介護の特定技能 受け入れ要件・人数枠・配置基準|何人まで採用できる?
目次
介護で特定技能外国人の受け入れを計画するとき、多くの担当者がつまずくのが「結局、自社の事業所で何人雇えるのか」「入ったその人を、いつから職員として数えられるのか」です。介護ではこの2つが別々のルールで決まるため混乱しやすいところです。結論を先に言うと、人数の上限は**入管法の人数枠(事業所の常勤介護職員数が上限)で決まり、人員配置基準に数えられるタイミングは介護保険のルール(特定技能は就労開始から算入できる)**で決まります。このページで、自社に当てはめて「何人まで・いつから戦力か」を具体的に整理します。
この記事の要点
- 人数の上限=常勤介護職員数 — 事業所単位で、1号特定技能外国人の数は日本人等の常勤介護職員の総数が上限。技能実習生などは分母(常勤介護職員)に含めずに数えます。
- 配置基準には就労開始から算入できる — 特定技能1号は、技能実習生と違い就労初日から介護報酬の人員配置基準に数えられます(就労当初はチームでケアする体制が条件)。
- 業務は身体介護+付随業務 — 入浴・食事・排せつの介助などとその付随業務。2025年4月から訪問系サービスも一定要件で可。医療行為は原則対象外です。
本記事は一般的な情報提供です。介護分野の人数枠・人員配置基準上の取扱い・対象業務は変動するため、最新の内容は出入国在留管理庁および厚生労働省の案内で必ず確認してください。
介護の「人数」には2つの別ルールがある
介護の受け入れを考えるとき、「人数」には性質の違う2つのルールが関わります。混同するとつまずくので、まず分けて押さえます。
| ルール | 何を決めるか | 根拠 |
|---|---|---|
| 受け入れ人数の上限 | 事業所で何人まで受け入れられるか | 入管法(介護分野の運用方針) |
| 人員配置基準への算入 | 受け入れた人をいつから職員として数えられるか | 介護保険(人員配置基準) |
この2つを順に見ていきます。
① 受け入れ人数の上限(常勤介護職員数が上限)
介護分野では、事業所単位で、1号特定技能外国人の総数が、その事業所の日本人等の常勤介護職員の総数を超えないことが求められます。
ポイントは「分母に何を数えるか」です。上限の基準になる「日本人等の常勤介護職員」には、技能実習生・特定技能1号外国人・その他の外国人就労者は含めません。つまり、日本人などの常勤介護職員だけを数えた人数が、受け入れられる1号特定技能外国人の上限になります。
たとえば次のように考えます。
- 日本人等の常勤介護職員が8人の事業所 → 1号特定技能外国人は最大8人まで。
- すでに技能実習生を受け入れていても、技能実習生は分母(常勤介護職員)に数えないため、上限は日本人等の常勤介護職員数のまま変わりません。
受け入れを計画するときは、まず自社の各事業所の日本人等の常勤介護職員数を確認し、それを基準に何人まで採用できるかを見積もります。
② 人員配置基準への算入(就労開始から数えられる)
もう一つの「人数」のルールが、介護報酬の人員配置基準(利用者数に対して必要な介護職員数)に、受け入れた外国人をいつから算入できるかです。ここが技能実習との大きな実務差になります。
- 特定技能1号は、就労開始の時点から人員配置基準に算入できます。技能実習生のように一定期間の経過を待つ必要がありません。
- ただし、就労を始めた当初は、安全なケアを確保するため、一定期間ほかの職員とチームでケアにあたる体制をとることが求められます。
「採用してすぐに人員基準上の戦力として数えられる」ことは、配置基準ぎりぎりで運営している事業所ほど効いてきます。技能実習からの移行か、試験合格者の新規採用かを選ぶときの判断材料にもなります。
人員配置基準上の取扱い(チームでケアする体制の期間など)は、運用が更新されることがあります。実際に配置を計画する際は、厚生労働省の最新の案内で必ず確認してください。
従事できる業務の範囲(できる業務・できない業務)
人数とあわせて確認しておきたいのが、任せられる業務の範囲です。
- できる業務 — 身体介護等(入浴・食事・排せつの介助など)と、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助、記録・申し送りなど)。
- 2025年4月21日から可能になった業務 — 一定の要件のもとで、訪問介護などの訪問系サービスにも従事できるようになりました(本人の実務経験や事業者側の研修・同行などの条件があります)。
