[11]一方、申請の取次ぎ自体は行政書士だけの領域ではなく、地方出入国在留管理局長の承認を受けた登録支援機関の職員のほか、承認を受けた受け入れ企業の職員や、所属の会を経由して届け出た弁護士・行政書士も行える制度があります(出入国在留管理庁の申請等取次制度)。⚠️ ただし施行規則は、登録支援機関の職員によるこの取次ぎを「特定技能の在留資格をもつて在留する者又は在留しようとする者の依頼によりするものに限る」と定めています=外国人本人からの依頼が前提で、企業の意思だけで取次ぎを委託できるものではありません。[12][13]そして承認を受けた職員でも、報酬を得て業として申請書類を作成すれば行政書士法違反です(取次者ごとの要件・承認手続きの詳細は特定技能の申請に必要な書類一覧)。機関から「申請書類の作成もすべて任せられる」と説明されたら、その体制が次のどれに当たるかを確認しましょう。
| 機関側の体制 | 確認すること |
|---|---|
| 行政書士・行政書士法人が母体、または有資格者が在籍 | 誰が担当するか・支援委託料と別に費用が発生するか |
| 外部の行政書士と連携している | 連携先が決まっているか・費用は自社負担か機関の負担か |
| 連携先がない(自社で書類を作ると説明される) | 誰がどの範囲を担うのか。報酬を得て書類作成を請け負う説明なら法令上の位置づけを確認する |
7. コミュニケーション・相談のしやすさ
支援の実施状況を自社へ共有する頻度と形式を、契約前に決めておけるか——これがこの項目の確認点です。押さえておきたいのは、入管への定期届出と、機関から自社への報告は別物という点。定期届出は年1回(提出期間は毎年度4月1日〜5月31日)で、支援の実施状況は受け入れ企業(特定技能所属機関)の届出に含めて提出する建て付けです。[14]つまり届出だけに任せると、自社が支援の状況を把握できる機会は年に1度。共有は「面談記録・支援実施記録の写しを四半期ごとに」のように書式と頻度の単位で取り決めると具体的になります。レスポンスの速さや相談窓口の分かりやすさは、契約前の問い合わせ対応が姿勢を見る材料になります。
2027年4月の新しい登録基準——「いま選ぶ物差し」に先取りする
2027年4月1日に施行される改正省令(法務省令第45号)で、登録支援機関の登録の基準は大きく引き上げられます。[10]ただし、既存の機関にこの新基準が効き始めるのは、原則としてその機関の「次の登録更新」からです(経過措置は後述)。施行日が来れば行政が一斉にふるいにかけてくれる、という制度ではありません。だから実務では、新基準を今日の商談の物差しとして先取りするのが使い方になります(制度全体と機関数への影響は登録支援機関の統計データ)。
新基準の主な項目と、商談での使い方
新しく登録拒否事由になる項目のうち機関選びに直結するものを、出入国在留管理庁の案内と省令の本文から整理しました。[15][16]
| 2027年4月からの登録基準(新たな登録拒否事由) | いま選ぶ物差しとしての使い方 |
|---|---|
| 支援責任者・支援担当者を常勤の役員・職員の中から、支援業務を行う事務所ごとに1名以上選任すること | 「担当されるのは常勤の方ですか」。非常勤や外部人材が支援の主力になっている体制は、次の更新の新基準審査を通れません |
| 支援担当者の人数の下限=支援する外国人数÷50と、委託元企業数÷10の多いほうを超えること(支援責任者との兼務は可) | 担当者数と受け持ち人数を聞いたら、この式に当てはめます(比較ポイント4の頻度基準と併用)。庁の例示では、外国人120人の支援にも、委託元25機関の受託にも、支援担当者3人が必要です |
| 支援業務に従事できる者を、支援責任者・支援担当者に限定すること | 「実際に支援するのは契約相手の社員か」を確かめる直接の根拠になります |
| 受託した支援業務を再委託しないこと | 契約書に再委託を前提とする条項があれば、その時点で位置づけの確認を。再委託は現行でも認められていません(下の注記) |
| 支援の実績と、費用の額・内訳をインターネットで公表すること | 公表を先取りしている機関は、比較の材料をすでに出している機関です(公開されている料金表の実測は登録支援機関の費用相場) |
