登録支援機関の変更(乗り換え)|14日以内の届出とタイミングの注意点
目次
すでに特定技能外国人を受け入れていて、登録支援機関に支援を委託している企業向けの記事です。「毎月の委託料が相場より高い気がする」「対応が遅い・報告が不透明で見直したい」——そう感じたら、委託先の登録支援機関は契約の途中でも別の機関へ乗り換え(変更)できます。結論から言うと、乗り換えは制度上可能で、変更にともなう届出を受入れ企業が14日以内に行うのがポイントです。ただし「乗り換えれば安くなる」とは限らないので、今の委託料を公的な分布に置き、内訳を揃えて比較することが先決です。届出が漏れると責任を問われるのは受入れ企業の側です。このページで、見直しの判断材料と手続きの実務を整理します。
この記事の要点
- 乗り換えは制度上できる(届出は自社の責任) — 支援委託契約の締結・変更・終了は入管への届出事項として明示された、制度が想定する手続きです。届出は受入れ企業(特定技能所属機関)の義務で、登録支援機関に丸投げできません。
- 「安くなる」と決めつけず内訳で比べる — 出入国在留管理庁の集計(令和4年9月末時点)では委託料は1人あたり月額平均28,386円・約9割が月30,000円以下。月額に何が含まれ何が別料金かを見積書で揃えて比較し、金額だけで選ばないことが大切です。
- 届出は14日以内に2本+時期に注意 — 「支援委託契約に係る届出」(参考様式第3-3-2号)と「支援計画変更に係る届出」(参考様式第3-2号)を14日以内に提出。在留期間更新の直前は避けます。
これから初めて委託先を選ぶ段階の方は、登録支援機関とは・登録支援機関の選び方が役立ちます。本記事は「すでに委託している企業が、契約を見直す・乗り換える」場面に絞って解説します。
登録支援機関は乗り換えできる(手続きは受入れ企業の責任)
委託先の登録支援機関を別の機関へ変更することは、制度上認められています。支援委託契約の「新たな締結・変更・終了」は出入国在留管理庁の届出案内に届出の対象として明示されており、途中での乗り換えは制度が手続きとして想定している行為です。[1]
ただし注意したいのは、変更にともなう届出は受入れ企業(特定技能所属機関)の義務だという点です。これを登録支援機関に代行・丸投げすることはできません。逆に言えば、出入国在留管理庁のQ&Aが委託先の変更に求める手続きは企業側の届出2本で、外国人本人側の申請は挙げられていません。乗り換えを検討するときは「届出は自社が責任を持って行うもの」と理解しておきましょう。具体的な届出の内容は後述します。
乗り換えの前に——今の契約が見合っているかを確かめる
見直す価値があるかは、水準(今の月額が全体のどのあたりか)・内訳(月額に何が含まれるか)・対応品質の3点で確かめます。
水準の物差しは公的な集計です。出入国在留管理庁の集計(令和4年9月末時点・暫定値)では、特定技能外国人1人あたりの支援委託料(月額)は平均28,386円・最も人数が多い金額帯は20,000円超〜25,000円以下・全体の約9割が月30,000円以下でした。[2]まず今の月額をこの分布に置いてみてください。金額帯ごとの人数の分布・受け取った見積もりの帯読みの手順・公開料金表の実測は登録支援機関の費用相場で解説しています(同記事=相場そのものの理解、本記事=すでに委託している企業の見直し、と住み分けています)。
そのうえで、同じ委託でも月額に差が出るのは、主に料金体系(定額制か項目ごとの単価制か)・月額に含む支援の範囲(義務的支援10項目のどこまで込みか)・人数や継続年数の条件が機関ごとに違うためです。つまり「月額がいくらか」だけでは比較になりません。月額に何が含まれ、何が別料金かを見積書で並べて初めて、今の契約が割高かどうかが見えてきます。
見直しの余地があるサインは、次のような場合です。
- 現在の月額が、約9割が収まる月30,000円のラインを上回っている。
- 項目別の単価制で、使っていない支援まで積み上がっている。
