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特定技能の費用|採用費用の相場と維持費・ランニングコスト

著者: 西野 俊祐最終更新: 2026-08-11最終確認: 2026-08-11運営者情報
目次

よくあるご質問

特定技能で外国人を1人採用する費用の総額はいくらですか?
採用ルートで変わります。初期費用は全体で約10〜95万円——技能実習2号からの移行が約10〜25万円、国内在住者の採用が約40〜55万円、海外からの呼び寄せが約55〜95万円です。これに登録支援機関への支援委託費(1人あたり月15,000〜30,000円程度=年24〜36万円)が加わるので、初年度の総額は約34〜131万円になります(移行 約34〜61万円/国内 約64〜91万円/海外 約79〜131万円)。公開情報・市場水準をもとにした目安で、市場調査による平均値ではありません。実際は分野・地域・委託範囲で変動します。
特定技能の採用後、毎年いくらかかりますか?
支援を登録支援機関に委託する場合、2年目以降の中心は支援委託費で、1人あたり月2〜3万円程度×12か月=おおむね年24〜36万円程度が目安です。在留期間の更新がある年は、これに国へ納める手数料(窓口6,000円・オンライン5,500円)が加わります。申請書類の作成や申請取次を行政書士などの専門家に依頼する場合の報酬は別途で、1回あたり5〜15万円程度が目安です。委託費の水準は出入国在留管理庁の集計(令和4年〔2022年〕9月末時点・暫定値・全分野の集計で月額平均28,386円)と整合する目安ですが、委託範囲・分野・地域で変わります。建設分野はこれにJAC(建設技能人材機構)の受入負担金(1人あたり月12,500円=年15万円)が加わり、2年目以降は約39〜51万円になります(賛助会員として直接加入している場合は年会費24万円も別途)。分野団体費の有無と額は分野で違い、工業製品製造業は事業所単位の年会費、介護はかかりません。
登録支援機関への委託費はいくらが相場ですか?
1人あたり月15,000〜30,000円程度(月2〜3万円程度)が一つの目安です。出入国在留管理庁の集計(令和4年9月末時点・暫定値・全分野の合算で、直近の許可に係る申請で登録支援機関に有償で委託するとされた70,404人分)では、支援委託料(月額)の平均は28,386円で、全体の約9割が月30,000円以下でした。金額帯で最も多いのは20,000円超〜25,000円以下(26.2%)、次いで15,000円超〜20,000円以下(25.3%)です。分野別の内訳は、同資料および出入国在留管理庁の公表資料を確認した範囲(2026年8月10日時点)では見当たりませんでした。国が定めた相場や上限はなく、含まれる支援の範囲によって金額は変わるため、正確な金額は見積もりで確認してください。
在留期間の更新にはいくらかかりますか?
在留期間更新許可申請の手数料は、2025年4月1日以降の受付分で窓口6,000円・オンライン5,500円です(改定前は4,000円)。許可されるときに納める手数料なので、不許可の場合はこの手数料自体は発生しません。これとは別に、申請書類の作成や申請取次を行政書士などの専門家に依頼する場合はその報酬(1回あたり5〜15万円程度が目安)がかかります。なお2026年7月3日に意見公募が始まった政令案では、2026年10月1日の施行で手数料を許可される在留期間の長さに応じた額へ改める案が示されており、在留資格変更許可・在留期間更新許可は許可される在留期間に応じ窓口10,000〜75,000円(オンラインは同額〜10,000円低い額)とされています。特定技能1号は在留期間が3年を超えない範囲で指定されるため、当てはまるのは窓口10,000〜64,000円の範囲です(1年なら33,000円、1年超3年未満なら48,000円、3年なら64,000円)。ただし2026年8月10日時点でこの政令の公布は確認できておらず、確定した額は公布後に確認が必要です。
特定技能の届出は今も四半期ごとに必要ですか?
