特定技能「資源循環」とは|受け入れはいつから?対象業務・企業の要件と今できる準備
目次
「処理施設の現場が高齢化して、若手の採用が続かない」「資源循環でも特定技能が使えるようになると聞いたが、いつから・うちの許可で対象になるのか」——廃棄物処理・リサイクル業界のそんな疑問に答えるページです。結論から言うと、資源循環分野は2026年1月23日の閣議決定で特定技能の対象分野に追加されましたが、特定技能としての受け入れはまだ始まっていません(試験・開始時期は未公表。2026年7月15日時点)。特定技能1号の受入見込数は3年間で900人と、同時に追加された3分野で最小の「狭き門」です。このページでは、現時点で確定していることと、開始に備えて企業が今できる準備を整理します。
この記事の要点
- 対象分野には入ったが、特定技能の受け入れはまだ — 2026年1月23日の閣議決定で制度上の対象分野(19分野)に追加。ただし受入れ可能な分野一覧には未掲載で、試験の実施団体・日程も未公表です(2026年7月15日時点)。なお育成就労制度の側は2027年4月からの運用開始が示されています。
- 対象業務は「中間処理」・受け入れできる企業は許可・認定事業者に限定 — 業務区分は「廃棄物処分業(中間処理)」の1区分。処分業の許可や各リサイクル法の認定を持つ事業者などに限られ、直接雇用のみです。
- 枠は小さい — 特定技能1号は3年間で900人=分野の就業者数の見込み(2028年度・約10万5,000人)の1%未満。開始前の情報収集と体制づくりが結果を分けます。
資源循環分野は特定技能としての受け入れ開始前です。本記事は2026年1月23日閣議決定の分野別運用方針(別紙19)と環境省の公表情報に基づきますが、開始時期・試験・要件の詳細は今後の省令・運用要領で確定します。この記事の内容だけで採用計画を確定せず、必ず出入国在留管理庁・環境省の最新情報を確認してください。
資源循環分野が特定技能の対象に追加された
2026年1月23日の閣議決定で、特定技能の対象分野に物流倉庫・リネンサプライ・資源循環の3分野が追加され、制度上の対象は19分野になりました。資源循環分野の所管は環境省です。対象分野全体の一覧と各分野の要件は特定技能の対象分野 一覧で整理しています。
背景には廃棄物処理業の構造的な人手不足があります。分野別運用方針では、2028年度に必要な就業者数12万2,000人に対して1万7,000人の人手不足が見込まれ、有効求人倍率は5.35倍(2024年度)と高い水準です。同じ閣議決定で育成就労制度(技能実習に代わる新制度)でも資源循環分野の受け入れが規定されています(育成就労の対象分野)。
受け入れはいつから始まる?——特定技能は未公表・育成就労は2027年4月
特定技能としての受け入れは、まだ始まっていません。 出入国在留管理庁の受入れ可能な分野一覧に資源循環は未掲載で、技能試験「資源循環分野特定技能1号評価試験」も名称が決まっているのみ。実施団体・日程について、所管の環境省は「詳細が決まり次第お知らせします」としています(2026年7月15日時点)。
一方、同じ資源循環分野でも育成就労制度の側は2027年4月からの運用開始が環境省から示されています。「特定技能=時期未公表/育成就労=2027年4月」という進み方の違いを混同しないのがポイントです。
開始時期の目安はある?——同じ日に決まった3分野の進み方(2026年7月15日時点)
開始時期そのものは未公表ですが、待ち時間の感覚をつかむ参照点はあります。資源循環と同じ2026年1月23日の閣議決定で追加された3分野が、その後どう進んだかです。当サイトで3分野の公表を追跡した現在地は次のとおりです。
| 分野 | 受入れ開始の状況 | 技能試験 | 特定技能1号の受入見込数(3年間) |
|---|---|---|---|
| リネンサプライ | 受入れ可能(2026年6月1日に入管庁の「受入れ可能な分野一覧」へ掲載=閣議決定から約4ヶ月) | 未公表 | 4,300人 |
| 物流倉庫 | 準備中(一覧に未掲載) | 開始時期「調整中・未定」(国土交通省) | 11,400人 |