- 原則できない業務 — 医師法上の医療行為は原則として担当できません。喀痰吸引等のごく一部の行為は、所定の研修を修了した場合に限り可能です。
施設での身体介護を中心に任せられる、と考えておくと計画を立てやすくなります。訪問系サービスの要件や、介護ならではの業務の詳細は介護で特定技能の外国人を採用するにはで整理しています。
介護固有の要件は人数・業務だけではない
ここまでの人数枠・配置基準・業務範囲に加えて、介護では受け入れの前提として介護固有の上乗せ要件があります。
- 介護固有の試験 — 介護技能評価試験・介護日本語評価試験など(介護職種の技能実習2号を良好に修了した人は試験が免除されます)。
- 協議会への加入 — 受け入れ企業は「介護分野における特定技能協議会」の構成員になる必要があります。
- 雇用形態 — 直接雇用のみ(派遣は不可)、フルタイム、報酬は日本人と同等以上。
これら(試験・協議会・雇用形態)の詳しい中身は、介護の採用全体をまとめた介護で特定技能の外国人を採用するにはで解説しています。本記事は「人数・配置・業務範囲」に絞っています。
なお、企業に共通して求められる受け入れ要件(雇用契約・支援体制・支援計画の基準と、受け入れ後の義務)は特定技能で企業に求められる受け入れ要件で整理しています。介護では、この共通要件の上に上記の上乗せが乗る、という関係です。
自社で「何人・いつから」受け入れられるかを確認する
最後に、自社に当てはめる手順をまとめます。
事業所ごとの常勤介護職員数を数える
日本人等の常勤介護職員の人数を事業所ごとに確認します(技能実習生などは含めません)。これが受け入れられる1号特定技能外国人の上限です。配置基準への影響を見込む
特定技能1号は就労開始から人員配置基準に算入できます。就労当初のチームでケアする体制を前提に、配置計画に織り込みます。任せる業務と採用ルートを決める
身体介護中心か、将来的に訪問系も視野に入れるかで要件が変わります。試験合格者の採用か技能実習からの移行かは、配置への算入や費用も踏まえて選びます。
費用の目安は介護の特定技能 採用費用・相場、支援体制を委託する場合の機関選びは介護に強い登録支援機関の選び方と費用相場で解説しています。
まとめ
介護の受け入れ可否は、「何人まで(入管法の人数枠=常勤介護職員数が上限)」と「いつから職員として数えられるか(介護保険の人員配置基準=特定技能は就労開始から算入)」の2つの別ルールで決まります。任せられるのは身体介護等とその付随業務で、2025年4月からは一定要件で訪問系サービスも可能になりました。試験・協議会・雇用形態などの介護固有の要件とあわせて、まずは自社の常勤介護職員数を起点に「何人・いつから」を見積もるのが受け入れ計画の第一歩です。
介護の採用全体は介護で特定技能の外国人を採用するには、企業共通の受け入れ要件は特定技能で企業に求められる受け入れ要件、対象分野の一覧は特定技能の対象16分野一覧をご覧ください。
「自社の介護事業所で特定技能外国人を何人まで受け入れられるか」「配置基準を踏まえてどう計画するか」を相談したい場合は、条件に合う登録支援機関・人材紹介会社を無料でご紹介します(提携先のサービスをご紹介しています)。
よくあるご質問
- 介護で特定技能外国人は何人まで受け入れられますか?
- 事業所単位で、1号特定技能外国人の総数が、日本人等の常勤介護職員の総数を超えない範囲です。技能実習生や他の外国人就労者は、この「常勤介護職員」に含めずに数えます。たとえば日本人等の常勤介護職員が8人なら、1号特定技能外国人は最大8人までが目安です。
- 特定技能の介護職員は人員配置基準にいつから算入できますか?
- 特定技能1号は、就労開始の時点から介護報酬の人員配置基準に算入できます(技能実習生のように一定期間の経過を待つ必要はありません)。ただし就労当初は、安全確保のため一定期間ほかの職員とチームでケアにあたる体制をとることが求められます。最新の取扱いは厚生労働省の案内で確認してください。
- 特定技能の介護で任せられる業務は何ですか?
- 身体介護等(入浴・食事・排せつの介助など)と、これに付随する支援業務(レクリエーションや機能訓練の補助など)です。2025年4月21日からは、一定の要件のもとで訪問系サービスにも従事できるようになりました。医師法上の医療行為は原則として担当できません。
- 介護の受け入れ要件は全業種共通の要件と何が違いますか?
- 雇用契約・支援体制など全業種に共通する要件に加えて、介護では「事業所単位の人数枠」「介護分野の協議会への加入」「介護固有の試験」が上乗せされます。共通要件は受け入れ要件の記事、試験・協議会の詳細は介護の採用ガイドで解説しています。