| 支援責任者への養成講習(入管法や労働関係法令等)の受講義務付け | ⚠️「令和9年4月1日以降であっても、当分の間は、講習を修了していなくても差し支えありません」(庁の案内)=「講習修了済みか」は、まだ物差しに使えません |
| 新規登録の実績要件の引き上げ(過去5年間に1年以上、就労系の在留資格の外国人の受入れ・管理を適正に行った実績など) | 2027年4月の施行後に新規登録される機関は、この審査を通って登録簿に載ります。登録年月日が新しいこと自体の意味が、施行の前後で変わります |
| 委託元企業の役員の配偶者・2親等内の親族・過去5年間の元役職員は、その企業の支援の支援責任者にも支援担当者にもなれないこと(現行の制限は支援責任者のみ) | 関係の近い機関・人に頼む形を考えている場合の注意点です(自社支援の担当者に現行から効く中立性の基準はこれとは別の条項=自社支援か登録支援機関への委託か) |
再委託が現行でも認められていないことは、出入国在留管理庁の案内に明記されています(「登録支援機関は、委託を受けた支援業務の実施を更に委託することはできません」。支援業務の履行を補助する範囲で通訳人などを活用することは可能)。[1][3]新基準は、これを登録の拒否事由として明文化するものです。
効き始める時期は機関ごとに違う——登録年月日で見当をつける
「2027年4月になれば、登録簿に載っている機関はみな新基準を満たしている」——そうはなりません。経過措置により、施行日前から登録している機関は、いまの登録の有効期間が満了する日まで、従前の基準のままです。[10]新基準の審査を実際に受けるのは、各機関の次の登録更新のとき。さらに、2027年7月31日までに満了する機関は、施行日前に更新申請をすれば旧基準でもう一度更新できます。[15]
登録の有効期間は5年の更新制なので、候補の機関がいつ新基準の審査を受けるかは、登録簿の「登録年月日」からおおよその見当がつきます。登録年月日は更新を経ても初回の日付のまま載っています(当サイトの全件集計では、有効期間の5年を一度は更新しているはずの2019年登録の機関が2,412機関、現在も同じ登録年月日で載っています)。登録年月日に5年を足していき、次に来る満了時期を出してください(正確な満了日は機関に確認します)。
- 2019年に登録した機関 — 2024年に旧基準で更新済み。新基準の審査は2029年の更新まで来ません。
- 2022年8月以降に登録した機関 — 2027年8月以降に来る最初の更新が、そのまま新基準の初回審査になります(それより前に登録した機関の2027年前半までの満了だけが、前述の経過措置の対象です)。
つまり、いま登録簿に載っている機関について「登録されている=新基準をクリアした機関」と読めるようになるのは、早くても2027年の後半からです(施行後に新規登録される機関だけは、最初から新基準で審査されます)。直近の更新を旧基準で済ませたばかりの機関ほど、新基準の審査はさらに先になります(登録年別の内訳は登録支援機関の統計データでCSVを公開しています)。それまでは(そしてそれ以降も)、新基準を満たしているかは企業側が商談で確かめることになります。質問はひとつで足ります——「次の登録更新はいつですか。2027年4月施行の新基準は、現時点で満たしていますか」。即答でき、満たしている項目を具体的に挙げられる機関は、更新で登録を失って委託先の乗り換えを迫られるリスクが小さい機関です。
いつ・何社を比較する?選び方の手順
採用する人材の目処が立った段階で早めに複数社へ問い合わせて比較するのが基本です。支援計画の作成や在留資格の申請は機関のサポートを受けて進めることが多く、契約先未定だと採用手続き全体が滞りやすいためです。
採用方針が固まったら2〜3社に問い合わせる
最初の連絡には自社の分野・所在地・採用予定人数・対応してほしい言語・入社希望時期の5点を書き、支援内容と費用の見積もり(できれば参考様式第2-8号の費目粒度)を依頼します——この5点が揃っていると見積もりの往復が減ります。1社では自社に合うか判断できないため同時に複数社へ出します(返信が来ない機関も一定数ある前提で、候補は問い合わせ数より多めに持っておきます)。
同じ項目で見比べる