- 増員したのに人数あたりの単価が下がらない、2年目以降も割引がない。
- 委託料に対して支援の対応品質が見合っていない(連絡が遅い・報告が不透明など)。
一方で、乗り換えても委託料が必ず下がるわけではありません。安さだけを基準にした乗り換えは慎重に判断します。月額が極端に安い機関は、含まれる支援の範囲が狭く別料金が多いことがあり、結果として総額が変わらない、あるいは支援の質が下がって定着に響くこともあります。また、乗り換えでは新しい機関側で契約時の初期費用・立ち上げの一時費用が発生する場合があるため、月額差だけでなく総額で比べます(一時費用の実測は前掲の費用相場の記事にあります)。金額の比較は必ず同じ支援範囲どうしで行ってください(比較の観点は登録支援機関の選び方が使えます)。
なお、見直し=乗り換えとは限りません。比べた結果、月額が分布の中心にあり支援も回っているなら現状維持が合理的ですし、不満が料金面だけなら、他社の見積もりを材料に今の機関へ委託範囲や料金の相談(再交渉)を持ちかける手もあります。乗り換えは、この2つと並ぶ選択肢の1つとして判断してください。
機関の乗り換え以外にもある「変更」のパターン
委託先を別の登録支援機関に乗り換えるほかにも、支援体制の「変更」にあたるケースがあります。どのケースでも、事由から14日以内の随時届出が必要になる点は次章の乗り換えと共通です(提出する様式の組み合わせはケースごとに異なります)。なお、委託先を変えない場合でも、支援計画書に記載した支援責任者・支援担当者が変わったときは支援計画変更に係る届出の対象になります。[3]
委託から自社支援への切り替え
登録支援機関への委託をやめ、自社(受入れ企業)で直接支援を行う形に切り替えることも変更の一つです。ただし負担の大きさに注意が必要です。
支援を登録支援機関に全部委託している間は、受入れ企業が満たすべき支援体制の基準を満たしたものとみなされます。委託をやめて自社支援に切り替えると、このみなしが外れ、支援責任者・支援担当者の選任をはじめとする支援体制の基準を自社で満たす必要が出てきます。[4]なお、全部委託をやめて一部だけを委託する形に変える場合も全部委託によるみなしは外れ、残りの支援は自社の体制で担うことになります。
「委託費を削るために自社支援へ」と考える前に、自社で支援体制を継続的に維持できるか(担当者の確保・言語対応・定期面談や記録の実施)を見極めましょう。支援体制に人を割きにくい企業では、別の登録支援機関への乗り換えのほうが現実的な見直し手段になります。自社支援の基準の中身・何名からが自社支援に見合うかの判断手順(2027年4月1日以降は常勤化・支援担当者数の基準も加わります)・委託契約の終了届出など切り替えの具体的な手順は特定技能は自社支援できる?で解説しています。[5]
登録の更新切れ・取消・廃業による変更(やむを得ないケース)
自発的な見直しだけでなく、現在の登録支援機関の側の事情で変更が必要になることもあります。
登録支援機関の登録には有効期間(5年)があり、更新を受けなければ失効します。[4]委託先の登録が更新されない・取り消される・廃業するといった事情が生じると、その機関は支援を続けられなくなり、全部委託による基準のみなしも成立しなくなります。この場合、別の登録支援機関への変更か、自社支援への切り替えが必要になります。支援が途切れると外国人の在留に影響しかねないため、こうした兆候があれば早めに次の委託先を探し、切り替えの準備を進めておくと安全です。