| 資源循環(本記事) | 準備中(一覧に未掲載) | 実施団体・日程 未公表(環境省) | 900人 |
先行したリネンサプライは、閣議決定(1月23日)→分野別協議会の初回会合(4月7日)→運用要領の制定・一覧掲載(6月1日)という経過をたどりました。資源循環が同じ経過をたどるかは公表されていませんが、「閣議決定から一覧掲載まで数ヶ月単位の準備期間があった」という先行分野の実績は、準備スケジュールを考えるうえでの参考になります。開始時期・試験日程などの公式発表が出たら、本記事と特定技能の最新動向を更新します。
対象業務は「中間処理」——収集・運搬は業務区分に含まれない
分野別運用方針(別紙19)で確定している対象業務は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業務区分 | 「廃棄物処分業(中間処理)」の1区分 |
| 従事する業務 | 一般廃棄物・産業廃棄物の中間処理(減量化・減容化・安定化・安全化)を行う業務 |
| 関連業務 | 破砕・中和・焼却等の設備操作、燃え殻の集約作業などに付随的に従事することは可 |
注意したいのは、廃棄物の収集・運搬そのものは業務区分に含まれていないことです。解説情報のなかには収集・運搬を対象業務に含めて紹介しているものも見られますが、閣議決定された運用方針の業務区分は「廃棄物処分業(中間処理)」の1区分です。関連業務としてどこまで付随的な従事が認められるかの具体的な線引きは、今後の運用要領で確定していく部分があるため、収集・運搬の現場を想定している場合は特に公式情報の確認をおすすめします。
受け入れできるのは許可・認定を持つ処理業者——企業側の要件
受け入れる企業の側は、廃棄物処理法などの許可・認定を持つ事業者に厳格に限定されています。分野別運用方針の別添に列挙された類型の代表例は次のとおりです。
- 廃棄物処分業の許可業者:一般廃棄物処分業者・産業廃棄物処分業者・特別管理産業廃棄物処分業者
- 廃棄物処理法上の認定業者:再生利用認定・広域的処理認定・無害化処理認定を受けた事業者
- 各リサイクル法の認定・指定事業者:容器包装リサイクル法・家電リサイクル法・小型家電リサイクル法・プラスチック資源循環促進法・再資源化事業等高度化法に基づく認定事業者・指定法人など
あわせて、雇用形態は直接雇用のみで、環境大臣が設置する分野別協議会の構成員となることが受け入れの条件です。環境省の案内では、資源循環分野は協議会が加入を希望する機関に対して書面および実地による確認(優良機関認証)を実施し、この確認は受け入れ前だけでなく受け入れ後も定期的に行われ、認証されなかった場合は受け入れ要件を満たさないとされています(具体的な確認事項は協議会が設定・詳細は今後の公表を確認)。受け入れ側の確認が丁寧に設計されている分野です。
自社の許可・認定が対象類型に該当するかは、別添の原文で確認するか、行政書士などの専門家と連携して確認するのが確実です(当サイトは在留資格の申請代行・書類作成は行いません)。
受入見込数は3年間で900人——就業者の1%未満の「狭き門」
特定技能1号の受入見込数は、2026年度からの3年間で900人が上限として運用されます。同時に追加された3分野では最小の枠です(物流倉庫11,400人・リネンサプライ4,300人)。育成就労側は2027年度からの2年間で3,600人、分野全体では4,500人とされています。
この900人がどれくらい「狭い」か。分野別運用方針の数値から計算すると——
- 特定技能1号の枠900人は、資源循環分野(廃棄物処分業=中間処理)の就業者数の見込み(2028年度・約10万5,000人)の1%未満(約0.9%・編集部算出)
- 見込まれる人手不足1万7,000人に対して、特定技能+育成就労で受け入れる外国人材は計4,500人=不足の4分の1程度(約26%・編集部算出)。残りは生産性向上や国内人材の確保で埋める前提の制度設計です
つまり「制度が始まれば人手不足が解消する」規模ではなく、開始直後は枠も採用ルートも限られるとみるのが現実的です。だからこそ、開始前からの情報収集と受け入れ体制の検討が結果を分けます。