下の確認表を物差しに各社の回答を並べます。口頭でなく書面(見積書・支援委託契約書の案・費目ごとの内訳)で示してもらうと、後の認識違いを防げます。
契約直前に条件を最終確認する
委託範囲・月額に含む支援・初期費用・最低契約期間などを確認します。質問文は下の確認表、契約書と見積書で見る項目は「契約直前に確かめる支援委託契約の条件」にまとめています。
契約を結び、支援計画の作成まで進める
委託先が決まったら支援委託契約を締結し、受け入れ企業として1号特定技能外国人支援計画を作成します(機関から案文作成の補助・助言を受けることはできますが、作成の義務と名義は自社に残ります)。支援計画は在留資格の申請書類に添付するため、契約と計画がそろって初めて申請準備が動き出すと考えて逆算に組み込みます。
逆算の目安になるのが在留資格の審査期間です。出入国在留管理庁が公表する在留審査処理期間(令和8年6月許可分)では、特定技能1号は在留資格認定証明書の交付が68.2日、在留資格変更が63.0日——2か月前後です(在留期間更新は45.9日。認定交付と変更は、同資料の注記のとおり外食業分野に係る申請を除いて算出)。[17]ここに支援計画の作成や書類準備、海外から呼び寄せるなら査証申請と入国・住居の準備が加わります。入社希望時期の4〜6か月前に選定を始めれば、手続きが理由で入社が遅れる事態を避けやすくなります(分野によっては建設特定技能受入計画の認定など固有の手続きが加わり、さらに前倒しが必要)。
同じ項目で聞くための確認表(質問文つき)
次の表が質問文の一覧です。比較ポイント7つに「タイプ・出自」と「2027年の新基準」を足した9行で、機関を同じ物差しに並べられます。答えの内容より具体的な数字や書面で返ってくるかを見ると違いが出ます。すべての行で同じ水準の回答を求める必要はありません——採用後に自社では直せない順(①言語の実効性 ②支援の実施体制 ③費用)で妥協しない項目を決めておくと、表が埋まったあとに1社へ絞りやすくなります(言語と体制の失敗は契約後の交渉で直りにくく、費用は委託範囲の調整で動かせるためです)。
| 確認項目 | 見るべきポイント | そのまま使える質問 |
|---|---|---|
| タイプ・出自 | 母体は人材会社系/協同組合系/士業系か・何を売る会社か | 「これまで主にどんな事業をされてきましたか」(海外から呼び寄せるなら「現地の送り出し機関や海外拠点とのつながりは」も) |
| 対応言語 | 母国語に対応できるか・担当は社内か外部か・翻訳アプリに頼っていないか | 「◯◯語を担当されるのは社内の方ですか。何名いらっしゃいますか。翻訳アプリを使うのはどんな場面ですか」 |
| 分野・実績 | 自社分野での支援経験・受け入れ規模・定着率/離職率を数字で示せるか | 「当社と同じ◯◯業で、直近1年に何名を支援されましたか。契約期間の途中で離職された割合は」 |
| 費用 | 月額(平均2.8万円程度・約9割が3万円以下)・初期費用・別料金・費目ごとの内訳 | 「参考様式第2-8号の費目ごとに、月額と徴収時期を書面でいただけますか。月額に含まれない費用は何ですか」 |
| 実施体制 | 支援責任者・担当者の選任・担当者数・緊急時対応・公的な頻度基準 | 「定期面談は誰がどの頻度で実施しますか。夜間・休日の相談はどの体制ですか」 |
| 登録状況 | 登録簿での有効性(有効期間5年・更新制)・記載と説明の一致 | 「登録番号を教えてください」(登録簿で照合する) |
| 委託範囲 | 全部/一部の役割分担・任意的支援の有無・行政書士との連携 | 「義務的支援に上乗せできるものはありますか。在留手続きの書類作成はどなたが担当されますか」 |
| 連絡・報告 | レスポンス・報告の頻度と形式・相談窓口 | 「支援の実施状況はどの頻度・形式で共有いただけますか」 |
| 2027年の新基準 | 次の登録更新の時期・新基準(常勤配置・支援担当者数の下限など)の充足状況 | 「次の登録更新はいつですか。2027年4月施行の新基準は、現時点で満たしていますか」 |
契約直前に確かめる支援委託契約の条件
比較で1社に絞ったら、最後は契約書と見積書の文面で確認します。確認項目は多いですが、契約後のトラブルに直結しやすいのは次の3つです。ここだけは必ず押さえてください。
| 特に見る項目 | 見落とすとどうなるか | 確認する場所 |