受入れ機関の定期届出は年1回です。四半期ごとの届出は2025年4月15日までに提出するものが最後で、以後は1年に1回になりました(対象期間は4月1日〜翌年3月31日、提出期限は翌年5月31日)。新ルールでの初回提出は2026年4月以降です。なお、雇用契約や支援内容の変更などがあったときの随時届出は、これとは別に事由が生じた日から14日以内に必要です。
5年間ではトータルいくらかかりますか?
条件を固定すれば1本の数字になります。「国内在住者を採用・支援は全部委託・在留期間が1年ずつで更新4回・申請は毎回行政書士に依頼・建設以外」という条件なら、5年の合計は約202〜277万円(初期費用約40〜55万円+支援委託費約120〜180万円+更新手数料2.4万円+専門家報酬40万円)。更新が1回で済み専門家に依頼しないなら約161〜236万円まで下がります。いずれも賃金・法定福利費を除いた額です。内訳で積むと、支援委託費だけで5年間で約120〜180万円(月2〜3万円×60か月)。これに在留期間の更新のたびに国へ納める手数料(1回 窓口6,000円・オンライン5,500円)が更新の回数分かかります。回数は指定される在留期間によって変わり(1年ずつなら4回で合計24,000円、3年と2年なら1回で6,000円)、現行の額なら5年を通しても手数料は数万円の範囲です。⚠️ ただし2026年10月1日の施行が予定されている改定案(許可される在留期間の長さに応じた額)がそのまま施行されると桁が変わります(案の額で計算すると、1年ずつ4回なら窓口132,000円、3年→2年なら更新1回で48,000円)。書類作成・申請取次を行政書士などの専門家に依頼する場合の報酬(1回あたり5〜15万円程度)は、支援委託費にも国への手数料にも含まれない別建ての費用です。建設分野はこれにJACの受入負担金(1人あたり月12,500円)が加わり、5年間で75万円の上乗せ=支援委託費と合わせて約195〜255万円になる計算です(JACに賛助会員として直接加入している企業は年会費24万円×5年=120万円も別途。正会員である建設業者団体の傘下ならJACへの年会費はかかりません)。いずれも市場水準や現行の公表値をもとにした目安で、委託範囲・分野・料金改定によって変わります。
なぜ海外採用のほうが費用が高いのですか?
海外から呼び寄せる場合は、国内採用の費目(人材紹介手数料・在留資格申請・登録支援委託料など)に加えて、送出機関費用や渡航・健診・住居初期などがかかるためです。送出機関費用は国によって大きく変わります。なお国へ納める手数料でみると、海外ルートの在留資格認定証明書交付申請は「手数料はかかりません」とされており、国内での在留資格変更許可(窓口6,000円・オンライン5,500円)とは扱いが違います。
日本人の採用と比べて、特定技能だけにかかり続ける費用は何ですか?
3つあります。①登録支援機関への支援委託費(1人あたり月2〜3万円程度が目安)②在留期間の更新にかかる費用(国に納める手数料は窓口6,000円・オンライン5,500円。申請書類の作成や申請取次を行政書士などの専門家に依頼する場合はその報酬が別途)③届出・定期面談などの続く事務・支援の負担。日本人を人材紹介で採用する場合、手数料は採用時の一度きりで、①のような特定技能に固有の月額費目にあたるものはありません(社会保険・労働保険の事業主負担は、日本人の雇用でも同じく毎月発生します)。ただしどちらが安いかは在籍年数・委託範囲で変わるため、断定はできません。
日本人を人材紹介で採用する場合と比べて費用は高いですか?