このやむを得ない変更は、2027年4月1日施行の登録基準の厳格化のあとは増える可能性があります。改正省令(法務省令第45号)により、支援責任者・支援担当者の常勤化や、支援担当者1人あたりが支援できる外国人数・受託できる委託元数の上限などが新たに登録の基準になります。経過措置があるため、既存の機関にこの新基準が効くのは原則としてその機関の次の登録更新のときです。[6][7]つまり、委託先が新基準を満たせなければ、更新のタイミングで登録を失い、こちらは乗り換えを迫られます。委託先の登録の満了時期(登録簿の登録年月日から見当がつきます)を把握したうえで、新基準への対応を定例のやり取りで早めに確認しておきましょう。新基準の項目と確かめ方の質問文・登録年月日の読み方・経過措置の例外を含む適用時期の読み方は登録支援機関の選び方の新基準の節で解説しています(乗り換え先を選ぶときも、同じ物差しで「更新で登録を失いにくい機関か」を見られます)。
乗り換えの手続き(届出は14日以内に2本)
登録支援機関を変更したとき、受入れ企業には出入国在留管理庁への随時届出が2種類発生します(入管法第19条の18)。いずれも事由が生じた日から14日以内に、受入れ企業の住所(法人は登記上の本店所在地)を管轄する地方出入国在留管理局・支局へ提出します。提出方法は電子届出システム・窓口・郵送のいずれかで、電子届出システムの利用には事前の利用者情報登録が必要です。窓口では届出者の身分を証する文書を提示し、郵送では写しを同封のうえ封筒に「特定技能届出書在中」と朱書きします。[1][8]
随時届出の様式・提出方法・期限は改正されることがあります。提出の前に、出入国在留管理庁の最新の届出案内で様式と期限を必ず確認してください。なお本記事で扱うのは受入れ企業側の届出です。登録支援機関の側が自らの登録事項(名称・住所・支援責任者など)を変えたときに出す「登録事項変更に関する届出」は、これとは別の手続きです。
新しい登録支援機関を選び、支援委託契約を結ぶ
登録支援機関の選び方の観点で、対応分野・地域・言語・委託範囲を確認して新しい委託先を決めます。乗り換え先の候補は、都道府県別の登録支援機関一覧(登録簿データ)から支援事務所の所在地・対応可能言語で探せます。並行して、現在の契約書の解約条項を確認します——解約予告期間・中途解約時の違約金や残期間分の精算・記録の引き継ぎへの協力です。支援に空白が生じないよう、予告期間から逆算して終了日と開始日を調整します。
「支援委託契約に係る届出」を提出する
支援委託契約を新たに締結・変更・終了したときの届出です。乗り換えでは、旧機関との「契約の終了」と新機関との「契約の締結」の2つの事由を、支援委託契約の終了又は締結に係る届出書(参考様式第3-3-2号)で届け出るよう出入国在留管理庁のQ&Aが案内しています。事由が生じた日から14日以内に提出します。委託先はそのままで契約内容だけを変更した場合の様式は参考様式第3-3-1号で、変更項目が複数に及ぶ場合は別紙(参考様式第3-3号)を使えます。新しい契約内容の疎明資料として「登録支援機関との支援委託契約に関する説明書」(参考様式第1-25号)を添付する場合があります。なお、退職などで一部の外国人の支援だけが終わり、残りの外国人について委託契約自体は継続する場合、この届出は不要です。[8][1]
「支援計画変更に係る届出」を提出する
変更後の支援計画を本人へ交付・説明し、支援を引き継ぐ
変更した支援計画書は、本人が十分に理解できる言語に翻訳して交付し、変更の内容を説明します(本人の署名は不要)。窓口となる支援担当者が変わることもあわせて伝え、定期面談や相談対応が途切れないよう引き継ぎます。[8]
14日を過ぎても届出はそのまま放置しないでください。 届出をしなかった場合や虚偽の届出をした場合は、罰金刑や過料(入管法第71条の4第1号・第77条の2)に問われる可能性があるほか、基準省令の不適合として一定期間、特定技能雇用契約の締結ができない(=新たな受け入れが止まる)場合があると出入国在留管理庁が案内しています。期限を過ぎた提出も可能です——遅延した理由を説明する文書を必ず添付して、速やかに提出します。[8]
