特定技能「林業」とは|対象業務・試験・受け入れ要件と採用の進め方
目次
林業分野で外国人を採用したい、または制度を知りたい企業向けに、対象業務・試験・受け入れ要件・採用の流れを1ページで整理します。林業で特定技能の外国人を採用しようとすると、「採用したい人材は見つかったのに、林業特有の試験や協議会、対象業務の線引きでつまずく」ことが起きやすい——林業は2024年に追加された比較的新しい分野で、運用が整備途上だからです。結論を先に言うと、林業で押さえるべき固有ルールは①必要な試験(林業技能測定試験+参照枠A2.2相当以上)②対象業務は育林・素材生産等③林業特定技能協議会への加入の3つ。所管は農林水産省(林野庁)で、現状は特定技能1号が中心です。このページで、これらを順に整理します。
この記事の要点
- 林業は2024年追加の新しい分野・1号のみ — 所管は農林水産省(林野庁)。現行の分野別運用方針に2号の規定はなく、制度設計として1号のみです。最新情報の確認が特に重要です。
- 対象業務は育林・素材生産等/工場内は別分野 — 植え付け・下刈り・間伐などの育林や、伐採・搬出などの素材生産が対象。製材・合板製造などの工場内作業は別分野の「木材産業」です。
- 試験と協議会が前提 — 本人は林業技能測定試験と参照枠A2.2相当以上が基本。企業は林業特定技能協議会の構成員になる必要があります。
本記事は一般的な情報提供です。林業分野は2024年に追加された新しい分野で、要件・運用が整備途上のため、最新の内容は出入国在留管理庁および農林水産省(林野庁)の分野別の運用方針で必ず確認してください。
林業の特定技能はここが特徴
林業で特定技能を受け入れるときは、他の分野と異なる前提があります。まずここを押さえます。
- 2024年に追加された新しい分野 — 運用が整備途上のため、最新情報の確認が特に重要です。[1]
- 対象業務は育林・素材生産等 — 森林を育てる作業や、木を伐り出す作業が中心です。
- 林業特定技能協議会への加入が必要 — 受け入れ企業は協議会の構成員になります。
- 所管は農林水産省(林野庁) — 試験運用や調査は農林水産省(林野庁)が所管します。
- 特定技能1号のみの分野 — 現行の分野別運用方針に2号の規定はなく、制度設計として1号のみです。最新の運用方針は必ず確認してください。
- 受け入れ見込数は1号900人(1,000人から引き下げ)・雇用は直接雇用のみ — 令和6年度から5年間(令和10年度末まで)の受け入れの上限として運用されます。令和8年1月23日閣議決定の現行方針の数値で、令和6年3月29日決定の旧方針の「最大1,000人」から引き下げられました。同じ決定で育成就労に500人の枠が新設され、林業分野全体の受入れ見込数は1,400人です。[2]⚠️ 出入国在留管理庁の分野別ページには旧値1,000人が残っています(2026年7月30日時点)。
以下で、それぞれを詳しく見ていきます。
林業で必要な試験
林業で特定技能外国人を受け入れるには、本人が次の要件を満たしている必要があります。
- 技能試験 — 「林業技能測定試験」。技能検定(林業職種)3級の合格でも技能水準を満たせます。⚠️ 試験名は文書によって呼び方が違います:林野庁と実施機関(一般社団法人林業技能向上センター)は「林業技能測定試験」(試験実施要領=令和6年10月)、令和8年1月23日閣議決定の分野別運用方針(別紙17)の別表は「林業特定技能評価試験」と表記しています。[2]受験の申し込みは実施機関側の名称で探してください。
- 日本語能力水準 — 「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上(国際交流基金日本語基礎テスト〔JFT-Basic〕・日本語能力試験〔JLPT〕で確認)。水準と各試験の対応(公式の換算表はありません)は特定技能の日本語試験で解説しています。
人材の確保ルートや技能実習との関係は、特定技能・技能実習・育成就労の違いもあわせてご覧ください。
日本語試験・技能試験の全体像と、技能実習2号修了による免除ルートは特定技能の試験にまとめています。
対象となる業務
林業で従事できるのは、育林(植え付け・下刈り・間伐など森林を育てる作業)や素材生産(伐採・搬出など)といった林業の業務です。対象業務の範囲は分野別情報で定められているため、自社の業務が該当するかは最新の内容で確認してください。