|---|---|---|
| 月額に含まれる支援の範囲 | 「これは別料金です」が後から重なり、想定より高くなる | 見積書(参考様式第2-8号の費目ごとの内訳) |
| 委託範囲(全部/一部) | 自社が担うべき支援が抜け、義務的支援の要件を満たせない | 支援委託契約書(比較ポイント6) |
| 対応言語の担保 | 採用後に十分に理解できる言語で相談できず、定着に支障が出る | 契約書・提案書(比較ポイント1) |
そのうえで、金額と支援内容以外に契約書で確かめるのが次の4点です。いずれも契約時には気になりにくく、やめるとき・変えるときに効きます。
- 解約予告期間と中途解約時の費用の取り扱い — 予告は何か月前か、本人が途中で帰国した場合に月額委託料をどう清算するか。
- 引き継ぎの取り扱い — 支援計画の変更届出をどちらが担うか、面談記録・提出済みの届出の控え・経緯を引き継ぐか。委託先が支援業務を休止したり登録を失った場合も支援の義務は自社に残るため、切り替えの空白を作らない段取りはここで決めておきます(乗り換えの段取りは登録支援機関の変更(乗り換え))。
- 支援の実施状況の報告の頻度と方法 — 前掲のとおり入管への定期届出は年1回なので、自社が状況を把握する頻度は契約で決めます。
- 個人情報の取り扱い — 支援の過程で機関は本人の在留カード・住居・家族の情報を扱います。取得の範囲と第三者提供の可否を書面で確認します。
契約後の最初の数か月は、面談記録・支援実施の報告が取り決めどおり届くかを見てください。届かない状態が続くのは、この記事の確認をすり抜けたミスマッチのサインです(立て直せない場合の手当は登録支援機関の変更(乗り換え))。
⚠️ 「再委託できるか」は交渉して決める項目ではありません。 委託を受けた支援業務の実施をさらに委託することは現行でも認められておらず、2027年4月施行の改正省令では登録の拒否事由として明文化されます(前掲「2027年4月の新しい登録基準」)。契約書に再委託を前提とした条項があれば、その時点で位置づけの確認が必要です。
契約前に確かめたいサインと、そこから起きる失敗
費用の内訳を示さない・実績を具体的に説明できない・体制があいまい——契約前に確かめたいサインを、そこから起きやすい失敗と対にして並べます(機関を格付けするものではなく、自社で確かめる観点です)。いずれも契約時点では見えにくく、採用が始まってから失敗として表面化しがちです。
- 費用の内訳を示さない/安さだけで選ぶ — 月額に何が含まれ何が別料金かを説明できない場合、後から想定外の費用が積み上がります。月額が安い機関には義務的支援に絞る・同行や翻訳を都度の別料金にする設計もあり、その場合は年間総額では割高になったうえ「追加費用がかかるから頼みにくい」と支援を使わなくなる——起きやすい形骸化の典型です。見積書で費目ごとに確認しましょう(相場は登録支援機関の費用相場)。
- 費用を外国人本人に負担させる — 支援に要する費用を直接・間接に外国人へ負担させることも拒否・取り消し事由です。口頭の否定で終わらせず、雇用条件書の賃金控除に支援料が入っていないか、本人に説明・交付する費用に支援委託料が紛れていないかを契約前に書面で確かめます。
- 対応言語や分野の実績を具体的に説明できない — 「多くの実績があります」だけで、対応言語や自社分野の支援経験・定着率を示せないなら要確認。よく起きるのが、「母国語対応」と聞いていたのに実際は日常の相談まで翻訳アプリで済まされていたという失敗です。母国語で相談できないと、本人の悩みは表面化しないまま離職につながりかねません(確かめ方は比較ポイント1)。
- 支援の実施体制・連絡体制があいまい — 連絡が取れず対応が遅れると、離職や行方不明のリスクが高まります。面談を誰が担うのか、夜間・休日はどこまで対応するのかを契約前に確認を(責任者・担当者の選任がないこと自体が拒否・取り消し事由)。
- 登録簿で登録を確認できない — 登録番号で有効性(有効期間5年・更新制)を確認できます。できない場合は契約前に問い合わせを。登録の有無と稼働実績は別物なので、登録されているからと1社で決めないのが前提です。