一概には言えません。まず前提として、厚生労働省の「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」が示す「常用就職1件あたり約103万円」は日本人に限った数字ではなく、職種区分の1つとして「特定技能の在留資格に係る職業紹介」も含む、国籍を問わない全職種の平均です(日本人の採用も含みます)。比べられるのは「人材紹介という手段を使ったときの相場」で、特定技能の紹介手数料の目安(20〜60万円程度)は市場水準からの推計です。母集団も統計量も違う数値の並置なので、差額を計算できるものではありません。一方、採用した企業が「主な職種の平均的な額」を自己申告した厚生労働省の委託調査(令和4年9月実施・税別)では、医療・介護・保育の3分野の職種で912,863.2円(n=691)、3分野以外の職種で1,089,459.7円(n=448)でした。なお日本人側の金額も「有料の人材紹介を使った場合」のもので、ハローワークや友人・知人の紹介など手数料のかからない経路で採用できているなら、採用時の費用は日本人採用のほうが低くなります。違うのは金額よりも費用の構造で、特定技能は登録支援機関への支援委託費が毎月続き、在留期間の更新のたびに申請費用も発生します。賃金は日本人と同等以上が要件です。
住居費や渡航費は外国人本人に負担してもらえますか?
住居費・食費・水道光熱費などは、実費を必要な限度で本人に負担してもらえます。社宅・寮を貸与する場合は貸与によって経済的利益を得てはならず、徴収してよい額は借上げ物件・自己所有物件それぞれについて算定方法が定められています。負担してもらう額は入国前の事前ガイダンスで本人に示し、確認書に署名を得る必要があります。一方、義務的支援(事前ガイダンスなど)の費用は、給与からの天引きのような間接的な形も含めて本人に負担させることはできません。登録支援機関への支援委託費もこの「支援に要する費用」に含まれます。帰国旅費は本人負担が原則ですが、本人が負担できないときは受け入れ企業(特定技能所属機関)が負担すると法令で定められています(報酬から控除して積み立てておくことは認められません)。来日時の渡航費は負担者を定める法令上の明文規定が確認できていませんが、出入国在留管理庁は送出しに必要となる費用(渡航費用を含む)を送出し国の法令等を踏まえて企業が全部または一部負担することを推奨しており、本記事の費用モデルでも企業負担として計上しています。
維持費(ランニングコスト)を抑える方法はありますか?
自社で担える支援と委託する支援を切り分けて委託範囲を見直す、在留期限の管理を徹底して更新の遅れや追加コストを防ぐ、複数の登録支援機関の見積もりを比較する、といった方法があります。中期的に最も効くのは特定技能2号への移行で、2号では支援計画の作成・実施の義務そのものがなくなるため、維持費の中心である月額の支援委託費が構造的にかからなくなります(移行できる分野・要件は限られます)。ただし自社支援には義務的支援の要件を満たす体制が必要で、その人件費は別途かかります。
特定技能の採用コストの数値(データ)は引用してもいいですか?
はい、本ページの「1人採用の代表モデル(採用コストベンチマーク)」の数値は自由に引用・転載いただけます。出典「トモハタ採用コストベンチマーク」と本ページのURLへのリンクを添えてください。ページ内に出典テキストのコピーとCSV・JSONのダウンロードを用意しています。

出典・参考(一次情報)

  1. 在留期間更新許可申請(手数料=許可されるときに窓口6,000円・オンライン5,500円/確認日2026年8月10日)(出入国在留管理庁)
  2. 在留資格認定証明書交付申請(手数料=「手数料はかかりません」/確認日2026年8月10日)(出入国在留管理庁)
  3. 特定技能制度の現状について(有識者会議 参考資料・登録支援機関への支援委託料の支払額=令和4年〔2022年〕9月末在留者対象の暫定値/マッチング媒体への支払額)(出入国在留管理庁)
  4. 労働・傷病兵・社会問題省 通達21/2021(附録II・XI/通達02/2024改正)(ベトナム政府官報)
  5. DMW Advisory No.31, Series of 2024(フィリピン移住労働者省(DMW))
  6. BP2MI長官決定 第148号(2023年・日本SSW向け配置費用の上限)(インドネシア移住労働者保護庁(BP2MI))