ここで注意したいのが、「木材産業」分野との線引きです。林業は山林での育林・素材生産が対象で、製材・合板製造などの工場内作業は別分野の「木材産業」にあたります。自社の作業がどちらの分野に当たるかで、本人が合格すべき試験や加入する協議会が変わるため、業務の中身で見極めます(木材産業については木材産業で特定技能の外国人を採用するには)。
受け入れ企業に求められる要件
林業で受け入れるには、企業側に次のような条件が求められます。
- 林業特定技能協議会への加入 — 受け入れ企業は協議会の構成員になること。林野庁の協議会ページでは、2026年6月から特定技能・育成就労共通の「林業特定技能・育成就労協議会」として運営されており、加入申請もこのページから行います。[3]
- 所管省庁の調査等への協力 — 農林水産省(林野庁)が行う調査や指導に協力すること。
企業側に共通して求められる受け入れ要件は特定技能で企業に求められる受け入れ要件、採用全体の流れは特定技能の採用の流れで解説しています。
採用ルート
林業で特定技能外国人を採用する主なルートは次のとおりです。
- 試験合格者を採用 — 林業技能測定試験に合格し、日本語要件を満たした人材を採用します。
- 国内在住者の採用 — すでに日本にいる特定技能外国人を採用すると、渡航費などの初期費用を抑えやすくなります。
費用の目安
林業でも、費用の考え方は他分野と同じく「初期費用+月額の支援委託費」です。
- 初期費用 — 人材紹介手数料(人材紹介手数料の相場)、在留資格の申請費用、渡航費など。
- 月額 — 登録支援機関への支援委託費(1人あたり月15,000〜30,000円程度が目安)。
なお、在留資格の申請書類の作成や申請取次は行政書士などの専門家の領域です。必要に応じて行政書士などの専門家と連携して進めます。総額の内訳と採用ルート別のモデルは特定技能の採用費用・相場で整理しています。
登録支援機関の活用
自社で生活支援の体制を整えるのが難しい場合は、登録支援機関へ委託できます(自社支援と委託の比較は自社支援か登録支援機関への委託か)。選び方は登録支援機関の選び方、契約前の確認は契約前チェックリストを参考にしてください。採用後の定着の工夫は特定技能外国人の定着支援で解説しています。
まとめ
林業で特定技能の外国人を採用するには、①必要な試験(林業技能測定試験・参照枠A2.2相当以上)②対象業務は育林・素材生産等③林業特定技能協議会への加入を押さえることが第一歩です。製材などの工場内作業は別分野の「木材産業」にあたる点にも注意します。現行の分野別運用方針に2号の規定はなく1号のみのため、2024年に追加された新しい分野で運用が整備途上な点も含め、最新の運用方針を必ず確認しましょう。
制度の全体像は特定技能採用の完全ガイド、対象分野の一覧は特定技能の対象分野一覧、よくある失敗は特定技能採用でよくある失敗と注意点をご覧ください。
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よくあるご質問
- 林業で特定技能の外国人を採用するには何が必要ですか?
- 採用する外国人が、林業技能測定試験に合格し、「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上の日本語力(国際交流基金日本語基礎テスト〔JFT-Basic〕・日本語能力試験〔JLPT〕で確認)を持つことが基本です。企業側は受け入れ要件を満たし、林業特定技能協議会の構成員になる必要があります。林業は2024年に追加された分野で、所管は農林水産省(林野庁)です。
- 林業の特定技能で任せられる仕事は何ですか?
- 育林(植え付け・下刈り・間伐などの森林を育てる作業)や素材生産(伐採・搬出など)といった林業の作業が対象です。具体的な対象業務の範囲は分野別情報で定められているため、最新の内容を確認してください。なお、製材や合板製造などの工場内作業は別分野の「木材産業」にあたります。
- 林業は特定技能2号の対象ですか?
- 対象ではありません。現行の分野別運用方針に2号特定技能外国人の規定はなく、制度設計として1号のみとなっています。最新の内容は出入国在留管理庁の運用方針で確認してください。