あわせて、年1回の定期届出(特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況に係る届出)も頭に入れておきましょう。支援実施状況の報告を含むため、年度の途中で乗り換えると、旧機関に委託していた期間分の支援実施の記録が手元にないと作成に支障が出ます。解約前に、支援実施記録・面談記録・届出の控えを確実に受け取ってください(定期届出の年1回化と提出期限・費用面の届出全体は特定技能の採用費用で扱っています)。[3]
なお、在留諸申請の書類作成や申請取次は登録支援機関の義務的支援には含まれません(含まれない=頼めない、ではなく「委託費の範囲外の別の話」という意味です)。このうち報酬を得て業として行う書類の作成は行政書士などの専門家の領域です(申請書等の提出=申請取次は行政書士の専管ではなく、所属会経由で届け出た弁護士・行政書士のほか、変更・更新なら地方出入国在留管理局長の承認を受けた登録支援機関・自社の職員も、本人の依頼を受けて行えます)。乗り換え先から「書類の作成まですべて任せられる」といった説明があった場合は、その作成を実際に担うのが行政書士などの有資格者か(連携する専門家へ依頼する形になっているか)を確認してください。
乗り換えのタイミングと注意点
適期の目安は、在留期間更新の2〜3か月以上前に変更を完了させておくことです(編集部の目安)。⚠️ なお、乗り換えたからといって更新申請の提出書類が増えるわけではありません(在留期間更新許可申請の第1表に支援計画書・支援委託契約に関する説明書は含まれていません=特定技能の申請に必要な書類一覧)。乗り換えで発生するのは下記の届出2本のほうです。そのうえで次の4点に注意します。
- 在留期間更新の前後は避ける:更新申請の直前に支援機関を変えると、書類の整合性を確認する時間が必要になり、更新が間に合わないリスクがあります。申請を出してから許可が出るまでの審査期間中の変更も、申請内容と実態がずれるため避けるのが無難です。
- 支援を途切れさせない:支援計画に基づく支援は、継続して実施されている必要があります。旧機関の終了と新機関の開始に空白が生じないよう、契約の切り替え時期を調整します。
- 本人への事前説明:相談窓口や面談担当が変わることは、外国人本人の生活に直結します。乗り換えの理由と新しい連絡先を、変更前に本人へ説明しておきます(変更後の支援計画書の翻訳交付・内容説明は届出とあわせて行います=前章のステップ4)。
- 引き継ぎ書類の整理:これまでの支援実施記録・面談記録・入管へ提出した届出の控えを新しい機関へ引き継げるよう整理しておくと、支援の継続性が保て、翌年度の定期届出の作成にも困りません。
業種によって変わる乗り換えの注意点
出入国在留管理庁への届出2本(各14日以内)は、どの業種でも共通です。そのうえで、分野固有の仕組みがある業種では、乗り換え前に確認したい点が1つ加わります。
外食業・飲食料品製造業:乗り換え先が協議会の構成員かを確認
この2分野では、受入企業だけでなく登録支援機関自身も、食品産業特定技能協議会の構成員になることが求められます。乗り換え先の候補が該当分野の構成員か(両分野を支援する機関は両分野で)を契約前に確認しておくと、切り替え後の支援が滞りません。[9]なお、外食業の新規受け入れの停止など分野の受け入れ動向は最新動向で追っています。
建設:受入計画との関係を国土交通省の手引きで確認
建設は建設特定技能受入計画(国土交通大臣認定)の制度がある分野です。国土交通省の変更手続きの手引きでは、変更申請の対象事項と変更届出事項の一覧に、支援体制や登録支援機関の変更は項目として挙げられていません。ただし変更届出は「変更申請の対象事項以外の変更」を広く対象にする建て付けのため、受入計画の記載内容に関わる変更が生じる場合の届出の要否は、国土交通省の最新の手引きで確認してください。入管への届出2本(各14日以内)が必要な点は、他の分野と共通です。[10]
介護:協議会の加入は受入企業単位=乗り換えの影響なし