- 「申請取次も書類作成もすべて任せられる」と説明する — 申請の取次ぎは承認を受けた職員(登録支援機関・受け入れ企業とも)や届け出た弁護士・行政書士が行える一方、報酬を得て業として行う在留申請の書類の作成は行政書士(弁護士)の独占業務で、登録支援機関の義務的支援には含まれません(前掲)。「書類の作成もすべて任せられる」という説明が出たら、行政書士など専門家と連携できる体制かを確認します。
- 月額の委託料に含める形で、申請書類の作成代行をうたう — 2026年1月1日施行の改正行政書士法(令和7年法律第65号)は、無資格者が報酬を得て業として行う官公署提出書類の作成を「いかなる名目によるかを問わず」できないと明文化しました(総務省の通知も「手数料」等の名目でも違法とする従来の解釈の明示だと説明)。[6]月額の支援委託料に含める形でも同じ。違反は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金で、従業者の違反なら法人にも罰金刑が科されます(同法第21条の2・第23条の3)。[11]書類を誰が作るのかは費用の内訳とあわせて確認を。
- 契約の縛りを説明しない/合わないと分かってから乗り換えを考える — 最低契約期間や中途解約の条件には差があります。本人が途中で帰国したときの月額委託料の清算と、担当者交代時の面談記録・経緯の引き継ぎも契約前に文書で決めておく項目です。変更には支援計画の変更届出などの手続きが要り、切り替えの前後で支援が手薄になる期間も生じます(手順は登録支援機関の変更、契約書で確かめる条件は前掲の「契約直前に確かめる支援委託契約の条件」)。
- 在留期間の更新スケジュールを機関任せにする — 準備が遅れると就労できない期間が生じかねません。誰がいつ着手するかを自社でも把握しましょう(在留期間と更新)。
- 2027年4月の新基準への準備を答えられない — 常勤配置・支援担当者数の下限・実績と費用の公表などの新基準は、公布済みの確定した制度変更です。「次の登録更新はいつか」「現時点でどこまで満たしているか」に答えられない機関は、更新の時期に登録を維持できず、委託先の変更を自社が迫られるリスクを抱えます(前掲「2027年4月の新しい登録基準」)。
支援がうまくいかないと、不利益は受け入れ企業に返ってくる
支援を全部委託しても、受け入れの当事者は自社です。届出の義務も、支援が適切かの最終的な責任も自社に残ります。前掲の資料では、同じ4年間の受け入れ企業への実地調査は累計17,030件、受入れ停止措置は40機関でした。[2]機関側の15件・14機関と比べると、行政の確認は圧倒的に受け入れ企業側です(母数の違いは割り引く必要があります)。委託先の支援が形だけでも、届出や支援計画の履行を問われるのは自社です。
だから比較の重点は「安いか」ではなく「支援の実施状況を自社が確認できる状態を作れるか」に移ります(トラブルの事例と初動は外国人労働者のトラブル事例)。
まとめ
登録支援機関選びは、冒頭の4ステップの順に進めます。登録は稼働実績も質も意味せず(前掲の3つの公的データ)、実質的な選別は企業側の確認になります。一方で候補は思うより少なく、地域と母国語で絞ると数機関の組み合わせもあるため、広域対応の機関も候補に入れて母数を確保します。費用は費目ごとの内訳、実施体制は公的な頻度・時間の基準と照らします。2027年4月の新しい登録基準は各機関の次の更新から効くため、充足状況は商談で先取りして確かめます。
段取りは、2〜3社へ同時に問い合わせ、確認表の質問文で回答を並べ、契約と支援計画の作成まで入社希望時期から逆算する(審査だけで2か月前後)流れです。費用の内訳を示さない・費用を外国人に負担させる・支援体制がない、といったサインは登録の拒否・取り消し事由にも当たるため、契約前に実態を確かめましょう。
制度の全体像は特定技能とは?、委託費の内訳は登録支援機関の費用相場をご覧ください。
なお、当サイトのご相談では、うかがった条件(分野・地域・対応言語・採用予定人数)をもとに、提携先ネットワークの中から最も条件の合う1社を優先してご紹介しています(提携先の対応分野・対応地域によってはご紹介できない場合があります)。ご紹介した提携先も、ご自身で集めた候補と同じ確認表の物差しで比較していただけます。
よくあるご質問
- 登録支援機関はどう選べばよいですか?