試験と日本語の要件
分野別運用方針では、技能水準は「資源循環分野特定技能1号評価試験」、日本語能力は「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上とされています。ただし、試験の実施団体・日程はまだ公表されていません(2026年7月15日時点)。
また、資源循環分野は現状特定技能1号のみが対象で、2号の規定はありません。
開始に備えて企業が今できる準備
受け入れ開始前でも、次の準備は進められます。
- 制度の全体像をつかむ — 特定技能の仕組み・企業側の義務は分野共通です。特定技能採用の完全ガイドで受け入れ要件・支援義務まで全体像を把握できます。
- 費用感と採用の段取りを知る — 採用にかかる費用の構造や、採用決定から就労開始までの流れも分野共通の部分が大半です。採用の流れと採用費用・相場が参考になります。
- 支援体制の情報収集 — 特定技能1号では義務的支援が必要で、多くの企業は登録支援機関に委託します。どんな機関があるか・費用感を先に知っておくと、開始後すぐ動けます。
まとめ
資源循環分野は2026年1月23日の閣議決定で特定技能の対象分野に追加されましたが、特定技能としての受け入れはまだ始まっていません(試験・開始時期は未公表。育成就労側は2027年4月開始が示されています)。確定しているのは、対象業務が廃棄物処分業(中間処理)の1区分で収集・運搬を含まないこと、受け入れ企業が処分業許可・各リサイクル法の認定などを持つ事業者に限定され直接雇用のみであること、受入見込数が3年間で900人(1号のみ・就業者の1%未満)であることです。枠が小さい分野だからこそ、公式発表を待ちながら制度理解と支援体制の情報収集を先に進めておくのが現実的な備えです。
制度全体の最新の動きは特定技能の最新動向で追っています。
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よくあるご質問
- 資源循環分野の特定技能はいつから受け入れできますか?
- まだ受け入れは始まっていません(2026年7月15日時点)。2026年1月23日の閣議決定で対象分野に追加されましたが、出入国在留管理庁の受入れ可能な分野一覧には未掲載で、試験の実施団体・日程も未公表です(環境省は「詳細が決まり次第お知らせします」としています)。なお同じ資源循環分野でも、育成就労制度の側は2027年4月からの運用開始が示されています。
- 資源循環分野ではどんな業務を任せられますか?収集・運搬は含まれますか?
- 業務区分は「廃棄物処分業(中間処理)」の1区分で、一般廃棄物・産業廃棄物の中間処理(減量化・減容化・安定化・安全化)を行う業務が対象です。破砕・中和・焼却等の設備操作などの関連業務に付随的に従事することはできますが、分野別運用方針(別紙19)の業務区分の定義に、廃棄物の収集・運搬そのものは含まれていません(詳細は今後の運用要領で具体化されます)。
- 廃棄物処理業の許可がない会社でも受け入れできますか?
- 受け入れできる事業者は、一般廃棄物・産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の処分業許可を持つ事業者や、容器包装・家電・小型家電・プラスチック資源循環などの各リサイクル法の認定・指定を受けた事業者など、分野別運用方針の別添に列挙された類型に限定されています。加えて環境大臣が設置する分野別協議会の構成員になることが必要です。自社が該当するかは別添の原文確認と、必要に応じて行政書士などの専門家との連携をおすすめします。
- 資源循環分野の受入見込数と、特定技能2号の有無を教えてください。
- 特定技能1号の受入見込数は2026年度からの3年間で900人が上限とされ、同時に追加された3分野では最小です(物流倉庫11,400人・リネンサプライ4,300人)。育成就労側は2027年度から2年間で3,600人。資源循環分野は現状、特定技能1号のみが対象で、2号の規定はありません。数値・制度は変わる可能性があるため最新の分野別運用方針で確認してください。