介護分野の特定技能協議会の構成員は受入企業自身です(加入証明と施設側に残る義務は介護の登録支援機関で解説しています)。委託先の登録支援機関を変えても、自社の協議会加入には影響しません。届出2本と支援の引き継ぎという共通の段取りに集中すれば大丈夫です。
なお、上記以外の業種(自動車整備・宿泊・農業など)にも協議会への加入等の分野固有ルールがありますが、構成員の要件や手続きは分野ごとに異なります。委託先の変更に伴う分野固有の手続きの有無は、各分野の所管省庁の最新案内で確認してください。
まとめ
登録支援機関の乗り換えは制度上可能で、委託料が相場より高い・対応に不満があるときの有効な見直し手段です。ポイントは次の3つです。
- 委託料は分布と内訳で比較する:出入国在留管理庁の集計(令和4年9月末時点)では1人あたり月額平均28,386円・約9割が月30,000円以下。月額に何が含まれるかを見積書で揃えて比べ、安さだけで決めない。
- 届出は受入れ企業の責任:変更時は「支援委託契約に係る届出」(参考様式第3-3-2号)と「支援計画変更に係る届出」(参考様式第3-2号)を14日以内に提出する(登録支援機関に丸投げできない)。様式・期限は最新の届出案内で確認する。
- 時期に注意:在留期間更新の2〜3か月以上前に完了させ、支援が途切れないよう切り替える。
委託料の分布と料金表の見方は登録支援機関の費用相場で、乗り換え先の比較の観点は登録支援機関の選び方で、委託をやめる選択肢は自社支援との比較で確認できます。制度の全体像は特定技能とは?へ。
よくあるご質問
- 登録支援機関は契約の途中でも乗り換え(変更)できますか?
- できます。委託先の登録支援機関を別の機関へ変更することは制度上認められており、契約の終了と新たな締結はどちらも入管への届出事項として想定されています。ただし変更にともなう届出は受入れ企業(特定技能所属機関)の義務で、登録支援機関に代行させることはできません。出入国在留管理庁のQ&Aが委託先の変更に求める手続きは受入れ企業側の届出2本で、外国人本人側の申請は挙げられていません。支援が途切れないよう、引き継ぎと時期の調整をしたうえで進めます。
- 登録支援機関への委託をやめて、自社で支援することはできますか?
- できます。ただし負担に注意が必要です。登録支援機関に支援を全部委託している間は受入れ企業の支援体制の基準を満たしたものとみなされますが、自社支援に切り替えるとこのみなしが外れ、自社で基準(支援責任者・支援担当者の選任など)を満たす必要が生じます。2027年4月からは常勤化・支援担当者数など自社支援側の基準も厳しくなります。要件は出入国在留管理庁の最新の案内で確認してください。支援体制に人を割きにくい企業では、別の登録支援機関への乗り換えのほうが現実的な見直し手段になります。
- 今の登録支援機関が廃業した・登録が更新されない場合はどうなりますか?
- 別の登録支援機関への変更か、自社支援への切り替えが必要になります。登録支援機関の登録には有効期間(5年)があり、更新されなければ失効します。委託先が支援を続けられなくなると全部委託による基準のみなしも成立しなくなるため、支援が途切れないよう早めに次の委託先を探し、切り替えの準備を進めましょう。なお2027年4月施行の登録基準の厳格化により、次の更新で新基準を満たせず登録を失う機関が出る可能性もあります。委託先の登録の満了時期を把握しておくと備えやすくなります。
- 乗り換えると委託料は安くなりますか?
- 安くなる場合がありますが、必ず下がるわけではありません。出入国在留管理庁の集計(令和4年9月末時点)では、支援委託料は1人あたり月額平均28,386円・全体の約9割が月30,000円以下です。現在の契約がこの分布の上側に外れている、項目ごとの単価が積み上がっている、増員時や2年目以降の割引がない、委託料に対して対応品質が見合っていない、といった場合は見直しの余地があります。ただし月額に含まれる支援の範囲が機関ごとに違うため、金額だけでなく内訳を見積書で比べて判断します。
- 乗り換えのタイミングで気をつけることは?