  7. 1号特定技能外国人支援・登録支援機関について(出入国在留管理庁)
  8. 出入国管理及び難民認定法施行規則(第19条の17第2項=特定技能所属機関の随時届出は事由に該当した日から14日以内/第19条の21第8号=支援業務に要する費用の額と内訳を示さない者は登録支援機関の登録拒否事由)(e-Gov法令検索(デジタル庁))
  9. 行政書士法(第19条第1項=いかなる名目によるかを問わず報酬を得ての業務の制限/第21条の2=罰則/第23条の3=両罰規定)(e-Gov法令検索(デジタル庁))
  10. 特定技能制度に関するQ&A(出入国在留管理庁)
  11. 1号特定技能外国人支援に関する運用要領(運用要領別冊・令和7年4月1日一部改正・確認日2026年8月10日)(出入国在留管理庁)
  12. 「特定技能外国人受入れに関する運用要領」の一部改正について(令和7年9月30日・新旧対照表=「特定技能」の在留期間を「1年を超えない範囲内」から「3年を超えない範囲内」へ)(出入国在留管理庁)
  13. 「出入国管理及び難民認定法施行令及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法施行令の一部を改正する政令案」等に係る意見募集について(案件番号315000136・案の公示日2026年7月3日・受付締切2026年8月3日/関連資料「在留許可手数料の額及び減額又は免除の対象者等について」=許可期間別の改定後の額の案・施行日 令和8年10月1日。案の作成=出入国在留管理庁)(e-Govパブリック・コメント(デジタル庁))
  14. 年会費と受入負担金(1号特定技能外国人1人あたり月12,500円/賛助会員の年会費24万円/正会員団体傘下はJACへの年会費なし・確認日2026年8月10日)(建設技能人材機構(JAC))
  15. 受入れ事業所(賛助会員)の年会費(工業製品製造技能人材機構(JAIM))
  16. 特定技能所属機関・登録支援機関による届出(定期届出の対象期間4月1日〜翌年3月31日・提出期限は翌年5月31日/随時届出は事由発生から14日以内/確認日2026年8月10日)(出入国在留管理庁)
  17. 特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和8年4月1日一部改正・確認日2026年8月10日)(出入国在留管理庁)
  18. 特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令(e-Gov法令検索)
  19. 職業安定法(第32条の3第2項=求職者からの手数料徴収の原則禁止)(e-Gov法令検索(デジタル庁))
  20. 出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(特定技能1号の項の下欄 第三号=外国の機関へ支払う費用の額及び内訳の理解・合意/第五号=定期に負担する費用の理解・合意・実費相当その他適正な額・明細書その他の書面の提示)(e-Gov法令検索(デジタル庁))
  21. 令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)(令和8年3月31日公表・常用就職1件あたりの手数料 約103万円=国籍で絞らない全職種の集計/「特定技能の在留資格に係る職業紹介」区分=常用就職23,142件・手数料合計7,963,409千円/国外にわたる職業紹介〔上記の外数〕の同区分=就職件数15,984件)(厚生労働省)
  22. 令和4年度委託 職業紹介業に関するアンケート調査 報告書(令和5年3月・求人者調査 図表I-29=採用1件あたりの平均的な手数料の額・3分野の職種912,863.2円/3分野以外の職種1,089,459.7円)(厚生労働省)
  23. 職業紹介事業における職種別手数料、離職状況について(全職種の平均手数料率実績24.0%・令和7年4月からの実績開示義務化と人材サービス総合サイト)(厚生労働省)
  24. 職業安定法施行規則(第20条第2項=求職者から手数料を徴収できる例外の限定列挙/第24条の8第3項第4号=手数料率実績の分母=「あつせんにより就職した求職者が従事すべき業務につき一年間に支払われることが見込まれる賃金額」)(e-Gov法令検索(デジタル庁))