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介護の人手不足はなぜ起きるか|現状データと解決策の選び方

著者: 西野 俊祐最終更新: 2026-08-14最終確認: 2026-08-14運営者情報
目次

よくあるご質問

介護の人手不足はどのくらい深刻ですか?
出入国在留管理庁の介護分野の分野別運用方針(令和8年1月23日閣議決定)は、令和10年度に259,300人程度の人手不足が見込まれるとしています。介護分野の有効求人倍率は令和6年度で4.08倍、都道府県別でも全都道府県が2.00倍以上です。現場の実感では、介護労働安定センターの令和7年度介護労働実態調査で、従業員が不足していると答えた事業所が65.8%(前年度65.2%)でした。
介護の人手不足はなぜ起きているのですか?
辞める人が増えているというより、入ってくる人が足りていません。介護労働安定センターの令和7年度介護労働実態調査では、訪問介護員と介護職員を合わせた離職率が12.4%で横ばいの一方、採用率は14.6%と低い水準にとどまっています。加えて高齢化でサービス需要が増え続けており、厚生労働省は賃上げで先行する他産業と人材の引き合いになっているとしています(令和7年4月の有効求人倍率は介護関係職種の全国平均3.77倍・職業計1.08倍)。
人手不足の対策は、何から手を付ければよいですか?
最初の1手は「打ち手を選ぶ」ではなく「自社の不足が入口(応募が来ない)なのか出口(続かない)なのかを、採用率と離職率で切り分ける」ことです(全国値=採用率14.6%・離職率12.4%)。両方なら出口から見ます。介護労働安定センターの令和7年度介護労働実態調査では、採用・定着の方策のうち採用に効果があったの最上位が賃金水準の向上38.4%、職場定着の最上位が有給休暇等の取得や勤務日時の変更をしやすい職場づくり57.9%でした(別設問の採用活動では、有料職業紹介所の活用が53.4%で最も高い効果率です。いずれも同調査による数値で、当社の紹介実績ではありません)。介護テクノロジーは施設系(入所型)で昼76.8%・夜74.2%が効果ありとする一方、施設系(通所型)の夜間は34.5%で、サービス系型によって返り方が違います。
外国人の受け入れは打ち手として現実的ですか?
介護労働安定センターの令和7年度介護労働実態調査では、外国籍労働者を受け入れている介護事業所は18.6%で、前年度から2.8ポイント上昇しました。特定技能1号(介護分野)の在留者数は74,745人・受入れ見込数の充足率は58.9%です(令和8年3月末時点・速報値)。課題として多いのは意思疎通49.1%・住宅や寮の確保39.6%・サポート役の負担35.7%で、雇用形態は直接雇用に限られます。自社の事業所が対象施設に当たるか・何人まで受け入れられるかは、介護分野の受け入れ条件の解説記事で確認してください。

出典・参考(一次情報)