- 在留期間更新許可申請の直前や、申請から許可までの審査期間中の変更は避けるのが無難です。書類の整合性を確認する時間が必要になり、更新手続きが間に合わないリスクがあるためです。更新時期から逆算して、2〜3か月以上前までに変更を完了させておくと安全です(編集部の目安)。あわせて、支援が途切れないこと、外国人本人へ事前に説明することにも注意します。
- 乗り換えの手続きは誰が行いますか?
- 変更にともなう出入国在留管理庁への届出は、受入れ企業(特定技能所属機関)の義務です。具体的には支援委託契約に係る届出と支援計画変更に係る届出を、それぞれ事由が生じた日から14日以内に提出します。これらを登録支援機関に丸投げすることはできません。なお、在留諸申請の書類作成・申請取次は届出とは別の話で、報酬を得て業として行う書類作成は行政書士などの専門家の領域です(申請書等の提出=申請取次は行政書士の専管ではなく、所属会経由で届け出た弁護士・行政書士のほか、変更・更新なら地方出入国在留管理局長の承認を受けた登録支援機関・受入れ企業の職員も、本人の依頼を受けて行えます)。届出の様式・期限は改正されることがあるため、提出前に出入国在留管理庁の最新の届出案内で確認してください。
- 変更の届出を14日以内に出しそびれたらどうなりますか?
- 届出をしなかった場合や虚偽の届出をした場合は、罰金刑や過料(入管法第71条の4第1号・第77条の2)に問われる可能性があるほか、基準省令の不適合として一定期間、特定技能雇用契約の締結ができない(新たな受け入れが止まる)場合があると出入国在留管理庁が案内しています。期限後の提出も可能です。遅延した理由を説明する文書を必ず添付して、放置せず速やかに提出してください。
- 業種によって乗り換えの手続きは変わりますか?
- 出入国在留管理庁への届出2本(各14日以内)は全分野共通です。そのうえで、外食業・飲食料品製造業では登録支援機関自身が食品産業特定技能協議会の構成員になることが求められるため、乗り換え先の候補が該当分野の構成員かを契約前に確認すると安心です。建設は建設特定技能受入計画(国土交通大臣認定)の制度がある分野ですが、国土交通省の手引きの変更申請の対象事項に支援体制・登録支援機関の変更は挙げられていません(受入計画に関わる変更の届出の要否は最新の手引きで確認)。介護は協議会の構成員が受入企業自身なので、委託先を変えても自社の協議会加入には影響しません。
出典・参考(一次情報)
- 支援委託契約に係る届出(出入国在留管理庁)
- 特定技能制度の現状について(登録支援機関への支援委託料の支払額・有識者会議 参考資料)(出入国在留管理庁)
- 特定技能所属機関・登録支援機関による届出(随時届出=支援計画の内容・支援責任者/担当者・委託先の変更/定期届出=2026年4月以降は年1回)(出入国在留管理庁)
- 1号特定技能外国人支援・登録支援機関について(全部委託による基準のみなし・登録の有効期間)(出入国在留管理庁)
- 支援計画変更に係る届出(出入国在留管理庁)
- 出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う法務省令の整備及び経過措置に関する省令(法務省令第45号・令和7年9月30日公布/令和9年4月1日施行=改正後の入管法施行規則第19条の21・附則第4条〔既存登録の経過措置〕)(法務省)
- 1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行・経過措置=施行日前に登録を受けた機関は、令和9年7月31日までに登録期間が満了する場合で施行日前に更新申請をしたときに限り、施行日前の要件で更新可)(出入国在留管理庁)
- 特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)(令和7年6月・Q4-4=委託先変更は参考様式第3-3-2号と第3-2号/Q3-1=支援計画書は変更箇所と末尾の頁のみ/Q3-2=本人への翻訳交付・説明/Q1-6=罰則/Q1-9=提出先)(出入国在留管理庁)
- 食品産業特定技能協議会について(農林水産省)
- 建設特定技能受入計画のオンライン申請について【変更申請・届出】(2025年4月4日・変更申請の対象事項と変更届出事項の一覧)(国土交通省)