- ①登録簿を都道府県と対応言語で絞って候補の実数を知る → ②機関のタイプ(人材会社系・協同組合系・行政書士など士業系)で見当をつける → ③入社希望時期から逆算して2〜3社へ同時に問い合わせ、対応言語・分野の実績・費用の内訳・実施体制などを同じ項目で比較する → ④契約直前の条件確認と支援計画の作成まで進める、の順が基本です。出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿で登録が有効か(登録の有効期間は5年・更新制)も確認できます。
- 登録されている機関ならどこでも安心して任せられますか?
- 登録の有無と、実際の支援実績は別物です。登録支援機関の登録は、13の登録拒否事由に当たらなければ認められる仕組みで、支援の質を審査して選抜する制度ではありません。出入国在留管理庁の調査では、過去1年間に支援した外国人が「0人」の登録支援機関が約4分の1(25.4%)を占め、令和5年4月末時点では登録8,137機関のうち受け入れ企業と支援委託契約を結んでいたのは4,069機関(50%)でした。登録の取消しも平成31〜令和4年度の累計で14機関にとどまります。登録簿での有効性は必ず確認しつつ、それに加えて自社分野での支援実績・体制・費用の内訳を具体的に説明できるかまで確かめることが大切です。
- 自社の地域に対応できる登録支援機関が少ない場合はどうすればよいですか?
- 登録簿を「支援を行う事務所」の所在地で集計すると、都道府県と母国語の組み合わせによっては対応機関が数機関という地域があります(たとえば秋田県にネパール語対応の事務所を置く機関は3機関、宮崎県でミャンマー語なら8機関)。複数の事務所を持つ機関は全体の5.1%しかないため、「近くに拠点があること」を必須条件にすると候補がほとんど残らないこともあります。この場合は、事務所が県内になくても遠隔で対応する機関を候補に入れて母数を確保し、定期的な面談を訪問で行うのかオンラインで行うのか、緊急時に誰がどれくらいの時間で動けるのかを具体的に確認するのが現実的です。
- 登録支援機関の委託費用の相場はいくらですか?
- 出入国在留管理庁の集計では、特定技能外国人1人あたりの支援委託料(月額)の平均は28,386円で、全体の約9割が30,000円以下でした。ただし月額に含まれる支援の範囲は機関ごとに異なり、初期費用が別途かかる場合もあるため、金額だけでなく委託範囲もあわせて比較してください。金額帯別の分布・年額の目安・内訳の見方は「登録支援機関の費用相場」の記事で解説しています。
- 登録支援機関を途中で変更できますか?
- 変更は可能ですが、支援計画の変更届出など所定の手続きが必要で、外国人材の生活にも影響します。最初の選定時に対応言語・実施体制・連絡のしやすさを確認し、ミスマッチを避けることが大切です。手続きの詳細は登録支援機関の変更の記事で解説しています。
- 登録支援機関と人材紹介会社は何が違いますか?
- 役割が違います。登録支援機関は、特定技能1号で義務づけられた支援(事前ガイダンス・生活オリエンテーション・定期面談など)を受け入れ企業から委託されて実施する、出入国在留管理庁の登録を受けた機関です。人材紹介会社は、人材を紹介する事業者で、有料職業紹介事業を行うには職業安定法上の許可が必要です。一つの会社が両方を行っている場合もあり、その場合は支援委託料と紹介手数料が別々に発生します。どちらの立場で提案を受けているのか、費用がどちらに対するものかを見積もりの段階で分けて確認してください。
- 2027年4月に登録支援機関の登録基準が厳しくなると聞きました。いま選ぶときは何を確認すればよいですか?