  1. 介護分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針(令和8年1月23日閣議決定)=「令和 10 年度に必要となる就業者数を推計すると、235 万 7,300 人となる」/「介護分野の有効求人倍率は、令和6年度においては 4.08 倍」「都道府県別の有効求人倍率でも、全都道府県において 2.00 倍以上にあり、依然として高い水準にある」/「人手不足が9万 8,600 人程度緩和されることが見込まれるものの、なお 16 万 700 人程度の人手不足が見込まれる」/「令和 10 年度には 25 万 9,300 人程度の人手不足が見込まれる中、介護ロボット、ICT等の活用などの取組による5年間で2%程度の生産性向上(令和 10 年度までに4万 7,100 人程度)や、処遇改善、高齢者及び女性の就業促進等による追加的な国内人材の確保(令和 10 年度までに5万 1,500 人程度)を行ってもなお不足すると見込まれる」/1号特定技能外国人の受入れ見込数12万6,900人(令和10年度末までの5年間の受入れの上限として運用)・育成就労外国人3万3,800人(令和9年度から2年間)/第二2(2)特定技能外国人の雇用形態「直接雇用に限る」/令和6年度の介護職員(月給・常勤の者)の平均給与額は令和5年度と比較して4.3%(約1.4万円)増加/令和6年度介護報酬改定で処遇改善関連加算を一本化し「令和6年度に 2.5%、令和7年度に 2.0%のベースアップへと確実につながるよう加算率の引上げを実施」/介護分野の離職率は「令和元年度には 15.4%であったが、令和6年度には 12.4%に減少した」/確認日2026年8月14日(出入国在留管理庁)
  2. 第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について(令和6年7月12日公表・別紙1)=「第9期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づき、都道府県が推計した介護職員の必要数を集計すると、2026年度には約240万人(+約25万人(6.3万人/年))・2040年度には約272万人(+約57万人(3.2万人/年))となった」※()内は2022年度(約215万人)比/注1「2022年度(令和4年度)の介護職員数約215万人は、『令和4年介護サービス施設・事業所調査』による」/注2「介護職員の必要数(約240万人・272万人)については、足下の介護職員数を約215万人として、市町村により第9期介護保険事業計画に位置付けられたサービス見込み量(総合事業を含む)等に基づく都道府県による推計値を集計したもの」/確認日2026年8月14日(厚生労働省)
  3. 介護職員数の推移の更新(令和6年分)について(令和7年12月19日公表)=「各サービスの介護職員数を集計すると、令和6年10月1日時点で、2,126,227人(対前年+487人)となった」/別紙「介護職員数の推移」=令和元年度210.6万人・令和2年度211.9万人・令和3年度214.9万人・令和4年度215.4万人・令和5年度212.6万人・令和6年度212.6万人(注1「介護職員数は、常勤、非常勤を含めた実人員数。(各年度の10月1日現在)」)/同別紙に併載の要介護(要支援)認定者数=令和元年度667万人・令和2年度676万人・令和3年度688万人・令和4年度697万人・令和5年度705万人・令和6年度720万人(出典=厚生労働省「介護保険事業状況報告」)/確認日2026年8月14日(厚生労働省)
  4. 介護人材確保の現状について(第2回社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門委員会 参考資料3・令和7年6月9日)=「介護関係職種は他産業と比較し有効求人倍率が高く、人材確保に課題を抱える中、昨今の賃上げで先行する他産業と人材の引き合いとなっている状況にあり、介護分野の人材確保が大変厳しい状況にある」/介護職員数の推移の図に「介護職員数は令和5年度に初の減少」と注記/都道府県別有効求人倍率(令和7年4月)=「介護関係職種全国平均 3.77倍」「職業計全国平均 1.08倍」(出典=厚生労働省「職業安定業務統計」・パートタイムを含む常用の原数値)/確認日2026年8月14日(厚生労働省)
  5. 令和7年度「介護労働実態調査」結果の概要について(令和8年7月29日公表)=離職率12.4%(横ばい)・採用率14.6%(上昇幅0.3ポイント・「昨年度に続き低い水準」)・29歳以下の離職率17.3%/過不足感「大いに不足」11.1%+「不足」20.9%+「やや不足」33.8%=65.8%(前年度65.2%)・訪問介護員82.9%・介護職員69.8%/採用に効果があった方策1位「賃金水準の向上」38.4%・職場定着1位「有給休暇等の各種休暇の取得や勤務日時の変更をしやすい職場づくり」57.9%(実施率75.4%)・「人間関係が良好な職場づくり」実施率74.2%/就職経路1位「友人・知人からの紹介」33.8%・ハローワーク19.4%(勤続1年未満は2位が求人情報サイト21.3%)/採用活動の実施率=友人・知人などの紹介依頼66.0%(効果47.3%)・ハローワーク等へ相談64.8%(効果41.8%)/直前の仕事を辞めた理由(介護関係)1位「職場の人間関係に問題があったため」27.3%・その内容の45.8%が「上司や先輩からの指導や言動がきつかったり、パワーハラスメントがあった」/月給の人の通常月の平均月収254,951円(前年度比+2.4%)/悩み・不安・不満1位「人手が足りない」52.3%・満足度D.I.「人員配置体制」▲18.5p/介護テクノロジー導入効果(図表7-2-1)昼53.8%・夜47.2%〔施設系(入所型)76.8%・74.2%/訪問系48.6%・39.9%/施設系(通所型)51.0%・34.5%/居住系60.1%・62.5%/居宅介護支援46.0%・27.5%〕・導入状況(図表7-1-1)移乗支援1.9%・入浴支援6.7%・WiFi設備53.9%/外国籍労働者を受け入れている18.6%(+2.8ポイント)・受け入れていない78.7%・受け入れの課題(図表8-3-1)と今後の方針(図表8-2-1/8-2-2)・訪問系での受け入れ方針(図表8-4-1)「受け入れる予定はない」47.2%〔19人以下58.1%・300人以上33.2%〕/図表2-3-1(方策の実施率と効果率=行っている事業所に占める割合)賃金水準の向上 実施61.4%〔採用38.4%・定着51.6%〕・有給休暇等の取得等 実施75.4%〔採用28.6%・定着57.9%〕・人間関係が良好な職場づくり 実施74.2%〔定着54.6%〕・相談窓口の設置 実施49.3%〔定着37.7%〕/図表2-1-1(採用活動)有料職業紹介所を活用 実施37.9%〔採用に効果53.4%=最高〕・民間の有料求人情報サイト 実施36.3%〔44.8%〕/図表8-2-1 無回答 R7 11.3%・R6 4.3%/図表8-3-1 全12項目/今後5年間に家族介護をする可能性50.2%・うち現職場では続けられないと思う39.8%/スポットワーク利用8.9%・うち正社員等へ雇用28.0%/確認日2026年8月14日(公益財団法人介護労働安定センター)
  6. 介護人材確保の現状について(第1回社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門委員会 資料5・令和7年5月9日)=「都道府県別有効求人倍率(令和7年3月)と地域別の高齢化の状況」=「介護分野の有効求人倍率は、地域ごとに大きな差異があり、地域によって高齢化の状況等も異なる」「介護関係職種全国平均 3.97倍」「職業計全国平均 1.16倍」(資料出所=厚生労働省「職業安定業務統計」)/同ページの75歳以上人口(2015年→2025年・( )は倍率)=埼玉県77.3万人→120.9万人(1.56倍・順位1)・千葉県70.7→107.2(1.52倍)・神奈川県99.3→146.7(1.48倍)・愛知県80.8→116.9(1.45倍)・大阪府105.0→150.7(1.44倍)・東京都146.9→194.6(1.33倍・順位11)・鹿児島県26.5→29.5(1.11倍)・秋田県18.9→20.9(1.11倍)・山形県19.0→21.0(1.10倍)・全国1632.2→2180.0(1.34倍)(国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成30年3月推計)」より作成)/確認日2026年8月14日(厚生労働省)
  7. 特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年3月末時点・速報値)=介護分野の受入れ見込数126,900人・在留者数74,745人・受入れ見込数の充足率58.9%・年間増加数26,332人(※3「年間増加数は、令和7年3月末在留者数と令和8年3月末在留者数の差(速報値)」)/確認日2026年8月14日(出入国在留管理庁)