工業製品製造業で特定技能の外国人を採用するには|要件・試験・業務区分
目次
工業製品製造業は、2024年の制度改正で「素形材産業」「産業機械製造業」「電気電子情報関連産業」の旧3分野が統合されてできた分野で、対象となる業務区分が非常に幅広いのが特徴です。部品・産業機械・電気電子機器の製造に加え、繊維・印刷などの区分も含みます。このページで、工業製品製造業で特定技能の外国人を採用するために押さえるべき要件を整理します。
本記事は一般的な情報提供です。工業製品製造業分野は2024年に統合・見直しが行われ、対象業務区分や名称は変動するため、最新の内容は出入国在留管理庁および経済産業省の分野別の運用方針で必ず確認してください。
工業製品製造業の特定技能はここが特徴
まず、工業製品製造業ならではのポイントを押さえます。
- 2024年に旧3分野を統合 — 「素形材産業」「産業機械製造業」「電気電子情報関連産業」が一つの「工業製品製造業」に統合されました。過去の資料では旧分野名で書かれていることがあるので注意してください。
- 対象業務区分が幅広い — 機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理を中心に、繊維・印刷などの区分も含みます。
- 製造業特定技能協議会への加入が必要 — 受け入れ企業は「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」の構成員になります。
- 特定技能1号・2号の両方がある — 機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理などで2号が設計されています。1号と2号の違いは特定技能1号と2号の違いで解説しています。
対象となる業務区分
工業製品製造業は業務区分が多く、自社の業務がどの区分に当たるかを最初に確認することが重要です。主な区分は次のとおりです。
- 機械金属加工
- 電気電子機器組立て
- 金属表面処理
- 紙器・段ボール箱製造
- コンクリート製品製造
- RPF製造
- 陶磁器製品製造
- 印刷・製本
- 紡織製品製造
- 縫製
どの区分に当たるかで、本人が受ける技能測定試験が変わります。区分は制度改正で見直されることがあるため、最新の内容は分野別情報で確認してください。
工業製品製造業で必要な試験
工業製品製造業で特定技能外国人を受け入れるには、本人が次の要件を満たしている必要があります。
- 技能試験 — 「製造分野特定技能1号評価試験」(自社の業務区分に対応する試験)。
- 日本語試験 — 「日本語能力試験N4以上」または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」。
対応する分野の技能実習2号を良好に修了した人は、これらの試験が免除されます。製造現場に慣れた人材を受け入れやすいルートです(特定技能・技能実習・育成就労の違い)。
特定技能2号へ進むには、「製造分野特定技能2号評価試験」とビジネス・キャリア検定3級、または技能検定1級などの合格が必要です(機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理が2号の対象)。
飲食料品製造業との違い(混同しやすいポイント)
「製造業」という言葉が共通するため、飲食料品製造業と混同されることがありますが、別の分野です。
- 工業製品製造業 — 部品・産業機械・電気電子・繊維・印刷などの工業製品の製造。所管は経済産業省。
- 飲食料品製造業 — 食品工場での**飲食料品(酒類を除く)**の製造・加工。所管は農林水産省。
加入する協議会も技能測定試験も別なので、自社の製造物がどちらに当たるかで進め方が変わります。
受け入れ企業に求められる要件
工業製品製造業で受け入れるには、企業側に次のような条件が求められます。
- 製造業特定技能協議会への加入 — 「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」の構成員になること。
- 所管省庁の調査等への協力 — 経済産業省が行う調査や指導に協力すること。
企業側に共通して求められる受け入れ要件は特定技能で企業に求められる受け入れ要件、採用全体の流れは特定技能の採用の流れで解説しています。
採用ルート
工業製品製造業で特定技能外国人を採用する主なルートは次のとおりです。
- 試験合格者を採用 — 国内・海外で該当区分の製造分野試験に合格した人材を採用します。
- 技能実習からの移行 — 対応する分野の技能実習2号良好修了者は試験免除でスムーズに移行できます。
- 国内在住者の採用 — すでに日本にいる特定技能外国人を採用すると、渡航費などの初期費用を抑えやすくなります。
費用の目安
工業製品製造業でも、費用の考え方は他分野と同じく「初期費用+月額の支援委託費」です。
- 初期費用 — 人材紹介手数料(人材紹介手数料の相場)、在留資格の申請費用、渡航費など。
- 月額 — 登録支援機関への支援委託費(1人あたり月2〜3万円程度)。
総額の内訳と採用ルート別のモデルは特定技能の採用費用・相場で整理しています。
登録支援機関の活用
自社で生活支援の体制を整えるのが難しい場合は、登録支援機関へ委託できます。選び方は登録支援機関の選び方、契約前の確認は契約前チェックリストを参考にしてください。採用後の定着の工夫は特定技能外国人の定着支援で解説しています。
まとめ
工業製品製造業で特定技能の外国人を採用するには、①自社の業務がどの業務区分に当たるかの確認②必要な試験(製造分野特定技能1号評価試験・日本語N4以上)③製造業特定技能協議会(製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会)への加入を押さえることが第一歩です。2024年に旧3分野が統合され区分が幅広いので、まず区分の確認から始めましょう。技能実習からの移行は試験免除、長期就労は特定技能2号への移行が道筋になります。
制度の全体像は特定技能採用の完全ガイド、対象分野の一覧は特定技能の対象16分野一覧、よくある失敗は特定技能採用でよくある失敗と注意点をご覧ください。
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よくあるご質問
- 工業製品製造業で特定技能の外国人を採用するには何が必要ですか?
- 採用する外国人が、製造分野特定技能1号評価試験(自社の業務区分に対応するもの)に合格し、日本語能力試験N4以上(または国際交流基金日本語基礎テスト)の日本語力を持つことが基本です。対応する分野の技能実習2号を良好に修了した人は試験が免除されます。企業側は、受け入れ要件を満たし、製造業特定技能協議会(製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会)の構成員になる必要があります。
- 工業製品製造業の対象業務区分にはどんなものがありますか?
- 機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理を中心に、紙器・段ボール箱製造、コンクリート製品製造、RPF製造、陶磁器製品製造、印刷・製本、紡織製品製造、縫製など幅広い業務区分が対象です。自社の業務がどの区分に当たるかで、受ける技能測定試験が変わります。最新の区分は出入国在留管理庁・経済産業省の運用方針で確認してください。
- 工業製品製造業と飲食料品製造業はどう違いますか?
- どちらも「製造」分野ですが、工業製品製造業は部品・産業機械・電気電子・繊維・印刷などの工業製品の製造が対象で、所管は経済産業省です。飲食料品製造業は食品工場での飲食料品(酒類を除く)の製造・加工が対象で、所管は農林水産省です。加入する協議会も技能測定試験も別なので、自社の製造物がどちらに当たるかで進め方が変わります。