- 2027年4月1日施行の改正省令で、支援責任者・支援担当者を常勤の役員・職員から事務所ごとに1名以上選任すること、支援担当者数の下限(支援する外国人数÷50と委託元企業数÷10の多いほうを超える人数)、支援業務の従事者の限定、再委託しないこと(現行でも認められていません)、支援実績と費用の公表などが新たに登録拒否事由になります。ただし既存の機関は、いまの登録の有効期間が満了する日まで従前の基準によるため、新基準の審査を受ける時期は機関ごとに違います。商談では「次の登録更新はいつか」「新基準を現時点で満たしているか」を確認してください。
- 注意したほうがよい登録支援機関の特徴はありますか?
- 費用の内訳や月額に含む支援範囲を明示しない、対応言語や自社分野での支援実績を具体的に説明できない、支援を担う責任者・担当者の体制があいまい、といった機関は契約前に実態をよく確認しましょう。費用の内訳や支援体制の未整備、費用を外国人本人に負担させることは、いずれも登録支援機関の登録が拒否・取り消される事由に当たります。なお、報酬を得て業として行う在留申請の書類の作成は行政書士(弁護士)の独占業務で、登録支援機関に任せることはできません(義務的支援にも含まれません)。申請の取次ぎ自体は、承認を受けた登録支援機関や受け入れ企業の職員、届け出た弁護士・行政書士が行える制度(出入国在留管理庁の申請等取次制度)がありますが、登録支援機関の職員の取次ぎは外国人本人の依頼を受けて行うもので、承認を受けた職員でも報酬を得て業として申請書類を作成すれば行政書士法違反です。
出典・参考(一次情報)
- 1号特定技能外国人支援・登録支援機関について(出入国在留管理庁)
- 技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議(第10回)資料2-3(登録支援機関数・支援委託契約数・登録拒否事由・実地調査/行政処分等の状況)(出入国在留管理庁)
- 技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議(第8回)参考資料4(特定技能制度及び技能実習制度に関する意識調査・令和4年7月=過去1年間の支援人数の分布)/特定技能制度の現状について(登録支援機関への支援委託料の支払額・類型・支援実績/有識者会議 参考資料)(出入国在留管理庁)
- 1号特定技能外国人支援に関する運用要領(1号特定技能外国人支援計画の基準について)(出入国在留管理庁)
- 登録支援機関登録簿(Excel・随時更新)(出入国在留管理庁)
- 行政書士法の一部を改正する法律の公布について(通知)(総行行第281号・令和7年6月13日/改正法=令和7年法律第65号・令和8年1月1日施行)(総務省自治行政局)
- 特定技能制度及び育成就労制度の分野別協議会について(技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議 資料1-1・令和7年9月17日)(出入国在留管理庁・厚生労働省)
- 食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野)について(構成員=登録支援機関の加入)(農林水産省)
- 参考様式第2-8号 支援委託手数料に係る説明書(予定費用)(出入国在留管理庁)
- 出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う法務省令の整備及び経過措置に関する省令(法務省令第45号・令和7年9月30日公布/令和9年4月1日施行=改正後の入管法施行規則第19条の21・附則第3条〔講習の当分の間の適用除外〕・附則第4条〔既存登録の経過措置〕)(法務省)
- 行政書士法(第19条第1項・第21条の2・第23条の3)(e-Gov法令検索)
- 申請等取次制度(申請等取次者となるための手続・取次ぎを行える者の範囲)(出入国在留管理庁)
- 出入国管理及び難民認定法施行規則(第59条の4=申請等の取次ぎを行える者の範囲と依頼の要件)(e-Gov法令検索)
- 特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況に係る届出(定期届出)作成要領(出入国在留管理庁)
- 1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行)(出入国在留管理庁)
- 1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の主な改正点(令和9年4月1日から施行・支援体制イメージ)(出入国在留管理庁)
- 在留審査処理期間(日数)令和8年6月許可分(特定技能1号の認定交付・変更は外食業分野に係る申請を除いて算出)(出入国在留管理庁)