ビルクリーニングで特定技能の外国人を採用するには|要件・試験・事業所登録
目次
ビルクリーニング(建築物内部の清掃)は、特定技能1号・2号の両方が用意され、人手不足が続く中で外国人材の受け入れが進む分野です。この分野には、受け入れる営業所が「建築物清掃業」などの登録を受けていることという固有の要件があります。このページで、ビルクリーニングで特定技能の外国人を採用するために押さえるべき要件を整理します。
本記事は一般的な情報提供です。ビルクリーニング分野の要件・対象業務の範囲は変動するため、最新の内容は出入国在留管理庁および厚生労働省の分野別の運用方針で必ず確認してください。
ビルクリーニングの特定技能はここが特徴
まず、ビルクリーニングならではのポイントを押さえます。
- 対象業務は「建築物内部の清掃」 — オフィスビル・商業施設・ホテルなどの建物内部の清掃作業が対象です。
- 営業所の登録が必要 — 受け入れる営業所が、都道府県知事から建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業の登録を受けていることが、この分野固有の要件です。
- ビルクリーニング分野特定技能協議会への加入が必要 — 受け入れ企業は協議会の構成員になります。
- 特定技能1号・2号の両方がある — 2号では、複数の作業員を指導しながら清掃に従事し、現場管理やマネジメント業務を担うことが想定されています。1号と2号の違いは特定技能1号と2号の違いで解説しています。
ビルクリーニングで必要な試験
ビルクリーニングで特定技能外国人を受け入れるには、本人が次の要件を満たしている必要があります。
- 技能試験 — 「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」。
- 日本語試験 — 「日本語能力試験N4以上」または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」。
ビルクリーニングの技能実習2号を良好に修了した人は、これらの試験が免除されます。技能実習からの移行は、清掃の現場に慣れた人材を受け入れやすいルートです(特定技能・技能実習・育成就労の違い)。
なお特定技能2号へ進むには、「ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験」または技能検定1級の合格が必要です。
対象となる業務
ビルクリーニングの1号で従事できるのは、建築物内部の清掃です。オフィスビル・商業施設・宿泊施設などの建物内部の床・壁・什器・衛生設備などの清掃作業が中心になります。2号になると、清掃作業に加えて複数作業員の指導・現場管理・マネジメント業務が対象に広がります。
事業所(営業所)の登録要件(この分野の最大の注意点)
ビルクリーニング分野で特に注意したいのが、受け入れる営業所の登録要件です。
- 受け入れを行う営業所は、都道府県知事から「建築物清掃業」または「建築物環境衛生総合管理業」の登録を受けている必要があります。
- 登録を受けていない営業所では、ビルクリーニング分野の特定技能外国人を受け入れられません。
自社の営業所がこの登録を受けているか、これから登録するのかを、採用を進める前に確認しておくことが第一歩になります。
宿泊(客室清掃)との違い(混同しやすいポイント)
「清掃」という共通点から宿泊分野と混同されることがありますが、別の分野です。
- ビルクリーニング — オフィスビル・商業施設などの建築物内部の清掃を担う分野。受け入れ営業所が建築物清掃業などの登録を受けている必要があります。
- 宿泊 — ホテル・旅館でのフロント・接客・企画・広報などの宿泊サービス全般が対象で、客室清掃もその業務の一部に含まれます。
ホテル・旅館の自社スタッフによる客室清掃は宿泊分野の業務に含まれる場合があり、一方で清掃を専門に請け負う事業者はビルクリーニング分野に当たります。自社の業態(清掃専業か、宿泊サービスの一環か)で進め方が変わるため、迷う場合は確認しておきましょう。
受け入れ企業に求められる要件
ビルクリーニングで受け入れるには、企業側に次のような条件が求められます。
- 営業所の登録 — 上記の建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業の登録(この分野固有)。
- ビルクリーニング分野特定技能協議会への加入 — 受け入れ企業は協議会の構成員になること。
- 所管省庁の調査等への協力 — 厚生労働省が行う調査や指導に協力すること。
企業側に共通して求められる受け入れ要件は特定技能で企業に求められる受け入れ要件、採用全体の流れは特定技能の採用の流れで解説しています。
採用ルート
ビルクリーニングで特定技能外国人を採用する主なルートは次のとおりです。
- 試験合格者を採用 — 国内・海外でビルクリーニングの試験に合格した人材を採用します。
- ビルクリーニングの技能実習からの移行 — 試験免除でスムーズに移行できます。
- 国内在住者の採用 — すでに日本にいる特定技能外国人を採用すると、渡航費などの初期費用を抑えやすくなります。
費用の目安
ビルクリーニングでも、費用の考え方は他分野と同じく「初期費用+月額の支援委託費」です。
- 初期費用 — 人材紹介手数料(人材紹介手数料の相場)、在留資格の申請費用、渡航費など。
- 月額 — 登録支援機関への支援委託費(1人あたり月2〜3万円程度)。
総額の内訳と採用ルート別のモデルは特定技能の採用費用・相場で整理しています。
登録支援機関の活用
自社で生活支援の体制を整えるのが難しい場合は、登録支援機関へ委託できます。選び方は登録支援機関の選び方、契約前の確認は契約前チェックリストを参考にしてください。採用後の定着の工夫は特定技能外国人の定着支援で解説しています。
まとめ
ビルクリーニングで特定技能の外国人を採用するには、①必要な試験(ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験・日本語N4以上)②対象業務は建築物内部の清掃③営業所が建築物清掃業/建築物環境衛生総合管理業の登録を受けていること④ビルクリーニング分野特定技能協議会への加入を押さえることが第一歩です。とくに営業所の登録要件はこの分野固有なので、採用前に確認しておきましょう。技能実習からの移行は試験免除、長期就労は特定技能2号への移行が道筋になります。
制度の全体像は特定技能採用の完全ガイド、対象分野の一覧は特定技能の対象16分野一覧、よくある失敗は特定技能採用でよくある失敗と注意点をご覧ください。
「自社の営業所でビルクリーニングの特定技能外国人を受け入れられるか」「営業所の登録要件を満たしているか」を相談したい場合は、条件に合う登録支援機関・人材紹介会社を無料でご紹介します(提携先のサービスをご紹介しています)。
よくあるご質問
- ビルクリーニングで特定技能の外国人を採用するには何が必要ですか?
- 採用する外国人が、ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験に合格し、日本語能力試験N4以上(または国際交流基金日本語基礎テスト)の日本語力を持つことが基本です。ビルクリーニングの技能実習2号を良好に修了した人は試験が免除されます。企業側は、都道府県知事から建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業の登録を受けた営業所であることに加え、ビルクリーニング分野特定技能協議会の構成員になる必要があります。
- ビルクリーニングの特定技能で任せられる仕事は何ですか?
- 1号では「建築物内部の清掃」が対象業務です。オフィスビル・商業施設・ホテルなどの建物内部の清掃作業に従事できます。特定技能2号では、複数の作業員を指導しながら清掃に従事し、現場管理やマネジメント業務を担うことが想定されています。
- ビルクリーニングの特定技能には事業所の登録が必要と聞きました。本当ですか?
- はい。ビルクリーニング分野では、受け入れる営業所が都道府県知事から「建築物清掃業」または「建築物環境衛生総合管理業」の登録を受けていることが、この分野固有の要件として求められます。登録を受けた営業所での受け入れが前提になる点が、他の分野と異なる注意点です。